有価証券報告書-第39期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により経済活動の抑制が継続しており、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当業界におきましても、1回目の緊急事態宣言による学校の休業措置に伴う対面授業の停止により大きな影響を受け、その後、夏期及び冬期講習期間が一部短縮となるなど、通年にわたって厳しい状況が続きました。一方、リモート学習への対応や政府によるGIGAスクール構想の前倒しにより、公教育でのオンライン学習が本格的に始まるなど、当業界を取り巻く環境は著しく変化しております。
そのような状況の中、当社グループは、未来を生き抜くためのたくましい知性としなやかな感性を育む教育を提供する総合教育ソリューション企業として、乳幼児から社会人までを対象としたさまざまな教育サービスの提供の実現を加速してまいりました。
このような事業環境の変化に対応し、昨年度に実施した予備校事業の再編等により固定費の大幅削減も実現してまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の通年にわたる影響や、7月に発生した当社ホームページへの不正アクセスによる生徒募集への影響等により、当連結会計年度は売上高、営業利益、経常利益とも業績予想を下回る結果となりました。
この結果、当連結会計年度における売上高は5,709百万円(前年同期比15.4%減)、営業損失は637百万円(前年同期の営業損失は679百万円)、経常損失は585百万円(前年同期の経常損失は658百万円)、のれん及び固定資産の減損損失299百万円の減損損失を計上したことなどにより親会社株主に帰属する当期純損失は1,056万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益299百万円)となりました。
a.教育事業
教育事業におきましては、AIを使った自立学習とプロ講師による指導、徹底したICT学習管理を行う「城南予備校 DUO」、個別指導の「城南コベッツ」における生徒募集は、上期の緊急事態宣言解除後には一時的に回復傾向がみられたものの、当初の落ち込みを回復するまでには至りませんでした。
映像授業部門は前期新規開校を含めた全校舎合計で生徒数・売上高とも前年を上回っておりますが、コロナ禍での受講率の伸び悩みから受講単価が予算を下回る状況で推移しました。
児童教育部門におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の動きが体験会など入学促進活動に大きな影響を与えており、顧客のニーズはあるものの在籍者数は予算を下回ることとなりました。一方、保育園の運営につきましては、城南ルミナ保育園と子会社である株式会社城南ナーサリー及び株式会社フェアリィーがコロナ禍においても継続的に安定した売上高を確保しております。
教育ソリューション事業では当社のオンライン学習教材「デキタス」の学校、自治体、学習塾及びスイミングクラブ等への導入が順調に進んでおります。また経済産業省が実施する「EdTech導入補助金」を活用した自治体・学校教育機関での「デキタス」の導入実証事業が実施され、第4四半期に71百万円の売上高を計上しております。
以上の結果、当連結会計年度の外部顧客への売上高は5,473百万円(前年同期比14.3%減)となりました。
b.スポーツ事業
子会社である株式会社久ケ原スポーツクラブでは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言の発出により、一定期間営業休止となりました。また、当第4四半期にスイミングクラブ施設の抗菌対策を含む大規模修繕を実施したことにより、2か月程度のスイミング事業の休止期間もあったものの、リニューアル後には順調に会員数を伸ばしております。この結果、当連結会計年度の外部顧客への売上高は236百万円(前年同期比33.8%減)となりました。
① キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、1,312百万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、743百万円の支出となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失1,009百万円を計上したこと、減損損失299百万円、減価償却費182百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、426百万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が112百万円、資産除去債務の履行による支出が134百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が127百万円あったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、636百万円の収入となりました。これは長期借入れによる収入が900百万円あったことに対して、長期借入金の返済による支出が144百万円あったこと、配当金の支払額が82百万円あったことなどによるものであります。
② 販売の状況
a. 販売方法
主に募集要項に基づき、直接生徒を募集しております。
b. 販売実績
(単位:千円)
| セグメント・部門別 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| 予備校部門(現役高校生) | ― | ― | |
| 予備校部門(高校卒業生) | ― | ― | |
| 個別指導部門(直営) | 1,463,672 | △15.2 | |
| 個別指導部門(FC) | 297,254 | △3.2 | |
| 映像事業部門 | 1,482,870 | 7.9 | |
| デジタル教材・児童教育部門 | 1,878,989 | 15.3 | |
| その他 | 350,222 | △12.3 | |
| 教育事業 計 | 5,473,010 | △14.3 | |
| スポーツ部門 | 236,652 | △33.8 | |
| スポーツ事業 計 | 236,652 | △33.8 | |
| 合計 | 5,709,663 | △15.4 | |
(注) 1.予備校部門におきましては、校舎の統合・再編により、第1四半期連結累計期間から売上は発生しておりません。
2.映像授業部門におきましては、新規校舎開校により、売上が増加しております。また、デジタル教材・児童教育部門におきましては、当社のオンライン学習教材「デキタス」が多くの学校、自治体、学習塾及びスイミングクラブ等で導入が進み、売上が増加しております。
3.新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、施設・教場について一部営業休止していたことや新規の生徒受入も制限していたこと、更にスポーツ部門におきましては、スイミングクラブ施設の抗菌対策を含む大規模修繕を実施する上で一定期間営業休止したこともあり、売上が減少しております。
4.上記の販売実績は内部売上消去後の金額となります。
5.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
売上高は、教育事業の児童教育部門における子会社増加や、映像授業部門の「河合塾マナビス」、オンライン学習システム「デキタス」の売上は増加しましたが、前連結会計年度に予備校事業を城南予備校DUOへ完全統合したことや、新型コロナウイルス感染症拡大による一部営業休止や新規生徒の受け入れ制限等により教育事業全体の売上高は減少となりました。また、スポーツ事業のスポーツ部門「久ケ原スポーツクラブ」において、抗菌対策を含む大規模修繕による一定期間の営業休止により減少しました。その結果、5,709百万円(前連結会計年度比15.4%減)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における売上原価は4,659百万円(前連結会計年度比13.2%減)、販売費及び一般管理費は1,687百万円(同18.0%減)となりました。これは主に予備校事業の再編等で広告宣伝費や人件費が減少したことなどによるものです。
(営業外損益)
当連結会計年度における営業外収益は62百万円(前連結会計年度比75.1%増)となりました。また、営業外費用は和解金を計上したことなどにより10百万円(同27.1%減)となりました。
(特別損益)
当連結会計年度における特別利益は21百万円となりました(前連結会計年度比98.4%減)。これは保険収入を11百万円、保育事業に係る補助金10百万円を計上したことなどによるものです。また、特別損失は445百万円(同44.9%増)となりました。これは減損損失を299百万円、情報セキュリティ対策費を69百万円計上したことなどによります。
(財政状態)
当連結会計年度末の総資産につきましては、5,883百万円となり、前連結会計年度末に比べ680百万円減少いたしました。これは主にのれんが49百万円、投資有価証券が32百万円増加した一方、現金及び預金が530百万円、建物及び構築物が203百万円減少したことなどによるものであります。
負債につきましては、3,048百万円となり、前連結会計年度末に比べ425百万円増加いたしました。これは主に借入金が833百万円増加した一方、未払法人税等が68百万円、リース債務が60百万円減少したことなどによるものであります。
純資産につきましては、2,835百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,105百万円減少いたしました。これは主にその他有価証券評価差額金が33百万円増加した一方、利益剰余金が1,139百万円減少したことなどによるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループは、財務体質と経営基盤の強化を図るとともに成長のための投資やリスク対応の資金の確保と、株主への安定的な利益還元との最適なバランスを考慮し実施していくことを基本としております。
当社グループの資金需要は、運転資金に加え、教場の新規開校や移転リニューアル投資、情報システムや教材開発等への投資及び事業拡大のためのM&Aへの投資などがあり、当連結会計年度における連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出は127百万円、有形固定資産の取得による支出は112百万円、無形固定資産の取得による支出は18百万円となりました。
これらの投資のための資金は、自己資金にて賄っております。
当連結会計年度においては、予備校事業の再編の完了に伴う支出や幼少教育関連のM&Aへの投資があった一方、新型コロナウィルス感染症の影響により、営業キャッシュ・フローがマイナスとなった結果、資金の流動性が低下したため、今後の成長事業への投資資金と新型コロナウイルス感染症の収束時期が不透明であることに対する中長期の流動性の確保を目的に取引金融機関から既存の当座貸越契約とは別枠で8億円の長期借入による資金調達を実行しております。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。