有価証券報告書-第48期(令和1年7月21日-令和2年7月20日)

【提出】
2020/10/15 12:40
【資料】
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【項目】
143項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、“「働く場」「学ぶ場」へ心のこもったおもてなしを提供し、社会に貢献する”
ことを企業理念として掲げております。
民間企業、教育機関、公共機関及び福祉施設を「働く場」「学ぶ場」とし、ICTサービス事業、オフィスシステム事業及びソリューションサービス事業の各事業分野が提供する商品及びサービスの、営業力及び技術力を強化するとともに、「心のこもったおもてなし」力を継続的に高めてまいります。
また、経営理念である「お客さまと働く仲間を幸せにする」ことの実現により、法令を遵守した継続的かつ安定的な企業成長をめざし、社会的責任を果たしてまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、安定的な収益確保の観点から売上高経常利益率を重視しております。当期が初年度となる第11次中期経営計画(2020年7月期~2022年7月期)においては、売上高経常利益率6%程度を継続的に実現することを目標としております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループでは第11次中期経営計画を推進しております。この計画の推進及び経営管理のツールとして、当社ではバランススコアカードを使用しており、バランススコアカードの戦略マップの「財務の視点、顧客の視点、業務プロセスの視点、学習と成長の視点」に14の重要成功要因(CSF:Critical Success Factor)を設定しております。
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≪重点基本方針=顧客体験価値(CX:Customer Experience)の創造≫
~心のこもったおもてなしの提供~
・バランススコアカードの14の重要成功要因の中で特に重視する「顧客体験価値(CX)の創造~心のこもったおもてなしの提供~」を重点基本方針(キードライバー)として掲げております。
・顧客(お客さま)が、商品及びサービスに係る情報の入手~検討~契約~購入~利用~更新する一連の体験プロセスにおいて感じる、心理的及び感情的な価値を顧客体験価値(CX)と定義しています。
・当社グループの企業理念にある「心のこもったおもてなし」提供の実現施策として、商品及びサービスの提供を通じて顧客体験価値(CX)面で期待以上の満足感を感じて頂くことを重要視しております。
・具体的な顧客体験価値(CX)創造活動の推進にあたっては、日常の顧客(お客さま)との接点場面において、本質的に「何がしたいのか」「何に困っているのか」等、「顧客の声(VOC:Voice Of Customer)」を把握します。その「顧客の声(VOC)」を全社的に情報共有し、顧客(お客さま)の真のニーズ(潜在的ニーズ)を顧客視点で分析することにより、より良い商品及びサービスの、開発及び提供プロセスの顧客体験価値向上につとめてまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、第11次中期経営計画において掲げた重点基本方針「顧客体験価値(CX)の創造」並びにこれを含む14の重要成功要因(CSF)を対処すべき重点課題と位置付けております。これらの課題に対処するために、以下にあげる事業分野ごとの施策を推進しております。
(ICTサービス事業分野)
・教育改革に伴うICT投資が続く文教市場に、引き続き多くのリソースを投入し体制を強化いたします。顧客の真のニーズに対応するプロセスにおいて、利用段階の「顧客の声(VOC)」を把握及び分析し、導入支援サービスのみならず、運用支援サービスの充実に取り組みます。
・民間企業における経営課題である働き方改革、生産性向上及び顧客満足度向上等に取り組むためのICT投資に係る提案活動を強化し、顧客のICT関連人材不足から生じる各種のアウトソーシングニーズに対応します。文教市場及び民間市場の双方に対応できる体制を強化することで、ICTエンジニアの季節変動の少ない安定した稼動率を目指します。
・当事業分野における各種サービス、すなわちマルチベンダーサポート、トータル保守サービス、ネットワーク総合サービス、仮想化構築サービス、セキュリティーマネジメントサービス、キッティングサービス及びヘルプデスクサービス等を含むワンストップソリューションサービスの内容を強化し、ハードウェアメーカー、ソフトウェアメーカー並びにICT業界同業他社との協業を推進します。
・デジタルトランスフォーメーションの進展に伴い活用が急拡大しているクラウド、RPA、AI及びIoT等を対象とする新規事業のインキュベーション活動(事業創出活動)に取り組みます。
(オフィスシステム事業分野)
・オフィスビジネスにおいては、積極的な販売促進活動を推進するとともに、執務環境とネットワーク環境の両面で利便性が高くセキュリティーが確保されたオフィス空間の提案力、設計力、及びプロジェクトマネジメント力を強化します。
・サプライビジネスにおいては、クラウド型間接材調達支援サービスの推進による直接販売の拡大、販社向けEDIシステムの拡充による間接販売の拡大並びに業務効率の向上に取り組みます。
・顧客への直販活動の経験が長い当事業の特徴を活かし、従来から良好なビジネス関係を構築している民間企業の総務部門に加えて、情報システム部門へのアプローチ活動及び提案活動を強化します。
・また、当事業の特徴である直販活動を活かし、福祉施設市場へのワンストップソリューションサービスの提案を推進します。
(ソリューションサービス事業分野)
・販売パートナーとの連携を強化し、民間企業、教育機関及び公共機関の顧客に、当社が得意とするアプリケーションソフトの導入サポート及び運用支援サービスの受注拡大に取り組みます。
・受注品質の改善につとめるとともに、サービス提供プロセスにおける顧客満足度と生産性のさらなる向上に取り組みます。
・各アプリケーションソフトが対象とする顧客業務領域別に、商品及びサービスの改革、並びに事業構造の変革及び再構築に取り組み、当事業分野の収益構造の安定化に取り組みます。
全事業分野共通の施策は以下の通りです。
・販売パートナー及び外注パートナー等のステークホルダー、並びに顧客の新規開拓及び信頼関係の構築を推進します。
・ステークホルダー及び顧客に、当社グループの提供する商品及びサービスをわかりやすく知っていただくことを目的としたホームページコンテンツの充実、デジタルマーケティングの推進を強化します。
・「親切なコミュニケーション」を徹底し、社内の各部門間だけでなく、ステークホルダー及び顧客にとってわかりやすく丁寧な「報告、連絡、相談」に努めます。
・重点基本方針「顧客体験価値(CX)の創造」を実現すべく、「顧客の声(VOC)」をはじめとする現場情報の全社共有を推進し、組織横断的な経営品質の改善及び業務プロセスの変革に取り組みます。
・社員ひとりひとりの誠実な心を育て、コンプライアンス重視を徹底します。
・テクニカルスキル、コミュニケーションスキル及びコンセプチュアルスキルの強化を目的とする教育研修を計画的に実施し、社員ひとりひとりの成長を推進します。
・従業員体験価値(EX:Employee Experience)の向上をめざし、働く環境の整備及び各種の制度改革に取り組みます。
・優秀な人材の採用を増やすための積極的な人材採用マーケティング活動を推進します。
・当社が対象とする市場(民間企業、教育機関、公共機関及び福祉施設)における新型コロナウイルス感染症による影響を的確に把握し、各市場の顧客が必要とするICTに係る提案活動を推進します。