有価証券報告書-第18期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/20 16:20
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130項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュフロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、低分子医薬、がんペプチドワクチン、抗体医薬等の創薬研究を進展させるとともに、後期臨床開発を目指したがん幹細胞維持に重要な分子であるMELKを標的としたOTS167の米国での臨床試験、がん治療用抗体医薬OTSA101の企業主導の臨床試験準備等、当社グループ独自で実施している臨床開発の推進に加え、提携先製薬企業との戦略的対話をより促進し、提携先が実施する臨床開発の側面支援、後方支援を強力に推し進めて参りました。さらにはがんプレシジョン医療関連事業として、がん細胞の詳細な遺伝子解析サービス(全エクソーム解析、RNAシーケンス解析、ネオアンチゲン解析)、血中のがん細胞を早期検出するためのリキッドバイオプシーといったがん遺伝子の大規模解析検査及びTCR/BCRレパトア解析、免疫反応解析等の解析サービスの共同研究及び事業化を進めて参りました。
これらの結果、当連結会計年度の総資産は、5,367百万円(前連結会計年度末比2,654百万円減少)となりました。内訳としては、流動資産は5,055百万円(同 1,978百万円減少)、これは現金及び預金が1,882百万円減少したことが主な要因となっております。固定資産は311百万円(同 675百万円減少)となりました。これは建物が187百万円、工具器具及び備品が192百万円、ソフトウエアが275百万円、それぞれ減少したことが主な要因となっております。
負債の合計は496百万円(前連結会計年度末比55百万円増加)となりました。流動負債は367百万円(同 61百万円増加)となりました。これは、未払金が43百万円減少した一方、未払法人税等が103百万円増加したことが主な要因となっております。固定負債は129百万円(同 6百万円減少)となりました。
純資産は、4,870百万円(前連結会計年度末比2,709百万円減少)となりました。これは、資本金が277百万円、資本準備金が277百万円増加した一方、利益剰余金が2,934百万円減少したことが主な要因となっております。
当連結会計年度における連結事業収益につきましては、提携先製薬企業からのマイルストーンの受領や受託検査サービスによる収入等の受領により、280百万円(前期比69百万円の増加)となりました。
また、医薬品候補物質の基礎研究、創薬研究の継続的な実施による研究開発費用の計上に加え、低分子医薬、がんペプチドワクチン、抗体医薬の3つの領域についての臨床開発進展による費用計上、がんプレシジョン医療関連事業に関する研究開発費用の計上を主な要因として、連結営業損失は2,953百万円(前期は2,988百万円の損失)、連結経常損失は2,959百万円(前期は2,977百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は2,934百万円(前期は2,851百万円の損失)となりました。
セグメント別経営成績は、次のとおりであります。
a. 「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業
提携先製薬企業からのマイルストーン等の受領により、事業収益は205百万円(前期比0百万円の減少)となりました。また、医薬品候補物質の基礎研究、創薬研究の継続的な実施による研究開発費用の計上に加え、低分子医薬、がんペプチドワクチン、抗体医薬の3つの領域についての臨床開発進展による研究開発費用の計上を主な要因として、営業損失は1,786百万円(前期は2,475百万円の損失)となりました。
なお、研究開発の状況の詳細につきましては、「第2 事業の状況 5研究開発活動 (2)研究開発活動 (a)「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業」をご覧ください。
b. がんプレシジョン医療関連事業
受託検査サービスによる収入等の受領により、事業収益は75百万円(前期比69百万円の増加)となりました。また、遺伝子解析サービス(全エクソーム解析、RNAシーケンス解析、ネオアンチゲン解析)、リキッドバイオプシー、TCR/BCRレパトア解析、免疫反応解析等に関する研究開発費用の計上を主な要因として、営業損失は824百万円(前期は267百万円の損失)となりました。
なお、研究開発の状況の詳細につきましては、「第2 事業の状況 5研究開発活動 (2)研究開発活動 (b)がんプレシジョン医療関連事業」をご覧ください。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、4,857百万円(前連結会計年度比1,882百万円減少)となりました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、2,373百万円の資金の減少(前連結会計年度末は3,035百万円の減少)となりました。これは、減価償却費391百万円、減損損失318百万円の計上、および未払法人税等102百万円の増加により資金が増加した一方、税金等調整前当期純損失3,194百万円を計上したことが主な要因となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、74百万円の資金の減少(前連結会計年度末は446百万円の減少)となりました。これは、主として有形固定資産の取得による支出71百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、565百万円の資金の増加(前連結会計年度末は150百万円の増加)となりました。これは、主として株式の発行による収入553百万円によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社の業務は、業務の性格上、生産として把握することが困難であるため、記載を省略しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績については、販売高に比べて受注高の重要性が乏しいことから、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業(千円)205,032△0.2
がんプレシジョン医療関連事業(千円)75,5541,229.2
合計280,58632.8

(注)1 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
塩野義製薬㈱200,00094.6202,99072.3
医療法人 慈生会 福岡がん総合クリニック--40,80614.5

2 上記金額に消費税等は含まれておりません。
3 前連結会計年度における医療法人 慈生会 福岡がん総合クリニックに対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、本項に記載した将来に関する事項は本書提出日現在において判断したものであり、不確実性を内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性があります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。また、連結財務諸表作成にあたっては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に基づき作成しておりますが、採用する会計基準には、当社グループの判断及び見積りを伴うものが含まれています。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討等
A. 収益面の特徴
a.「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業
製薬企業との契約により、その対価については、契約一時金、研究協力金、開発協力金、マイルストーンおよびロイヤリティ等を段階的に受領することとしております。契約一時金は、契約時に一定の権利の付与に対して受取る対価として一括収益計上しており、研究協力金および開発協力金は製薬企業より契約に基づく研究開発に対する経済的支援として受領するものであり、役務の提供に基づき収益計上しております。マイルストーンは自社あるいは提携先製薬企業における研究開発の進捗(予め設定されたイベント達成等)に応じて受取る対価、ロイヤリティは製薬企業が医薬品として上市された場合に売上等の一定率を対価として受領するものであり、製薬企業等からの報告等に基づき発生時に収益計上することとしております。当社グループが契約に基づき受領する収益のうち、研究協力金及び開発協力金については、研究および開発の内容等に応じて複数年に渡り受領することとされておりますが、一部については当該協力金について規定されていないものもあります。一般的に医薬品の開発期間は基礎研究開始から上市までに通常10年以上の長期間に及ぶものでもあります。事業収益の発生については、その多くが契約締結先の製薬企業等の研究開発の進捗および医薬品発売・販売の状況等に依存するもので、これらが事業収益として計上されるにはかなりの長期間を要する可能性があり、またこれらの事業収益が計上されない可能性もあります。さらに、製薬企業等との契約締結の可否、契約締結時期および収益の発生時期によって当社グループの業績は大きく変動する傾向にあり、これによる業績の上期または下期への偏重が生じる可能性、または場合によっては決算期ごとの業績変動要因となる可能性があります。
b.がんプレシジョン医療関連事業
がんプレシジョン医療関連事業の収益は、がん細胞の詳細な遺伝子解析サービス(全エクソーム解析、RNAシーケンス解析、ネオアンチゲン解析)、血中のがん細胞を早期検出するためのリキッドバイオプシーといったがん遺伝子の大規模解析検査及びTCR/BCRレパトア解析、免疫反応解析等の解析サービスを、医療機関、研究機関および製薬企業等から受託または受託する予定で、サービス完了後の検収を以て収益を計上することとしています。
B. 費用面の特徴
当社グループは研究開発型企業として、当連結会計年度においては研究開発費2,826百万円を計上しております。
a.「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業
当社グループは提携先との共同開発に加えて、当社グループ独自での臨床開発に積極的に取り組んでいく方針であります。そのため、今後は、臨床試験を実施する開発パイプラインの進展や拡大、積極的な自社の創薬研究等により、多額の研究開発費が必要となると想定されます。しかしながら、他の製薬企業との契約締結が進まない場合や既存の提携先との契約解消等が生じた場合は、当社グループの業績の圧迫要因として業績に悪影響が生じる可能性があります。
b.がんプレシジョン医療関連事業
がんプレシジョン医療関連事業においては、医療機関、研究機関および製薬企業等から受託または受託する予定の、がん細胞の詳細な遺伝子解析サービス(全エクソーム解析、RNAシーケンス解析、ネオアンチゲン解析)、血中のがん細胞を早期検出するためのリキッドバイオプシーといったがん遺伝子の大規模解析検査及びTCR/BCRレパトア解析、免疫反応解析等の解析サービスについて受託件数増加に伴う費用の増加のほか、これらサービスに関連する共同研究やネオアンチゲン樹状細胞療法及びTCR導入T細胞療法等の新しい個別化免疫療法の研究も行っており今後も継続的に研究開発費が必要となると想定されます。
(当社グループの当連結会計年度の経営成績等)
「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりとなっております。
(当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因)
「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおりとなっております。
(当社グループの資本の財源及び資金の流動性)
当連結会計年度におけるキャッシュフローの状況は、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりとなっております。また、キャッシュフロー関連指標の推移は、次のとおりとなっております。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
2015年3月期2016年3月期2017年3月期2018年3月期2019年3月期
自己資本比率(%)93.192.991.687.085.6
時価ベースの自己資本比率
(%)
332.7343.2340.1392.3381.2
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)-----
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)-----

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しています。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。
(注5)「キャッシュ・フロー対有利子負債比率」、「インタレスト・カバレッジ・レシオ」については有利子負債がないため記載しておりません。
当社グループが現在計画している資金計画については、主として、資金を共同研究費、研究開発要員の人件費及び外注費等の研究開発資金、自社の研究用及び解析検査設備等の設備資金に充当する方針であり、具体的な資金需要の発生までは、安全性の高い金融商品で運用していく計画であります。バイオ・テクノロジー業界等の当社グループを取り巻く外部環境については変化が速いことや、新規参入等により当社グループの事業環境に劇的な変動が生じる可能性があること等から、当社の経営判断として資金について、上記の対象以外に振り向けられる可能性も否定できません。また、当社グループ事業の性質上、研究開発資金等の多額な資金を必要とするものでありますが、急速な成長、技術変化、市場の発展等環境の変化に伴い、当社は新たな戦略を実行し、その事業を展開するための必要資金は、現時点における想定以上に拡大する可能性があります。
(経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営戦略及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりとなっております。当連結会計年度の達成状況につきまして、連結事業収益につきましては、提携先製薬企業からのマイルストーンの受領や受託検査サービスによる収入等の受領により、280百万円となりました。また、研究開発費については、2,826百万円となりました。当期の経営成績ならびに研究開発活動の詳細につきましては「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」ならびに「第2 事業の状況 5研究開発活動 (2)研究開発活動」をご覧ください。
(3)重要事象等についての分析・検討内容及び当該重要事象等を解消し、又は改善するための対策案
当社グループは、対処すべき課題を以下のように考えています。
① 基礎研究の継続的な実施
当社グループは2001年から2013年にかけて元東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター長(現 公益財団法人がん研究会 がんプレシジョン医療研究センター所長、東京大学名誉教授、シカゴ大学名誉教授)中村祐輔教授との共同研究により、ほぼ全てのがんを対象とした網羅的な遺伝子発現解析等を実施し、多くのがん治療薬開発に適した標的分子を同定いたしました。現在、それらの標的に対する創薬研究を積極的に展開し、これら創薬研究の成果を基にした複数の臨床試験を実施中または準備中の医薬品候補物質を多数有しております。
基礎研究の継続的な実施は当社グループ事業の将来にかかる重要課題の一つとして認識しており、今後も当社独自及び共同研究等による研究体制の充実と円滑な推進のための対応を図ってゆく方針であります。
② 創薬研究の確実な推進
当社グループは基礎研究の成果をもとに、臨床応用を目指して低分子医薬、がんペプチドワクチン、抗体医薬等の創薬研究を実施し、ファースト・イン・クラスの創薬を目指します。
③ 臨床開発の確実かつ迅速な推進
当社グループは、「有効性が高く、より副作用の少ないがん治療薬・治療法を一日も早くがんに苦しむ患者さんに届けること、がんとの闘いに勝つこと」を企業使命とし、国内外において、当社グループ独自で複数の臨床試験を行っており、各提携先製薬企業とも共同で臨床試験を行っております。当社グループは、非臨床試験データに基づいた適応症の選択を行い、臨床開発を確実かつ迅速に推進させてゆく方針です。
④ 新規提携先の開拓および既存提携先との提携事業の確実な推進
当社グループは、一日も早くがん治療薬を上市することを企業使命とし、今後とも新規提携先を積極的に開拓するとともに、提携先製薬企業との戦略的対話を促進し、提携先が実施する臨床開発の側面支援、後方支援を強化することにより提携事業を確実かつ迅速に進め、一日も早く当社グループの医薬品候補化合物の上市を目指します。
⑤ がんプレシジョン医療関連事業への取組み
がんプレシジョン医療関連事業につきましては、がん細胞の詳細な遺伝子解析サービス(全エクソーム解析、RNAシーケンス解析、ネオアンチゲン解析)、血中のがん細胞を早期検出するためのリキッドバイオプシー、TCR/BCRレパトア解析、免疫反応解析等の解析サービスの共同研究や事業化に加えて、ネオアンチゲン樹状細胞療法やTCR遺伝子導入T細胞療法等の新しい個別化がん免疫療法の研究開発を進めて参ります。
⑥ 経営環境及び経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループの事業に深い関連を有する抗がん剤市場を取り巻く状況は、高齢化の進行、がん診断による早期発見の増加、分子標的治療薬の登場、及びがんプレシジョン医療の進展等により、市場は拡大しており、当社グループは今後においても同様に市場は拡大するものと想定しております。
この様な市場の拡大は、参入企業の増加、潜在的な競合企業の増加の要因とも考えられ、また、異業種間の連携により技術革新等が飛躍的に進展する可能性もあり、当社グループを取り巻く事業環境は、急激な変化を生じる要素を数多く内包しているものと考えられます。このような経営環境のもと、当社グループの事業展開における重要な要素としては、「事業推進のスピード」「事業領域の拡大」「リスクとリターンのバランス」といった3点が挙げられます。
事業推進のスピードにつきましては、医薬品業界、特にバイオテクノロジー業界においては、世界的な新薬開発競争とその新薬開発のための様々な研究開発や技術開発が世界的規模で行われており、当社グループの研究活動もこのスピード競争を勝ち抜き、質の高い研究成果を一日も早く臨床開発へ進展させることが当社の優位性を確保する上で非常に重要であると認識しております。また、今後市場が拡大すると予想するがんプレシジョン医療につきましても、質の高いがん遺伝子の大規模解析検査ならびにがん免疫療法の研究開発をより早く進展させることが非常に重要であると認識しております。
事業領域の拡大につきましては、現在当社グループは、低分子医薬、がんペプチドワクチン、抗体医薬等で創薬研究を展開しており、さらにがんプレシジョン医療への積極的な取組み等により、今後とも、より積極的に事業を拡大していく方針であります。このような事業領域の拡大により、当社グループの研究成果を、より多くの医薬品開発用途へ応用することにより、事業価値を高めたいと考えています。
最後にリスクとリターンのバランスですが、当社グループの最大の強みは、数多くのゲノム創薬にもとづく創薬ターゲットを所有していることであります。ただ、それら多数の創薬ターゲットの全てについて、多岐の用途にわたる創薬研究と臨床開発を、当社グループのみの資源と費用で、かつ世界的な競争に打ち勝つスピードで遂行することは、膨大な設備投資と研究開発費を必要とし、資金的なリスクを生じせしめます。当社グループとしては、製薬企業等との積極的な提携契約の締結や研究開発の提携等により、製品化の可能性を極大化しつつ、リスクは経営上合理的なレベルにとどめる方針を現時点では採用しています。本方針により、事業展開からの成果や利益といったリターンをパートナーと共有することにはなりますが、可能性のある製品を商業化できないリスクやスピード競争に負けるリスクを低減することができます。今後ともリスクとリターンのバランスに十分配慮し、最善と考えられる経営判断を行っていきたいと考えております。

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