有価証券報告書-第40期(平成30年9月1日-令和1年8月31日)

【提出】
2019/11/29 9:20
【資料】
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【項目】
146項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針・経営戦略等
①会社の経営の基本方針
当社グループは、設立以来、特定の資本系列下ではない独立系のゲームソフト開発会社として、ゲームソフトメーカーやコンテンツプロバイダをはじめとする幅広い業種の顧客に対し、ゲームソフトやモバイルコンテンツなどの企画提案から開発、運営に至る幅広いサービスを提供してまいりました。これからも「縁の下の力持ち」を経営戦術の基本として、顧客のサポート役に徹し、ユーザーの利便性、有用性の一層の向上、健全かつ安心でより豊かな成果物を提供するために、持てる技術・知識・経験を発揮し、全力を尽くして、より良い製品とサービスを提供することで社会の発展に貢献してまいります。
②中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、中長期的な企業価値と資本効率の向上に向けて、中期的な戦略として以下の重点項目を掲げております。
イ.組織戦略
(イ)顧客視点に立った開発・運営サービスの提供を可能にする組織の再編成
プロジェクトマネージャーによる開発管理制度を確立するとともに、将来に備え研究開発の専門チームを設けるなど、顧客視点に立った開発・運営サービスを可能にする組織の再編成に取り組んでまいります。
(ロ)次世代を担う開発スタッフ・経営マインドを持った人材の育成
スタジオ間を横断した人材交流や異動促進による専門知識・スキルの向上を促進させるとともに、若手社員への開発・運営業務の標準化浸透を加速させ、早期戦力化に取り組んでまいります。また、中堅社員への教育体制の強化を行うとともに、技術スペシャリストのキャリアプランの再構築を進めてまいります。
(ハ)海外子会社を中心としたグローバル化の推進
技術者が育ちつつある海外子会社を積極活用し、グローバルな事業体制を構築してまいります。
ロ.事業戦略
(イ)サービスの高付加価値化による収益基盤の強化
グローバル視点に立ったマーケティング及びプロモーションを含めたビジネスプランの提案を実行するとともに、コンテンツ開発に留まらない運営、サーバ・インフラ開発の技術力向上を推進してまいります。
(ロ)技術進歩・外部環境を適切に捉えた既存事業の技術力向上や新事業分野への進出
次世代ゲーム機・4k/8k環境で強まるリッチコンテンツ化に対応した開発体制の構築を進めるとともに、AI技術等を活用した業務の効率化・新事業分野への進出を推進してまいります。また、収益性や将来性の高い事業への経営資源の戦略的配分を加速化させてまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益及びROE(自己資本当期純利益率)を重要な経営指標と位置づけ、収益力と資本効率の向上に取り組んでまいります。
(3) 経営環境および対処すべき課題
家庭用ゲーム業界におきましては、次世代ゲーム機や「Stadia」をはじめとするクラウドゲームサービスの登場や普及により、今後それらに対応するソフトの拡充に伴い、開発需要が高まることが期待されます。
また、国内のスマホゲーム市場はここ数年で成熟が進み、新作タイトルのヒットが難しくなる中、各社が新作タイトルを絞り込む一方で、1タイトルの開発クオリティを上げるために、引き続き開発期間の長期化や開発費の高騰が続くものと思われます。
このような事業環境の中、当社グループでは、持続的な成長を実現していくために、新たな組織体制のもとで、変化の激しい事業環境に対応した意思決定の迅速化と開発現場の状況を踏まえた事業推進力の向上を図るとともに、全社的な技術力、企画・提案力の向上に向けた施策を積極的に展開してまいります。また、人材確保・育成への投資を積極的に行い、「従業員が働きやすい組織環境づくり」や「風通しの良い企業風土づくり」に取り組んでまいります。