有価証券報告書-第44期(令和1年11月1日-令和2年10月31日)

【提出】
2021/01/29 16:32
【資料】
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【項目】
162項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針及び経営戦略
当社グループは、『日本一のギグ・エコノミーのプラットフォーマーになり、労働市場に革命を起こす』をビジョンに掲げ、インターネット等を通じて単発・短期の仕事を受注する働き方やそれによって成立する経済活動を支援して、よりよい未来のために日本のギグ・エコノミー市場を創成していくとともに、世の中にとって必要とされるリーディングカンパニーとなることを目指しております。
また、当社グループはオンデマンドエコノミー事業においてフィールドエンジニア、コンストラクション、セールスプロモーション、コールセンター、システムデベロップメントといったITを軸としたサービスを、シェアリングエコノミー事業においてシェアオフィス、コワーキングスペース、バーチャルオフィスなどを、起業家やフリーランス、企業向けサテライトオフィス利用をターゲットに提供しております。このように、多種多様なサービスを展開することで、一部の市場の縮小が生じた場合にも業績に大きな影響をあたえない安定的な経営基盤を築いております。さらに、事業規模の拡大及び既存事業とのシナジー効果をもたらすことを目的としてM&Aを積極的に活用していくことを経営戦略としております。
新型コロナウィルス感染症の影響により、延期となった案件がある一方、巣ごもり需要によるフードデリバリーの活況、大学講義のリモート化、政府が打ち出した政策等様々な案件の受注拡大もあり、同感染症による業績への影響は軽微となっております。多種多様なサービスを提供する当社においては、今後においても、コロナ禍で市場拡大している案件を受注できる体制を整えていることから、経営方針及び経営戦略の変更は行っておりません。
(2) 目標とする経営指標等
当社グループは、高い成長性と収益性の向上が経営上の重点課題と認識しております。成長性については売上高対前年比率、収益性については売上高営業利益率を重要な経営指標と重視しており持続的な成長を意識した経営に注力し、企業価値の向上に努めてまいります。
(3) 会社の対処すべき課題
① 事業体制の強化
当社グループはITを軸にしたオンデマンドエコノミー事業、シェアリングエコノミー事業の2セグメントを展開しております。当社は既存事業の伸長とM&Aの活用による両面で成長、事業拡大をしておりますが、グループ内の融合も進んできたことから、当連結会計年度において、M&Aに伴い増加傾向にあった子会社5社を2社に集約する合併をしております。本合併に伴い、重複する管理部門のスリム化を図る一方で、より一層の内部統制及びコンプライアンスの強化も必要不可欠であると考えております。また、創業以来、多様な働き方を支援し続けている当社グループは「ギグ・エコノミーのプラットフォーマー」を目指しており、当社独自のサービスの開発、営業力の強化を継続的な課題としております。
② 取引先の満足度の向上
市場環境並びに労働環境の変化に伴い、取引先のニーズは、多様化・高度化が進んでおります。当社ではそのニーズに対応すべく、当社に対する満足度調査を取引先に定期的に実施するなど、課題、連携を密にしております。引き続き、より高度なニーズに対応すべく、専門性を高めるための組織体制、運営体制を強化することで、取引先から選ばれる企業を目指してまいります。
③ 当社登録スタッフ(ギグワーカー)の満足度の向上
オンデマンドエコノミー事業を行う上において、優秀なスタッフを確保していくことは事業拡大に必要不可欠と考えております。多様な働き方を提供している当社グループには、「雇用関係だけによらない働き方」・「多様かつ柔軟な働き方(副業・在宅等)」を希望する個人事業主、フリーランスが数多く登録しており、仕事を通じた当社との距離感が強みであります。一方で、人材不足が顕著な中では、登録スタッフの当社グループに対する満足度をより高める努力も求められております。当社としては、登録スタッフに対する福利厚生面も含めた待遇改善の検討や定期的な面談、スキルアップのための各種研修システム等を充実させることで、従来以上に信頼関係強化に努めてまいります。
④ 法的規制等について
2018年4月1日から改正労働契約法、改正労働者派遣法の適用が本格化しております。当社グループでは、組織(個人)単位の期間制限抵触日が2018年9月30日に到来したことを受け、派遣先での直接雇用推進若しくは派遣元での無期雇用化などの対策を進めております。
また、育児・介護休業法の改正や年次有給休暇取得の義務化、2020年4月からは「労働者派遣法やパートタイム・有期雇用労働法の改正(所謂、同一労働同一賃金の適用)」が施行されるなど、労働環境に係わる法改正が定期的に行われております。当社グループとしては、速やかに対応できるよう情報収集に努めると同時に、引き続き、従業員、登録スタッフが安心して働くことができる労働環境を構築してまいります。
⑤ 機密情報・個人情報の管理について
当社グループは、多数の登録スタッフ、取引先及び協力会社等の機密情報・個人情報を保有しております。当社グループにおきましては、情報セキュリティ管理システムの認証制度、ISO/IEC27001(JIS Q 27001)の認証を取得し、機密情報・個人情報の保護体制を強化してまいりました。
今後もセキュリティポリシーに基づいた管理体制を強化するとともに、適切に運用してまいります。
⑥ ダイバーシティ及び女性活躍推進の取組みについて
当社グループでは、多様な市場のニーズを的確に捉え、持続可能な成長を実現するためには、誰もが働きやすい環境を整えることが必要不可欠であると考え、ダイバーシティ及び女性活躍推進活動に積極的に取り組んでおります。
役員や管理職だけでなく広く従業員との定期的な議論の場を設け、その重要性・意義を発信するとともに意見を吸い上げる体制を構築しております。その結果、女性活躍を推進している企業として、経済産業省と株式会社東京証券取引所より「なでしこ銘柄」の認定を4年連続で受けております。東証2部上場のサービス業種においては、4年連続の認定は当社グループのみであります。
また、働き方改革の一環で各官公庁が主催する各種認証制度にも積極的に参画、経済産業省から労働者の健康を促進する企業として、「健康経営優良法人(ホワイト500)」の認定を4年連続して受けるなど、今後も「夢」を目指す人材を支援する環境の整備を構築してまいります。
⑦ 災害対策について
当社グループではオンデマンドエコノミー事業で毎月約3,000~4,000人の当社登録エージェント(登録スタッフ)が派遣・業務受託等の契約により全国で日々働いております。また、シェアリングエコノミー事業は首都圏を中心に59拠点のシェアオフィスを運営しております。
独自のエージェント管理システムにより、登録エージェント及びシェアオフィスの利用状況は即座に確認できる体制を整えておりますが、大地震や火災、洪水等の災害が発生した場合には、運営施設の被害、交通機関及びライフライン等の中断により、業務に支障、損害が生じる可能性があります。
BCP対応を強化するとともに、引き続き、登録エージェント、シェアオフィス利用者への安全対策に努めてまいります。
⑧ 当社サービス・社名の認知度向上について
当社は2019年8月1日に社名をギグワークス株式会社(旧社名:スリープログループ株式会社)に変更いたしました。当社は創業以来、「必要な時に必要なだけ働ける」、「お仕事情報のプラットフォーム」を提供し、個人及びフリーランス(個人事業主)が時間や場所に縛られることなく快適に働ける環境を構築し、近年急速に関心、認知度が高まっているギグワーカーへのプラットフォームの提供を他社に先駆けて行っております。
「ギグワークス」への社名変更から1年が経過し、ギグワークの拡がりとともに、各種媒体に取り上げられる機会も増え、認知度も確実に向上しておりますが、従来以上に広告宣伝活動及び広報活動に取り組むことで、当社サービス並びに社名の認知度向上に努めてまいります。
⑨ 新型コロナウイルス感染症について
当社は、新型コロナウイルス感染症に関する情報収集及び同感染症の感染拡大に伴う影響を最小限に止めるための対応を迅速に行っております。
また、同時に従業員及びお客様をはじめとするステークホルダーの皆様の安全確保を最優先に考えており、従業員においては2020年3月下旬から原則在宅勤務体制に移行し、オンライン会議システムを活用するなど出勤を最小限に留めております。出勤部署においてもマスク着用や衛生関連品の利用を徹底するなど同感染症防止のための対策を講じております。
新型コロナウイルス感染症の収束には相当な時間を要すると思われることから今後におきましても、引き続き、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う経済活動への影響を注視するとともに、想定外のリスクや不測の事態を想定し、経営環境の変化に臨機応変に対応できる体制の構築を図ってまいります。