有価証券報告書-第43期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/29 15:32
【資料】
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【項目】
146項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
また、この経営方針、経営環境、対処すべき課題等には、将来に関する記述が含まれています。こうした記述は、現時点で当社が入手している情報を踏まえた過程、予期及び見解に基づくものであり、既知及び未知のリスクや不確実性及びその他の要素を内包するものです。2「事業等のリスク」などに記載された事項及びその他の要素によって、当社の実際の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況が、こうした将来に関する記述とは大きく異なる可能性があります。
(1)経営方針・経営戦略等及び進捗状況
当社グループの事業は、アーティストをマネージメントし、そこから創造されるコンテンツを事業化することを中心として、非常に多岐にわたっております。各事業をプロジェクト単位に分け、事業毎の営業利益管理を行っておりますが、個々のプロジェクトは単発のものが多く、その結果、年度毎の業績の変動は比較的大きくなります。事業、プロジェクト毎に利益率の差はありますが、営業利益・営業利益率・株主資本利益率などの向上を目標としており、次の経営方針を定めております。
①経営方針
(a)アーティストポートフォリオの拡充
(b)ヒットを生み出すマネージメントの推進
(c)新時代に適合したソリューションの創出
(d)新規事業領域の拡大
②経営方針の進捗状況
(a)アーティストポートフォリオの拡充
当社の特徴の一つとして、アーティストの所属年数が長いことが挙げられます(サザンオールスターズ43年間、三宅裕司36年間、福山雅治33年間など)。所属アーティストの中長期的な活躍を念頭に置いたマネージメントにより、アーティストのブランド価値や顧客基盤を最大化することが当社の強みです。才能豊かなアーティストや良質なコンテンツの発掘・開発を推進することで、年間数組の新規アーティストを輩出しております。今後も、事業の選択肢をさらに増やすとともに、個々のアーティストの活動スケジュールにより収益が左右されるリスクを分散させてまいります。
(b)ヒットを生み出すマネージメントの推進
従来より積み重ねてまいりました360度型のマネージメントスタイルを継続するとともに、アーティストの生み出す様々なコンテンツを積極的に活用し、外部環境の変化に対応した「モノづくり」をより積極的に行っております。
また、それを果たすためには人材の強化が最重要課題であると認識しており、斬新なアイデアと行動力を持った人材の積極採用や、社歴や年齢に関わらずに自らアイデアやプランを提案できる門戸を広げることで、絶えず新しいアイデアへの挑戦を奨励しながら、そのPDCAをまわす過程で人材が育つサイクルを生み出しております。
(c)新時代に適合したソリューションの創出
インターネット、通信・放送等メディア及び端末の急速な進化、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う生活様式の変化により、エンターテインメントの新たな楽しみ方の提案が求められている中、新たなマネタイズやサービスモデルを拡充するとともに、デジタルトランスフォーメーションやデジタルマーケティングを推進してまいります。
当連結会計年度は、オンラインライブの配信プラットフォームである「LIVESHIP」を自社開発することで、各アーティストごとに最適な形でのオンラインライブをお届けするとともに、その利益率についても最大化することができました。
(d)新規事業領域の拡大
日本国内の人口の減少、アジア経済圏の拡大と、音楽市場のみならず、当社グループを取り巻くエンターテインメント市場は、大きく変化しています。このような変化の中で事業ポートフォリオの多様化を目的に、山梨・富士山麓を拠点とした新規事業の検討を積極的に進めております。
(2)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの属するエンターテインメント業界の市場環境ですが、中長期的なマクロ環境では日本における人口減少、少子高齢化による需要減少が想定され、市場内でより一層の競争激化が予想されます。一方、直接的な市場環境としては、コンサート市場は一般社団法人日本コンサートプロモーターズ協会正会員72社の2020年(2020年1月-12月)総入場者数が1,086万人(前年同期比78.1%減)、総売上は779億8千万円(前年同期比78.7%減)と、新型コロナウイルス感染症の影響により危機的に悪化し、先行きもいまだ不透明となっております。
まだまだ厳しい状況が続くことが予想される中、ポスト・コロナに向けて優良なアーティストやコンテンツの発掘・開発は、引き続き当社グループの最大の課題です。
また、インターネット、通信・放送等メディア及び端末の急速な進化、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う生活様式の変化により、エンターテインメントの新たな楽しみ方の提案が求められています。また、ここ最近のソーシャルメディアの台頭による人々のコミュニケーションの変化などにより、メディアの選択やマーケティング戦略が非常に複雑化しています。こうした環境の変化に対応したエンターテインメントを開発するとともに、デジタルトランスフォーメーションの拡充によるマーケティング機能の向上が課題となります。
これらの課題に対し、当社は「(1)経営方針・経営戦略等及び進捗状況」でも記載した通りの施策を積極的に行ってきました。引き続き、既存の枠に捉われない発想で、アーティストから生み出される良質なコンテンツを創造し続けます。
音楽業界では、2020年(1月-12月)の音楽ソフト総生産額が1,944億円(前年同期比15%減)、有料音楽配信売上は782億円(前年同期比11%増)、合計金額は2,726億円(前年同期比9%減)となっております(一般社団法人日本レコード協会)。
邦画・洋画の映像関連市場では公開本数が1,017本と昨年から大幅に減少し、映画館スクリーン数は前年に引き続き調査開始以来最高の3,616スクリーンとなったものの、2020年(1月-12月)の興行収入は、1,432億8千万円(前年同期比45%減)となりました(一般社団法人日本映画製作者連盟)。一方、ビデオソフト市場では、2020年(1月-12月)の総売上は1,371億3千万円(前年同期比14%減)であり、ブルーレイ・DVDでのレンタル・個人向け販売用売上はともに減少しております(一般社団法人日本映像ソフト協会)。
有料音楽配信が堅調に推移している一方、ビデオソフト市場が減少していることからもわかるように、流通インフラやインターネット環境の進展等により、アーティストが創作する楽曲や権利保有楽曲、映画やライブ中継などの映像作品等を直接消費者に届けることができるようになっています。
当社グループは、エンターテインメント企業として流通チャネルの環境変化に強い立ち位置を最大限に活用しながら、アーティストが生みだす様々な作品を適切な形態・適切な価格でより便利に、直接ユーザーにお届けできるような流通チャネルを柔軟に確保することが課題となっております。
そのような中、市場流通チャネルに対し中期的に取り組んできた施策の一つとして、当社事業におけるバリューチェーンの内製化が挙げられます。当社運営の各アーティストのファンクラブサイトやECサイトのアスマートに代表されるように、当社グループがアーティストグッズ・音楽作品・映像作品・関連書籍などを直接ユーザーにお届けできる機会も年々飛躍的に高まっています。内製化したインフラや機能があることで、市場の変化や細かなニーズに対し迅速な対応が可能となることが強みとなっております。今後の需要を予測し、市場の変化に合わせインフラ機能を強化していくと同時に、そのサービスインフラ自体を他社アーティスト等へと広げることで、収益源の多様化・利益率の向上をはかりたいと考えております。
以上のような課題に対応していくのは、当社グループの人材です。当社では、音楽・映像・舞台等様々なエンターテインメント領域で事業を行っており、その多様性が一つの特徴となっております。
昨今では、エンターテインメントの市場が海外へ拡大していることも踏まえ、様々な事業領域のみならず、多様な市場における業務経験を幅広く積ませることで、環境の変化に柔軟に対応できる人材を育成しております。
引き続き定期・不定期採用を通じて、業界を取り巻くビジネス環境へも適応でき、今後の企業価値向上に必要な人材を確保するとともに、人事異動・各種研修を通じて優秀な人材を育てることが継続的な課題となっています。
また、優秀な人材に、より自律的・精力的に働いてもらうために、働きやすい企業として内外から認識してもらえるよう、働き方や制度等を継続的に見直していくことが重要であると考えております。

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