有価証券報告書-第51期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/24 11:00
【資料】
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【項目】
154項目
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社では、「継続的に企業価値を高める」ことを経営における最重要項目と位置づけ、①経営の透明性と健全性の確保、②スピーディーな意思決定と事業遂行の実現、③アカウンタビリティー(説明責任)の明確化、および④迅速かつ適切で公平な情報開示を基本方針として、コーポレートガバナンスの強化および監視機能の充実に取り組んでいます。
② 企業統治の体制の概要
1)会社の機関の基本説明
当社は、経営の重要事項に関する意思決定機関および業務執行の監督機関として、毎月1回の定例取締役会および必要に応じて臨時取締役会を開催し、的確かつ迅速に経営上の重要事項を審議し、決議しています。
当社は監査役会設置会社であり、監査役会は常勤監査役1名と、3名の社外監査役(独立役員の社外監査役1名を含む)を合わせた4名で構成されています。監査役は、重要な意思決定の過程を把握するため、取締役会などの重要な会議に出席し、業務執行状況を確認するほか、それぞれの専門的立場から経営と財産の状況について監査を行い、経営監視機能の強化を図っています。
2)会社の機関・内部統制の関係(2019年6月24日時点)
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3)おもな会社の機関の概要
(イ)取締役会
グループの経営方針や目標を定めるとともに、グループ各社の経営と業務執行を管理・監督する役割を担っています。知識・経験・能力・専門性等において多様なメンバーの確保に努めており、取締役6名のうち3名は社外取締役で構成し、そのうち2名は東京証券取引所に対し独立役員としての届出を行っています。
構成員:舩越 真樹(議長、代表取締役社長)、山川 利雄、山内 佳代、杉浦 章介(社外取締役)、林 慶治郎(社外取締役)、中村 あや(社外取締役)、田村 公一、岡崎 正憲(社外監査役)、長谷川 啓一(社外監査役)、渡辺 尚生(社外監査役)
(ロ)監査役・監査役会
当社は、監査役会設置会社の形態を採用しています。監査役会は、グループ業務に精通した常勤監査役1名と、高度な専門性と豊富な経験を有する社外監査役3名で構成しています。会計監査人や社長直轄の経営監査室とも連携しつつ、取締役・執行役員の職務執行状況の確認や、経営と財産の状況の監査等を行っています。なお、社外監査役3名のうち1名は、東京証券取引所に対し独立役員としての届出を行っています。
構成員:田村 公一(議長、常勤監査役)、岡崎 正憲(社外監査役)、長谷川 啓一(社外監査役)、渡辺 尚生(社外監査役)
(ハ)グループ監査役会議
監査役の視点からグループ全体の課題や問題点等を議論・検討する目的で、2019年4月に新設しました。グループ各社の監査役および関連部署の代表者を構成メンバーとし、各社の個別の課題や問題点にくわえ、監査役会からの問題提起や検討要請にも対応します。
構成員:田村 公一(議長、常勤監査役)、岡崎 正憲(社外監査役)、長谷川 啓一(社外監査役)、渡辺 尚生(社外監査役)、加藤 剛、荒木 靖博、高橋 かおり、池田 裕之、小菅 信之、樊 娜
(ニ)指名報酬委員会
取締役会の諮問機関として、独立社外役員3名で構成しています。取締役・監査役候補の指名、取締役の報酬、経営幹部の選解任等について諮問を行い、独立的な立場からの客観的な意見を徴することで、コーポレートガバナンスの透明性・公正性の向上を図っています。
構成員:岡崎 正憲(委員長、社外監査役)、杉浦 章介(社外取締役)、林 慶治郎(社外取締役)
(ホ)経営委員会
取締役会の諮問機関として、おもにM&A、投資、資本・業務提携等の重要案件について議論・検討を行う目的で、2019年4月に新設しました。重要案件の議論・検討に、より時間をかけるとともに、自由闊達な議論を促すことを目的としています。
構成員:山内 佳代(委員長、取締役兼専務執行役員)、舩越 真樹、山川 利雄、杉浦 章介(社外取締役)、林 慶治郎(社外取締役)、中村 あや(社外取締役)、田村 公一、岡崎 正憲(社外監査役)、長谷川 啓一(社外監査役)、渡辺 尚生(社外監査役)、小池 昭彦、七尾 静也、中谷 昌義、荒木 靖博
(ヘ)グループリスク管理委員会
取締役会の諮問機関として、リスク管理委員会を改組のうえ設置しました。想定される3つの主要リスク(経営全般、ハザード、オペレーション)ごとに小委員会を新設し、事象の洗い出しと対策の立案を行ったうえで、当委員会がその内容について議論、検証を行います。
構成員:小池 昭彦(委員長、副社長執行役員)、舩越 真樹、山川 利雄、山内 佳代、杉浦 章介(社外取締役)、林 慶治郎(社外取締役)、中村 あや(社外取締役)、田村 公一、岡崎 正憲(社外監査役)、長谷川 啓一(社外監査役)、渡辺 尚生(社外監査役)、七尾 静也、池田 裕之、中谷 昌義、野津 浩生
③ 当該企業統治の体制を採用する理由
当社は、企業規模や事業内容に鑑み、社外監査役を含めた監査役による監査体制が経営監視機能として有効であると判断し、監査役会設置会社の形態を採用しています。
④ 企業統治に関するその他の事項
1)内部統制システムの整備の状況
当社は、会社法の定める「取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備」に関して、以下のような体制の確立・推進を進めています。
(イ)取締役・使用人の職務執行が法令・定款に適合することを確保するための体制
a)取締役および執行役員は、当社および関係会社(子会社および孫会社)が共有すべきルール・考え方を定めた経営理念「IDentity」に基づき、企業倫理の確立に努めるとともに、法令、定款および社内規程の遵守の重要性を役職員に対し繰り返し発信し、その周知徹底を図る。
b)コンプライアンスの徹底を図るため、コンプライアンス所管の専担部署を設置し、「コンプライアンス基本規程」を定めるとともに、コンプライアンス意識の維持・確立、その周知徹底のための教育・啓蒙活動等を行う。
c)当社グループにおける法令違反や社内ルール違反等の行為については、社内通報窓口をコンプライアンス所管部署、社外通報窓口を顧問弁護士とする「ホットライン」を設け、問題の早期発見に努める。
d)財務報告に係る信頼性を確保するために必要な内部統制システムを整備し、維持・向上を図る。
e)社会の秩序や企業の健全な活動に脅威を与える反社会的勢力に対しては、毅然とした態度で組織的に対応し排除する。
(ロ)取締役の職務執行に係る情報の保存および管理に関する体制
取締役の職務の執行に係る情報・文書(電磁的媒体を含む)の取扱いは、社内規程およびそれに関する関連マニュアル等に従い適切に保存および管理(廃棄を含む)を実施し、必要に応じて運用状況の点検、各規程等の見直し等を行う。
(ハ)損失の危険の管理に関する規程その他の体制
コンプライアンス、自然災害、情報セキュリティ、労務管理、および品質管理等に係るリスクについては、取締役会の諮問機関である「グループリスク管理委員会」において、リスク状況のモニタリング、対策の検討および状況の取締役会報告等を行う。個別リスクへの対応については、各々の所管部署が、規則・ガイドラインの制定、研修の実施、マニュアルの作成・配布等を行う。
(ニ)取締役の職務執行が効率的に行われることを確保するための体制
a)取締役の迅速かつ適正な意思決定のために、「グループ経営会議」、「経営委員会」等を設置し、重要案件の事前審議等を行う。
b)業務執行に関する職務分掌・権限・手続き等を明確化し、執行役員制度を導入し効率的な業務執行を図る。
c)経営計画のマネジメントについては、中期経営計画および年度計画に基づき、各業務執行ラインが目標達成のために活動し、代表取締役が月次レビューにより、事業計画の進捗と業務の執行状況の確認を行う。
d)取締役会規程により定められている事項およびその付議基準に該当する事項については、すべて取締役会に付議することを遵守する。
(ホ)当社ならびにその子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
a)関係会社の業務の適正を確保するため、「関係会社管理規程」ならびに「関係会社管理所管部署」を定め、関係会社の関連部署等とも連携して、その業務執行状況について管理、指導を行う。
b)経営監査所管部署は当社グループの業務活動の適法性、効率性について監査する。
c)監査役会のもとに「グループ監査役会議」を設置し、当社グループ各社の監査役が意見交換や情報交換を行うとともに、監査役の視点から、グループ全体に関わる事項について議論、検討を行う。
(ヘ)監査役の職務を補助すべき使用人を置くことに関する事項
a)監査役の求めがある場合、監査役の職務を補助すべき部署として、専担部署の設置もしくは既存部署による兼務により、専任もしくは兼任の使用人1名以上を配置する。
b)前項の具体的な内容については、監査役の意見を聴取し、人事担当役員その他関係各方面の意見も十分に考慮して決定する。
(ト)監査役の職務を補助すべき使用人の取締役からの独立性に関する事項
監査役の職務を補助すべき使用人の任命・異動、人事評価、懲戒処分については、監査役会の同意を必要とする。
(チ)取締役および使用人が監査役に報告をするための体制その他の監査役への報告に関する体制
a)役職員は、監査役に対して、法定の事項にくわえ、当社グループに重大な影響を及ぼす事項、内部監査の状況、コンプライアンス・ホットラインによる通報状況およびその内容をすみやかに報告する体制を整備する。報告の方法については、取締役との協議により決定する。
b)監査役は、「取締役会」、「グループ経営会議」その他重要な会議に出席する。
(リ)その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
a)役職員の監査役監査に対する理解を深め、監査役監査のための環境を整備する。
b)監査役会は、代表取締役、会計監査人との定期的な意見交換を実施し、適切な意思疎通および効果的な監査業務の遂行を図る。
(ヌ)業務の適正を確保するための体制の運用状況の概要
a)コンプライアンス体制
当社グループは、経営理念である「IDentity」を実践していくうえで、コンプライアンスの徹底・強化を経営上の重要な基本原則と位置付けています。2018年度にはコンプライアンス所管の専担部署を新設し、「コンプライアンス基本規程」に基づき、コンプライアンス意識のさらなる維持・確立と周知徹底のための教育・啓蒙活動等に努めています。
内部通報制度に関しては、社内外に通報窓口を設置するとともに、通報窓口を記載したカードの配布対象先を社外のビジネスパートナーにも拡大し、コンプライアンスに係る問題の早期発見・解決に努めています。
b)リスク管理体制
2019年4月の持株会社制移行を機に、従来の「リスク管理委員会」を改組し、取締役会の諮問機関として「グループリスク管理委員会」を設置しました。グループ内で想定される3つの主要リスク(経営全般、ハザード、オペレーション)ごとに新設された小委員会と連携することで、取締役会の関与を高め、グループ横断的なリスク管理のさらなる強化・向上を目指します。
c)取締役の効率的な職務執行体制
持株会社制への移行を機に、取締役会の諮問機関として「経営委員会」を新設しました。おもにM&A、投資、資本・業務提携等の重要案件について、より時間をかけるとともに、自由闊達な議論を促すことを目的としています。
また、グループ各社の経営上の重要課題を協議する場として、常勤の取締役・監査役やグループ会社の経営幹部をメンバーとする「グループ経営会議」を、原則月1回開催しています。
d)グループ経営管理体制
持株会社制への移行を機に、グループの経営管理を、国内グループ会社は直接当社が、海外グループ会社については、主要グループ会社を通じて行う体制に変更しました。これにともない「関係会社管理規程」の抜本的見直しを実施し、グループ会社に関する重要事項についての決裁権限とその手続きの明確化を図りました。
e)監査体制
監査役は、取締役会やグループ経営会議その他重要な会議に出席するとともに、監査役会において、代表取締役、会計監査人および内部監査部門との定期的な意見交換を行い、適切な意思疎通と効果的な監査業務の遂行に努めています。
また、持株会社制への移行を機に、監査役会のもとに「グループ監査役会議」を設置しました。監査役の視点からグループ全体の課題や問題点等を議論・検討するほか、監査役会からの問題提起や検討要請にも対応します。
4)取締役および監査役の責任免除
当社は、取締役および監査役が期待される役割を十分に発揮できるよう、会社法第426条第1項の規定により、取締役会の決議によって、同法第423条第1項の取締役(取締役であった者を含む)および監査役(監査役であった者を含む)の賠償責任を、法令の限度において免除することができる旨定款に定めています。
5)責任限定契約の内容の概要
当社は、会社法第427条第1項の規定により、責任限定契約を締結することができる旨定款に定めており、これに基づき、業務執行取締役等でない取締役およびすべての監査役との間で、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しています。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、法令が定める額としています。
6)取締役の定数
当社の取締役は、9名以内とする旨定款に定めています。
7)取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めています。また、取締役の選任状況については、累積投票によらない旨を定款に定めています。
8)株主総会決議事項を取締役会で決議することができる事項
(イ)自己株式の取得
当社は、自己株式の取得について、機動的な資本政策を遂行することを可能とするため、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議をもって自己株式を取得することができる旨定款に定めています。
(ロ)中間配当
当社は、株主への機動的な利益還元ができるよう、取締役会の決議により毎年9月30日を基準日として会社法第454条第5項に定める中間配当を行うことができる旨定款に定めています。
9)株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めています。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものです。