有価証券報告書-第45期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/26 16:11
【資料】
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【項目】
167項目
(2)戦略
①リスク及び機会
当社グループにおきましては、気候変動による世界的な平均気温の4℃上昇が社会に及ぼす影響は甚大であると認識し、気温上昇を2℃未満に抑制することを目指す動きに貢献していくことが重要であると考えています。
当社グループに影響を与える気候変動によるリスクにつきましては、まず2100年までの平均気温が4℃まで上昇した場合(以下、『4℃シナリオ』と表記)、災害等により顕在化する「物理的リスク」では、事業所や観光地が被災するリスクが重点リスクと考えられます。また、2℃未満に気温の上昇が抑えられた場合(以下、『2℃未満シナリオ』と表記)、その過程で生じる政策、法律、技術、市場等の「移行リスク」として、政策変更による炭素税導入などの間接コスト上昇が重点リスクと考えられます。
一方、影響には機会の側面もあり、新しいビジネスモデルや市場の開発、省エネ機器の性能向上、グリーンエネルギーのコストダウンなどのリスク低減策が考えられます。
②気候関連の影響
(a)シナリオ
気候変動が当社グループに与える影響度を測るうえで、背景にあるシナリオは、4℃シナリオではSTEPS(IEA)やRCP6.0、8.5(IPCC)、2℃未満シナリオではSDS(IEA)やRCP2.6(IPCC)をベースに検討中です。
(b)財務的影響
将来想定される炭素税導入や再生可能エネルギーへの切り替えの前提となる価格変動が、財務に影響を与えると考えられます。財務影響試算につきましては、今後リスク、機会の抽出を行ったうえで、特に重点と想定される炭素税による課税コスト及び再生可能エネルギーのコスト上昇などについて、多角的に影響を検討してまいります。
③対応策
当社グループの温室効果ガス排出量の大半は、電気、ガスの使用に由来しており、温室効果ガス排出量削減の取組みは、効率的なエネルギー使用と再生可能エネルギー由来燃料への切り替えが重要であると考えています。
効率的なエネルギーの使用につきましては、省エネ効果の高いエアコンなど、エネルギー効率の高い機器への入替えが有効な手段と考えられます。再生可能エネルギーへの切り替えは、情報収集を進め費用対効果をみながら導入を進めてまいります。いずれも長期的な視点から計画的な取組みが必要となります。
また、当社グループにおいては、4℃シナリオ、2℃未満シナリオのいずれのシナリオ下においても、中長期的視点から広い視野で今後生じることを想定し対策を講じてまいります。そのため、今後の事業戦略においてもマイナスであるリスクに対しては、適切な回避策を策定する一方、プラスである機会に対しては、柔軟に対応し当社の成長機会としてとらえていく考えです。