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有価証券報告書-第52期(平成30年10月1日-令和1年9月30日)

【提出】
2019/12/23 16:13
【資料】
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【項目】
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当社グループにおける経営方針、経営環境および対処すべき課題等は以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において判断したものです。
当連結会計年度における世界情勢は、米中の貿易摩擦やそれに連動する世界のサプライチェーンへの影響、英国のEU離脱をめぐる欧州経済の不透明さ、アジア圏では朝鮮半島の不安定さや香港の一国二制度に対する混乱など、依然として不透明な状況が続いております。こうした状況の下、IMF(国際通貨基金)は2018年4月の経済成長率3.9%から2019年同月には3.3%へと下方修正を行うなど、世界経済の成長見通しは、ここに来て下振れリスクを伴う状況となっております。
国内では、米中の貿易摩擦による影響を受け輸出の減速、それに伴う製造業やそれら設備投資の伸びの鈍化などが顕在化しはじめております。また、「東京2020オリンピック・パラリンピック」などに向けての建設需要や不動産需要による景気の押し上げも一段落し、今後は消費税10%導入による消費の落込みなどの懸念が残り、国内経済においても不透明感は依然として続くものと思われます。
建設コンサルタント業界では、近年ますます顕在化する自然災害リスクに備え、国土強靭化の推進や社会資本老朽化に対する適切な維持管理、長寿命化、更新への危急的な対応が求められています。また、急速に高度化するICTによる社会インフラ分野での事業構造の進化、AIや自動運転技術に裏打ちされるモビリティサービスの高度化、急速に進む少子高齢化への備えや実効性のある地域創生への対応、さらには、現在大きな変革期にある国内エネルギーの需要、供給政策への対応など、これまでに無いスピードで発展する社会への貢献、コミットが求められております。これらは、いずれも我が国の発展に向けた根幹部分であり、その実現に向けた建設コンサルタントが果たすべき役割は、ますます大きくなっております。
このような中、2019年度当初予算が3月に成立し、厳しい財政状況下においても、公共事業関係費は前年同水準の約6兆円が確保されるとともに、「防災・減災、国土強靭化のための3ヵ年緊急対策」として2019年度は7,300億円が計上され、公共事業を取り巻く環境は堅調に推移しております。
(1) 経営の基本方針
当社グループでは、経営理念である「社員の創造性と相互の信頼を育み、美しく、快適な地球環境づくりに邁進する世界の技術と頭脳の会社を創造する。」の具現化として、「人・夢・技術」を掲げております。
株主様・顧客・社員を含めた国民(社会)である「人」に幸福を提供するため、そして、「人」が満足出来る「夢」を叶えるため、高度な専門・マネジメント等の「技術」を日々向上し成長を続けていくことを基本方針としております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、2020年9月期における業績目標を、売上高304億円、営業利益19億80百万円、経常利益19億90百万円、親会社株主に帰属する当期純利益12億10百万円としております。
(3) 経営戦略
当社グループは、企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資するため、2019年8月に、2030年をマイルストーンとした長期的なビジョンとその実現に向けた戦略をとりまとめた「長期経営ビジョン2030」を策定しております。さらに、この「長期経営ビジョン2030」の実現に向けての第一歩として、2019年10月に公表しました中期経営計画「持続成長プラン2019」を策定し、今後3年間を長大グループのさらなる成長に向けた基盤づくりを行う重要なステージと位置づけ、より具体的な目標及び施策をとりまとめております。
「持続成長プラン2019」
数値目標
売上高(百万円)営業利益(百万円)従業員数(人)
連結35,7003,000約1,750
個別20,0001,700約 900

目標達成に向けた施策
「持続成長プラン2019」では、『基幹事業の強化と新たな成長の基盤づくり』を基本方針としております。引き続き要請の多い国土強靭化やインフラ維持管理等のニーズに対応した基幹事業の強化・拡大を図るとともに、新領域における事業開発や海外事業の強化、人材の確保及び育成への投資を重点的に行ってまいります。計画期間中は以下の6つの方針に基づき事業を推進してまいります。
方針1 基幹事業の強化と拡大
構造、道路、交通ITS、環境、地盤など、基幹となるコンサルティング事業における国土強靭化や維持管理分野の受注拡大、また、未開拓の省庁、自治体、民間企業等からの受注拡大を図ってまいります。特に、自治体の未開拓エリアについては、技術部門と営業部門の連携、また、基礎地盤コンサルタンツ等のグループ会社との連携を強化することで、受注の拡大を図ってまいります。
方針2 新領域の事業基盤の整備
再生可能エネルギー分野では、技術部門と営業部門が連携した公共及び民間市場の開拓により、コンサルティング事業およびサービスプロバイダ事業の今後の成長のための基盤を整備してまいります。また、PPP/PFI分野では、アドバイザリー業務(コンサルティング事業)に加えて、事業参画案件の拡大や長大主導による「地域創生型収益事業」の開発など、将来の基幹事業となるサービスプロバイダ事業の基盤を整備してまいります。さらに、エコプロダクツを始めとするプロダクツ事業についても、新たな製品開発や販路の開拓による事業基盤を整備してまいります。
方針3 海外事業の強化と地域の重点化
海外における構造、鉄道、地盤、再生可能エネルギー等のコンサルティング事業の人員体制の強化により、受注の増加と安定を図ってまいります。特に、鉄道事業を中心にM&Aやキャリア採用等を推進し、元請けでの受注獲得を目指してまいります。また、東南アジアを「重点地域」として常駐社員を配置する「攻めの営業」へと転換してまいります。
方針4 イノベーションとIT化の推進
長期経営ビジョンのマイルストーンである2030年に向けたさらなる成長や持続可能な社会形成に寄与するため、新たなインフラ技術の開発、新分野への進出や新ビジネスの創出など、様々な角度からのイノベーションを推進してまいります。また、既存のインフラ技術サービスや社内プロセスのIT化推進により、生産性の飛躍的な向上を図ってまいります。
方針5 働き方改革とダイバーシティの推進
働き方改革をさらに推し進めることで、女性、シニア、外国人など、多様な人材が働きやすい環境を創出し、人材のダイバーシティを推進してまいります。
方針6 成長基盤となる人材の育成と組織づくり
プロフェッショナル人材が成長の源泉であることから、新卒・キャリア採用やM&A等による人材獲得、技術士等の資格取得の支援を強化してまいります。また、組織をスリム化・フラット化することで、プロフェッショナル人材がよりパフォーマンスを発揮しやすい組織づくりを行ってまいります。
以上の方針に基づき事業を着実に推進することで、当社の持つ経営資源を有効に活用するとともに、様々なステークホルダーとの良好な関係を維持・発展させ、当社および当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の向上に資することができると考えております。
(4) 当面の対処すべき課題の内容等
建設コンサルタントを取巻く経営や事業の環境変化は大きく、早期の対応が課題となっております。大きな環境変化とは、①情報通信技術(以下ICT)の進展とインフラ技術への活用推進、②頻発する大規模災害、③再生可能エネルギー分野の拡大、④地域創生と増大する民間の役割、⑤多様化する海外事業とそのリスク管理、⑥より一層の働き方改革の推進、⑦持続可能なグローバル社会形成への貢献であります。今後、当社グループは、他社に先んじて上記環境変化に対処してまいります。
①ICTの進展とインフラ技術への活用の推進
建設産業は、質の高いインフラの整備とサービスを実現するために最先端のICTを活用した建設生産システムの導入・普及が課題となっております。当社グループも、建設コンサルタントとして様々な関連技術の開発・導入に注力しており、オンデマンド交通支援システムによる過疎地へのモビリティ支援事業(コンビニクルの全国自治体展開)や橋梁点検ロボットの開発、特許取得、導入等を実現してまいりました。今後は、インフラ整備、維持管理を3次元モデルで設計、監理する新たな建設生産システムとしてのi-Constructionの実現に向けた産官学連携、オンデマンド交通支援技術を応用した自動運転の実現に向けた各種実証実験、これらモビリティも含めた将来のまちづくり事業や市場展開などを積極的に進めてまいります。
また、それらの実現に向けては、ICT技術の高度化やイノベーションの強力な推進などが求められますが、第53期より技術戦略推進センターの新設、技術開発への投資強化、M&Aによる体制強化などを積極的に進めてまいります。
②頻発する大規模災害へのグループとしての対応
東日本大震災以降、地震や台風、豪雨等による自然災害が頻発しております。当中期経営計画期間中におきましても、当社グループは、道路・橋梁および地質・地盤の専門技術者が災害発生直後から現地に入り、被災状況把握から復旧・復興に向けて、大きな役割を果たしてまいりました。その際、ONE長大グループとして対応するため『長大グループ災害対応マニュアル』を作成し、迅速な災害対応にあたりました。今後も自然災害発生時は、当社グループ連携のもと、社会貢献の一環としてグループ独自に対応を行い、行政支援や被災地支援に貢献してまいります。
③再生可能エネルギー分野の拡大
地球規模での再生可能エネルギーの導入が求められる中、国内では第5次エネルギー基本計画が策定され、2030年に向け再生可能エネルギーの主力電源化が明言されております。当社グループは、これまで以上に国内外における再生可能エネルギー事業に積極的に参画し、再生可能エネルギー政策の実現に貢献してまいります。第52期では、海外におけるフィリピン国ミンダナオ島における小水力発電事業の共用開始などの更なる推進、国内における山梨県南部町におけるバイオマス発電事業、青森県における風力、地熱エネルギー開発事業に積極的に関与しております。今後は、より一層再生可能エネルギー事業の取組みを拡大してまいります。
④地域創生と増大する民間の役割
インフラの整備・維持管理・運営に民間が大きく関与するPPP/PFI事業は、我が国のインフラ整備・運営手法として期待されており、新たなインフラビジネスとして成長を続けております。現在、地域創生に向け、公共施設のPFI手法による運営が活発化しており、特に近年では空港や道路事業を対象としたコンセッション事業(事業運営権譲渡による事業運営)が注目を浴びております。その中で、当社は、各種公共施設等におけるPFI手法のアドバイザリー業務ならびに運営業務について業界でもトップクラスの経験と実績を有しているとともに、前述の再生可能エネルギー事業との複合展開や、地域創生に向けた事業創出型PPP/PFI事業に大きな可能性を見込んでおり、長大グループの更なる展開が期待されております。
⑤多様化する海外事業とそのリスク管理
現在、アジア地域を主な市場とする海外事業は、これまでの橋梁設計、監理事業に鉄道関連事業を加えた二本を基幹事業とし、港湾などの埋立て、地盤改良事業、また小水力発電事業や関連する地域開発事業など、多様な展開を進めております。その一方で、近年の中国経済の減速やテロ等のリスクにもさらされております。これに対し当社グループにおきましては、安全管理面として、関連情報を迅速に入手し共有するなどグループ子会社等に対する安全対策の強化を図っております。また、事業執行面では、情報の共有や人材の有効活用など、組織を超えてとるべきアクションを迅速に実践する仕組みを構築し、今後の更なる企業ガバナンスの強化を図り、効率的な海外展開を進めてまいります。
⑥より一層の働き方改革の推進
近年、我が国の産業界全体において、長時間労働やダイバーシティへの対応が課題となっております。当社グループにおきましても、妊娠や子育てに直面している社員、要介護家族を抱える社員、外国人社員、障がいを抱える社員等、多様な社員が働いております。当社グループは、ワークライフバランスの実現とダイバーシティの受入れが企業の成長要件と考えており、福利厚生の充実とともに多様な働き方を選択できる制度を整えてまいりました。第50期を働き方改革元年と位置付け、それまで過去3年に亘って検討した諸施策を実行へと移してまいりました。特に女性活躍促進やシニア社員の活性化に向けて力を入れております。第51期では長大全女性社員が『7Cプロジェクトメンバー』となり、7つの輝きを持ちながら活躍する風土や仕組みを構築しております。また、シニア技術者がそれまでに培った経験と技術を永く活かせる仕組みもつくり実践しております。さらには、子育てをしながら働く社員に対する支援や待機児童の解消に向けた取組みとして、当社が代表となり三社共同運営の「かけはし保育園」を設立し運営しております。このように当社グループは、働き方改革を通じ、当社グループの課題解決だけではなく、社会全体への貢献を目指してまいります。
⑦持続可能なグローバル社会形成への貢献
昨今、SDGsに代表される持続可能な社会形成の重要性が増しており、企業にも貢献が求められております。長大は創業以来50年、長大グループの行ってきた事業活動そのものがSDGsと言っても過言ではありません。長大グループは、国内事業はもとより海外事業においても、より社会性の高い事業、例えば前述のフィリピン国ミンダナオ島における地域経済開発プロジェクトの経験と実績を活かしながら、多様なフィールドで展開してまいります。
これらを通じ、SDGsの先駆者として、国内外の自然環境と調和した社会基盤整備のための様々なサービス、当社グループ内におけるダイバーシティや脱炭素型経営の推進など、インフラサービスと企業活動の両面で、持続可能なグローバル社会形成への取組みに貢献してまいります。
(5) 会社の支配に関する基本方針
① 基本方針の内容
当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式等の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式等の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式等の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきだと考えております。但し、株式等の大規模買付提案の中には、たとえばステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性があるなど、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるものや、当社グループの価値を十分に反映しているとは言えないもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をされるために必要な情報が十分に提供されないものもありえます。
そのような提案に対して、当社取締役会は、株主の皆様から経営責任を負託された者の責務として、株主の皆様のために、必要な時間や情報の確保、株式等の大規模買付提案者との交渉などを行う必要があると考えております。
② 取り組みの内容
イ.基本方針の実現に資する特別な取組み
当社の中期経営計画に基づく取り組みは、(1)経営の基本方針から(4)当面の対処すべき課題の内容等に記載のとおりです。
ロ.不適切な者によって支配されることを防止する取組み
当社は、基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み(会社法施行規則第118条第3号ロ)の一つとして、当社株式等の大規模買付行為に関する対応策を導入しており、2019年12月20日開催の第52回定時株主総会でその継続が承認されております。
当社は、この対応策によって、当社株式等の大規模買付行為を行おうとする者が遵守すべきルールを策定するとともに、一定の場合には当社が対抗措置をとることによって大規模買付行為を行おうとする者に損害が発生する可能性があることを明らかにし、これらを適切に開示することにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない当社株式等の大規模買付行為を行おうとする者に対して、警告を行うものです。
③ 取締役会の判断及びその判断に係る理由
イ. 前記②イ.の取組みは、当社の企業価値を継続的に向上させるための具体的方策として策定されたもので
あり、前記①の基本方針に沿うものであって、株主共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位
の維持を目的とするものではないと判断しております。
ロ.前記②ロ.の取組みについては、大規模買付行為に関する情報提供を求めるとともに、大規模買付行為が
当社の企業価値を毀損する場合に対抗措置を発動することを定めるものであり、前記①の基本方針に沿っ
たものであります。また、株主意思を尊重するため、株主総会の承認を得ており、さらに、取締役会に
よって恣意的な判断がなされることを防止するために独立委員会を設置しております。取締役会は独立委
員会の勧告を最大限に尊重したうえで、対抗措置の発動を決議することとしております。その判断の概要
については、適時に株主の皆様に情報開示することとしているため、その運営は透明性をもって行われま
す。
したがって、当社取締役会としては、株主共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。

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