有価証券報告書-第51期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におきまして、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に大きく左右された1年となりました。当連結会計年度の業績予想及び配当予想を開示した2020年8月時点では、緊急事態宣言も解除され感染症拡大の影響も徐々に小さくなる前提の予想を致しました。しかしながら、その後の感染症の再拡大等もあり、2021年1月には、首都圏をはじめ複数の地域で緊急事態宣言が再度発令される状況に至りました。また、海外においても一部地域でロックダウンが行われる状況が続いております。一方、その間にも、スーパーシティ法案の成立や自動運転社会実現に向けた規制改革など、各方面で議論が継続されております。
こうした状況の中で当社グループは、「withコロナ」での働き方の指針「AISAN-New-Standard-Working Style with Corona」を定め、時差出勤やテレワークの活用及びウェブ会議システムを活用した商談など新たな様式を用いた事業活動を行ってまいりました。事業活動全体としては、「未来の社会インフラを創造する」をキーワードに国土強靭化、次世代防災、不動産登記行政といった分野への取り組みとともに、スマートシティ、自動運転社会の実現や、次世代測量用ソフトウェアなどの新製品開発を目指し、積極的に投資を行ってまいりました。しかしながら、個々の商談においては、お客様の投資意欲の低下や、自治体が主催する自動運転の実証実験は延期が発生するなど、業績に影響が及ぶ状況となりました。また、新型コロナウイルス感染症拡大による新しい様式での事業活動により、旅費交通費などの一部経費は計画と比較し、大きく削減されることとなりました一方で、中期的な成長を目的とした当社グループでの次世代システムの開発体制強化ならびに自動運転社会の実現に向けた投資を継続して積極的に実施したことで、前連結会計年度と比較し販売管理費は増加し、営業利益を押し下げた結果、開示しておりました売上高、各利益項目の業績予想を下回ったことから本年4月9日に通期業績予想の修正に至りました。
(前連結会計年度との比較)
A)自社ソフトウェアに関連する事業は、前連結会計年度に、当社主力商品である「Wingneo」シリーズのライセンス販売において、消費増税並びにWindows7サポート終了を機に、それまで製品のアップデートに消極的だったお客様の購買意欲が高く、売上高が伸長しましたが、その反動に加え、年度末にリリースする最新バージョンへのアップデートもお客様の投資抑制より想定以下の結果となり、前連結会計年度の実績を下回りました。
B)MMS(Mobile Mapping System)計測機器販売は、前連結会計年度にMMS計測機器を複数台売上計上する大型案件が発生した一方、当連結会計年度においては、これまで販売してきたMMSの保守契約に係る売上に加え、MMS計測機器の新規販売の売上を計上しましたが、想定していた販売が翌期へスライドしたことにより、販売台数で前連結会計年度を下回ったことから、前連結会計年度の実績を下回りました。
C)三次元計測請負業務及び高精度三次元地図データベース整備は、第2四半期連結累計期間までは、前連結会計年度において自動走行の研究開発分野での利用を目的とした高精度三次元地図の受注が堅調に推移したことから、その仕掛案件への納品対応を行いました。一方で、第3四半期連結累計期間以降は国内の企業や自治体などにおいて、一部高精度三次元地図の商談が新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、次年度以降への延期、もしくは中止となりました。その結果、前連結会計年度の実績を下回りました。
D)自動走行システムの販売及び実用化に向けた実証実験は、これまでに受注していたシステムや受託業務の売上計上もありましたが、当連結会計年度中に予定しておりました一部実証実験が新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、次年度以降への延期もしくは中止となり、前連結会計年度の実績を僅かに下回りました。一方で、将来の事業活動に向けた先行投資として、当連結会計年度においても、事業推進に必要な人財確保、システム構築や機材などの調達を積極的に行いました。
E)新型コロナウイルス感染症による新しい様式での事業活動により、旅費交通費などの一部経費は計画より大きく削減されることとなりましたが、前連結会計年度から引き続き、今後の事業活動拡大や利益確保に向けた必要な投資を行った結果、人件費及び研究開発費が増加し、販売費及び一般管理費は前年の実績を上回りました。人件費は、近年積極的に人財投資を行ったことに伴う人員増から増加したものでありますが、すでに事業活動の中で効果が現れております。また、研究開発費については、計画に基づく新たなソフトウェアや、自動運転に関する技術の開発を推進するため、積極的に投資を行ったものであります。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度の業績は以下の通りです。
(単位:百万円)
セグメント別においては、次のとおりであります。
a.事業セグメント別の業績
(単位:百万円)
b.報告セグメント別の概要
測地ソリューション事業
測地ソリューション事業におきましては、当社グループの主力製品である「WingneoINFINITY」の最新バージョンを、当該製品のサポートサービスの一つとして、対象となるサポートサービスに加入しているお客様に対し、第1四半期にお届けしたことにより、当該役務の完了に応じた収益を計上しました。一方で、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、テレワーク等でご利用いただくためのライセンス販売を行ったものの、本年1月に発出された2回目の緊急事態宣言以降、お客様の投資意欲が急速に低下するなど上記前連結会計年度との比較のA)に記載の理由から、新規でのライセンス販売は減少しました。以上により、売上高は前年同期実績を下回る結果となりました。
測量・土木分野における点群処理ツール「WingEarth」は、三次元測量の啓蒙活動を積極的に展開し、各種補助金を活用した販売により一定の効果がありました。特に、三次元計測機器とのセット販売をすることで売上を伸ばし、前年同期の実績を上回る結果となりました。また、高額商品である測量機器の利活用をサポートする測量機器総合マーケット「GEOMARKET」を開設し、リユース・リペア・レンタルの3Rサービスをウェブ展開することにより、収益に貢献しております。
新型コロナウイルスによる事業活動制限から一部科目では経費支出が減少した一方、新たなソフトウェアの研究開発に伴う人員及び工数の増加に加え、新事務所開設に係る経費、販売促進ツールの制作に伴い、販売費及び一般管理費はわずかに増加いたしました。
G空間ソリューション事業
G空間ソリューション事業におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大により、多くの商談において、次年度以降への延期や中止などの影響がありました。
MMS計測機器販売においては、既存顧客へのMMSの保守契約に係る売上、性能向上のための受注に加え、新規のMMS計測機器などを売上計上した一方、前連結会計年度においてMMS計測機器を複数台売上計上する大型案件が発生した反動も含めて、前年同期の実績を大きく下回る結果となりました。
高精度三次元地図関連事業においては、自動走行分野における高精度三次元地図の受注が前連結会計年度に堅調に推移したことから、その仕掛案件への納品対応を行い、売上計上を行いました。一方で、国内の企業や自治体などにおいて、一部高精度三次元地図の商談が、次年度以降への延期もしくは中止となったことに加え、海外における受注案件等も延期となり、これらの結果、売上高は前連結会計年度の実績を下回りました。
また、特に今後成長すると想定される自動走行分野において、生産体制の強化や効率化など積極的な研究開発を進めた結果、販売費及び一般管理費は増加しました。
新規事業
新規事業におきましては、自動走行の分野につきまして、前連結会計年度に引き続き、当連結会計年度も国内の多くの企業や地方自治体などから自動走行の実用化に向けた実証実験や自動走行車両の構築業務等を受注しております。しかしながら、本年1月の複数の都道府県による緊急事態宣言発出に伴い、中止もしくは延期となった実証実験が複数発生したことならびに、自動走行車両の構築案件では世界規模での半導体不足により部材の納品が延期になったことで当該案件の売上が翌期へスライドするなど、本事業分野の損益に影響を与える結果となりました。
また、引き続き、現時点における本事業分野は投資フェーズと捉えており、将来の事業活動に向けた先行投資として、当連結会計年度においても、事業推進に必要な人財確保、システム構築や機材などの投資を積極的に行いました。
その他
自社保有の不動産に係る賃貸収入については、前連結会計年度と同水準の結果となりました。
②当期の財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて326百万円減少し、7,160百万円となりました。このうち、流動資産は5,428百万円となり、その内訳は現金及び預金が4,213百万円等であります。また、固定資産は1,731百万円となり、その内訳は有形固定資産が716百万円、ソフトウェア製品をはじめとする無形固定資産が254百万円、投資その他の資産が760百万円であります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて402百万円減少し、1,355百万円となりました。このうち流動負債は1,041百万円となり、固定負債は313百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて76百万円増加し、5,805百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上181百万円によるものであります。この結果、1株当たり純資産額は1,047円36銭となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は4,133百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果、獲得した資金は408百万円となりました。これは主に仕入債務の減少276百万円等による一方、売掛債権の減少426百万円、税金等調整前当期純利益258百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果、支出した資金は126百万円となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出101百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果、支出した資金は177百万円となりました。これは、配当金の支払額99百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出77百万円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.消費税等は含まれておりません。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は仕入価格によっております。
2.消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成しています。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載していますが、特に以下の重要な会計方針や見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えています。
a.売上高及び売上原価の計上方法
当社グループは、MMSによる計測業務等の売上高及び売上原価の計上に関して、成果の確実性が認められる案件については工事進行基準(進捗率の見積りは原価比例法)を、その他の案件については工事完成基準を適用しています。
工事進行基準の採用に当たっては、案件別原価の見積りが合理的に可能であることが前提であり、契約時に慎重に総原価を見積った上で、案件開始後も見積りと実績の比較を行い、適時かつ適切に総原価の見直しを行うことで、売上高計上時における進捗率に関して相応の見積精度があると判断していますが、案件内容の変更、遅延等が生じた場合、案件別原価の見直しが必要となり、その結果、工事進行基準による売上高に変動が生じる可能性があります。なお、今後とも案件の見積精度向上に努める方針です。
b.投資有価証券の減損
当社グループは戦略的投資を実施する場合がありますが、その他有価証券のうち時価のないものについては、移動平均法による原価法により評価しています。
また、実質価額が著しく下落した場合には、回復する見込みがあると認められる場合を除き、当該実質価額まで減損処理を行います。将来、投資先企業の業績不振等により実質価額が下落し、回復する見込みがあると認められない場合には、追加的に減損処理を行う可能性があります。
c.無形固定資産の減価償却の方法
当社グループは、クラウドサービスのような顧客へのサービス提供、及び社内の経営情報の充実化・業務効率化等のため、自社利用のソフトウェアの開発・導入を行う場合やパッケージ製品等の市場販売目的のソフトウェアの開発を行う場合に、その開発コストをソフトウェアとして無形固定資産に計上する場合があります。
その場合、自社利用のソフトウェアについては社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法により減価償却を実施し、市場販売目的のソフトウェアについては見込販売数量等に基づく償却額と見込販売可能有効期間(3年)に基づく定額法のいずれか大きい額を償却する方法により減価償却を実施しています。しかし、将来、事業環境等の大幅な変化がある場合には、回収可能額を見直すことにより、損失を計上する可能性があります。
d.固定資産の減損
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上する方針としております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、特に自動運転関連の事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
e.繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断したうえで繰延税金資産を計上しています。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、税制の変更や事業環境の変化等により課税所得の見積りが大きく変動した場合等には、繰延税金資産の計上額が変動する可能性があります。
なお、繰延税金資産の詳細については「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(税効果会計関係)」及び「第5 経理の状況 2財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(税効果会計関係)」をご参照下さい。
②当連結会計年度の経営成績の分析
「[ 経営成績等の状況の概要 ]」をご参照ください。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
「[ 事業等のリスク ]」をご参照ください。
④キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析
a.キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は4,133百万円となりました。
キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりであります。
※ 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、投資有価証券の取得等によるものであります。また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。運転資金及び投資資金並びに株主還元等については、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金又は金融機関からの借入を基本としております。
当社グループは、健全な財務体質、継続的な営業活動によるキャッシュ・フロー創出能力により、今後も事業成長を確保する目的で手元流動性を高める資金調達や、個別投資案件への資金調達は可能であると考えております。
なお、当連結会計年度末におけるリース債務を含む有利子負債の残高は181百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4,133百万円となっております。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におきまして、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に大きく左右された1年となりました。当連結会計年度の業績予想及び配当予想を開示した2020年8月時点では、緊急事態宣言も解除され感染症拡大の影響も徐々に小さくなる前提の予想を致しました。しかしながら、その後の感染症の再拡大等もあり、2021年1月には、首都圏をはじめ複数の地域で緊急事態宣言が再度発令される状況に至りました。また、海外においても一部地域でロックダウンが行われる状況が続いております。一方、その間にも、スーパーシティ法案の成立や自動運転社会実現に向けた規制改革など、各方面で議論が継続されております。
こうした状況の中で当社グループは、「withコロナ」での働き方の指針「AISAN-New-Standard-Working Style with Corona」を定め、時差出勤やテレワークの活用及びウェブ会議システムを活用した商談など新たな様式を用いた事業活動を行ってまいりました。事業活動全体としては、「未来の社会インフラを創造する」をキーワードに国土強靭化、次世代防災、不動産登記行政といった分野への取り組みとともに、スマートシティ、自動運転社会の実現や、次世代測量用ソフトウェアなどの新製品開発を目指し、積極的に投資を行ってまいりました。しかしながら、個々の商談においては、お客様の投資意欲の低下や、自治体が主催する自動運転の実証実験は延期が発生するなど、業績に影響が及ぶ状況となりました。また、新型コロナウイルス感染症拡大による新しい様式での事業活動により、旅費交通費などの一部経費は計画と比較し、大きく削減されることとなりました一方で、中期的な成長を目的とした当社グループでの次世代システムの開発体制強化ならびに自動運転社会の実現に向けた投資を継続して積極的に実施したことで、前連結会計年度と比較し販売管理費は増加し、営業利益を押し下げた結果、開示しておりました売上高、各利益項目の業績予想を下回ったことから本年4月9日に通期業績予想の修正に至りました。
(前連結会計年度との比較)
A)自社ソフトウェアに関連する事業は、前連結会計年度に、当社主力商品である「Wingneo」シリーズのライセンス販売において、消費増税並びにWindows7サポート終了を機に、それまで製品のアップデートに消極的だったお客様の購買意欲が高く、売上高が伸長しましたが、その反動に加え、年度末にリリースする最新バージョンへのアップデートもお客様の投資抑制より想定以下の結果となり、前連結会計年度の実績を下回りました。
B)MMS(Mobile Mapping System)計測機器販売は、前連結会計年度にMMS計測機器を複数台売上計上する大型案件が発生した一方、当連結会計年度においては、これまで販売してきたMMSの保守契約に係る売上に加え、MMS計測機器の新規販売の売上を計上しましたが、想定していた販売が翌期へスライドしたことにより、販売台数で前連結会計年度を下回ったことから、前連結会計年度の実績を下回りました。
C)三次元計測請負業務及び高精度三次元地図データベース整備は、第2四半期連結累計期間までは、前連結会計年度において自動走行の研究開発分野での利用を目的とした高精度三次元地図の受注が堅調に推移したことから、その仕掛案件への納品対応を行いました。一方で、第3四半期連結累計期間以降は国内の企業や自治体などにおいて、一部高精度三次元地図の商談が新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、次年度以降への延期、もしくは中止となりました。その結果、前連結会計年度の実績を下回りました。
D)自動走行システムの販売及び実用化に向けた実証実験は、これまでに受注していたシステムや受託業務の売上計上もありましたが、当連結会計年度中に予定しておりました一部実証実験が新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、次年度以降への延期もしくは中止となり、前連結会計年度の実績を僅かに下回りました。一方で、将来の事業活動に向けた先行投資として、当連結会計年度においても、事業推進に必要な人財確保、システム構築や機材などの調達を積極的に行いました。
E)新型コロナウイルス感染症による新しい様式での事業活動により、旅費交通費などの一部経費は計画より大きく削減されることとなりましたが、前連結会計年度から引き続き、今後の事業活動拡大や利益確保に向けた必要な投資を行った結果、人件費及び研究開発費が増加し、販売費及び一般管理費は前年の実績を上回りました。人件費は、近年積極的に人財投資を行ったことに伴う人員増から増加したものでありますが、すでに事業活動の中で効果が現れております。また、研究開発費については、計画に基づく新たなソフトウェアや、自動運転に関する技術の開発を推進するため、積極的に投資を行ったものであります。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度の業績は以下の通りです。
(単位:百万円)
| 2019年3月期 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | 対前期増減額 | 対前期増減率 | |
| 売上高 | 4,143 | 4,300 | 3,589 | △711 | △16.5% |
| 営業利益 | 358 | 482 | 244 | △237 | △49.2% |
| 経常利益 | 347 | 495 | 242 | △252 | △51.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 246 | 333 | 181 | △151 | △45.4% |
セグメント別においては、次のとおりであります。
a.事業セグメント別の業績
(単位:百万円)
| 2019年3月期 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | 対前期増減額 | 対前期増減率 | ||
| 測地 ソリューション | 売上高 | 1,951 | 2,029 | 1,846 | △182 | △9.0% |
| セグメント利益 | 514 | 513 | 463 | △50 | △9.8% | |
| 営業利益率 | 26.4% | 25.3% | 25.1% | |||
| G空間 ソリューション | 売上高 | 1,706 | 1,670 | 1,147 | △523 | △31.3% |
| セグメント利益 | 137 | 292 | 80 | △212 | △72.6% | |
| 営業利益率 | 8.1% | 17.5% | 7.0% | |||
| 新規事業 | 売上高 | 474 | 589 | 584 | △5 | △0.9% |
| セグメント利益又は損失(△) | △22 | 6 | △13 | △20 | - | |
| 営業利益率 | △4.8% | 1.2% | △2.4% | |||
| その他 | 売上高 | 11 | 11 | 10 | △0 | △4.1% |
| セグメント利益 | 4 | 4 | 5 | 0 | 22.9% | |
| 営業利益率 | 36.7% | 39.0% | 49.9% |
b.報告セグメント別の概要
測地ソリューション事業
測地ソリューション事業におきましては、当社グループの主力製品である「WingneoINFINITY」の最新バージョンを、当該製品のサポートサービスの一つとして、対象となるサポートサービスに加入しているお客様に対し、第1四半期にお届けしたことにより、当該役務の完了に応じた収益を計上しました。一方で、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、テレワーク等でご利用いただくためのライセンス販売を行ったものの、本年1月に発出された2回目の緊急事態宣言以降、お客様の投資意欲が急速に低下するなど上記前連結会計年度との比較のA)に記載の理由から、新規でのライセンス販売は減少しました。以上により、売上高は前年同期実績を下回る結果となりました。
測量・土木分野における点群処理ツール「WingEarth」は、三次元測量の啓蒙活動を積極的に展開し、各種補助金を活用した販売により一定の効果がありました。特に、三次元計測機器とのセット販売をすることで売上を伸ばし、前年同期の実績を上回る結果となりました。また、高額商品である測量機器の利活用をサポートする測量機器総合マーケット「GEOMARKET」を開設し、リユース・リペア・レンタルの3Rサービスをウェブ展開することにより、収益に貢献しております。
新型コロナウイルスによる事業活動制限から一部科目では経費支出が減少した一方、新たなソフトウェアの研究開発に伴う人員及び工数の増加に加え、新事務所開設に係る経費、販売促進ツールの制作に伴い、販売費及び一般管理費はわずかに増加いたしました。
G空間ソリューション事業
G空間ソリューション事業におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大により、多くの商談において、次年度以降への延期や中止などの影響がありました。
MMS計測機器販売においては、既存顧客へのMMSの保守契約に係る売上、性能向上のための受注に加え、新規のMMS計測機器などを売上計上した一方、前連結会計年度においてMMS計測機器を複数台売上計上する大型案件が発生した反動も含めて、前年同期の実績を大きく下回る結果となりました。
高精度三次元地図関連事業においては、自動走行分野における高精度三次元地図の受注が前連結会計年度に堅調に推移したことから、その仕掛案件への納品対応を行い、売上計上を行いました。一方で、国内の企業や自治体などにおいて、一部高精度三次元地図の商談が、次年度以降への延期もしくは中止となったことに加え、海外における受注案件等も延期となり、これらの結果、売上高は前連結会計年度の実績を下回りました。
また、特に今後成長すると想定される自動走行分野において、生産体制の強化や効率化など積極的な研究開発を進めた結果、販売費及び一般管理費は増加しました。
新規事業
新規事業におきましては、自動走行の分野につきまして、前連結会計年度に引き続き、当連結会計年度も国内の多くの企業や地方自治体などから自動走行の実用化に向けた実証実験や自動走行車両の構築業務等を受注しております。しかしながら、本年1月の複数の都道府県による緊急事態宣言発出に伴い、中止もしくは延期となった実証実験が複数発生したことならびに、自動走行車両の構築案件では世界規模での半導体不足により部材の納品が延期になったことで当該案件の売上が翌期へスライドするなど、本事業分野の損益に影響を与える結果となりました。
また、引き続き、現時点における本事業分野は投資フェーズと捉えており、将来の事業活動に向けた先行投資として、当連結会計年度においても、事業推進に必要な人財確保、システム構築や機材などの投資を積極的に行いました。
その他
自社保有の不動産に係る賃貸収入については、前連結会計年度と同水準の結果となりました。
②当期の財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて326百万円減少し、7,160百万円となりました。このうち、流動資産は5,428百万円となり、その内訳は現金及び預金が4,213百万円等であります。また、固定資産は1,731百万円となり、その内訳は有形固定資産が716百万円、ソフトウェア製品をはじめとする無形固定資産が254百万円、投資その他の資産が760百万円であります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて402百万円減少し、1,355百万円となりました。このうち流動負債は1,041百万円となり、固定負債は313百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて76百万円増加し、5,805百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上181百万円によるものであります。この結果、1株当たり純資産額は1,047円36銭となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は4,133百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果、獲得した資金は408百万円となりました。これは主に仕入債務の減少276百万円等による一方、売掛債権の減少426百万円、税金等調整前当期純利益258百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果、支出した資金は126百万円となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出101百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果、支出した資金は177百万円となりました。これは、配当金の支払額99百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出77百万円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 測地ソリューション事業(千円) | 752,733 | 86.2 |
| G空間ソリューション事業(千円) | 706,433 | 82.7 |
| 新規事業(千円) | 422,934 | 68.4 |
| その他(千円) | - | - |
| 合計(千円) | 1,882,102 | 80.3 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.消費税等は含まれておりません。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 測地ソリューション事業(千円) | 524,030 | 80.8 |
| G空間ソリューション事業(千円) | 487,125 | 58.9 |
| 新規事業(千円) | 424,298 | 99.9 |
| その他(千円) | - | - |
| 合計(千円) | 1,435,454 | 75.5 |
(注)1.金額は仕入価格によっております。
2.消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 測地ソリューション事業(千円) | 1,846,880 | 91.0 |
| G空間ソリューション事業(千円) | 1,147,169 | 68.7 |
| 新規事業(千円) | 584,327 | 99.1 |
| その他(千円) | 10,710 | 95.9 |
| 合計(千円) | 3,589,088 | 83.5 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成しています。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載していますが、特に以下の重要な会計方針や見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えています。
a.売上高及び売上原価の計上方法
当社グループは、MMSによる計測業務等の売上高及び売上原価の計上に関して、成果の確実性が認められる案件については工事進行基準(進捗率の見積りは原価比例法)を、その他の案件については工事完成基準を適用しています。
工事進行基準の採用に当たっては、案件別原価の見積りが合理的に可能であることが前提であり、契約時に慎重に総原価を見積った上で、案件開始後も見積りと実績の比較を行い、適時かつ適切に総原価の見直しを行うことで、売上高計上時における進捗率に関して相応の見積精度があると判断していますが、案件内容の変更、遅延等が生じた場合、案件別原価の見直しが必要となり、その結果、工事進行基準による売上高に変動が生じる可能性があります。なお、今後とも案件の見積精度向上に努める方針です。
b.投資有価証券の減損
当社グループは戦略的投資を実施する場合がありますが、その他有価証券のうち時価のないものについては、移動平均法による原価法により評価しています。
また、実質価額が著しく下落した場合には、回復する見込みがあると認められる場合を除き、当該実質価額まで減損処理を行います。将来、投資先企業の業績不振等により実質価額が下落し、回復する見込みがあると認められない場合には、追加的に減損処理を行う可能性があります。
c.無形固定資産の減価償却の方法
当社グループは、クラウドサービスのような顧客へのサービス提供、及び社内の経営情報の充実化・業務効率化等のため、自社利用のソフトウェアの開発・導入を行う場合やパッケージ製品等の市場販売目的のソフトウェアの開発を行う場合に、その開発コストをソフトウェアとして無形固定資産に計上する場合があります。
その場合、自社利用のソフトウェアについては社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法により減価償却を実施し、市場販売目的のソフトウェアについては見込販売数量等に基づく償却額と見込販売可能有効期間(3年)に基づく定額法のいずれか大きい額を償却する方法により減価償却を実施しています。しかし、将来、事業環境等の大幅な変化がある場合には、回収可能額を見直すことにより、損失を計上する可能性があります。
d.固定資産の減損
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上する方針としております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、特に自動運転関連の事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
e.繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断したうえで繰延税金資産を計上しています。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、税制の変更や事業環境の変化等により課税所得の見積りが大きく変動した場合等には、繰延税金資産の計上額が変動する可能性があります。
なお、繰延税金資産の詳細については「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(税効果会計関係)」及び「第5 経理の状況 2財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(税効果会計関係)」をご参照下さい。
②当連結会計年度の経営成績の分析
「[ 経営成績等の状況の概要 ]」をご参照ください。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
「[ 事業等のリスク ]」をご参照ください。
④キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析
a.キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は4,133百万円となりました。
キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりであります。
| 2019年 3月期 | 2020年 3月期 | 2021年 3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 76.3 | 76.5 | 81.1 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 187.0 | 96.8 | 142.9 |
| キャッシュ・フロー 対有利子負債比率(年) | 0.1 | 0.3 | 0.4 |
| インタレスト・カバレッジ・ レシオ(倍) | 300.3 | 123.5 | 72.8 |
※ 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
| (注1) | 連結ベースの財務数値により計算しております。 |
| (注2) | 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。 |
| (注3) | キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。 |
| (注4) | 有利子負債は貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。 |
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、投資有価証券の取得等によるものであります。また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。運転資金及び投資資金並びに株主還元等については、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金又は金融機関からの借入を基本としております。
当社グループは、健全な財務体質、継続的な営業活動によるキャッシュ・フロー創出能力により、今後も事業成長を確保する目的で手元流動性を高める資金調達や、個別投資案件への資金調達は可能であると考えております。
なお、当連結会計年度末におけるリース債務を含む有利子負債の残高は181百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4,133百万円となっております。