有価証券報告書-第55期(2022/04/01-2023/03/31)
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方
当社では、「継続的に企業価値を高める」ことを経営における最重要項目と位置づけ、①経営と執行の分離による透明性と健全性の確保、②スピーディーな意思決定と事業遂行の実現、③アカウンタビリティー(説明責任)の明確化、および④迅速かつ適切で公平な情報開示を基本方針として、コーポレートガバナンスの強化および監視機能の充実に取り組んでいます。
② 企業統治の体制の概要
1)会社の機関の基本説明
当社は、経営の重要事項に関する意思決定機関および業務執行の監督機関として、毎月1回定例取締役会および必要に応じて臨時取締役会を開催し、適正かつ迅速に経営上の重要事項を審議し、決議しています。
当社は監査役会設置会社であり、監査役会は常勤監査役1名と、3名の社外監査役(独立役員の社外監査役2名を含む)をあわせた4名で構成されています。監査役は、重要な意思決定の過程を把握するため、取締役会などの重要な会議に出席し、業務執行状況を確認するほか、それぞれの専門的立場から経営と財産の状況について監査を行い、経営監視機能の役割を担っています。
2)会社の機関・内部統制の関係(2023年6月26日時点)

3)おもな会社の機関の概要
(イ)取締役会
当社グループの中期経営計画および事業年度計画などや、法令に基づいた重要な意思決定と法定事項について決定するとともに、取締役の職務執行状況の監督、グループ全体の内部統制システムの構築を行っています。
構成は、議長である代表取締役社長、代表取締役副社長、取締役兼専務執行役員の3名の業務執行取締役のほか、3名の独立社外取締役をくわえた6名となっています。
なお、2023年3月期に関しては、臨時取締役会を含め合計13回開催され、当時の各取締役および各監査役の出席率は100%でした。
また、当社は、取締役会が備えるべきスキルと多様性を定め、各取締役および監査役が有する知識・経験のうち、それらの発揮をとくに期待する項目を一覧化した「取締役会のスキルマトリックス、多様性」を策定し、開示しています。(https://www.idnet-hd.co.jp/corporate/policy.html)
取締役会でのおもな検討事項(件数)
(ロ)監査役会
監査役会設置会社の形態を採用しています。監査役会は、グループ業務に精通した常勤監査役1名と、高度な専門性と豊富な経験を有する社外監査役3名で構成しています。会計監査人や社長直轄の経営監査室とも連携し、取締役・執行役員の職務執行の監査や、経営と財産の状況の監査等を行っています。
(ハ)指名報酬委員会
取締役会の諮問機関として、委員長を務める独立社外取締役1名と、独立社外役員4名の計5名で構成し、取締役・監査役候補の指名、取締役の報酬、経営幹部の選解任等について、独立した立場で審議し、その結果を取締役会に答申しています。
なお、2023年3月期に関しては合計3回開催され、当時の各委員の出席率は100%でした。
指名報酬委員会の活動状況
(ニ)経営委員会
取締役会の諮問機関として、取締役会構成メンバーを中心とした13名で、おもにM&A、投資、資本・業務提携等の重要事項について、より時間をかけ自由闊達な議論を行っています。2023年3月期はおもに資本政策、組織体制、中期経営計画、出資などの重要案件を取り上げ、合計5回開催しました。
(ホ)グループリスク管理委員会
取締役会の諮問機関として、当社の代表取締役社長を委員長に、取締役会構成メンバー、執行役員、グループ各社の社長および関連役職員で構成され、3つの主要リスク(経営・財務、人事・労務・社会全般、事業部門オペレーショナル)を中心に、リスク事象の洗出しと対策について議論・検証を行っています。2023年3月期は、損害の発生度・規模といった従来のリスク評価に、社会への影響度という新たな観点をくわえる等の見直しを行いました。
(ヘ)グループ経営会議
当社の常勤の取締役・監査役、執行役員およびグループ各社の社長をおもな構成メンバーに、グループ全体に影響を与える経営課題等を討議するとともに、経営上の重要事項や取締役会決議事項について、事前審議を行うことで、迅速かつ的確な意思決定プロセスの充実に努めています。当社のコーポレート戦略部長が議長を務め、月1回定期的に開催するほか、必要に応じて随時開催し、迅速で効率的なグループ経営を推進しています。
なお、上記設置機関の提出日現在の構成員等ならびに各設置機関の2023年3月期開催実績は、以下のとおりです。
(◎は議長または委員長を表す)
このほか、当社グループのコーポレートガバナンスや内部統制のさらなる整備・強化の観点より、以下の会議を設置しています。
<グループ監査役会議>監査役の視点から、個社だけでなくグループ全体の課題や問題点等を議論・検討する目的で設置しています。議長の当社常勤監査役とグループ各社の監査役に、グループ各社の関連部署長をくわえ、各社の監査報告やグループ経営上の問題点や諸課題への対応等について議論・検討を行いました。
<グループ内部統制会議>代表取締役社長を議長とする「グループ内部統制会議」を四半期毎に開催し、グループの内部統制システムに係る体制の整備・運用状況を定期的に評価・検証をして、その審議結果を年2回取締役会に報告しています。2023年3月期は、インボイス制度対応、グループ共通規程や取引フローの整備、ルールの順守など、内部統制に関連する業務プロセスの見直しを推進しました。
③ 当該企業統治の体制を採用する理由
当社は、企業規模や事業内容に鑑み、社外監査役を含めた監査役による監査体制が経営監視機能として有効であると判断し、監査役会設置会社の形態を採用しています。
④ 企業統治に関するその他の事項
1)内部統制システムの整備の状況
当社は、会社法の定める「取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備」に関して、以下のような体制を整備しています。
(イ)取締役・使用人の職務執行が法令・定款に適合することを確保するための体制
a)取締役および執行役員は、IDグループが共有すべきルール・考え方を定めた経営理念「IDentity」に基づき、企業倫理の確立に努めるとともに、法令、定款および社内規程の遵守の重要性を役職員に対し繰り返し発信し、周知徹底を図る。
b)コンプライアンスの徹底を図るため、コンプライアンス所管の専担部署を設置し、「コンプライアンス基本規程」を定めるとともに、コンプライアンス意識の維持・確立、周知徹底のための教育・啓蒙活動等を行う。
c)当社グループにおける法令違反や社内ルール違反等の行為については、「内部通報規程」を制定し、通報または相談を受け付ける内部窓口(監査役ならびにコンプライアンス所管部署)と、通報を受け付ける外部窓口(顧問弁護士等)を設置し、問題の早期発見に努める。
d)財務報告に係る信頼性を確保するため、別途「財務報告に係る内部統制方針」を定め、財務報告に係る内部統制のマネジメントシステムを構築し、その適正な運用に努める。
e)社会の秩序や企業の健全な活動に脅威を与える反社会的勢力に対しては、毅然とした態度で組織的に対応し排除する。
(ロ)取締役の職務執行に係る情報の保存および管理に関する体制
取締役の職務の執行に係る情報・文書(電磁的媒体を含む)の取扱いは、社内規程およびそれに関する関連マニュアル等に従い適切に保存および管理(廃棄を含む)を実施し、必要に応じて運用状況の点検、各規程等の見直し等を行う。
(ハ)損失の危険の管理に関する規程その他の体制
コンプライアンス、自然災害、情報セキュリティ、労務管理および品質管理等に係るリスクについては、取締役会の諮問機関である「グループリスク管理委員会」が、リスク状況のモニタリング、対策等を行い、取締役会に報告する。個別リスクへの対応については、各々の所管部署が、規則・ガイドラインの制定、研修の実施、マニュアルの作成・配布等を行う。
(ニ)取締役の職務執行が効率的に行われることを確保するための体制
a)取締役の迅速かつ適正な意思決定のために、「グループ経営会議」、「経営委員会」等を設置し、重要事項の事前審議等を行う。
b)業務執行に関する分掌・権限・手続き等を規程類により明確化するとともに、執行役員制度を導入し効率的な業務執行を図る。
c)経営のマネジメントについては、中期経営計画および年度計画に基づき、各業務執行ラインが目標達成のために活動し、取締役会にて事業計画の進捗と業務の執行状況の確認を行う。
d)取締役会規程により定められている事項およびその付議基準に該当する事項については、すべて取締役会に付議することを遵守する。
(ホ)当社グループにおける業務の適正を確保するための体制
a)当社グループにおける業務の適正を確保するため、「関係会社管理規程」ならびに「関係会社管理所管部署」を定め、関係会社の関連部署等とも連携して、その業務執行状況について管理・指導を行う。
b)経営監査所管部署は、当社グループの業務活動の適法性・効率性について監査する。
c)監査役会のもとに「グループ監査役会議」を設置し、当社グループ各社の監査役が意見交換や情報交換を行うとともに、監査役の視点から、グループ全体に関わる事項について議論・検討を行う。
(ヘ)監査役の職務を補助すべき使用人を置くことに関する事項
a)監査役の求めがある場合、監査役の職務を補助すべき部署として、専担部署の設置もしくは既存部署との兼務により、専任もしくは兼任の使用人1名以上を配置する。
b)前項の具体的な内容については、監査役の意見を聴取し、人事担当役員その他関係各方面の意見も十分に考慮して決定する。
(ト)監査役の職務を補助すべき使用人の取締役からの独立性に関する事項
監査役の職務を補助すべき使用人の任免・異動、人事評価、懲戒処分については、監査役会の同意を必要とする。
(チ)取締役および使用人が監査役に報告をするための体制
a)取締役およびその他の役職者は、監査役に対して、法定の事項にくわえ、当社グループに重大な影響を及ぼす事項、内部監査の状況、内部通報制度の利用状況およびその内容をすみやかに報告する体制を整備する。報告の方法については、取締役との協議により決定する。
b)監査役は、「取締役会」、「グループ経営会議」その他重要な会議に出席する。
(リ)その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
a)役職員の監査役監査に対する理解を深め、監査役監査のための環境を整備する。
b)監査役会は、代表取締役、会計監査人との定期的な意見交換を実施し、適切な意思疎通および効果的な監査業務の遂行を図る。
(ヌ)業務の適正を確保するための体制の運用状況の概要
a)コンプライアンス体制
当社グループは、経営理念である「IDentity」を実践していくうえで、コンプライアンスの徹底・強化を経営上の重要な基本原則と位置づけています。「コンプライアンス基本規程」に基づき、コンプライアンス所管の専担部署を中心に、コンプライアンス意識のさらなる強化と周知徹底のための教育・啓蒙活動等に努めています。
内部通報制度については、「内部通報規程」を制定し、社内外の通報・相談窓口に監査役を追加することで、コンプライアンスに係る問題のよりいっそうの早期発見・解決に努めています。
b)リスク管理体制
取締役会の諮問機関である「グループリスク管理委員会」を原則半期毎に開催することにくわえ、緊急の必要があるときは随時開催する体制としています。2023年3月期は、損害の発生度・規模といった従来のリスク評価に、社会への影響度という新たな観点をくわえる等の見直しを行いました。
c)取締役の効率的な職務執行体制
毎月1回の定例取締役会にくわえ必要に応じて臨時取締役会を開催し、経営上の意思決定の迅速化を図るとともに、取締役会の諮問機関である「経営委員会」にて十分な時間をかけ自由闊達な議論を行っています。2023年3月期の経営委員会はおもに資本政策、組織体制、中期経営計画、出資などの重要案件を取り上げ、合計5回開催しました。
また、グループ各社の経営上の重要課題を協議する場として、常勤の取締役・監査役やグループ会社の経営幹部をメンバーとする「グループ経営会議」を、原則月1回開催しています。
d)グループ経営管理体制
グループ会社の経営管理については、「関係会社管理規程」に基づき、業務執行上の重要度に応じて、当社の取締役会または取締役の決裁を受ける体制を整備しています。2023年3月期は、グループ経営の効率化へ向け、連結子会社間の合併、吸収分割などの大幅な組織変更を実施したことにくわえ、前期行った管理部門業務の当社への移管の定着化を図りました。
e)グループの内部統制管理体制
グループの内部統制システムに係る体制の整備・運用状況を定期的に評価・検証するため、代表取締役社長を議長とする「グループ内部統制会議」を四半期毎に開催し、その審議結果を年2回取締役会に報告しています。2023年3月期は、インボイス制度対応、グループ共通規程や取引フローの整備、ルールの順守など、内部統制に関連する業務プロセスの見直しを推進しました。
f)監査体制
監査役は、取締役会やグループ経営会議その他重要な会議に出席するとともに、監査役会において、代表取締役、会計監査人および内部監査部門との定期的な意見交換を行い、適切な意思疎通と効果的な監査業務の遂行に努めています。また、監査役会のもとに「グループ監査役会議」を設け、半期毎に監査役の視点からグループ全体の課題や問題点等を議論・検討するほか、監査役会からの問題提起や検討要請にも適宜対応しています。
2)取締役および監査役の責任免除
当社は、取締役および監査役が期待される役割を十分に発揮できるよう、会社法第426条第1項の規定により、取締役会の決議によって、同法第423条第1項の取締役(取締役であった者を含む)および監査役(監査役であった者を含む)の賠償責任を、法令の限度において免除することができる旨定款に定めています。
3)責任限定契約の内容の概要
当社は、会社法第427条第1項の規定により、責任限定契約を締結することができる旨定款に定めており、これに基づき、業務執行取締役等でない取締役およびすべての監査役との間で、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しています。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、法令が定める額としています。
4)補償契約の内容の概要
当社と取締役ならびに監査役は、会社法第430条第1項に規定する補償契約を締結していません。
5)役員賠償責任保険契約(D&O保険)の内容の概要
当社は、会社法第430条の3第1項に規定する役員賠償責任保険を、取締役および監査役を被保険者として保険会社との間で締結しています。てん補の対象となる損害は、被保険者が負担すべき株主代表訴訟、第三者訴訟、会社訴訟等としています。ただし、被保険者の犯罪行為や法令に違反することを被保険者が認識しながら行った行為に関する当該被保険者自身の損害は、てん補の対象外とすることにより、被保険者の職務の適正性が損なわれないようにするための措置を講じています。保険料は、会社負担としています。
6)取締役の定数
当社の取締役は、9名以内とする旨定款に定めています。
7)取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めています。また、取締役の選任状況については、累積投票によらない旨定款に定めています。
8)株主総会決議事項を取締役会で決議することができる事項
(イ)自己株式の取得
当社は、自己株式の取得について、機動的な資本政策を遂行することを可能とするため、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議をもって自己株式を取得することができる旨定款に定めています。
(ロ)中間配当
当社は、株主への機動的な利益還元ができるよう、取締役会の決議により毎年9月30日を基準日として会社法第454条第5項に定める中間配当を行うことができる旨定款に定めています。
9)株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めています。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものです。
① コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方
当社では、「継続的に企業価値を高める」ことを経営における最重要項目と位置づけ、①経営と執行の分離による透明性と健全性の確保、②スピーディーな意思決定と事業遂行の実現、③アカウンタビリティー(説明責任)の明確化、および④迅速かつ適切で公平な情報開示を基本方針として、コーポレートガバナンスの強化および監視機能の充実に取り組んでいます。
② 企業統治の体制の概要
1)会社の機関の基本説明
当社は、経営の重要事項に関する意思決定機関および業務執行の監督機関として、毎月1回定例取締役会および必要に応じて臨時取締役会を開催し、適正かつ迅速に経営上の重要事項を審議し、決議しています。
当社は監査役会設置会社であり、監査役会は常勤監査役1名と、3名の社外監査役(独立役員の社外監査役2名を含む)をあわせた4名で構成されています。監査役は、重要な意思決定の過程を把握するため、取締役会などの重要な会議に出席し、業務執行状況を確認するほか、それぞれの専門的立場から経営と財産の状況について監査を行い、経営監視機能の役割を担っています。
2)会社の機関・内部統制の関係(2023年6月26日時点)

3)おもな会社の機関の概要
(イ)取締役会
当社グループの中期経営計画および事業年度計画などや、法令に基づいた重要な意思決定と法定事項について決定するとともに、取締役の職務執行状況の監督、グループ全体の内部統制システムの構築を行っています。
構成は、議長である代表取締役社長、代表取締役副社長、取締役兼専務執行役員の3名の業務執行取締役のほか、3名の独立社外取締役をくわえた6名となっています。
なお、2023年3月期に関しては、臨時取締役会を含め合計13回開催され、当時の各取締役および各監査役の出席率は100%でした。
また、当社は、取締役会が備えるべきスキルと多様性を定め、各取締役および監査役が有する知識・経験のうち、それらの発揮をとくに期待する項目を一覧化した「取締役会のスキルマトリックス、多様性」を策定し、開示しています。(https://www.idnet-hd.co.jp/corporate/policy.html)
取締役会でのおもな検討事項(件数)
分類 | 2022年3月期 | 2023年3月期 |
経営戦略、資本政策、中期経営計画関連 | 21 | 27 |
決算関連 | 23 | 21 |
サステナビリティ関連 | 9 | 4 |
内部統制、コンプライアンス、リスク管理関連 | 36 | 31 |
コーポレートガバナンス関連 | 8 | 3 |
人事関連 | 9 | 10 |
個別案件 | 27 | 22 |
職務執行報告 | 4 | 4 |
合計 | 137 | 122 |
(ロ)監査役会
監査役会設置会社の形態を採用しています。監査役会は、グループ業務に精通した常勤監査役1名と、高度な専門性と豊富な経験を有する社外監査役3名で構成しています。会計監査人や社長直轄の経営監査室とも連携し、取締役・執行役員の職務執行の監査や、経営と財産の状況の監査等を行っています。
(ハ)指名報酬委員会
取締役会の諮問機関として、委員長を務める独立社外取締役1名と、独立社外役員4名の計5名で構成し、取締役・監査役候補の指名、取締役の報酬、経営幹部の選解任等について、独立した立場で審議し、その結果を取締役会に答申しています。
なお、2023年3月期に関しては合計3回開催され、当時の各委員の出席率は100%でした。
指名報酬委員会の活動状況
開催日 | 内容 |
2022年12月14日 | 後継者育成について討議 |
2023年1月31日 | 株式報酬制度について討議 |
2023年3月14日 | 取締役の決算賞与および月額報酬について討議 |
(ニ)経営委員会
取締役会の諮問機関として、取締役会構成メンバーを中心とした13名で、おもにM&A、投資、資本・業務提携等の重要事項について、より時間をかけ自由闊達な議論を行っています。2023年3月期はおもに資本政策、組織体制、中期経営計画、出資などの重要案件を取り上げ、合計5回開催しました。
(ホ)グループリスク管理委員会
取締役会の諮問機関として、当社の代表取締役社長を委員長に、取締役会構成メンバー、執行役員、グループ各社の社長および関連役職員で構成され、3つの主要リスク(経営・財務、人事・労務・社会全般、事業部門オペレーショナル)を中心に、リスク事象の洗出しと対策について議論・検証を行っています。2023年3月期は、損害の発生度・規模といった従来のリスク評価に、社会への影響度という新たな観点をくわえる等の見直しを行いました。
(ヘ)グループ経営会議
当社の常勤の取締役・監査役、執行役員およびグループ各社の社長をおもな構成メンバーに、グループ全体に影響を与える経営課題等を討議するとともに、経営上の重要事項や取締役会決議事項について、事前審議を行うことで、迅速かつ的確な意思決定プロセスの充実に努めています。当社のコーポレート戦略部長が議長を務め、月1回定期的に開催するほか、必要に応じて随時開催し、迅速で効率的なグループ経営を推進しています。
なお、上記設置機関の提出日現在の構成員等ならびに各設置機関の2023年3月期開催実績は、以下のとおりです。
(◎は議長または委員長を表す)
役 職 名 | 氏 名 | 取締役会 | 監査役会 | 指名報酬 委員会 | 経営 委員会 | グループリスク 管理委員会 | グループ 経営会議 |
代表取締役社長 兼 グループ最高経営責任者 | 舩越 真樹 | ◎ | ○ | ◎ | ○ | ||
代表取締役副社長 | 山川 利雄 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
取締役 兼 専務執行役員 | 高橋 かおり | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
独立社外取締役 | 中村 あや | ○ | ◎ | ○ | ○ | ||
独立社外取締役 | 西川 理恵子 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
独立社外取締役 | 白畑 尚志 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
常勤監査役 | 小池 昭彦 | ○ | ◎ | ○ | ○ | ○ | |
社外監査役 | 酒井 康夫 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
独立社外監査役 | 用 弘美 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
独立社外監査役 | 入野 泰一 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
2023年3月期の開催実績 | 13回 | 13回 | 3回 | 5回 | 3回 | 15回 |
このほか、当社グループのコーポレートガバナンスや内部統制のさらなる整備・強化の観点より、以下の会議を設置しています。
<グループ監査役会議>監査役の視点から、個社だけでなくグループ全体の課題や問題点等を議論・検討する目的で設置しています。議長の当社常勤監査役とグループ各社の監査役に、グループ各社の関連部署長をくわえ、各社の監査報告やグループ経営上の問題点や諸課題への対応等について議論・検討を行いました。
<グループ内部統制会議>代表取締役社長を議長とする「グループ内部統制会議」を四半期毎に開催し、グループの内部統制システムに係る体制の整備・運用状況を定期的に評価・検証をして、その審議結果を年2回取締役会に報告しています。2023年3月期は、インボイス制度対応、グループ共通規程や取引フローの整備、ルールの順守など、内部統制に関連する業務プロセスの見直しを推進しました。
③ 当該企業統治の体制を採用する理由
当社は、企業規模や事業内容に鑑み、社外監査役を含めた監査役による監査体制が経営監視機能として有効であると判断し、監査役会設置会社の形態を採用しています。
④ 企業統治に関するその他の事項
1)内部統制システムの整備の状況
当社は、会社法の定める「取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備」に関して、以下のような体制を整備しています。
(イ)取締役・使用人の職務執行が法令・定款に適合することを確保するための体制
a)取締役および執行役員は、IDグループが共有すべきルール・考え方を定めた経営理念「IDentity」に基づき、企業倫理の確立に努めるとともに、法令、定款および社内規程の遵守の重要性を役職員に対し繰り返し発信し、周知徹底を図る。
b)コンプライアンスの徹底を図るため、コンプライアンス所管の専担部署を設置し、「コンプライアンス基本規程」を定めるとともに、コンプライアンス意識の維持・確立、周知徹底のための教育・啓蒙活動等を行う。
c)当社グループにおける法令違反や社内ルール違反等の行為については、「内部通報規程」を制定し、通報または相談を受け付ける内部窓口(監査役ならびにコンプライアンス所管部署)と、通報を受け付ける外部窓口(顧問弁護士等)を設置し、問題の早期発見に努める。
d)財務報告に係る信頼性を確保するため、別途「財務報告に係る内部統制方針」を定め、財務報告に係る内部統制のマネジメントシステムを構築し、その適正な運用に努める。
e)社会の秩序や企業の健全な活動に脅威を与える反社会的勢力に対しては、毅然とした態度で組織的に対応し排除する。
(ロ)取締役の職務執行に係る情報の保存および管理に関する体制
取締役の職務の執行に係る情報・文書(電磁的媒体を含む)の取扱いは、社内規程およびそれに関する関連マニュアル等に従い適切に保存および管理(廃棄を含む)を実施し、必要に応じて運用状況の点検、各規程等の見直し等を行う。
(ハ)損失の危険の管理に関する規程その他の体制
コンプライアンス、自然災害、情報セキュリティ、労務管理および品質管理等に係るリスクについては、取締役会の諮問機関である「グループリスク管理委員会」が、リスク状況のモニタリング、対策等を行い、取締役会に報告する。個別リスクへの対応については、各々の所管部署が、規則・ガイドラインの制定、研修の実施、マニュアルの作成・配布等を行う。
(ニ)取締役の職務執行が効率的に行われることを確保するための体制
a)取締役の迅速かつ適正な意思決定のために、「グループ経営会議」、「経営委員会」等を設置し、重要事項の事前審議等を行う。
b)業務執行に関する分掌・権限・手続き等を規程類により明確化するとともに、執行役員制度を導入し効率的な業務執行を図る。
c)経営のマネジメントについては、中期経営計画および年度計画に基づき、各業務執行ラインが目標達成のために活動し、取締役会にて事業計画の進捗と業務の執行状況の確認を行う。
d)取締役会規程により定められている事項およびその付議基準に該当する事項については、すべて取締役会に付議することを遵守する。
(ホ)当社グループにおける業務の適正を確保するための体制
a)当社グループにおける業務の適正を確保するため、「関係会社管理規程」ならびに「関係会社管理所管部署」を定め、関係会社の関連部署等とも連携して、その業務執行状況について管理・指導を行う。
b)経営監査所管部署は、当社グループの業務活動の適法性・効率性について監査する。
c)監査役会のもとに「グループ監査役会議」を設置し、当社グループ各社の監査役が意見交換や情報交換を行うとともに、監査役の視点から、グループ全体に関わる事項について議論・検討を行う。
(ヘ)監査役の職務を補助すべき使用人を置くことに関する事項
a)監査役の求めがある場合、監査役の職務を補助すべき部署として、専担部署の設置もしくは既存部署との兼務により、専任もしくは兼任の使用人1名以上を配置する。
b)前項の具体的な内容については、監査役の意見を聴取し、人事担当役員その他関係各方面の意見も十分に考慮して決定する。
(ト)監査役の職務を補助すべき使用人の取締役からの独立性に関する事項
監査役の職務を補助すべき使用人の任免・異動、人事評価、懲戒処分については、監査役会の同意を必要とする。
(チ)取締役および使用人が監査役に報告をするための体制
a)取締役およびその他の役職者は、監査役に対して、法定の事項にくわえ、当社グループに重大な影響を及ぼす事項、内部監査の状況、内部通報制度の利用状況およびその内容をすみやかに報告する体制を整備する。報告の方法については、取締役との協議により決定する。
b)監査役は、「取締役会」、「グループ経営会議」その他重要な会議に出席する。
(リ)その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
a)役職員の監査役監査に対する理解を深め、監査役監査のための環境を整備する。
b)監査役会は、代表取締役、会計監査人との定期的な意見交換を実施し、適切な意思疎通および効果的な監査業務の遂行を図る。
(ヌ)業務の適正を確保するための体制の運用状況の概要
a)コンプライアンス体制
当社グループは、経営理念である「IDentity」を実践していくうえで、コンプライアンスの徹底・強化を経営上の重要な基本原則と位置づけています。「コンプライアンス基本規程」に基づき、コンプライアンス所管の専担部署を中心に、コンプライアンス意識のさらなる強化と周知徹底のための教育・啓蒙活動等に努めています。
内部通報制度については、「内部通報規程」を制定し、社内外の通報・相談窓口に監査役を追加することで、コンプライアンスに係る問題のよりいっそうの早期発見・解決に努めています。
b)リスク管理体制
取締役会の諮問機関である「グループリスク管理委員会」を原則半期毎に開催することにくわえ、緊急の必要があるときは随時開催する体制としています。2023年3月期は、損害の発生度・規模といった従来のリスク評価に、社会への影響度という新たな観点をくわえる等の見直しを行いました。
c)取締役の効率的な職務執行体制
毎月1回の定例取締役会にくわえ必要に応じて臨時取締役会を開催し、経営上の意思決定の迅速化を図るとともに、取締役会の諮問機関である「経営委員会」にて十分な時間をかけ自由闊達な議論を行っています。2023年3月期の経営委員会はおもに資本政策、組織体制、中期経営計画、出資などの重要案件を取り上げ、合計5回開催しました。
また、グループ各社の経営上の重要課題を協議する場として、常勤の取締役・監査役やグループ会社の経営幹部をメンバーとする「グループ経営会議」を、原則月1回開催しています。
d)グループ経営管理体制
グループ会社の経営管理については、「関係会社管理規程」に基づき、業務執行上の重要度に応じて、当社の取締役会または取締役の決裁を受ける体制を整備しています。2023年3月期は、グループ経営の効率化へ向け、連結子会社間の合併、吸収分割などの大幅な組織変更を実施したことにくわえ、前期行った管理部門業務の当社への移管の定着化を図りました。
e)グループの内部統制管理体制
グループの内部統制システムに係る体制の整備・運用状況を定期的に評価・検証するため、代表取締役社長を議長とする「グループ内部統制会議」を四半期毎に開催し、その審議結果を年2回取締役会に報告しています。2023年3月期は、インボイス制度対応、グループ共通規程や取引フローの整備、ルールの順守など、内部統制に関連する業務プロセスの見直しを推進しました。
f)監査体制
監査役は、取締役会やグループ経営会議その他重要な会議に出席するとともに、監査役会において、代表取締役、会計監査人および内部監査部門との定期的な意見交換を行い、適切な意思疎通と効果的な監査業務の遂行に努めています。また、監査役会のもとに「グループ監査役会議」を設け、半期毎に監査役の視点からグループ全体の課題や問題点等を議論・検討するほか、監査役会からの問題提起や検討要請にも適宜対応しています。
2)取締役および監査役の責任免除
当社は、取締役および監査役が期待される役割を十分に発揮できるよう、会社法第426条第1項の規定により、取締役会の決議によって、同法第423条第1項の取締役(取締役であった者を含む)および監査役(監査役であった者を含む)の賠償責任を、法令の限度において免除することができる旨定款に定めています。
3)責任限定契約の内容の概要
当社は、会社法第427条第1項の規定により、責任限定契約を締結することができる旨定款に定めており、これに基づき、業務執行取締役等でない取締役およびすべての監査役との間で、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しています。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、法令が定める額としています。
4)補償契約の内容の概要
当社と取締役ならびに監査役は、会社法第430条第1項に規定する補償契約を締結していません。
5)役員賠償責任保険契約(D&O保険)の内容の概要
当社は、会社法第430条の3第1項に規定する役員賠償責任保険を、取締役および監査役を被保険者として保険会社との間で締結しています。てん補の対象となる損害は、被保険者が負担すべき株主代表訴訟、第三者訴訟、会社訴訟等としています。ただし、被保険者の犯罪行為や法令に違反することを被保険者が認識しながら行った行為に関する当該被保険者自身の損害は、てん補の対象外とすることにより、被保険者の職務の適正性が損なわれないようにするための措置を講じています。保険料は、会社負担としています。
6)取締役の定数
当社の取締役は、9名以内とする旨定款に定めています。
7)取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めています。また、取締役の選任状況については、累積投票によらない旨定款に定めています。
8)株主総会決議事項を取締役会で決議することができる事項
(イ)自己株式の取得
当社は、自己株式の取得について、機動的な資本政策を遂行することを可能とするため、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議をもって自己株式を取得することができる旨定款に定めています。
(ロ)中間配当
当社は、株主への機動的な利益還元ができるよう、取締役会の決議により毎年9月30日を基準日として会社法第454条第5項に定める中間配当を行うことができる旨定款に定めています。
9)株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めています。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものです。