有価証券報告書-第61期(2022/01/01-2022/12/31)

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2023/03/28 14:31
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108項目
文中における将来に関する事項は、当事業年度の末日現在において当社が判断したものです。
なお、当事業年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)(以下、収益認識会計基準)等を適用しております。この結果、前事業年度と収益の会計処理が異なることから、以下の経営成績に関する説明において増減額及び前年同期比(%)を記載せずに説明しております
(1)経営成績等の状況の概要
① 業績
我が国の上下水道インフラ資産は、約130兆円との内閣府の試算があり、セクター別で道路に次ぐストックがあります。このうち、上水道はほぼ普及し、国内の全管路延長は約73万kmに達していますが、管路の年間更新率は全国平均で0.67%と低く、管路をすべて更新するのに約130年かかる計算となっています。水道管路は法定耐用年数が40年でありますが、高度成長期に大量に整備された管路施設の更新が進まないため、管路の老朽化率はますます上昇すると見込まれ、安全な水を安定的に給水するために経年管路の更新が重要な課題となっています。
下水道分野については、全国の汚水処理人口普及率が92.6%(2021年度末)となっていますが、そのうち下水道によるものが80.6%にとどまり、未だに約930万人が汚水処理施設を利用できない状況にあり、普及促進の加速が求められています。施設の新設のニーズは減少の一途を辿っていますが、高度成長期に急速に整備した上下水道施設は毎年大量に耐用年数を迎え、安心・安全で文化的生活を送るために不可欠なこれらのインフラ資産を維持、更新していくことが求められています。また、近年頻発する集中豪雨、大型台風による風水害などから人命や資産を守る浸水対策や地震が発生してもトイレが使えるなどの耐震化、津波に強い下水道施設の補強対策、脱炭素・循環型社会への転換を図る「グリーンイノベーション下水道」に向けた取り組みなどのニーズも高まっています。
2022年3月に可決・成立した我が国の令和4年度予算のうち、当社の事業と関わりの深い下水道予算を含む「社会資本総合整備」の配分総額は、国費1兆3,813億円で、この内訳は防災・安全交付金8,009億円、社会資本整備総合交付金が5,803億円となっています。交付金の実施個所は地方公共団体の裁量に委ねられているため、下水道事業に限った配分額は明らかではありません。他方、予算規模の大きい全国の政令指定都市と東京都区部の下水道事業費の合計額は約6,202億円、前年度当初比で1.4%増となっています。
当社は、このような事業環境のもと、主に、上水道分野では、「安全・強靭・持続・連携・挑戦」をキーワードとした厚生労働省水道課が掲げる新水道ビジョンに則ったアセットマネジメント関連業務の積極的な受注活動を展開しております。下水道分野では、国土交通省下水道部の主要7大テーマ、「震災復旧・復興の支援の強化と全国的な安全・安心対策の実施」、「未普及地域の早期解消」、「水環境マネジメントの推進」、「施設管理・運営の適正化」、「下水道経営の健全化」、「低炭素・循環型社会への取組推進」及び「国際展開と官民連携による水ビジネスの国際展開」に沿った受注活動を展開しました。更に、総務省が支援を行っている簡易水道・下水道事業における地方公営企業法の適用による公営企業会計の導入支援関連業務、下水道事業経営戦略策定業務等の受注活動などを推進しております。国内市場においては、既存顧客である地方公共団体の施設整備状況や事業課題を熟知する当社の優位性を背景に、きめ細かい技術提案、柔軟な顧客サービスの提供を通じたリピート率の高い受注活動とともに、積み上げた業務実績を基に新規開拓営業を展開しております。海外分野では、官民連携による新興国の案件発掘などの受注活動を展開しております。
他方、社内の就労環境については、全社9割以上の社員にスマートフォンとノートパソコンを支給し、オフィスではフリーアドレスの環境で、在宅勤務や外出先でもテレワーク環境を活用しております。具体的には、全社で意識付けを行っている社内の各階層での迅速な情報共有・チャットの活用、部署別経営指標の随時確認による部署課題へのスピーディな対応、受注プロジェクトの適正な予算・工程・進捗・外注管理、社内エンジニアのスキル向上、次代を担う若手人材の確保・育成、改正労働基準法を遵守した残業時間の削減、ウェルビーイング経営の促進、時差出勤制度、有給休暇の取得促進など、社員一人ひとりがそれぞれの事情に応じてメリハリをつけて働くことができる社内制度を提供しています。当事業年度は、更に社内業務管理システムのプログラム改良を進めて、設計業務の受注から、着手、実行予算作成・変更、完了に至るまでの各業務ワークフローの承認機能の電子化を図り、予算管理の迅速化を行いました。これらにより、生産性向上と原価低減を図り、社員還元と収益の拡大に努めております。
当事業年度中、上半期は、前年より続く国内での新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に向けた政府主導の取り組みの影響により、客先対応に影響が出ることもありました。また、社員や社員の家族が新型コロナウイルスに感染したり、濃厚接触者となることで業務進捗に影響を及ぼすこともありました。しかしながら、充実した社内制度の下、当社では、社員の安心・安全に十分配慮した対策を講じて事業活動を継続しました。また、様々な専門技術職の配置が求められる案件への対応策として、ウェブ会議の効率的な活用などにより、社内の遠隔拠点間で人材の相互融通を図り、より効率的な生産体制の構築に努めました。
国内において、官公庁の会計年度のスタートである4月から、当社に関連する地方自治体の事業予算は概ね予定通り執行されて、受注活動も順調に進みました。他方、海外案件については、渡航制限が緩和された地域への渡航が可能となり業務が順調に進みました。
この結果、当事業年度の受注高は64億5千7百万円(前期比1.9%増)となりました。受注増加の主な要因は、受注平均単価の上昇、大型案件の受注などとみております。一方、完成業務高は64億8千6百万円(前期比4.5%増)、営業利益は7億3千9百万円(前期比28.5%増)、経常利益は7億4千8百万円(前期比19.6%増)、当期純利益は4億1千5百万円(前期比10.5%増)となりました。
収益認識会計基準等の適用により、当事業年度の完成業務高は4千5百万円、完成業務原価は1百万円増加し、営業利益、経常利益及び税引前当期純利益はそれぞれ4千3百万円増加しております
当社における事業部門別の業績は、次のとおりであります。
[建設コンサルタント部門]
建設コンサルタント部門につきましては、受注高は60億5千7百万円(前期比4.6%増)となりました。一方、完成業務高は59億8千2百万円(前期は57億6千3百万円)となりました。
[情報処理部門]
情報処理部門につきましては、受注高は4億円(前期比26.5%減)となりました。一方、完成業務高は5億3百万円(前期は4億4千3百万円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、30億2千6百万円(前期比6.7%増)となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、6億9千1百万円(前期比144.9%増)となりました。
これは主に税引前当期純利益の計上、売上債権の増加及び未成業務受入金の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、2億7千7百万円(前期1億2千万円の獲得)となりました。
これは主に投資有価証券及び固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、2億2千5百万円(前期比1.0%減)となりました。
これは主に配当金の支払いによるものであります。
③生産、受注及び販売の状況
イ 生産実績
当事業年度における生産実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
事業部門の名称当事業年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
前年同期比(%)
建設コンサルタント部門
上下水道(調査・計画・実施設計・施工監理)(千円)5,961,3844.8
その他(千円)32,384△56.6
小計(千円)5,993,7694.0
情報処理部門
都市施設情報管理・ソフト開発 (千円)504,27513.7
小計(千円)504,27513.7
合計(千円)6,498,0454.7

ロ 受注実績
当事業年度における受注実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
事業部門の名称受注高(千円)受注残高(千円)
前年同期比(%)前年同期比(%)
建設コンサルタント部門
上下水道(調査・計画・
実施設計・施工監理)
6,005,8434.64,075,4501.4
その他51,29010.432,842137.2
小計6,057,1334.64,108,2931.8
情報処理部門
都市施設情報管理・
ソフト開発
400,098△26.5241,984△30.0
小計400,098△26.5241,984△30.0
合計6,457,2311.94,350,277△0.7

ハ 販売実績
当事業年度における販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
事業部門の名称当事業年度
(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
前年同期比(%)
建設コンサルタント部門
上下水道(調査・計画・実施設計・施工監理)(千円)5,950,3274.6
その他(千円)32,290△56.7
小計(千円)5,982,6173.8
情報処理部門
都市施設情報管理・ソフト開発(千円)503,64613.6
小計(千円)503,64613.6
合計(千円)6,486,2644.5

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前事業年度
(自 2021年1月1日
至 2021年12月31日)
当事業年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
官公庁
日本下水道事業団1,434,41123.11,708,40526.3
その他4,626,52774.54,469,84768.9
小計6,060,93097.66,178,25395.3
民間
その他146,4742.4308,0104.8
小計146,4742.4308,0104.8
合計6,207,413100.06,486,264100.0


(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
① 当事業年度の財政状態の分析
(流動資産)
当事業年度における流動資産は、61億3千1百万円(前期比5.2%増)となりました。これは主に業務代金の入金による「現金及び預金」の増加によるものであります。
(固定資産)
当事業年度における固定資産は、14億6千6百万円(前期比15.2%増)となりました。これは主に投資有価証券の取得による「投資有価証券」の増加によるものであります。
(流動負債)
当事業年度における流動負債は、13億1千4百万円(前期比32.3%増)となりました。これは主に外注費が増加したことにより「業務未払金」が増加及び業務代金の入金の増加による「未成業務受入金」の増加によるものであります。
(固定負債)
当事業年度における固定負債は、1億2千9百万円(前期比32.2%減)となりました。これは主にリース契約の減少による「リース債務」の減少及び「退職給付引当金」の減少によるものであります。
(純資産)
当事業年度における純資産は、61億5千3百万円(前期比4.0%増)となりました。これは主に当期純利益の計上により「利益剰余金」が増加したことによるものであります。
② 当事業年度の経営成績の分析
(完成業務高)
当事業年度における完成業務高は、64億8千6百万円(前期は62億7百万円)と前事業年度と比較して増加となりました。上半期までは、業務効率化を意図した一部社内組織体制の変更により、売上高計上に停滞が見られた時期がありましたが、第3四半期途中から体制が徐々に整い、多くの案件で概ね予定通りに業務進捗が進めました。
(営業利益)
当事業年度における営業利益は、7億3千9百万円(前期は5億7千5百万円)となりました。
個々の受注案件の予算配分、実行予算の作成、月次売上の管理を徹底して、従業員一人ひとりの利益確保意識の下、作業内容に応じた内製化とアウトソーシングを適切に判断して取り組んでおります。
この結果、前期比28.5%の増益となりました。
(経常利益)
当事業年度における経常利益は、7億4千8百万円(前期は6億2千5百万円)となりました。これは主に保有する金融資産の利息の受け取りによる「有価証券利息」などが寄与しています。
(当期純利益)
当事業年度における当期純利益は、4億1千5百万円(前期は3億7千6百万円)となりました。これは、経常利益は大幅に増加したものの、主に受発注者間双方の確認不足及び見解の相違により修正対応費用である「工事補償損失」の発生を見込んだことによるものであります。
経営成績に重要な影響を与える主な要因は、国及び地方公共団体の会計年度毎の予算計上、適正な利潤が得られる業務価格での受注、不採算案件の発生を防ぐプロジェクト管理、中長期的人材の確保・育成による着実な技術伝承、社会のニーズに合った技術研究開発などであります。当事業年度における事業環境においては、コロナ禍による経営成績に与える影響は前期よりは軽微であったと考えています。
今後について、政府は、過去最大の予算案を予定しており、地域経済を下支えする予算案の量的な執行への期待、地震や豪雨被害などにおいても安心・安全な生活を送ることができる上下水道インフラへの投資の質の変化、国連の定めるSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けた動きの活発化などを予測しております。
このような環境において、当社は持続的な発展を実現するため、中期経営計画に定めた諸施策を適宜軌道修正して推進するものであります。
③ キャッシュ・フローの分析
当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況 (1)経営成績等の状況の概況 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主要なものは、完成業務原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等によるものであります。
資金需要に対しましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金で賄うことを基本とし、資金調達を行う場合には、経済情勢や金融環境を踏まえ、当社にとって最良の方法で行いたいと考えております。
⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の採用や、資産・負債及び収益・費用の計上および開示に関する経営者の見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績などを勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

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