有価証券報告書-第29期(令和1年6月1日-令和2年5月31日)

【提出】
2020/08/27 9:08
【資料】
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【項目】
106項目

対処すべき課題

文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
①企業理念
当社は、「もっと楽しく、もっと便利に、もっと確実に」を企業理念とし、誰もが必要な情報を簡単に手に入れることができる新しい情報社会を創造することを目指しております。
②経営方針
上記の理念に基づき、下記の経営方針を基に事業展開を行います。
一、地図及び位置情報分野において最先端の技術と信頼性のある製品、サービスを提供します。
一、技術力・販売力を有する企業との提携、共同展開により新事業の開拓を積極的に進めます。
一、規模の拡大よりも経営資本を有効に活用した効率の高い経営を追求します。
一、法令を遵守し、公正かつ透明性の高い企業経営に努めます。
③企業スローガン
当社は、「安心・安全社会に貢献しよう」を企業スローガンに掲げ、地理情報システムを始めとする「空間情報技術(Spatial-IT)」の活用を通じて社会に貢献いたします。
(2)目標とする経営指標
当社は、継続的に売上及び収益を増大することを目標としております。そのためには、営業力の強化並びに販売品目別及び案件別の原価率の管理とコストの低減に注力していく所存であり、20%以上の売上高営業利益率を継続して維持することを目指しております。
(3)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略
当社の中長期的な経営戦略といたしましては、情報サービス産業においてクラウドサービスが急速に普及し、「所有から利用へ」と情報システムの利用構造が大きく変化するなか、当社は市場の変化を見据え、これまでに培ったGIS構築に関する技術力を最大限に活用してGIS開発の分野で確固たる地位を築くとともに、新たな事業領域である位置情報サービスと言われる分野に対して独自製品やサービス、ソリューションの提供を行うビジネスモデルの確立を目指しております。新事業の展開においては、当社の事業とシナジー効果がある特定分野に強い企業や大学等とのアライアンスも推進させ、事業基盤の早期確立と事業の拡大を図ります。
また、今後の事業展開においては、当社が得意とする防災や防犯等の安心・安全に係わる分野を中心にGIS関連のシステムやクラウドサービスの提供を行い、システム導入の売上のみならず保守やサービス利用といったストック型収益の契約件数を伸ばすことにより売上高の増大、収益基盤の安定と売上の季節的変動の軽減を目指します。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、「安心・安全社会に貢献しよう」というスローガンのもと、地理情報システムを始めとする「空間情報技術(Spatial-IT)」を利用して人々の安心・安全な生活を支える製品やサービスを提供することにより、企業価値の向上と持続的な成長の実現を目指しております。
今後のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、国内外の経済や消費活動が大きく減速するなか、感染拡大の防止策を講じつつ、社会経済活動のレベルを段階的に引き上げる必要があり、当面は、厳しい状況が続くことが想定されます。
当社においては、相次いで発生する大規模災害に備えるため、地方自治体の防災・防犯関連の予算は維持されるものと思われ、現時点で新型コロナウイルス感染症の影響は軽微であると判断していますが、感染症対策費の負担に伴い、地方自治体の今後の予算状況が変わる場合は、当社の受注に影響を与える可能性があり、予断を許さない状況であります。
このような状況ではありますが、中央官庁が情報システムの調達においてクラウドへの移行を推進していることから、当社の主要顧客である地方自治体においてもクラウドサービスの利用が急速に進展するものと推測されます。当社は、この需要に応えるため、得意とする防災・防犯分野のクラウドサービスの普及を図り、安定的なストック型収入の売上の増加に努め、下半期に偏重している売上の平準化を図るとともに、さらなる成長を目指します。
このような状況を踏まえ、以下を重要課題として取り組んでまいります。
①主力のクラウドサービスの拡販
当社の主要サービスである「NET119緊急通報システム」については、営業やユーザーサポート体制を強化し、未導入の地域に対して積極的な営業展開を行います。また、「DMaCS(災害情報共有サービス)」や防災・防犯情報を提供するスマートフォンアプリ等、安心・安全に役立つクラウドサービスの提案にも力を入れ、受注獲得を図ります。
②映像通報システム「Live119」及び「Live110」の提供開始と拡販
当社は、神戸市消防局及び兵庫県警察本部等において消防や警察への通報時にスマートフォンによるビデオ通話を行い通報現場の情報収集を支援するサービス(「Live119」及び「Live110」)の実証実験を実施し、有効性を評価することができました。今後は、「NET119緊急通報システム」の既存ユーザー等に向け、当サービスの営業活動を開始し、新しい収益の柱に育てます。
③優秀な人材の確保及び育成
IT環境の高度化に伴い、IT技術者の需要が増加しており、とりわけ若手技術者の確保が非常に困難になっております。
このような状況において、当社は、多様な募集方法やオンラインでの会社説明会の実施により応募者の裾野を広げ、優秀な人材の獲得を図ります。また、社内外の教育研修を一層充実させ、社員のスキル向上に努めます。