有価証券報告書-第51期(平成29年10月1日-平成30年9月30日)

【提出】
2018/12/25 12:56
【資料】
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【項目】
110項目
当社グループにおける経営方針、経営環境および対処すべき課題等は以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1) 経営の基本方針
当社グループでは、経営理念である「社員の創造性と相互の信頼を育み、美しく、快適な地球環境づくりに邁進する世界の技術と頭脳の会社を創造する。」の具現化として、「人・夢・技術」を掲げております。
株主様・顧客・社員を含めた国民(社会)である「人」に幸福を提供するため、そして、「人」が満足出来る「夢」を叶えるため、高度な専門・マネジメント等の「技術」を日々向上し成長を続けていくことを基本方針としております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、2019年9月期における業績目標を、売上高291億円、営業利益16億50百万円、経常利益16億30百万円、親会社株主に帰属する当期純利益8億80百万円としております。
(3) 経営戦略
当社は、企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資するため、2016年10月からスタートする3事業年度に関する中期経営計画「長大持続成長プラン2016」を策定しております。計画期間中実施する施策の重点は、以下の6点であります。以下の施策を着実に実行することで、当社の持つ経営資源を有効に活用するとともに、様々なステークホルダーとの良好な関係を維持・発展させ、当社および当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の向上に資することができると考えております。
① 国内事業ニーズの先取り
国内事業ニーズは、設計から維持管理や老朽化対策へ一層シフトし、頻発する大規模災害対応や防災・減災対応も引き続き重要になります。また、コンパクト&ネットワークのまちづくり、地域づくりに加え、ICTを活用した自動化・ロボット、CIM、i-Construction、ビッグデータ活用関連の事業フィールドが拡大します。さらにPPP、コンセッション、ECI、DBなど多様な事業方式および契約方式を採用する事業が増えます。国内では、これら変化する事業ニーズを先取りして取組んでまいります。
② 海外事業領域拡大
海外インフラ事業では橋梁・道路に加え鉄道の大型プロジェクトが柱になります。新領域事業では小水力発電などの再生可能エネルギー、地域開発、観光情報などのビジネスの事業性を評価・確認しながら事業を拡大、前進させてまいります。
③ 新事業推進戦略
事業推進戦略を打ち出した2010年以降、事業環境も変化しているため、事業ニーズや領域拡大を踏まえて2016年に事業推進戦略を見直し、新事業推進戦略として展開してまいります。
④ 組織改編
事業ニーズの変化や事業領域拡大に伴い、事業本部の横断的業務が徐々に増え、今後も増大が見込まれます。このため、将来の事業本部改編を睨んだ組織の改組を実施いたします。
⑤ 株主等との適切な関係構築
当社が公表した「コーポレートガバナンスにかかわる方針と取組み」の中では株主および株主以外のステークホルダーとの適切な関係を築くことを表明しており、その具体的取組みを実行してまいります。
⑥ 社員のワークライフバランスの実現
少子高齢化社会の中で、当社グループは多様な環境で就業する社員に対し、働き易い環境で就業できる選択肢を提供することが求められています。ワークライフバランス実現のため当社でも制度的な充実とその適正な運用を推進してまいります。
(4) 当面の対処すべき課題の内容等
建設コンサルタントを取巻く経営や事業の環境変化は大きく、早期の対応が課題となっています。大きな環境変化とは、①情報通信技術(以下ICT)の急速な進展、②頻発する大規模災害、③再生可能エネルギー分野の拡大、④地方創生と増大する民間の役割、⑤多様化する海外事業とそのリスク管理、⑥より一層の働き方改革の推進であります。今後、当社グループは他社に先んじて上記環境変化に対処してまいります。
① ICTの急速な進展とその対応
建設産業は、質の高いインフラの整備とサービスを実現するために最先端のICTを活用した建設生産システムの導入と普及が課題となっています。当社グループも建設コンサルタントとして様々な関連技術の開発や導入に注力しており、オンデマンドシステムによる過疎地へのモビリティ支援事業(コンビニクルの全国自治体展開)や道路施設台帳管理情報システム、橋梁点検ロボットの開発や導入等を実現してきました。今後は、インフラ整備、維持管理を計画当初から3次元モデルで設計、監理する新たな建設生産システムとしてのi-Constructionの実現に向けた産官学連携、交通や人の移動に関するビッグデータの活用によるソリューションの提案、それらの市場展開などを積極的に進めてまいります。
② 頻発する大規模災害へのグループとしての対応
東日本大震災以降、地震や台風、豪雨等による自然災害が頻発しています。第51期におきましても当社グループは、道路・橋梁および地質・地盤の専門技術者が災害発生直後から現地に入り、被災状況把握から復旧・復興に向けて大きな役割を果たしてまいりました。その際、ONE長大グループとして対応するため『長大グループ災害対応マニュアル』を作成し、迅速な災害対応にあたりました。今後も自然災害発生時は、当社グループ連携のもと、社会貢献の一環としてグループ独自に対応を行い、行政支援、被災地支援に貢献してまいります。
③ 再生可能エネルギー分野への拡大
地球規模での再生可能エネルギーの導入が求められる中、国内では第5次エネルギー基本計画が策定され、2030年に向け再生可能エネルギーの主力電源化が明言されました。当社グループは、これまで以上に国内外における再生可能エネルギー事業に積極的に参画し、再生可能エネルギー政策の実現に貢献してまいります。第51期では、海外では比国ミンダナオ島における小水力発電事業の取組み、国内では青森県における風力、地熱エネルギー開発事業に積極的に関与しています。今後は、より一層再生可能エネルギー事業の取組みを拡大してまいります。
④ 地方創生と増大する民間の役割
民間が大きく関与するPPP/PFI事業は、我が国のインフラ整備、維持管理、運営の新たな手法であり、今後のインフラビジネスとして成長が期待されています。現在、地方創生に向け公共施設のPFI手法による運営が活発化しており、特に近年では空港や道路事業を対象としたコンセッション事業(事業運営権譲渡による事業運営)が注目を浴びています。当社は、各種公共施設等でのPFI手法のアドバイザリー業務ならびに運営業務において、業界でもトップクラスの経験と実績を有しており、上述の再生可能エネルギー事業との複合展開に大きな可能性が見込まれるなど、当社グループの更なる展開が期待されます。
⑤ 多様化する海外事業とそのリスク管理
現在アジア地域を主な市場とする海外事業は、これまでの橋梁設計、監理事業に鉄道関連事業を加え二本の基幹事業とし、港湾などの埋立てや地盤改良事業、また小水力発電事業や関連する地域開発事業なども加え多様な展開を進めています。その一方で、近年の中国経済の減速やテロ等のリスクにも晒されています。これに対し当社グループにおきましては、安全管理として、関連する情報の迅速な入手と共有など、グループ子会社等に対する安全対策の強化を図っております。また、事業執行面では情報の共有や人材の有効活用など、組織を超えてとるべきアクションを迅速に実践する仕組みを構築するなど、今後は更なる企業ガバナンスの強化を図り、効率的な海外展開を進めてまいります。
⑥ より一層の働き方改革の推進
近年、我が国の産業界全体において長時間労働やダイバーシティへの対応が課題となっています。当社グループにおきましても、妊娠や子育てに直面する社員、要介護家族を抱える社員、外国人社員、障がいを抱える社員等、多様な社員が働いています。当社グループは、ワークライフバランスの実現とダイバーシティの受入れが企業の成長要件と考えており、福利厚生の充実とともに多様な働き方を選択できる制度を整えてきました。第50期を働き方改革元年と位置付け、それまで過去3年に亘って検討してまいりました諸施策を実行へと移してまいりました。特に女性活躍促進やシニア社員の活性化に向けて力を入れており、第51期には、当社の全女性社員が『7Cプロジェクトメンバー』となり、7つの輝きを持ちながら活躍する風土や仕組みを構築しました。
また、シニア技術者がそれまでに培った経験と技術を永く活かせる仕組みも制度化し、実践しています。さらには、働きながら子育てする社員に対する支援や待機児童の解消に向けた取組みとして、当社が代表となり同業3社で「かけはし保育園」を設立し運営しております。このように、当社グループは、働き方改革を通じ、当社グループの課題解決にとどまらず、社会全体への貢献を目指してまいります。
(5) 会社の支配に関する基本方針
① 基本方針の内容
当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式等の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式等の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式等の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきだと考えています。但し、株式等の大規模買付提案の中には、たとえばステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性があるなど、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるものや、当社グループの価値を十分に反映しているとは言えないもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をされるために必要な情報が十分に提供されないものもありえます。
そのような提案に対して、当社取締役会は、株主の皆様から経営責任を負託された者の責務として、株主の皆様のために、必要な時間や情報の確保、株式等の大規模買付提案者との交渉などを行う必要があると考えています。
② 取り組みの内容
イ.基本方針の実現に資する特別な取組み
当社の中期経営計画に基づく取り組みは、(1)経営の基本方針から(4)当面の対処すべき課題の内容等に記載のとおりです。
ロ.不適切な者によって支配されることを防止する取組み
当社は、基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み(会社法施行規則第118条第3号ロ)の一つとして、当社株式等の大規模買付行為に関する対応策を導入しております。
その対応策は、2007年12月21日開催の第40回定時株主総会で承認され、2010年12月22日開催の第43回定時株主総会、2013年12月19日開催の第46回定時株主総会および2016年12月20日開催の第49回定時株主総会でその継続が承認されています。
当社は、この対応策によって、当社株式等の大規模買付行為を行おうとする者が遵守すべきルールを策定するとともに、一定の場合には当社が対抗措置をとることによって大規模買付行為を行おうとする者に損害が発生する可能性があることを明らかにし、これらを適切に開示することにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない当社株式等の大規模買付行為を行おうとする者に対して、警告を行うものです。
③ 取締役会の判断及びその判断に係る理由
イ. 前記②イ.の取組みは、当社の企業価値を継続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、前記①の基本方針に沿うものであって、株主共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。
ロ.前記②ロ.の取組みについては、大規模買付行為に関する情報提供を求めるとともに、大規模買付行為が当社の企業価値を毀損する場合に対抗措置を発動することを定めるものであり、前記①の基本方針に沿ったものであります。また、株主意思を尊重するため、株主総会の承認を得ており、さらに、取締役会によって恣意的な判断がなされることを防止するために独立委員会を設置しております。取締役会は独立委員会の勧告を最大限に尊重したうえで、対抗措置の発動を決議することとしております。その判断の概要については、適時に株主の皆様に情報開示することとしているため、その運営は透明性をもって行われます。
したがって、当社取締役会としては、株主共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。

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