有価証券報告書-第38期(平成28年9月1日-平成29年8月31日)

【提出】
2017/11/30 9:30
【資料】
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【項目】
109項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善などを背景に、緩やかな回復の動きが見られたものの、米国新政権の政策動向、EU離脱問題の影響及び中国を始めとするアジア諸国の経済動向や政策に関する不確実性など、先行き不透明な状況で推移しました。
当社グループを取り巻く事業環境におきましては、「プレイステーション4」の普及拡大が続く中、「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」が好調な売れ行きを見せるとともに、ゲーム会社各社の有力タイトルがミリオンセラーとなるなど明るい動きが見られました。一方で、スマートフォンゲーム市場は、大手ゲームメーカーによる有力コンテンツの積極的な展開などにより成熟化が進み、ユーザー獲得に向けた競争がより激化する状況となりました。
このような状況のもと、当社グループは平成28年8月期よりスタートした中期経営計画の2年目を迎え、「サービス業務の拡大」、「グローバル化の推進」、「サービス分野の拡大」及び「収益基盤の拡充」の重点施策に取り組み、中長期的な企業価値と資本効率の向上に努めてまいりました。
これらの結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、スマートフォン向けゲームの開発依頼が増加したことで、モバイルコンテンツ関連の売上が大幅に伸長したものの、前連結会計年度に比べて「プレイステーション4」向けを中心に家庭用ゲームソフトの大型タイトルの開発完了が少なかったことなどにより、売上高は47億5百万円(前連結会計年度比3.5%減)となりました。
利益面につきましては、販売費及び一般管理費の削減に努めた結果、営業利益3億7百万円(前連結会計年度比18.6%増)となりました。また、円安の進行に伴って当社が保有・運用する外貨建資産の運用益や為替差益を想定以上に計上した結果、経常利益は4億6百万円(前連結会計年度比102.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2億9百万円(前連結会計年度比125.3%増)となりました。
なお、開発完了タイトル数は、家庭用ゲーム機向け10タイトル、パソコン向け6タイトル、パチンコ・パチスロ向け1タイトル、アミューズメント向け2タイトル、携帯端末向け14タイトルの合計33タイトルとなりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。文中の各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含んでおりません。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、以下の前連結会計年度比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」をご覧ください。
① デジタルエンタテインメント事業
当事業におきましては、ゲームを中心とするデジタルコンテンツの企画・開発・運営などの受託を行っております。製品別の内容は以下のとおりです。
ゲームソフト関連の売上は、「Nintendo Switch」向けソフトの開発案件が増加したものの、前連結会計年度に比べて「プレイステーション4」向けを中心に家庭用ゲームソフトの大型タイトルの開発完了が少なかった影響により、18億51百万円(前連結会計年度比25.0%減)となりました。
モバイルコンテンツ関連の売上は、スマートフォン向けゲームの案件において有力なIP(知的財産)などを活用した大型タイトルの開発を完了したことで開発売上が伸長した結果、20億32百万円(前連結会計年度比30.1%増)となりました。
パチンコ・パチスロ関連の売上は、規制強化の影響により引き続き厳しい受注環境が続いたものの、4億85百万円(前連結会計年度比10.6%増)となりました。
この結果、当事業の売上高は43億69百万円(前連結会計年度比2.2%減)、営業利益は4億81百万円(前連結会計年度比2.0%減)となりました。
② その他事業
当事業におきましては、東南アジア向けコンテンツ配信事業やSI事業、子会社の株式会社フォネックス・コミュニケーションズによる家庭用カラオケ楽曲配信事業やパソコン向けアバター制作業務などの新規事業を展開しております。
当連結会計年度につきましては、前連結会計年度に引き続きSI事業においてスマート家電専用アプリの開発が好調に推移した一方で、子会社の株式会社フォネックス・コミュニケーションズにおいてパソコン向けアバター制作業務を中心に開発売上が低調に推移いたしました。
この結果、当事業の売上高は3億36百万円(前連結会計年度比17.0%減)となりました。また、東南アジア向けコンテンツ配信事業におきまして、事業戦略の見直しに伴い、たな卸資産の費用処理を行ったことにより、一時的に費用がかさんだことから、営業損失1億73百万円(前連結会計年度は営業損失2億31百万円)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して5億28百万円増加し、13億6百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動により得られた資金は、4億47百万円(前連結会計年度は1億27百万円の資金獲得)となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益2億89百万円、減価償却費77百万円、投資有価証券評価損79百万円、たな卸資産の減少額2億31百万円などの収入があった一方で、関係会社株式売却益23百万円、売上債権の増加額2億62百万円、法人税等の支払額46百万円などの支出があったことによるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動により得られた資金は、1億92百万円(前連結会計年度は4億25百万円の資金使用)となりました。主な内訳は、定期預金払戻しによる収入1億6百万円、有価証券の売却による収入1億6百万円、投資有価証券の売却による収入95百万円などがあった一方で、有形固定資産の取得による支出33百万円、投資有価証券の取得による支出1億円などの支出があったことによるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は、1億28百万円(前連結会計年度は1億75百万円の資金使用)となりました。これは、ストック・オプションの行使に伴う自己株式の処分による収入59百万円があったものの、配当金の支払額1億87百万円があったことによるものであります。