四半期報告書-第60期第2四半期(平成26年7月1日-平成26年9月30日)

【提出】
2014/11/14 10:03
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【項目】
28項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1) 業績の状況
わが国では、急速な高齢化の進展や医療の高度化を背景に国民医療費が過去最高を更新し、今後も著しい増加が見込まれていることから、各種の医療制度改革が実施され、医療費抑制に向けた様々な取り組みが行われております。
受託臨床検査業界におきましては、4月の消費税率引き上げに伴う受診控えによる需要の減少が見られたことや、2年毎の診療報酬改定の影響などに加え、業者間競争が一段と激しさを増していることから、事業環境は引き続き厳しい状況が続いております。
こうした中で、当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高52,960百万円(前年同期比5.8%増)、営業利益4,180百万円(前年同期比14.1%減)、経常利益4,368百万円(前年同期比14.4%減)、四半期純利益2,431百万円(前年同期比17.2%減)となりました。
以下に事業別の概況をご報告いたします。
臨床検査事業につきましては、引き続きクリニック市場の開拓強化を図るとともに、大型施設へのFMS/ブランチラボ方式(検査機器・システムなどの賃貸と運営指導/院内検査室の運営受託)による提案営業、既存ユーザーへの深耕営業を進めてまいりました。この結果、既存の臨床検査事業につきましては、前年同期比1.8%の増収となりました。一方、グループ戦略として㈱岡山医学検査センター(以下「岡山医学」という)の株式を取得し、本年度より同社を連結子会社といたしました。これらにより、臨床検査事業全体の売上高は、前年同期比4.9%の増収となりましたが、利益面については、価格競争の激化に加え岡山医学ののれん償却負担や人件費負担の増加などにより減益となりました。
その他検査事業につきましては、食品衛生事業において、㈱BMLフード・サイエンスで食品衛生コンサルティング、腸内細菌検査等の拡充を図ってまいりました。また、新検査センターを本年5月に稼動させ、効率的で高品質な検査体制の構築に取り組んでおります。売上高は、食品衛生事業に岡山医学の売上が加わったこともあり、前年同期比7.7%の増収となりました。
医療情報システム事業につきましては、診療所版電子カルテ「クオリス(Qualis)」と「メディカルステーション(MS)」のラインアップにより、引き続き新規契約の獲得と既存ユーザーへのリプレイスを推進しましたが、消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動が大きく、減収となりました。
その他事業につきましては、SMO事業※を営む㈱アレグロが、厳しい市場環境の中、新規受託が伸び悩み減収となりました。一方、岡山医学の調剤薬局事業の売上が新たに加わったことにより、その他事業全体の売上高は前年同期比603.0%の増収となりました。
※SMO:特定の医療機関(治験実施施設)と契約し、その施設に限定して治験業務を支援する機関をいう。

(2) 財政状態の分析
①資産、負債及び純資産の状況
当第2四半期連結会計期間末の連結財政状態は、総資産92,859百万円(前期末比4,333百万円増)、純資産60,138百万円(前期末比2,480百万円増)、自己資本比率62.0%(前期末比0.3%減)となっています。
主な増減項目は、資産の部では、流動資産で現金及び預金が669百万円、受取手形及び売掛金が1,536百万円、それぞれ増加し、固定資産で建物及び構築物が601百万円、のれんが1,068百万円、それぞれ増加しています。負債の部では流動負債で支払手形及び買掛金が1,701百万円増加しております。また、純資産の部では利益剰余金が2,370百万円増加しています。
②キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前年同期に比べ3,564百万円増加し、26,365百万円となりました。各活動区分別のキャッシュ・フローの状況及び主な増減要因は、以下のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、6,137百万円の資金収入(前年同期比34百万円収入増)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、3,215百万円の資金支出(前年同期は95百万円の資金収入)となりました。当期3,215百万円の資金支出の主な要因は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式取得による支出が2,167百万円発生したことなどによるものです。なお、前年同期95百万円の資金収入の主な要因は、定期預金の払戻による収入が3,557百万円となり、定期預金の預入による支出2,075百万円、有形固定資産の取得による支出983百万円などを上回ったことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,477百万円の資金支出(前年同期比22百万円の支出減)となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は150百万円であります。
当第2四半期連結累計期間における研究開発活動の状況は、次のとおりであります。
当社では、平成13年4月より、脂質代謝関連タンパク質であるアポリポタンパク質A-V(Apo A-V)ならびに血小板活性化因子アセチルヒドラーゼ(PAF-AH)の受託を行ってまいりましたが、このたび、平成26年7月から始まる脂質異常症薬の第II相試験に採択されました。同試験では、善玉リポタンパク質HDLの質的変化をモニタリングするために抗酸化マーカーのパラオキソナーゼ活性と併せて受託します。
また、本年7月よりC型肝炎分野における遺伝子検査項目を2項目受託開始しました。
これは、本年9月に承認された、インターフェロンを使用しない新しいC型肝炎治療薬(アスナプレビルおよびダクラタスビル)による経口二剤併用療法について、事前にこの新治療法の効果予測をするための検査であり、HCV薬剤耐性変異をしらべる「HCV薬剤耐性変異解析」と「HCV薬剤耐性変異解析Y93H相対定量」です。
本検査は、いずれも当社の独自開発項目で、受託開始後、順調に受託数を増加させています。