有価証券報告書-第42期(令和1年10月1日-令和2年9月30日)
(1) 経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当期の当社事業は、第2四半期決算短信(2020年4月28日開示)にてご報告した通り、2月末までは順調に推移していましたが、3月~5月の期間は、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けました。
小中学生部門および高校生部門とも、3月前半には小中高校の全国一斉休校に合わせて2週間休講しました。この期間、当塾の授業動画視聴システム(e-STEP)で全動画を塾生に開放すると共に、メールと電話での学習指導を行いましたが、対面での学習指導が完全にストップしたため、この期間の授業料はその9割(2億8千万円)を各ご家庭にお返しする措置をとりました。その後の春期講習はほぼ予定通り実施できましたが、4月7日の緊急事態宣言発令に伴い、5月末までの2ヶ月間、対面でのライブ授業を停止し、オンラインでの授業体制に全面的に移行しました。当社の持てる力の総力を挙げて、普段の授業を担当している教師が授業日に合わせて各スクールで授業を撮影し配信する態勢をとった結果、この2ヶ月間の動画配信数は4万本を超える数となりました。また、インターネット会議システム(Zoom)を活用したホームルームや双方向授業、在宅での模擬テスト等も同時に実施し、生徒の学習が中断しないよう全力で対応いたしました。しかしながら、入会当初にお約束していた対面授業は中断を余儀なくされたため、通常の授業料をいただくのは適切ではないと判断し、オンラインの期間、大幅に値下げした特別授業料(学年により約60~80%の値下げ)に移行しました。そのため、4月・5月は売上高が前年比マイナス8億4千万円となっています。
その後、首都圏の緊急事態宣言の解除を受け、6月から対面授業を再開し、感染対策を行いながらではありますが、現在では通常の運営に近い形に戻っています。7月後半から8月にかけての夏期講習は、学校の夏休みの時期が自治体によって大きく異なるという変則的な状況でしたが、講習の時間割を夜型に変える等の工夫を重ねた結果、例年に匹敵する授業時間数を確保することができました。特にすべての中学が休みだったお盆の時期には、新型コロナウイルスによる学習面での遅れと不安を解消すべく、中学3年生向けに午前中から長時間の集中講座を開講いたしました。その他の学年も例年とほぼ同等レベルの授業数を確保し、講習費もトータルでは前年並みの金額に設定することができたため、変則的な夏休みの影響は売上面ではむしろプラスに働く結果となりました。
生徒募集については、2月末までは例年以上に順調に進んでいました。しかし3月の全国一斉休校に伴い、入会の流れが一旦完全に止まりました。その後、授業を再開した春期講習時に入会の動きが復活しましたが、緊急事態宣言発令後は再度流れが止まり、それが5月末まで続きました。6月の対面授業復帰と共に、入会の動きも少しずつ再開しましたが、現状では完全な回復とまでは至っていません。また夏期講習での外部生の募集は例年と比べると減少しましたが、例年とは異なり夏期講習後の9月から現在まで入会の流れが途切れることなく続いています。
上記の流れを売上面でまとめたのが、下記の表です。
売上高前期比較
(単位:百万円)
第2四半期の後半から第3四半期に新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けたものの、第4四半期から回復しつつある状況です。
生徒数については、当事業年度における「期中平均生徒数」は27,647名となり、前年同期比2.1%増となっています。
3月~5月を総括的に振り返ります。まず小中高生を取り巻く状況ですが、今回のコロナ禍は私たちが接している多くの小中高生に深い爪痕を残しています。学校の休校による学習の中断、力を入れてきた部活の大会の中止、修学旅行や体育祭、文化祭等の行事の中止や縮小……。生活のモチベーションを失いがちになったり、ゲームやスマートフォンへの没頭や昼夜逆転の生活の進行、自宅にこもった生活が続く中で人間関係を作っていくことに対する回避傾向、そして勉強に対する諦め等、多くの影を落としています。現在、学校はいわゆる2学期に入っていますが、中学生を中心にかつて例のないほど多くの不登校や不登校気味の生徒が生まれています。
当社では、学校が休校になり対面授業が不可能になった段階で、オンライン授業に総力を挙げて取り組み、塾生の学習の継続をはかりました。さらに、インターネット会議システム(Zoom)を活用した双方向の授業やホームルーム等での交流は、オンライン上ではあるものの、顔と顔を突き合わせ人間関係を確認し、コミュニケーションをとる機会になり、それが学習の継続をサポートするだけでなく、生活にメリハリをもたらし生徒の前向きなモチベーションの支えになったと、多くの保護者の方から感謝の言葉をいただいています。
これら一連の対応や、早期に授業料の返金や大幅な値下げに踏み切ったことについて、塾生の保護者の方々からかつてないほど多くの感謝の声をいただきました。生徒・保護者に寄り添うという当社の姿勢を示すことが、結果的にご家庭からの信頼をより高めることにつながったと実感しています。
学習塾の仕事にとって、地域での信用・信頼はかけがえのない財産です。一時的に売上面でマイナスは生じましたが、長期的な視点で見ると当社の発展につながる施策となったと総括しています。生徒数については、現在回復途上にあり、これから時間をかけてコロナ禍以前の流れを引き寄せていきたいと考えています。
今春の小中学生部門の入試実績については、2018年10月31日付け「平成30年9月期決算短信」で公表した「横浜プロジェクト」(横浜市内の公立トップ校合格実績において当社の合格者数をナンバー1にするプロジェクト)を再び達成するとともに、「翠嵐プロジェクト」(横浜・川崎方面で影響力の強い名門進学校である横浜翠嵐高校の合格実績を大きく伸ばすプロジェクト)においても合格者を137名(昨春123名)として引き続き全塾中のトップとなり、二つの大きな目標を2年連続で達成することができました。これによって当社は、横浜市の学習塾の中でトップブランドとしての基盤を飛躍的に強化しつつあります。
また、神奈川県の公立トップ高校に2,183名が合格し、今春も神奈川全塾でトップの実績を残しました。県内公立トップ高校19校のうち15校において、また現制度を特徴づける特色検査(記述型)を実施した19校のうち15校において、塾別の合格者数で当社がトップとなりました。さらに、ステップ生の通学圏内で最難関の共学校である国立東京学芸大附属高校についても、合格者110名(外部進学生)に達し、12年連続で全塾中トップの合格者を出しています。
今春の大学入試結果については、国公立大学の合格者総数が196名(昨春168名)、なかでも最難関と言われる東京一工(東大、京大、一橋大、東工大)に31名、国立医学部に4名、いずれも現役で合格しました。私立大学においても、早慶上智が256名、いわゆる理大MARCH(東京理科大、明治、青山学院、立教、中央、法政)は合格者1,148名と最高記録を2年連続で更新しています。
緊急事態宣言の解除以降、業界全体としてはオンラインの映像授業を継続する流れと、対面でのライブ授業への復帰の大きく2つの流れが生じています。当社では4月・5月に全社を挙げてオンライン授業に取り組んだため、そのノウハウを蓄積でき、オンラインでの対応力を飛躍的に向上させることができました。一方で、ライブ授業の良さを、当社スタッフはもちろん、生徒・保護者が再発見する機会でもありました。生き生きと学ぶ、学んだことを定着させ、あるいは疑問点等を時間的・空間的距離を感じることなく解決でき、相互に励まし合いながら進んでいけるライブ授業の良さを、全教師が改めて確認し、モチベーションを一層高めることになりました。したがって、当社としてはオンライン対応での成果をノウハウとして活かしながら、「ライブ授業をメインに据えつつオンラインでの対応も活用していく」ハイブリッド型の指導を進めます。新型コロナウイルス感染症の今後の状況を注視しつつ、授業に限らず、塾生向けのガイダンスや保護者会等、オンラインとライブを状況に応じて使い分け、あるいは併用しながら運営していきます。
今回のコロナ禍におけるオンライン対応全般で得た生徒や保護者をはじめとした地域での信頼・信用は、今後の当社にとって大いに力になるものと考えており、実際にオンライン対応の評判を聞いての入会者は、夏休み以降も増えています。
引き続き、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策を徹底するとともに、今後の状況の変化には、リスク管理に努めつつ柔軟に対処してまいります。
学童部門(STEPキッズ)は、3月に「辻堂教室」(JR東海道線辻堂駅)、「茅ヶ崎教室」(JR東海道線茅ヶ崎駅)の2スクールを開校し、STEPキッズのネットワーク化がスタートしました。
当事業年度中の新規開校は、上述学童部門の2教室と小中学生部門2スクールの計4ヵ所です。小中学生部門の2スクールは、当社が現在注力している川崎地区に生田スクール(小田急小田原線生田駅、川崎市多摩区)、当社ドミナントエリア内に海老名扇町スクール(小田急小田原線海老名駅)です。いずれも3月の春期講習から正式スタートし、順調な立ち上がりとなっています。
これらの新スクール開校の結果、スクール数は現状、小中学生部門132スクール、高校生部門15校、個別指導部門1校、学童部門3校の計151校となっています。
当事業年度の売上高は10,927百万円(前年同期比5.7%減)、営業利益は1,929百万円(前年同期比28.2%減)、経常利益は1,968百万円(前年同期比28.1%減)、当期純利益は1,343百万円(前年同期比30.9%減)となりました。
事業部門別の生徒数及び売上高は、次の通りです。
小中学生部門
期中平均生徒数は22,676人(前年同期比1.9%増)、売上高は8,795百万円(前年同期比6.4%減)となりました。
高校生部門
期中平均生徒数は4,971人(前年同期比3.3%増)、売上高は2,131百万円(前年同期比2.9%減)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における総資産は、前事業年度末比3,117百万円増の26,036百万円となりました。
主な要因は、現金及び預金の増加や建物の増加によるものです。
流動資産は、現金及び預金の増加等により、前事業年度末比3,084百万円増の8,215百万円となりました。
固定資産は、新校舎の完成に伴い、建物等が増加したものの、減価償却実施による減少等により前事業年度末比33百万円増の17,821百万円となりました。
(負債)
当事業年度末における負債は、前事業年度末比2,419百万円増の4,976百万円となりました。
流動負債は、未払法人税等の減少等はありましたが、1年内返済予定の長期借入金の増加等により、前事業年度末比1,445百万円増の3,057百万円となりました。
固定負債は、長期借入金の増加等により、前事業年度末比973百万円増の1,918百万円となりました。
(純資産)
当事業年度末における純資産は、配当金の支払がありましたが、当期純利益の計上等により、前事業年度末比698百万円増の21,060百万円となりました。
自己資本比率は前事業年度末に比べ、7.9ポイントダウンの80.9%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
当事業年度における現金及び現金同等物は7,616百万円と前年同期と比べ3,039百万円(66.4%増)の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益1,968百万円や、減価償却費455百万円、法人税等の支払額734百万円等により1,868百万円の収入となり、前年同期と比べ290百万円(13.5%減)の収入の減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、新校舎の建設等により560百万円の支出となり、前年同期と比べ512百万円(47.8%減)の支出の減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済及び配当金の支払等はありましたが、長期借入れによる収入により、1,730百万円(前年同期は444百万円の支出)の収入となりました。
④生産、受注及び販売の状況
(生産実績及び受注実績)
当社は、生徒に対して授業を行うことを業務としていますので、生産及び受注の実績は、該当事項はありません。
(販売実績)
当事業年度における販売実績を部門別に示すと、次のとおりです。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものです。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて判断しています。
②経営成績の分析
当事業年度の売上高は、期中平均生徒人数は2.1%増加したものの、3月~5月に新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた結果、10,927百万円(前年同期比5.7%減)となりました。
売上原価は人件費の増加などにより85百万円増となりました。
販売費及び一般管理費は支払手数料の増加などにより8百万円増となりました。
売上高の減少が響き、各種利益も減少いたしました。
営業利益は1,929百万円(前年同期比28.2%減)となり、営業利益率は17.7%(前期比で5.5%のマイナス)となりました。
経常利益は1,968百万円(前年同期比28.1%減)となり、また、法人税等合計を625百万円計上したこと等により、当期純利益は1,343百万円(前年同期比30.9%減)となりました。
③キャッシュ・フロー
当事業年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析③キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりです。
④経営成績に重要な影響を与える要因
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりです。
⑤経営戦略の現状と見通し
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
⑥資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の主な資金需要は、労務費や地代家賃等の営業費用の他、スクール用地取得や校舎建築等の設備投資です。これらの資金需要は自己資金でまかなえる状況ですが、安定的な資金を継続的に調達するために金融機関との関係も重視しており、借入を継続しています。
当事業年度においては、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化した場合に備え、複数の金融機関より総額で30億5千万円の融資を受けています。
①経営成績の状況
当期の当社事業は、第2四半期決算短信(2020年4月28日開示)にてご報告した通り、2月末までは順調に推移していましたが、3月~5月の期間は、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けました。
小中学生部門および高校生部門とも、3月前半には小中高校の全国一斉休校に合わせて2週間休講しました。この期間、当塾の授業動画視聴システム(e-STEP)で全動画を塾生に開放すると共に、メールと電話での学習指導を行いましたが、対面での学習指導が完全にストップしたため、この期間の授業料はその9割(2億8千万円)を各ご家庭にお返しする措置をとりました。その後の春期講習はほぼ予定通り実施できましたが、4月7日の緊急事態宣言発令に伴い、5月末までの2ヶ月間、対面でのライブ授業を停止し、オンラインでの授業体制に全面的に移行しました。当社の持てる力の総力を挙げて、普段の授業を担当している教師が授業日に合わせて各スクールで授業を撮影し配信する態勢をとった結果、この2ヶ月間の動画配信数は4万本を超える数となりました。また、インターネット会議システム(Zoom)を活用したホームルームや双方向授業、在宅での模擬テスト等も同時に実施し、生徒の学習が中断しないよう全力で対応いたしました。しかしながら、入会当初にお約束していた対面授業は中断を余儀なくされたため、通常の授業料をいただくのは適切ではないと判断し、オンラインの期間、大幅に値下げした特別授業料(学年により約60~80%の値下げ)に移行しました。そのため、4月・5月は売上高が前年比マイナス8億4千万円となっています。
その後、首都圏の緊急事態宣言の解除を受け、6月から対面授業を再開し、感染対策を行いながらではありますが、現在では通常の運営に近い形に戻っています。7月後半から8月にかけての夏期講習は、学校の夏休みの時期が自治体によって大きく異なるという変則的な状況でしたが、講習の時間割を夜型に変える等の工夫を重ねた結果、例年に匹敵する授業時間数を確保することができました。特にすべての中学が休みだったお盆の時期には、新型コロナウイルスによる学習面での遅れと不安を解消すべく、中学3年生向けに午前中から長時間の集中講座を開講いたしました。その他の学年も例年とほぼ同等レベルの授業数を確保し、講習費もトータルでは前年並みの金額に設定することができたため、変則的な夏休みの影響は売上面ではむしろプラスに働く結果となりました。
生徒募集については、2月末までは例年以上に順調に進んでいました。しかし3月の全国一斉休校に伴い、入会の流れが一旦完全に止まりました。その後、授業を再開した春期講習時に入会の動きが復活しましたが、緊急事態宣言発令後は再度流れが止まり、それが5月末まで続きました。6月の対面授業復帰と共に、入会の動きも少しずつ再開しましたが、現状では完全な回復とまでは至っていません。また夏期講習での外部生の募集は例年と比べると減少しましたが、例年とは異なり夏期講習後の9月から現在まで入会の流れが途切れることなく続いています。
上記の流れを売上面でまとめたのが、下記の表です。
売上高前期比較
(単位:百万円)
| 41期 | 42期 | 増減額 | 増減率 | |
| 第1四半期(10月~12月) | 2,938 | 3,149 | 210 | 7.2% |
| 第2四半期(1月~3月) | 2,755 | 2,573 | △182 | △6.6% |
| 第3四半期(4月~6月) | 2,633 | 1,751 | △882 | △33.5% |
| 第4四半期(7月~9月) | 3,264 | 3,453 | 189 | 5.8% |
第2四半期の後半から第3四半期に新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けたものの、第4四半期から回復しつつある状況です。
生徒数については、当事業年度における「期中平均生徒数」は27,647名となり、前年同期比2.1%増となっています。
3月~5月を総括的に振り返ります。まず小中高生を取り巻く状況ですが、今回のコロナ禍は私たちが接している多くの小中高生に深い爪痕を残しています。学校の休校による学習の中断、力を入れてきた部活の大会の中止、修学旅行や体育祭、文化祭等の行事の中止や縮小……。生活のモチベーションを失いがちになったり、ゲームやスマートフォンへの没頭や昼夜逆転の生活の進行、自宅にこもった生活が続く中で人間関係を作っていくことに対する回避傾向、そして勉強に対する諦め等、多くの影を落としています。現在、学校はいわゆる2学期に入っていますが、中学生を中心にかつて例のないほど多くの不登校や不登校気味の生徒が生まれています。
当社では、学校が休校になり対面授業が不可能になった段階で、オンライン授業に総力を挙げて取り組み、塾生の学習の継続をはかりました。さらに、インターネット会議システム(Zoom)を活用した双方向の授業やホームルーム等での交流は、オンライン上ではあるものの、顔と顔を突き合わせ人間関係を確認し、コミュニケーションをとる機会になり、それが学習の継続をサポートするだけでなく、生活にメリハリをもたらし生徒の前向きなモチベーションの支えになったと、多くの保護者の方から感謝の言葉をいただいています。
これら一連の対応や、早期に授業料の返金や大幅な値下げに踏み切ったことについて、塾生の保護者の方々からかつてないほど多くの感謝の声をいただきました。生徒・保護者に寄り添うという当社の姿勢を示すことが、結果的にご家庭からの信頼をより高めることにつながったと実感しています。
学習塾の仕事にとって、地域での信用・信頼はかけがえのない財産です。一時的に売上面でマイナスは生じましたが、長期的な視点で見ると当社の発展につながる施策となったと総括しています。生徒数については、現在回復途上にあり、これから時間をかけてコロナ禍以前の流れを引き寄せていきたいと考えています。
今春の小中学生部門の入試実績については、2018年10月31日付け「平成30年9月期決算短信」で公表した「横浜プロジェクト」(横浜市内の公立トップ校合格実績において当社の合格者数をナンバー1にするプロジェクト)を再び達成するとともに、「翠嵐プロジェクト」(横浜・川崎方面で影響力の強い名門進学校である横浜翠嵐高校の合格実績を大きく伸ばすプロジェクト)においても合格者を137名(昨春123名)として引き続き全塾中のトップとなり、二つの大きな目標を2年連続で達成することができました。これによって当社は、横浜市の学習塾の中でトップブランドとしての基盤を飛躍的に強化しつつあります。
また、神奈川県の公立トップ高校に2,183名が合格し、今春も神奈川全塾でトップの実績を残しました。県内公立トップ高校19校のうち15校において、また現制度を特徴づける特色検査(記述型)を実施した19校のうち15校において、塾別の合格者数で当社がトップとなりました。さらに、ステップ生の通学圏内で最難関の共学校である国立東京学芸大附属高校についても、合格者110名(外部進学生)に達し、12年連続で全塾中トップの合格者を出しています。
今春の大学入試結果については、国公立大学の合格者総数が196名(昨春168名)、なかでも最難関と言われる東京一工(東大、京大、一橋大、東工大)に31名、国立医学部に4名、いずれも現役で合格しました。私立大学においても、早慶上智が256名、いわゆる理大MARCH(東京理科大、明治、青山学院、立教、中央、法政)は合格者1,148名と最高記録を2年連続で更新しています。
緊急事態宣言の解除以降、業界全体としてはオンラインの映像授業を継続する流れと、対面でのライブ授業への復帰の大きく2つの流れが生じています。当社では4月・5月に全社を挙げてオンライン授業に取り組んだため、そのノウハウを蓄積でき、オンラインでの対応力を飛躍的に向上させることができました。一方で、ライブ授業の良さを、当社スタッフはもちろん、生徒・保護者が再発見する機会でもありました。生き生きと学ぶ、学んだことを定着させ、あるいは疑問点等を時間的・空間的距離を感じることなく解決でき、相互に励まし合いながら進んでいけるライブ授業の良さを、全教師が改めて確認し、モチベーションを一層高めることになりました。したがって、当社としてはオンライン対応での成果をノウハウとして活かしながら、「ライブ授業をメインに据えつつオンラインでの対応も活用していく」ハイブリッド型の指導を進めます。新型コロナウイルス感染症の今後の状況を注視しつつ、授業に限らず、塾生向けのガイダンスや保護者会等、オンラインとライブを状況に応じて使い分け、あるいは併用しながら運営していきます。
今回のコロナ禍におけるオンライン対応全般で得た生徒や保護者をはじめとした地域での信頼・信用は、今後の当社にとって大いに力になるものと考えており、実際にオンライン対応の評判を聞いての入会者は、夏休み以降も増えています。
引き続き、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策を徹底するとともに、今後の状況の変化には、リスク管理に努めつつ柔軟に対処してまいります。
学童部門(STEPキッズ)は、3月に「辻堂教室」(JR東海道線辻堂駅)、「茅ヶ崎教室」(JR東海道線茅ヶ崎駅)の2スクールを開校し、STEPキッズのネットワーク化がスタートしました。
当事業年度中の新規開校は、上述学童部門の2教室と小中学生部門2スクールの計4ヵ所です。小中学生部門の2スクールは、当社が現在注力している川崎地区に生田スクール(小田急小田原線生田駅、川崎市多摩区)、当社ドミナントエリア内に海老名扇町スクール(小田急小田原線海老名駅)です。いずれも3月の春期講習から正式スタートし、順調な立ち上がりとなっています。
これらの新スクール開校の結果、スクール数は現状、小中学生部門132スクール、高校生部門15校、個別指導部門1校、学童部門3校の計151校となっています。
当事業年度の売上高は10,927百万円(前年同期比5.7%減)、営業利益は1,929百万円(前年同期比28.2%減)、経常利益は1,968百万円(前年同期比28.1%減)、当期純利益は1,343百万円(前年同期比30.9%減)となりました。
事業部門別の生徒数及び売上高は、次の通りです。
小中学生部門
期中平均生徒数は22,676人(前年同期比1.9%増)、売上高は8,795百万円(前年同期比6.4%減)となりました。
高校生部門
期中平均生徒数は4,971人(前年同期比3.3%増)、売上高は2,131百万円(前年同期比2.9%減)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における総資産は、前事業年度末比3,117百万円増の26,036百万円となりました。
主な要因は、現金及び預金の増加や建物の増加によるものです。
流動資産は、現金及び預金の増加等により、前事業年度末比3,084百万円増の8,215百万円となりました。
固定資産は、新校舎の完成に伴い、建物等が増加したものの、減価償却実施による減少等により前事業年度末比33百万円増の17,821百万円となりました。
(負債)
当事業年度末における負債は、前事業年度末比2,419百万円増の4,976百万円となりました。
流動負債は、未払法人税等の減少等はありましたが、1年内返済予定の長期借入金の増加等により、前事業年度末比1,445百万円増の3,057百万円となりました。
固定負債は、長期借入金の増加等により、前事業年度末比973百万円増の1,918百万円となりました。
(純資産)
当事業年度末における純資産は、配当金の支払がありましたが、当期純利益の計上等により、前事業年度末比698百万円増の21,060百万円となりました。
自己資本比率は前事業年度末に比べ、7.9ポイントダウンの80.9%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
当事業年度における現金及び現金同等物は7,616百万円と前年同期と比べ3,039百万円(66.4%増)の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益1,968百万円や、減価償却費455百万円、法人税等の支払額734百万円等により1,868百万円の収入となり、前年同期と比べ290百万円(13.5%減)の収入の減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、新校舎の建設等により560百万円の支出となり、前年同期と比べ512百万円(47.8%減)の支出の減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済及び配当金の支払等はありましたが、長期借入れによる収入により、1,730百万円(前年同期は444百万円の支出)の収入となりました。
④生産、受注及び販売の状況
(生産実績及び受注実績)
当社は、生徒に対して授業を行うことを業務としていますので、生産及び受注の実績は、該当事項はありません。
(販売実績)
当事業年度における販売実績を部門別に示すと、次のとおりです。
| 事業部門の名称 | 第42期 (自 2019年10月1日 至 2020年9月30日) | 前年同期比(%) |
| 小中学生部門(千円) | 8,795,767 | 93.6 |
| 高校生部門(千円) | 2,131,830 | 97.1 |
| 合計 | 10,927,597 | 94.3 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものです。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて判断しています。
②経営成績の分析
当事業年度の売上高は、期中平均生徒人数は2.1%増加したものの、3月~5月に新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた結果、10,927百万円(前年同期比5.7%減)となりました。
売上原価は人件費の増加などにより85百万円増となりました。
販売費及び一般管理費は支払手数料の増加などにより8百万円増となりました。
売上高の減少が響き、各種利益も減少いたしました。
営業利益は1,929百万円(前年同期比28.2%減)となり、営業利益率は17.7%(前期比で5.5%のマイナス)となりました。
経常利益は1,968百万円(前年同期比28.1%減)となり、また、法人税等合計を625百万円計上したこと等により、当期純利益は1,343百万円(前年同期比30.9%減)となりました。
③キャッシュ・フロー
当事業年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析③キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりです。
④経営成績に重要な影響を与える要因
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりです。
⑤経営戦略の現状と見通し
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
⑥資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の主な資金需要は、労務費や地代家賃等の営業費用の他、スクール用地取得や校舎建築等の設備投資です。これらの資金需要は自己資金でまかなえる状況ですが、安定的な資金を継続的に調達するために金融機関との関係も重視しており、借入を継続しています。
当事業年度においては、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化した場合に備え、複数の金融機関より総額で30億5千万円の融資を受けています。