有価証券報告書-第21期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/20 14:28
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146項目
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、米中間の貿易摩擦による世界経済の鈍化、原材料の高騰や労働力不足による人件費上昇の影響などで先行きが懸念されるものの、企業の収益や景況感の改善とともに緩やかな回復基調が持続しました。
当社グループが属するバイオ関連業界におきましては、大手製薬企業の中には成長の鈍化の中で事業の整理や人員の削減を図る企業もある反面、ベンチャー企業などにおいては新製品の研究・開発の動きが活発化しました。このような環境の中で、当社グループは次のような活動を行いました。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分について、従来の「ジェノミクス事業」と「CRO事業」とを統合し「CRO事業」として、また、従来の「先端医療事業」と「病理診断事業」とを統合し「診断解析事業」として区分表示する変更をしております。
CRO※1事業においては、既存顧客との取引を拡大・深化させるとともに新規顧客の開拓に注力し、受注強化に努めました。また、非臨床試験の更なる受注拡大に向け、顧客(主に製薬企業)の多様なニーズに応えるため、「生体ストレス可視化マウス※2」や「アトピー性皮膚炎モデルマウス」などの新しい病態モデルの販売を開始してラインナップの更なる拡充を図るとともに、モデルマウスの非臨床試験での活用に取り組みました。そして、付加価値の高い非臨床試験のサービスを構築すべく、連結子会社である株式会社新薬リサーチセンターにおいては、新たな霊長類疼痛評価系の確立を目的とした共同研究契約を旭化成ファーマ株式会社との間で締結いたしました。さらに、連結子会社である株式会社安評センターが2018年4月1日に公益財団法人食品農医薬品安全性評価センターより事業を譲受けたことで、幅広い領域での非臨床安全性試験の受注能力が飛躍的に拡大いたしました。
診断解析事業においては、一層の品質向上及び事業効率化に取り組むとともに、遺伝子解析技術及び豊富な病理診断技術を活かしたサービスの拡充に取り組み、網羅的がんクリニカルシーケンス※3サービスの採用医療機関の確保に努め、さらにDTC(Direct To Consumer:消費者向け)遺伝子検査サービスの営業強化を図りました。また、子宮頸がんの早期発見に貢献すべく、子宮頸がんリスク検査である自己採取HPV※4検査の有用性の啓蒙活動及び営業活動に注力するとともに、子宮頸がん検診の普及に取り組む地方自治体との検査委受託契約締結を推進いたしました。
TGBS事業においては、Eコマース事業において売れ筋商品の仕入れに努めるとともに、プラットフォーム(大手通販サイト)経由の販路拡大に注力いたしました。また、Eコマース事業以外では、事業承継コンサルティング業務の取り組みを強化いたしました。さらに、2019年4月には連結子会社である株式会社TGビジネスサービスが、国内大手ガラスメーカーを主要販売先としてエコガラス(複層ガラス)用副資材(スペーサー&シーリング材)、ガラス加工機器等の輸入販売を展開する株式会社TGMの全株式を取得して子会社化し、利益基盤の拡大を図りました。



※1 CRO:Contract Research Organization(医薬品開発業務受託機関)
※2 生体ストレス可視化マウス:目でみえない細胞ストレスについて、ストレスが生じた時にだけ光により可視化することを可能にする生体ストレス可視化トランスジェニックマウス
※3 クリニカルシーケンス:次世代シーケンサーを用いて、がん細胞の遺伝子変異を網羅的に解析し、診断や治療の参考となる知見を得るための解析手法
※4 HPV:Human papillomavirus(ヒトパピローマウイルス)

これらの結果、当連結会計年度は、2018年1月に連結の範囲に加わった株式会社アウトレットプラザによるEコマース事業の売上高が当連結会計年度から通年で寄与するとともに、2018年4月に事業を譲受けた株式会社安評センターの売上がCRO事業に加わったため、売上高は8,674,502千円(前期比140.9%増)となり、前期比で大幅な増収となりました。また、営業利益につきましても、株式会社安評センターが、CRO事業の利益拡大に大きく貢献するとともに、2017年11月に開始したTGBS事業の利益がEコマース事業を中心に通年で寄与したため、270,064千円(前期比209,510千円増)と前期比で大幅な増益となり、経常利益につきましても、256,432千円(前期比241,973千円増)と同様に前期比で大幅な増益となりました。なお、遺伝子改変マウス受託作製事業の収益低下による神戸研究所の研究機器等の減損損失29,777千円や、連結子会社の退職一時金制度導入に伴う退職給付費用23,779千円を特別損失として計上するとともに、「法人税、住民税及び事業税」も77,060千円となりましたが、CRO事業の拡大や株式会社TGMの当社グループ加入等に伴う利益基盤の拡大を背景に繰延税金資産の回収可能性を考慮した結果、法人税等調整額△76,404千円(△は利益)を計上いたしました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益につきましても、202,219千円(前期比181,321千円増)と前期比で大幅な増益となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。各セグメントの業績数値につきましては、セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
セグメント売上高営業損益
金額
(千円)
前期比金額
(千円)
前期比
増減額
(千円)
増減率
(%)
増減額
(千円)
増減率
(%)
C R O 事 業2,237,498941,97772.7315,010188,124148.3
診 断 解 析 事 業816,8568,8721.143,052△12,200△22.1
T G B S 事 業5,640,6964,135,335274.787,22542,22093.8
(Eコマース)(5,194,830)(3,889,332)297.9(38,598)(32,505)533.5
(その他)(445,865)(246,002)123.1(48,627)(9,714)25.0

(注)括弧内の金額は、TGBS事業の各内訳金額であります。
a.CRO事業
当事業では、医薬品・食品の臨床試験受託及び薬効薬理試験、安全性薬理試験、薬物動態試験、農薬・食品関連物質などの安全性試験などの非臨床試験受託を行っております。また、遺伝子改変マウスの作製受託、モデルマウスの販売や作製モデルマウスを用いた非臨床試験の受託、抗体作製受託、及び新規バイオマーカーの開発などを行っております。当連結会計年度の業績は、株式会社安評センターが2018年4月に事業譲受けをしたことにより、安全性試験等の収益が大きく伸長し、売上高は前期比で大幅な増収(前期比72.7%増)となりました。また、営業損益につきましても同様に、前期比188,124千円増(前期比148.3%増)と前期比で大幅な増益となりました。
b.診断解析事業
当事業では、病理専門医による豊富な診断実績及び最新のバイオマーカー解析技術を生かした高品質な病理診断サービス、遺伝子解析受託サービス及び個別化医療に向けた創薬支援サービスを行っております。当連結会計年度の業績は、病理診断の検体数の増加及びDTCを中心とした遺伝子解析受託サービスの伸びにより、売上高は前期比で増収(前期比1.1%増)となりました。しかし、補助金を原資とした研究開発の推進により研究開発費が増加し、営業損益につきましては前期比12,200千円減(前期比22.1%減)と前期比で減益となりました。なお、当該研究に係る補助金収入12,800千円は、連結損益計算書において営業外収益に計上しております。
c.TGBS事業
当事業は、2017年11月に設立した株式会社TGビジネスサービスによる事業であり、M&Aによる新規事業の推進と幅広い分野における事業承継及び事業再生分野に係る助言・支援サービスを行っております。当連結会計年度の業績は、2018年1月に連結の範囲に加わった株式会社アウトレットプラザによるEコマース事業の売上高が通年で寄与し、特に上半期において販売が堅調であったため、Eコマース事業の売上高は前期比で3,889,332千円(前期比297.9%増)、TGBS事業合計でも前期比4,135,335千円増(前期比274.7%増)と前期比で大幅な増収となりました。また、営業損益につきましても、Eコマース事業が38,598千円の黒字(前期比32,505千円増)、TGBS事業合計でも87,225千円の黒字(前期比42,220千円増)と前期比で大幅な増益となりました。
財政状態につきましては、当連結会計年度末における流動資産は2,902,957千円となり、前連結会計年度末に比べ89,889千円減少いたしました。これは主に、受取手形及び売掛金が68,864千円、仕掛品が245,661千円、その他流動資産が57,479千円、それぞれ増加した一方で、現金及び預金が494,978千円減少したことによるものであります。固定資産は3,572,320千円となり、前連結会計年度末に比べ630,487千円増加いたしました。これは主に、株式会社安評センターにおける事業譲受けや設備投資等により建物及び構築物が426,927千円、土地が190,940千円それぞれ増加したほか、繰延税金資産の回収可能性を考慮したことにより繰延税金資産が117,550千円増加した一方で、保有株式の時価評価等に伴い投資有価証券が102,263千円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における流動負債は1,131,938千円となり、前連結会計年度末に比べ276,165千円増加いたしました。これは主に、未払金が109,082千円、未払法人税等が55,744千円、その他流動負債が82,545千円、それぞれ増加したこと、及び、借換え等により短期借入金が130,000千円増加するとともに1年内返済予定の長期借入金が108,189千円減少したことによるものであります。固定負債は456,594千円となり、前連結会計年度に比べ280,487千円減少いたしました。これは主に、長期借入金が227,921千円、未払金への振替により長期未払金が57,805千円、それぞれ減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における純資産は4,886,745千円となり、前連結会計年度末に比べ544,920千円増加いたしました。これは主に、新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金が合計で482,043千円増加したこと、親会社株主に帰属する当期純利益を202,219千円計上した一方で、その他有価証券評価差額金が127,208千円減少したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ494,978千円減少し、1,277,521千円となりました。
当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは147,691千円の収入(前年同期は219,059千円の収入)となりました。これは、税金等調整前当期純利益202,875千円(前年同期は14,459千円の利益)に必要な調整項目を加減して算定しておりますが、その主な加算要因は、未払金の増加額35,668千円、非資金費用である減価償却費の計上額124,039千円、のれん償却費の計上額66,407千円、減損損失29,777千円、及び特別損失の退職給付費用23,779千円であります。一方、主な減算要因は、売上債権の増加額27,106千円、前受金の減少額276,564千円、その他の資産の増加額61,817千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは834,880千円の支出(前年同期は552,120千円の支出)となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出320,488千円、関係会社株式の取得による支出80,000千円、事業譲受による支出429,083千円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは193,519千円の収入(前年同期は1,044,975千円の収入)となりました。この主な要因は、短期借入れ及び長期借入れによる収入が合計で254,602千円、長期借入金の返済による支出460,712千円、長期未払金の返済による支出57,805千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入474,710千円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため、「生産実績」は記載しておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前期比(%)受注残高(千円)前期比(%)
CRO事業2,066,469154.71821,613220.97
診断解析事業845,23497.55205,546124.17
TGBS事業5,645,436434.3945,852117.90
合計8,557,140244.371,073,012186.21

(注) 1.金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間取引を相殺消去しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前期比(%)
CRO事業(千円)2,230,805173.3
診断解析事業(千円)805,221100.0
TGBS事業(千円)5,638,475374.6
合計8,674,502241.1

(注) 1.金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間取引を相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針及び見積の概要については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
(売上高)
売上高は、前期比5,073,219千円増の8,674,502千円と大幅な増収となりました。この主な要因は、TGBS事業のうち取扱高の大きな株式会社アウトレットプラザのEコマース事業が2018年1月から連結の範囲に加わったため、前期は第4四半期のみ売上高に寄与したのに対し当期は通期で寄与したことにあります。また、2018年4月に株式会社安評センターが事業を譲受けたことで、CRO事業も大きく拡大いたしました。その結果、TGBS事業のうちEコマース事業で前期比3,889,332千円の増収となり、CRO事業も前期比で941,977千円の増収となりました。
(売上総利益)
セグメント別では、株式会社安評センターにおける事業譲受けで事業が拡大したCRO事業の売上総利益は増加したものの、その中核会社である株式会社新薬リサーチセンターと株式会社安評センター各々において設備費や人件費等の一定の固定費が発生するため、売上総利益率はほぼ横ばいとなりました。一方で、TGBS事業のうちEコマース事業は、大量販売取引であるため売上総利益率はCRO事業や診断解析事業と比較して低くなっておりますが、上記(売上高)に記載のとおり連結売上高への影響が前期より大幅に大きくなっております。その結果、連結売上高総利益率は17.3%(前期は22.8%)と前期比で低下いたしました。
(営業利益)
セグメント別では、事業が拡大したCRO事業の営業利益が大幅に増加し、TGBS事業のうち特にEコマース事業も売上総利益と同様に営業利益も増加したため、連結営業利益は前期比で大幅な増益となりました。また、上記(売上高)に記載のとおり売上総利益率が低いため相対的に営業利益率も低いEコマース事業の連結売上高への影響が前期より大きくなったものの、CRO事業の営業利益の増加が販売費及び一般管理費の増加を吸収し、連結売上高営業利益率は3.1%(前期は1.7%)と前期比で上昇いたしました。
(経常利益)
診断解析事業における研究開発のための補助金収入などで営業外収益が増加した一方、資金調達関連費用や買収関連費用等の営業外費用が減少し、営業利益の前期比大幅増益と同様に、経常利益も前期比で大幅増益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
減損損失や退職給付費用の特別損失を計上したものの、グループの利益基盤の拡大を背景に繰延税金資産を追加計上したため、親会社株主に帰属する当期純利益も前期比大幅増益となりました。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
c.財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は6,475,278千円となり、前連結会計年度末に比べ540,597千円増加いたしました。また、純資産は4,886,745千円となり、前連結会計年度末に比べ544,920千円増加いたしました。
当連結会計年度末における自己資本比率は75.4%(前期73.0%)となり、前連結会計年度末と比較して上昇いたしました。これは、主に新株予約権の行使による株式の発行により資本金及び資本準備金が増加したことに加え、親会社株主に帰属する当期純利益において黒字を計上したためであります。
なお、当連結会計年度末における現金及び預金は1,277,521千円であるのに対し、有利子負債の合計は733,463千円であり、流動比率(流動資産÷流動負債)も256.5%もあるため、十分な支払能力を確保しております。
前連結会計年度末と比較した変動要因につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
d.資本の財源及び資金の流動性についての分析
資本政策につきましては、財務健全性に配慮しながら、将来の成長へ向けて必要な投資を実施することを基本としております。具体的には、運転資金、設備投資及び研究開発活動に係る資金需要については、内部資金より充当することを基本としており、M&A等の自己資金のみでは賄えない資金需要については、新株の発行や借入等の資金調達方法を検討する方針です。
特に、当連結会計年度は、主として、株式会社安評センターにおいて事業の譲受けを行い、その後に必要な設備の修繕・整備を重点的に行ったことにより、投資活動によるキャッシュ・フローは前期比282,760千円の支出増加となり、フリーキャッシュ・フローは前期比354,127千円の減少となりました。また、当該投資資金の一部は、前連結会計年度において新株予約権の行使により既に調達を行っており、当連結会計年度は積極的に資金調達を行わなかったことから、財務活動によるキャッシュ・フローは前期比で851,455千円の減少となりました。
なお、活動区分毎のキャッシュ・フローの詳細につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(単位:千円)
当期前期増減
営業活動による
キャッシュ・フロー
147,691219,059△71,367
投資活動による
キャッシュ・フロー
△834,880△552,120△282,760
フリーキャッシュ・
フロー※
△687,189△333,061△354,127
財務活動による
キャッシュ・フロー
193,5191,044,975△851,455
現金及び現金同等物
期末残高
1,277,5211,772,500△494,978

(※) 営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを控除した純額

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