有価証券報告書-第58期(2024/04/01-2025/03/31)
② 戦略
気候変動が当社事業へ与える影響について、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)が提唱するフレームワークに基づいて、シナリオ分析の手法により、2030年時点における外部環境の変化を予測し、分析を実施しました。将来の気候変動については、IEA(国際エネルギー機関)やIPCC(気候変動に関する政府間パネル)と、2つのシナリオ(4℃シナリオ、1.5℃/2℃シナリオ)を使用し分析しております。
<借上社宅管理事業 1.5℃シナリオ>
<借上社宅管理事業 4℃シナリオ>
<賃貸管理事業 1.5℃シナリオ>
<賃貸管理事業 4℃シナリオ>
<海外赴任支援事業 1.5℃シナリオ>
<海外赴任支援事業 4℃シナリオ>
<福利厚生事業 1.5℃シナリオ>
<福利厚生事業 4℃シナリオ>
<観光事業 1.5℃シナリオ>
<観光事業 4℃シナリオ>
気候変動が当社事業へ与える影響について、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)が提唱するフレームワークに基づいて、シナリオ分析の手法により、2030年時点における外部環境の変化を予測し、分析を実施しました。将来の気候変動については、IEA(国際エネルギー機関)やIPCC(気候変動に関する政府間パネル)と、2つのシナリオ(4℃シナリオ、1.5℃/2℃シナリオ)を使用し分析しております。
<借上社宅管理事業 1.5℃シナリオ>
| 分類 | 項目 | 財務への潜在的な影響 | 当社への影響 | ||
| リスク | 移行リスク | 政策・ 法規制リスク | GHG排出価格の上昇 | 運営コストの増加 (営業利益の圧迫) | 消費者の嗜好の変化 |
| 技術リスク | 技術リスク | 既存製品やサービスを排出量の少ないモノへの置き換え | 低排出量への移行に伴う需要の減少による利益悪化 | ZEHマンションなど、顧客企業の環境対応ニーズを満たす物件の供給が不足した場合、物件紹介サービス(リロネット)の成約率が低下 | |
| 市場リスク | 市場リスク | 顧客行動の変化 | 消費者の嗜好の変化による商品とサービスの需要の減少 (売上の減少) | ZEHマンションなど、顧客企業の環境対応ニーズを満たす物件の供給が不足した場合、物件紹介サービス(リロネット)の成約率が低下 | |
| 評判リスク | 評判リスク | 消費者の嗜好の変化 | 商品/サービスに対する需要の減少による収益の減少 | 消極的な気候変動対応に留まった場合、顧客である大手企業が外注先として当社を選定しなくなる | |
| 機会 | エネルギー源 | エネルギー源 | 分散型エネルギー源への転換 | 商品/サービスに対する需要の増加に繋がる評判上のメリット | マンションの駐車場等の区画を利用した発電施設やEV充電施設設置の紹介によるKB収入が増加 |
| 製品とサービス | サービス開発 | 低排出商品及び サービスの開発/ 事業領域拡張 | 排出量の少ない製品及びサービスによる収益の増加 | ZEHマンションなど、顧客の環境対応ニーズを満たす物件の供給が十分にある場合、物件紹介サービス(リロネット)の成約率が上昇 | |
| システム開発により引越業者のCO2排出量が可視化されたり、ZEHマンションを入居先に指定できるなど可能となることで物件紹介サービス(リロネット)の利用が増加 | |||||
| 省エネリフォーム等、工事受注の増加 | |||||
<借上社宅管理事業 4℃シナリオ>
| 分類 | 項目 | 財務への潜在的な影響 | 当社への影響 | ||
| リスク | 物理的リスク | 急性的 | 台風や洪水などの極端な気象事象の過酷さの増加 | 運輸送の困難、サプライチェーンの断絶による事業停止による利益の減少 | 社宅システムの停止、各事業所や通資金機器等の被害増加 |
| 住んでいる物件で被災した場合に対応が必要になる | |||||
| 機会 | 資源効率 | 輸送手段とSC | より効率的な輸送手段の使用 (モーダルシフト) | 運営コストの削減(例:効率向上とコスト削減) | システム化が進むことで人手が必要なくなり、結果人件費が削減 |
| 人手確保の観点から福利厚生目的の社宅の利用が増加。当社のアウトソーシングサービスの利用も拡大 | |||||
| レジリエンス | 資源の代替/多様化 | レジリエンス確保に関連する新製品及びサービスを通じての収益の増加 | 省エネリフォーム等、工事受注の増加 | ||
<賃貸管理事業 1.5℃シナリオ>
| 分類 | 項目 | 財務への潜在的な影響 | 当社への影響 | ||
| リスク | 移行リスク | 政策・ 法規制リスク | GHG排出価格の上昇 | 運営コストの増加 (営業利益の圧迫) | ・炭素税導入に伴うコスト増 ・EV車への強制移行等の施策によるコスト増 ・水道光熱費、ガソリン代高騰によるコスト増 |
| 排出量の報告義務の強化 | 事務コストの増加 (営業利益の圧迫) | 各営業所や社用車が排出する、温室効果ガスの量の算出対応増 | |||
| 市場リスク | 顧客行動の変化 | 消費者の嗜好の変化による商品とサービスの需要の減少 (売上の減少) | 管理物件/仲介物件が、環境対応していないことにより、顧客から選択されないことによる売上減少 | ||
| 原材料コストの上昇 | エネルギーコストの急増かつ予期せぬ変化 | ・ガソリンや水光費の高騰によるコスト増 ・コスト増加の価格転嫁に時間がかかった場合、粗利が減少 | |||
| 評価リスク | 消費者の嗜好の変化 | 商品/サービスに対する需要の減少による収益の減少 | 環境対応した賃貸物件、売買物件への人気が高まり、需要に応えることができなかった場合に収益が減少 | ||
| 機会 | 資産効率 | 3Rの推進 | リサイクルの推進 | 排出量の少ない製品及びサービスによる収益の増加 | 工事材料の再利用等に対応している工事業者と提携することによる収益の増加 |
| 製品とサービス | サービス開発 | 低排出商品及び サービスの開発/ 事業領域拡張 | 排出量の少ない製品及びサービスによる収益の増加 | 環境対応の物件紹介を行うことによる収益の増加 | |
| 気候適応とソリューションの開発 | 新製品及びサービスを通じての収益の増加 | 環境対策対応の工事需要が増加 | |||
| 消費者動向 | 消費者の嗜好の変化 | 変化する消費者の嗜好を反映するための競争力の強化による収益の増加 | 環境対応の物件をもつことの訴求など、消費者の嗜好変化に対応したPRによる収益の増加 | ||
<賃貸管理事業 4℃シナリオ>
| 分類 | 項目 | 財務への潜在的な影響 | 当社への影響 | ||
| リスク | 移行リスク | 市場リスク | 顧客行動の変化 | 消費者の嗜好の変化による商品とサービスの需要の減少 (売上の減少) | 気温上昇により、暑さ対策が完備された物件が人気になることで、未対応の商品が選ばれなくなる可能性 |
| 原材料コストの上昇 | エネルギーコストの急増かつ予期せぬ変化 | ガソリンや水道光熱費の高騰によるコスト増 | |||
| 評判リスク | 消費者の嗜好の変化 | 消費者の嗜好の変化による商品とサービスの需要の減少 (売上の減少) | 台風等の影響が受けやすい地域、もしくは海の近くや、河川の近くの物件の人気が落ちることで収益が減少 | ||
| 物理的リスク | 急性的 | 台風や洪水などの極端な気象事象の過酷さの増加 | 輸送の困難、サプライチェーンの断絶による利益の減少 | 気温上昇による夏場の工事が困難になり、収益が減少 | |
| 慢性的 | 上昇する平均気温 | 運転コストの増加 | ・ガソリン代、水道光熱費の高騰によるコスト増 ・気温上昇にともなう、営業所での光熱費使用料の増加 ・工事の稼働が減る可能性 | ||
| 機会 | 製品とサービス | サービス開発 | 気候適応と保険リスクソリューションの開発 | 新製品及びサービスを通じての収益の増加 | ・気候変動による新たなニーズに対応した商品・メニューの発生 ・環境対策対応の工事需要が増加 |
| 消費者動向 | 消費者の嗜好の変化 | 変化する消費者の嗜好を反映するための競争力の強化による収益の増加 | 気温上昇への対応物件のPRによる、収益の増加 | ||
<海外赴任支援事業 1.5℃シナリオ>
| 分類 | 項目 | 財務への潜在的な影響 | 当社への影響 | ||
| リスク | 移行リスク | 政策・ 法規制リスク | GHG排出価格の上昇 | 運営コストの増加 (営業利益の圧迫) | ・炭素税導入に伴うコスト増 ・水道光熱費、ガソリン代高騰によるコスト増 |
| 排出量の報告義務の強化 | 事務コストの増加 (営業利益の圧迫) | 各営業所が排出する、温室効果ガスの量の算出対応増 | |||
| 市場リスク | 顧客行動の変化 | 商品/サービスに対する需要の減少による 収益の減少 | オンライン化が進むことで飛行機や鉄道の利用が減少し、手配代行の機会や引っ越し時の運送物の量が減少することによる収益の減少 | ||
| 原材料コストの上昇 | エネルギーコストの 急増かつ予期せぬ変化 | 航空運賃の高騰による出張の減少により、収益の減少 | |||
| 評判リスク | 消費者の嗜好の変化 | 消費者の嗜好の変化による商品とサービスの需要の減少 (売上の減少) | 飛行機や鉄道、車など、温室効果ガスを排出する乗り物を利用することへの抵抗が社会的に強くなり、需要が落ち込むことによる収益の減少 | ||
| 機会 | 市場 | 新しい市場へのアクセス | 排出量の少ない製品及びサービスによる収益の増加 | 引越しや赴任時に環境負荷の低い商品・サービスを提供することによる、評判向上と収益の増加 | |
<海外赴任支援事業 4℃シナリオ>
| 分類 | 項目 | 財務への潜在的な影響 | 当社への影響 | ||
| リスク | 移行リスク | 市場リスク | 原材料コストの上昇 | エネルギーコストの急増かつ予期せぬ変化 | 航空運賃の高騰による出張の減少により、収益の減少 |
| 評判リスク | 消費者の嗜好の変化 | 消費者の嗜好の変化による商品とサービスの需要の減少 (売上の減少) | 飛行機や鉄道、車など、温室効果ガスを排出する乗り物を利用することへの抵抗が社会的に強くなり、需要が落ち込むことによる収益の減少 | ||
| 物理的リスク | 急性的 | 台風や洪水などの極端な気象事象の過酷さの増加 | 輸送の困難、サプライチェーンの断絶による利益の減少 | ・出張、赴任先の自然災害が増加することによる収益の減少 ・飛行機や鉄道等で、災害や天候不良を影響とした事故/欠航が増加することによる収益の減少 | |
| 機械 | 市場 | 新しい市場へのアクセス | レジリエンス確保に関連する新製品及びサービスを通じての収益の増加 | 赴任先で発生する異常気象に対応した、赴任支援新サービスの開発 | |
<福利厚生事業 1.5℃シナリオ>
| 分類 | 項目 | 財務への潜在的な影響 | 当社への影響 | ||
| リスク | 移行リスク | 政策・ 法規制リスク | GHG排出価格の上昇 | 運営コストの増加(営業利益の圧迫) | 炭素税導入に伴うコスト増 |
| 排出量の報告義務の強化 | 事務コストの増加(営業利益の圧迫) | 各営業所が排出する、温室効果ガスの量の算出対応に迫られる | |||
| 評判リスク | 消費者の嗜好の変化 | 商品/サービスに対する需要の減少による収益の減少 | 消極的な気候変動対応に留まった場合、顧客である大手企業が外注先として当社を選定しなくなる | ||
| 機会 | 技術・市場 | 新技術の導入 | 低排出技術への投資からの収益向上 | 排出量の少ない製品及びサービスによる収益の増加 | システム化が進むことで、運営コストの減少とそれに伴う人件費削減で収益が増加 |
| 製品と サービス | 消費者動向 | 消費者の嗜好の変化 | 商品/サービスに対する需要の増加に繋がる評判上のメリット | ・物価上昇がさらに進むことで起こる、法定外福利厚生に対する需要の拡大で収益が増加 ・環境対応ニーズに対応した商品・サービスの開発による、評判向上と収益の増加 | |
<福利厚生事業 4℃シナリオ>
| 分類 | 項目 | 財務への潜在的な影響 | 当社への影響 | ||
| リスク | 移行リスク | 市場リスク | 顧客行動の変化 | 商品/サービスに対する需要の減少による 収益の減少 | 猛暑・外出減少による利用の減少に伴い解約が発生する可能性が増加 |
| 原材料コストの上昇 | 運営コストの増加 (営業利益の圧迫) | 原材料コストの上昇に伴い、サプライヤー側(サービス提供者)の割引率が低下した場合、割引率維持のためのコスト負担が増加 | |||
| 機会 | 資源効率 | 輸送手段とSC | より効率的な生産及び流通プロセスの使用 | 運営コストの削減 | システム化が進むことで人手が必要なくなり、結果として人件費が削減 |
| 製品とサービス | 消費者動向 | 消費者の嗜好の変化 | 変化する消費者の嗜好を反映するための競争力の強化による収益の増加 | 気候変動による新たなニーズや魅力が増加する商品・メニューの発生 | |
<観光事業 1.5℃シナリオ>
| 分類 | 項目 | 財務への潜在的な影響 | 当社への影響 | ||
| リスク | 移行リスク | 政策・ 法規制リスク | GHG排出価格の上昇 | 運営コストの増加 (営業利益の圧迫) | ホテル施設での電気・ガス使用量、社用車の使用がマストなため、GHG排出価格が上昇した場合、業績を圧迫する恐れあり |
| 技術リスク | 低排出技術に移行するためのコスト増加 | 機能・業務・組織の変更に伴う運営費の増加 | ・重油削減やハイブリッド車、EV自動車への移行 ・電気・ガスを再生可能エネルギーへ切り替えた場合のコスト増など | ||
| 市場リスク | 顧客行動の変化 | 消費者の嗜好の変化による商品とサービスの需要の減少 (売上の減少) | 欧米を中心としたインバウンド顧客において環境負荷の低い施設への需要が高まる | ||
| 市場シグナルの 不確実性 | 市場シグナルによる調達価格(例:エネルギー、水)及び処理価格(例:廃棄物処理)の乱高下 | ・施設での調達コストが上下することで、業績に影響を与えるリスク ・ガソリン価格の高騰などにより、一般顧客の車利用減少が観光需要減につながるリスク | |||
| 原材料コストの上昇 | エネルギーコストの急増かつ予期せぬ変化 | ・電気・ガス・ガソリン等の使用が運営に必須なため ・ガソリン価格の高騰などにより、一般顧客の車利用減少が観光需要減につながるリスク | |||
| 評判リスク | ステークホルダーの懸念の増大又はステークホルダーの否定的なフィードバック | 資本の利用可能性の 低下(利用可能資本の減少) | 観光セグメントへの批判の高まり | ||
| 機会 | 資源効率 | 3Rの推進 | リサイクルの推進 | 運営コストの削減(例:コスト削減) | 脱プラや食品廃棄物が減ることによるコスト減 |
| 製品とサービス | サービス開発 | 低排出商品及び サービスの開発/ 事業領域拡張 | 排出量の少ない製品及びサービスによる収益の増加 | 充電ステーションを設置によるEV自動車利用の促進 | |
| インバウンド需要の増加機会 | |||||
<観光事業 4℃シナリオ>
| 分類 | 項目 | 財務への潜在的な影響 | 当社への影響 | ||
| リスク | 物理的リスク | 急性的 | 台風や洪水などの極端な気象事象の過酷さの増加 | 運輸送の困難、サプライチェーンの断絶による事業停止による利益の減少 | 食料などの仕入れへの影響 |
| 施設被害による営業停止 | |||||
| 修繕費や対策工事費の発生 | |||||
| 慢性的 | 上昇する平均気温 | 資本コストの増加(例:施設の被害) | ・夏の外出・レジャー規制 ・室内代替品への移行 | ||
| 気候変動による魅力が減少する観光地の発生 | |||||
| 気候変動影響による農産物・水産物の調達難化 | |||||
| 機会 | 製品とサービス | 消費者動向 | 消費者嗜好の変化 | 変化する消費者の嗜好を反映するための競争力の強化による収益の増加 | 気候変動による新たなニーズや魅力が増加する観光地の発生 |
| レジリエンス | 資源の代替/多様化 | レジリエンス確保に関連する新製品及びサービスを通じての収益の増加 | レジリエンスの向上による優位性の獲得 | ||