有価証券報告書-第32期(平成26年1月1日-平成26年12月31日)

【提出】
2015/03/26 11:54
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業績等の概要

(1) 業績
当事業年度(平成26年1月1日から平成26年12月31日まで)における我が国経済は、政府の経済政策や日銀の金融政策などを背景とした円安・株高効果により、輸出関連企業を中心とした業績の好転や国土強靭化基本計画に係る公共投資の増勢持続から緩やかな回復傾向を辿りました。
一方、急激な円安に伴う原材料コストの増加に加え、一部の業種においては消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動減の長期化など景況感に停滞が見られましたが、その影響も全体として収束しつつあります。
当社の属する情報サービス業界におきましては、企業のIT投資マインドが改善傾向にあり、大手企業を中心に競争優位性の確保につながる経営戦略面の課題解決に対する投資意欲が高まっております。
このような経済環境の中、当社の主要なマーケットであります製造業の分野では、住宅メーカー、住宅設備メーカーなど製造業全般でIT投資が活況でありました。また、公共事業の分野でも防災・減災関連やインフラ維持管理テーマへの予算配分が増加しております。
当事業年度のソリューションサービス事業は、一部に不採算案件があったものの大手企業からの好調な受注が寄与し、増収増益を達成いたしました。
エンジニアリングサービス事業は、防災・減災関連業務や施設の長寿命化計画策定業務、環境関連業務の好調な引き合いと効率的な生産体制の定着によるコスト削減の結果、大幅な増収増益を達成いたしました。
これらの結果、当事業年度の売上高は2,508,367千円(前年同期比15.3%増)、営業利益は213,617千円(前年同期比60.1%増)、経常利益は222,878千円(前年同期比55.8%増)、繰延税金資産を98,078千円計上したため、当期純利益は202,981千円(前年同期比81.4%増)となりました。
セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。
・ソリューションサービス事業
製造業向けソリューションサービスにつきましては、業務の効率化を支援する自社ソリューションを中心に展開しております。
営業支援ソリューション(製品名:Easy及びWebレイアウトプランナー)につきましては、前事業年度に受注した複数の大型案件に加え、WindowsXPのサポート終了に伴うリプレース案件の増加もあり、順調に推移しました。
また、設計支援ソリューションや保守支援ソリューション(製品名:PLEX及びFieldPlanner)につきましても、業務効率化の流れとアフターサービスの重視から、受注は堅調に推移しました。
今後は、得意分野である構造計算、BIM[※1]ソリューションを中核として、住宅メーカーやゼネコン分野で更なる事業拡大を目指し、注力してまいります。
業績面では、一部の不採算案件に受注損失引当金を計上いたしましたが、完工の目途も立っており、プロジェクトの状況は改善する傾向にあります。
これらの結果、当事業年度の売上高は1,324,101千円(前年同期比11.4%増)、セグメント利益は176,861千円(前年同期比10.1%増)となりました。
・エンジニアリングサービス事業
防災・減災関連業務につきましては、東日本大震災に関連した復興需要や政府の経済対策による公共投資の増加という好材料の影響もあり、地盤・構造解析業務や津波・氾濫解析業務の受注が堅調に推移するとともに、地域防災計画に関連する災害避難シミュレーション業務の受注も着実に伸張しております。
環境関連業務につきましては、エネルギー需給等の市場動向や東京オリンピック開催に関連した環境アセスメント業務や水圏環境解析業務の受注が堅調に推移したほか、小売業の既存店舗の改修需要に伴い大規模小売店舗立地法コンサルタント業務の受注も底堅く推移しております。
また、老朽化した社会インフラの維持・更新のニーズの高まりから、下水道施設等のアセットツール開発や施設長寿命化策定コンサルタントなどアセットマネジメント業務の受注も順調に伸張しております。
前事業年度から展開を開始した建設ICT業務につきましては、CIM[※2]の導入支援サービスや3次元モデリングの受注のほか、関連するCAD及びGIS製品の物品販売が大幅に増加しました。
今後は、得意分野である解析技術や情報技術を駆使し、防災・環境テーマに加え、リスクマネジメント及びアセットマネジメント分野での更なる事業拡充を目指してまいります。
これらの結果、当事業年度の売上高は1,184,266千円(前年同期比19.9%増)、セグメント利益は241,140千円(前年同期比21.5%増)となりました。
※1:BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)
コンピュータ上に作成した3次元の建物のデジタルモデルに、コストや仕上げ、管理情報などの属性データを追加した建築物のデータベースを、建築設計、施工から維持管理までのあらゆる工程で情報活用を行うためのモデルシステム。
※2:CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)
建設生産システムの基軸を従来の2次元モデルから3次元モデルへ拡張し、データをコンピュータ上に構築・共有しながら統合的に調査、計画、設計、解析、施工、維持管理にいたる一連のワークフローを効率化するシステム。
(2) キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ122,907千円減少し、770,333千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、98,469千円(前事業年度は197,889千円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益206,973千円の計上及び前受金76,111千円の増加があったものの、売上債権の増加233,629千円及びたな卸資産の増加164,332千円等により資金を使用したためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、24,373千円(前事業年度は28,564千円の支出)となりました。これは主に、東京オフィスの移転及び情報化等投資を行ったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、64千円(前事業年度は、財務活動によるキャッシュ・フローはありません)となりました。これは、自己株式の単元未満株式の買取りを行ったためであります。