有価証券報告書-第40期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日時点において判断したものであります。
(1) 業績等の概要
① 業績
当連結会計年度(2019年4月~2020年3月)においては、売上高268,520百万円(前年同期比9.3%増)、営業利益7,593百万円(同12.8%増)、経常利益7,405百万円(同21.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益6,697百万円(同76.7%増)となりました。
セグメントごとの経営成績の概要は次のとおりです。
・調剤薬局事業
売上高は231,001百万円(前年同期比10.7%増)、営業利益9,785百万円(同12.4%増)となりました。
・医薬品製造販売事業
売上高は43,072百万円(前年同期比5.9%増)、営業利益1,301百万円(同31.0%減)となりました。
・医療従事者派遣・紹介事業
売上高は12,721百万円(前年同期比2.8%減)、営業利益は1,851百万円(同25.2%増)となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]、 2[事業等のリスク]に記載のとおり、主として調剤薬局事業の3月業績において処方箋枚数と処方箋単価に影響がありました。処方箋枚数については、患者の受診回避や医療機関の外来抑制・処方日数の長期化などにより期初計画を下回る実績となりましたが、店舗数増加などのプラス要因があり前年同月実績を上回りました。店舗タイプ別では門前薬局に比べて相対的に診療所・クリニックなどの処方箋割合が高い面対応薬局やメディカルセンターで処方箋枚数の減少幅が大きく、地域別では感染者数が多い首都圏店舗の処方箋枚数の減少幅が大きくなりました。一方、処方箋単価は期初計画・前年同月水準ともに10%以上上回りました。結果として調剤薬局事業の3月単月の売上高は、M&Aへの積極的な取り組みなどによる過去最高の出店実績が大きく寄与し、期初計画並びに前年同月実績ともに上回る実績となりました。
② キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが13,192百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△2,731百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△7,955百万円となりました。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ2,505百万円増加し、32,254百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
主な収入項目は、グループ各社の収益力強化等による税金等調整前当期純利益11,885百万円であります。一方、主な支出項目は、法人税等の支払額△3,046百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
主な収入項目は、有形固定資産の売却による収入9,644百万円であります。一方、主な支出項目は、調剤薬局事業における積極的なM&Aの取り組みによる連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出△5,057百万円、調剤薬局事業における新規出店及び医薬品製造販売事業における設備投資を主とした有形固定資産の取得による支出△5,624百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
主な収入項目は、長期借入れによる収入9,900百万円であります。一方、主な支出項目は、長期借入金の返済による支出△16,261百万円であります。医薬品製造販売事業における大型の設備投資がピークアウトしたこと及びグループ各社の収益力向上に伴う営業活動によるキャッシュ・フローの増大により有利子負債の削減が進み、財務体質は着実に強化されてきています。
(2) 生産、仕入及び販売の状況
① 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
(注) 1. 金額は製造原価によっております。
2. 日本ジェネリック株式会社及び長生堂製薬株式会社の工場における生産実績を示しております。
② 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
(注) 1. 金額に消費税等は含まれておりません。
2. 一般薬等部門とは、一般大衆薬、衛生用品、健康食品、雑貨等の販売部門であります。
3. 医薬品製造販売事業の仕入実績は、製造委託品等の仕入実績を示しております。
4. 医療従事者派遣・紹介事業については、仕入はありません。
③ 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
(注) 金額に消費税等は含まれておりません。
④ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
(注) 1. 金額に消費税等は含まれておりません。
2. セグメント間取引は相殺消去しております。
3. 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
直近2連結会計年度の調剤薬局事業の処方箋枚数は以下のとおりであります。
(3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析
(財政状態)
当連結会計年度末における資産合計は185,551百万円となり、前連結会計年度末の178,677百万円に対し、3.8%、6,873百万円増加いたしました。また、当連結会計年度末の負債合計は138,478百万円となり、前連結会計年度末の137,604百万円に対し、0.6%、874百万円増加いたしました。
流動資産は、前連結会計年度末80,132百万円に対し、9.1%、7,281百万円増加し、87,414百万円となりました。業容拡大に伴い、現金及び預金が2,505百万円、売掛金が4,338百万円増加しましたが、原材料及び貯蔵品は589百万円減少しており在庫管理が徹底されております。
固定資産は、前連結会計年度末98,545百万円に対し、△0.4%、407百万円減少し、98,137百万円となりました。うち、有形固定資産は、前連結会計年度末69,806百万円に対し、△5.3%、3,723百万円減少し、66,082百万円となりました。経営資源の有効活用による資産の効率化と一層の財務体質の改善・強化を目的とした有形固定資産の売却が主な要因であります。無形固定資産は前連結会計年度末16,906百万円に対し、14.9%、2,519百万円増加し、19,425百万円となりました。調剤薬局事業における積極的なM&Aの取り組みに伴うのれんの増加が主な要因であります。投資その他の資産は、前連結会計年度末11,833百万円に対し、6.7%、795百万円増加し、12,628百万円となりました。調剤薬局事業における好調な新規出店に伴う敷金及び保証金の増加が主な要因であります。
流動負債は、前連結会計年度末69,100百万円に対し、1.5%、1,007百万円増加し、70,107百万円となりました。業容拡大に伴う買掛金の増加5,385百万円が主な要因でありますが、1年内返済予定の長期借入金は6,737百万円減少しており、着実に減少傾向にあります。
固定負債は、前連結会計年度末68,504百万円に対し、△0.2%、133百万円減少し、68,370百万円とほぼ前連結会計年度末並の水準となりました。
純資産合計は、前連結会計年度末41,073百万円に対し、14.6%、5,999百万円増加し、47,072百万円となりました。グループ各社が売上高の拡大と収益性の改善の取り組みを強力に進めたことなどにより利益剰余金が前連結会計年度末比5,947百万円増加したことが主な要因であります。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の23.0%から2.4%改善し25.4%となり、財務基盤が着実に強化されつつあります。
(経営成績)
当連結会計年度(2019年4月~2020年3月)において、医薬品・調剤薬局業界では10月に消費税率引上げに伴う薬価改定が行われ、11月には「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律」(改正薬機法)が可決・成立し(12月4日公布)、医薬分業の現状を踏まえた“薬剤師が本来の役割を果たし地域の患者を支援するための医薬分業のあり方”がまとめられました。更に12月には「全世代型社会保障改革検討会議」の中間報告が公表され、“すべての世代が安心できる社会保障制度”の実現に向け議論が進められています。
このように医療・医薬品業界を取り巻く環境が急速に且つ大きく変化する中、当社グループでは、“医療費の増加抑制”、“良質な医療サービスの提供”に向けた取り組みを全社を挙げて着実に進めた結果、新型コロナウィルス感染症の感染拡大による影響はあったものの、当連結会計年度の業績は前期比増収増益を実現いたしました。
具体的な数値につきましては、売上高268,520百万円(前期比9.3%増)、営業利益7,593百万円(同12.8%増)、経常利益7,405百万円(同21.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益6,697百万円(同76.7%増)となりました。期初計画に対しても、売上高・利益ともに計画を上回る実績となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]、2[事業等のリスク]に記載のとおり、当連結会計年度において調剤薬局事業の主として首都圏の店舗において処方箋枚数が減少いたしましたが、一方で処方日数の長期化による処方箋単価の上昇により売上高に対する影響が概ね相殺された状況となったものと捉えております。但し、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては当連結会計年度における一過性のものとは考えておらず、翌連結会計年度におきましては、調剤薬局事業において、患者の受診回避、医療機関の外来診療の抑制・処方日数の長期化などによる処方箋枚数の減少に伴なう粗利の減少、並びに医療従事者派遣・紹介事業における薬剤師派遣ニーズの減少による売上高の減少などを計画作成時点では、4月から6月の3ヶ月の期間で折り込んでおります。3ヶ月の期間設定につきましては、6月末での新型コロナウイルス感染症の収束を見込んでいるものではなく、翌連結会計年度の計画作成時点で客観的な指標とすべきものとして政府から発出されました「緊急事態宣言」の期限をもとにすることが合理的に試算できるものではないかと捉えたものであります。
セグメント別の経営成績分析は以下のとおりです。
・調剤薬局事業
当連結会計年度の売上高は231,001百万円(前期比10.7%増)、営業利益が9,785百万円(同12.4%増)となり前年同期比増加率二桁の増収増益を実現することができました。
同期間の出退店実績は、65店舗の新規出店、13店舗の閉店となり、その結果当連結会計年度末時点での総店舗数は650店舗(物販店舗1店舗を含む)となりました。当連結会計年度における新規出店は、出店形態(自力出店とM&A)、店舗タイプ(門前型と面・メディカルセンターのハイブリッド型)、出店地域など複数の側面から見て非常にバランスのとれた実績であると捉えております。
売上高については、抗がん剤などの高額な医薬品の処方増加やかかりつけ薬剤師・薬局への取り組みなどによる処方箋単価の上昇並びに処方箋枚数の増加等が前年同期比増収の主な要因です。処方箋枚数の増加は、堅調な既存店実績を土台に、積極的なM&Aへの取り組みなどの効果としての店舗数の増加による積上げが相俟って実現しているものです。
営業利益については、増収による増益効果などにより、前年同期比増益を実現することができました。かかりつけ薬剤師・薬局などへの着実な取り組みの成果として技術料水準の引き上げが実現したことなどが寄与しております。
なお、国が2020年9月までに80%とすることを目標として掲げているジェネリック医薬品の数量ベース使用割合は、当社では2020年3月末時点で全社平均89%に達しております。また、在宅医療実施店舗の割合は89%(年間12件以上実施の店舗割合)と順調に推移しております。
・医薬品製造販売事業
当連結会計年度の売上高は43,072百万円(前期比5.9%増)、営業利益1,301百万円(同31.0%減)と前年同期比増収減益の実績となりました。
売上高については、2019年10月の薬価改定に伴う既存製品の販売価格低下により厳しい環境ではあったものの、新製品の販売が好調に推移したこと及び受託事業が伸展したことなどにより、前年同期比増収を実現することができました。一方、営業利益については、薬価改定による既存製品の販売価格低下による影響が大きく、前年同期比減益となりました。
なお、当連結会計年度末時点での販売品目数は、新規収載品22品目を発売したことなどにより、681品目となりました。引き続き、収益力向上に向け自社製造品目数を増強すべく自社承認品目数の増加に注力してまいります。
・医療従事者派遣・紹介事業
当連結会計年度の売上高は12,721百万円(前期比2.8%減)、営業利益は1,851百万円(同25.2%増)と前年同期比減収増益の実績となりました。
売上高については、医療従事者に対する求人需要は引き続き高い水準で推移したものの、薬剤師に対する派遣需要の減少を紹介事業の拡大では補い切れず、前年同期比減収となりました。一方、営業利益については、収益性の高い紹介事業が薬剤師、医師の分野で拡大したことなどにより、前年同期比で20%を超える増益を実現することができました。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの調剤薬局事業、医薬品製造販売事業においては、薬価改定・調剤報酬改定の動向が経営成績に重要な影響を与える要因となっております。国の医療費増加抑制方針を背景に、今後も実質マイナス傾向の改定が行われることが予想されるため、国の方針及び事業環境変化を注視しつつ事業を進めてまいります。
政府によるジェネリック医薬品使用促進政策の進捗及びその結果としての普及率も経営成績に重要な影響を与える要因となっております。医療費の増加抑制のための具体策として政府によるジェネリック医薬品の使用促進策が強力に進めれており、調剤薬局事業、医薬品製造販売事業の事業計画(損益計画・投資計画)は、政府の取り組みが引き続き積極的に推進されることを前提として策定・実行されており、政府のジェネリック医薬品使用促進に関する方針等に変更が生じた場合には、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
また、1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]、2[事業等のリスク]に記載のとおり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大は当社グループの、主として調剤薬局事業の業績に影響を与えております。患者による医療機関受診回避、医療機関による外来診療の抑制・処方日数の長期化などにより、処方箋枚数が減少し主として収益面に影響を与えることとなります。同感染症の収束動向により当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資金需要のうち主なものは、各事業セグメントにおける仕入資金、営業費用等の運転資金、また調剤薬局事業における新規出店資金、医薬品製造販売事業における製造設備導入・更新等の設備資金等であります。調剤薬局事業においては、業容拡大の有効な手段の一つとしてM&Aにも積極的に取り組んでおり、良質なM&A案件が結実した場合には買収資金が必要となります。加えて調剤薬局事業では、既存店舗の合理化・効率化を目的とした機械化を順次進めていく計画であり、調剤機器等の購入資金が必要となります。これらの資金需要につきましては、税金等調整前当期純利益などの増加などにより、営業活動によるキャッシュ・フローが着実に積み上がっている状況にあります。営業活動によるキャッシュ・フローの積み上げは、業容拡大に向けた資金需要を賄うとともに、長期借入金の返済による有利子負債の削減、財務体質の改善・強化を実現するための原資確保を可能としております。
当社グループは、事業運営上必要な流動性を安定的に確保するための源泉として、自己資金及び金融機関からの借入によることを基本方針とし、借り換え需要も含めて円滑に調達ができている状況にあります。現状では金利動向を踏まえ主として5年程度の固定金利での調達となっております。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、資産合計の17.4%を占める32,254百万円となっております。当該残高に加え、未使用の借入枠の状況等を勘案し現状の事業活動維持の観点から十分な財源が確保された状態にあるものと捉えております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
① 減損会計における将来キャッシュ・フロー
当社グループでは、概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位として、事業用資産については、店舗・工場単位で資産のグルーピングを行っております。遊休資産については、個別資産ごとに資産のグルーピングを行っております。このうち、収益が悪化している資産グループについて、帳簿価額を回収可能価額まで減額しておりますが、回収可能価額は、使用価値又は正味売却価額により測定しております。使用価値は、将来キャッシュ・フローを8.8%で割り引いて算定しており、将来キャッシュ・フローに基づく使用価値がマイナスのものについては零としております。
将来キャッシュ・フローの見積りについては、薬価改定や診療報酬改定などの外部要因に関する情報と、実績や予算などの内部情報を基に見積っております。調剤薬局事業における将来キャッシュ・フローの総額のうち、売上高については、その構成要素の処方箋枚数を重要な仮定として考えております。また、使用価値を割り引く割引率に関しては、貨幣の時間価値と将来キャッシュ・フローが見積値から乖離するリスクの両方を反映したものであり、借入資本コストと自己資本コストを加重平均した資本コストによっております。見積り及び仮定について、政策や環境の変化により、見直しが必要となった場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、減損損失が発生する可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、経理の状況の追加情報に記載したとおり、将来キャッシュ・フローの算定等の見積りに影響を及ぼしますが、当期の連結財務諸表に与える影響は軽微であると評価しております。しかし、当社の見積りの前提や仮定に見直しが必要となった場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、減損損失が発生する可能性があります。
② 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しておりますが、それは将来の課税所得の見積りに依存するため、将来の不確実な経済条件の変動等により見積りの前提や仮定に見直しが必要となった場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(1) 業績等の概要
① 業績
当連結会計年度(2019年4月~2020年3月)においては、売上高268,520百万円(前年同期比9.3%増)、営業利益7,593百万円(同12.8%増)、経常利益7,405百万円(同21.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益6,697百万円(同76.7%増)となりました。
セグメントごとの経営成績の概要は次のとおりです。
・調剤薬局事業
売上高は231,001百万円(前年同期比10.7%増)、営業利益9,785百万円(同12.4%増)となりました。
・医薬品製造販売事業
売上高は43,072百万円(前年同期比5.9%増)、営業利益1,301百万円(同31.0%減)となりました。
・医療従事者派遣・紹介事業
売上高は12,721百万円(前年同期比2.8%減)、営業利益は1,851百万円(同25.2%増)となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]、 2[事業等のリスク]に記載のとおり、主として調剤薬局事業の3月業績において処方箋枚数と処方箋単価に影響がありました。処方箋枚数については、患者の受診回避や医療機関の外来抑制・処方日数の長期化などにより期初計画を下回る実績となりましたが、店舗数増加などのプラス要因があり前年同月実績を上回りました。店舗タイプ別では門前薬局に比べて相対的に診療所・クリニックなどの処方箋割合が高い面対応薬局やメディカルセンターで処方箋枚数の減少幅が大きく、地域別では感染者数が多い首都圏店舗の処方箋枚数の減少幅が大きくなりました。一方、処方箋単価は期初計画・前年同月水準ともに10%以上上回りました。結果として調剤薬局事業の3月単月の売上高は、M&Aへの積極的な取り組みなどによる過去最高の出店実績が大きく寄与し、期初計画並びに前年同月実績ともに上回る実績となりました。
② キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが13,192百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△2,731百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△7,955百万円となりました。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ2,505百万円増加し、32,254百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
主な収入項目は、グループ各社の収益力強化等による税金等調整前当期純利益11,885百万円であります。一方、主な支出項目は、法人税等の支払額△3,046百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
主な収入項目は、有形固定資産の売却による収入9,644百万円であります。一方、主な支出項目は、調剤薬局事業における積極的なM&Aの取り組みによる連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出△5,057百万円、調剤薬局事業における新規出店及び医薬品製造販売事業における設備投資を主とした有形固定資産の取得による支出△5,624百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
主な収入項目は、長期借入れによる収入9,900百万円であります。一方、主な支出項目は、長期借入金の返済による支出△16,261百万円であります。医薬品製造販売事業における大型の設備投資がピークアウトしたこと及びグループ各社の収益力向上に伴う営業活動によるキャッシュ・フローの増大により有利子負債の削減が進み、財務体質は着実に強化されてきています。
(2) 生産、仕入及び販売の状況
① 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 |
| 金額(百万円) | 金額(百万円) | |
| 医薬品製造販売事業 | 19,017 | 19,582 |
(注) 1. 金額は製造原価によっております。
2. 日本ジェネリック株式会社及び長生堂製薬株式会社の工場における生産実績を示しております。
② 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
| セグメントの名称及び区分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |
| 金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
| 調剤薬局事業 | 調剤薬品 | 127,514 | 138,390 |
| 一般薬等 | 1,893 | 1,917 | |
| 医薬品製造販売事業 | 12,560 | 15,251 | |
| 医療従事者派遣・紹介事業 | - | - | |
| 合計 | 141,968 | 155,559 | |
(注) 1. 金額に消費税等は含まれておりません。
2. 一般薬等部門とは、一般大衆薬、衛生用品、健康食品、雑貨等の販売部門であります。
3. 医薬品製造販売事業の仕入実績は、製造委託品等の仕入実績を示しております。
4. 医療従事者派遣・紹介事業については、仕入はありません。
③ 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 受注残高(百万円) | ||
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |
| 医薬品製造販売事業 | 7,763 | 8,020 | 2,451 | 3,363 |
(注) 金額に消費税等は含まれておりません。
④ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
| セグメントの名称及び区分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | ||
| 調剤薬局事業 | 調剤売上 | 205,296 | 83.6 | 227,261 | 84.6 |
| 一般薬等売上 | 3,314 | 1.3 | 3,728 | 1.4 | |
| 小計 | 208,610 | 84.9 | 230,989 | 86.0 | |
| 医薬品製造販売事業 | 24,231 | 9.9 | 24,899 | 9.3 | |
| 医療従事者派遣・紹介事業 | 12,845 | 5.2 | 12,631 | 4.7 | |
| 合計 | 245,687 | 100.0 | 268,520 | 100.0 | |
(注) 1. 金額に消費税等は含まれておりません。
2. セグメント間取引は相殺消去しております。
3. 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
| セグメントの名称及び区分 | 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||||
| 販売先 | 請求先 | 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | ||
| 調剤薬局事業 | 調剤売上 | 患者 | 国民健康保険団体連合会 | 105,046 | 42.8 | 114,899 | 42.8 |
| 社会保険診療報酬支払基金 | 70,532 | 28.7 | 80,423 | 30.0 | |||
| その他 | 487 | 0.2 | 478 | 0.2 | |||
| 患者負担 | 29,229 | 11.9 | 31,459 | 11.7 | |||
| 小計 | 205,296 | 83.6 | 227,261 | 84.6 | |||
| 一般薬等売上 | 患者他 | 3,314 | 1.3 | 3,728 | 1.4 | ||
| 小計 | 208,610 | 84.9 | 230,989 | 86.0 | |||
| 医薬品製造販売事業 | 医薬品卸企業他 | 24,231 | 9.9 | 24,899 | 9.3 | ||
| 医療従事者派遣・紹介事業 | 派遣紹介先企業他 | 12,845 | 5.2 | 12,631 | 4.7 | ||
| 合計 | 245,687 | 100.0 | 268,520 | 100.0 | |||
直近2連結会計年度の調剤薬局事業の処方箋枚数は以下のとおりであります。
| 地域 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 前年同期比(%) |
| 処方箋枚数(千枚) (構成割合) | 処方箋枚数(千枚) (構成割合) | ||
| 北海道 | 979 (6.9%) | 964 (6.6%) | 98.4 |
| 東北 | 994 (7.1%) | 996 (6.8%) | 100.2 |
| 関東甲信越 | 7,862 (55.8%) | 8,362 (56.9%) | 106.4 |
| 東海 | 1,044 (7.4%) | 1,075 (7.3%) | 103.0 |
| 関西北陸 | 1,625 (11.5%) | 1,673 (11.4%) | 103.0 |
| 中国四国 | 807 (5.7%) | 839 (5.7%) | 104.0 |
| 九州沖縄 | 783 (5.6%) | 780 (5.3%) | 99.5 |
| 合計 | 14,096 (100.0%) | 14,692 (100.0%) | 104.2 |
(3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析
(財政状態)
当連結会計年度末における資産合計は185,551百万円となり、前連結会計年度末の178,677百万円に対し、3.8%、6,873百万円増加いたしました。また、当連結会計年度末の負債合計は138,478百万円となり、前連結会計年度末の137,604百万円に対し、0.6%、874百万円増加いたしました。
流動資産は、前連結会計年度末80,132百万円に対し、9.1%、7,281百万円増加し、87,414百万円となりました。業容拡大に伴い、現金及び預金が2,505百万円、売掛金が4,338百万円増加しましたが、原材料及び貯蔵品は589百万円減少しており在庫管理が徹底されております。
固定資産は、前連結会計年度末98,545百万円に対し、△0.4%、407百万円減少し、98,137百万円となりました。うち、有形固定資産は、前連結会計年度末69,806百万円に対し、△5.3%、3,723百万円減少し、66,082百万円となりました。経営資源の有効活用による資産の効率化と一層の財務体質の改善・強化を目的とした有形固定資産の売却が主な要因であります。無形固定資産は前連結会計年度末16,906百万円に対し、14.9%、2,519百万円増加し、19,425百万円となりました。調剤薬局事業における積極的なM&Aの取り組みに伴うのれんの増加が主な要因であります。投資その他の資産は、前連結会計年度末11,833百万円に対し、6.7%、795百万円増加し、12,628百万円となりました。調剤薬局事業における好調な新規出店に伴う敷金及び保証金の増加が主な要因であります。
流動負債は、前連結会計年度末69,100百万円に対し、1.5%、1,007百万円増加し、70,107百万円となりました。業容拡大に伴う買掛金の増加5,385百万円が主な要因でありますが、1年内返済予定の長期借入金は6,737百万円減少しており、着実に減少傾向にあります。
固定負債は、前連結会計年度末68,504百万円に対し、△0.2%、133百万円減少し、68,370百万円とほぼ前連結会計年度末並の水準となりました。
純資産合計は、前連結会計年度末41,073百万円に対し、14.6%、5,999百万円増加し、47,072百万円となりました。グループ各社が売上高の拡大と収益性の改善の取り組みを強力に進めたことなどにより利益剰余金が前連結会計年度末比5,947百万円増加したことが主な要因であります。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の23.0%から2.4%改善し25.4%となり、財務基盤が着実に強化されつつあります。
(経営成績)
当連結会計年度(2019年4月~2020年3月)において、医薬品・調剤薬局業界では10月に消費税率引上げに伴う薬価改定が行われ、11月には「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律」(改正薬機法)が可決・成立し(12月4日公布)、医薬分業の現状を踏まえた“薬剤師が本来の役割を果たし地域の患者を支援するための医薬分業のあり方”がまとめられました。更に12月には「全世代型社会保障改革検討会議」の中間報告が公表され、“すべての世代が安心できる社会保障制度”の実現に向け議論が進められています。
このように医療・医薬品業界を取り巻く環境が急速に且つ大きく変化する中、当社グループでは、“医療費の増加抑制”、“良質な医療サービスの提供”に向けた取り組みを全社を挙げて着実に進めた結果、新型コロナウィルス感染症の感染拡大による影響はあったものの、当連結会計年度の業績は前期比増収増益を実現いたしました。
具体的な数値につきましては、売上高268,520百万円(前期比9.3%増)、営業利益7,593百万円(同12.8%増)、経常利益7,405百万円(同21.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益6,697百万円(同76.7%増)となりました。期初計画に対しても、売上高・利益ともに計画を上回る実績となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]、2[事業等のリスク]に記載のとおり、当連結会計年度において調剤薬局事業の主として首都圏の店舗において処方箋枚数が減少いたしましたが、一方で処方日数の長期化による処方箋単価の上昇により売上高に対する影響が概ね相殺された状況となったものと捉えております。但し、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては当連結会計年度における一過性のものとは考えておらず、翌連結会計年度におきましては、調剤薬局事業において、患者の受診回避、医療機関の外来診療の抑制・処方日数の長期化などによる処方箋枚数の減少に伴なう粗利の減少、並びに医療従事者派遣・紹介事業における薬剤師派遣ニーズの減少による売上高の減少などを計画作成時点では、4月から6月の3ヶ月の期間で折り込んでおります。3ヶ月の期間設定につきましては、6月末での新型コロナウイルス感染症の収束を見込んでいるものではなく、翌連結会計年度の計画作成時点で客観的な指標とすべきものとして政府から発出されました「緊急事態宣言」の期限をもとにすることが合理的に試算できるものではないかと捉えたものであります。
セグメント別の経営成績分析は以下のとおりです。
・調剤薬局事業
当連結会計年度の売上高は231,001百万円(前期比10.7%増)、営業利益が9,785百万円(同12.4%増)となり前年同期比増加率二桁の増収増益を実現することができました。
同期間の出退店実績は、65店舗の新規出店、13店舗の閉店となり、その結果当連結会計年度末時点での総店舗数は650店舗(物販店舗1店舗を含む)となりました。当連結会計年度における新規出店は、出店形態(自力出店とM&A)、店舗タイプ(門前型と面・メディカルセンターのハイブリッド型)、出店地域など複数の側面から見て非常にバランスのとれた実績であると捉えております。
売上高については、抗がん剤などの高額な医薬品の処方増加やかかりつけ薬剤師・薬局への取り組みなどによる処方箋単価の上昇並びに処方箋枚数の増加等が前年同期比増収の主な要因です。処方箋枚数の増加は、堅調な既存店実績を土台に、積極的なM&Aへの取り組みなどの効果としての店舗数の増加による積上げが相俟って実現しているものです。
営業利益については、増収による増益効果などにより、前年同期比増益を実現することができました。かかりつけ薬剤師・薬局などへの着実な取り組みの成果として技術料水準の引き上げが実現したことなどが寄与しております。
なお、国が2020年9月までに80%とすることを目標として掲げているジェネリック医薬品の数量ベース使用割合は、当社では2020年3月末時点で全社平均89%に達しております。また、在宅医療実施店舗の割合は89%(年間12件以上実施の店舗割合)と順調に推移しております。
・医薬品製造販売事業
当連結会計年度の売上高は43,072百万円(前期比5.9%増)、営業利益1,301百万円(同31.0%減)と前年同期比増収減益の実績となりました。
売上高については、2019年10月の薬価改定に伴う既存製品の販売価格低下により厳しい環境ではあったものの、新製品の販売が好調に推移したこと及び受託事業が伸展したことなどにより、前年同期比増収を実現することができました。一方、営業利益については、薬価改定による既存製品の販売価格低下による影響が大きく、前年同期比減益となりました。
なお、当連結会計年度末時点での販売品目数は、新規収載品22品目を発売したことなどにより、681品目となりました。引き続き、収益力向上に向け自社製造品目数を増強すべく自社承認品目数の増加に注力してまいります。
・医療従事者派遣・紹介事業
当連結会計年度の売上高は12,721百万円(前期比2.8%減)、営業利益は1,851百万円(同25.2%増)と前年同期比減収増益の実績となりました。
売上高については、医療従事者に対する求人需要は引き続き高い水準で推移したものの、薬剤師に対する派遣需要の減少を紹介事業の拡大では補い切れず、前年同期比減収となりました。一方、営業利益については、収益性の高い紹介事業が薬剤師、医師の分野で拡大したことなどにより、前年同期比で20%を超える増益を実現することができました。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの調剤薬局事業、医薬品製造販売事業においては、薬価改定・調剤報酬改定の動向が経営成績に重要な影響を与える要因となっております。国の医療費増加抑制方針を背景に、今後も実質マイナス傾向の改定が行われることが予想されるため、国の方針及び事業環境変化を注視しつつ事業を進めてまいります。
政府によるジェネリック医薬品使用促進政策の進捗及びその結果としての普及率も経営成績に重要な影響を与える要因となっております。医療費の増加抑制のための具体策として政府によるジェネリック医薬品の使用促進策が強力に進めれており、調剤薬局事業、医薬品製造販売事業の事業計画(損益計画・投資計画)は、政府の取り組みが引き続き積極的に推進されることを前提として策定・実行されており、政府のジェネリック医薬品使用促進に関する方針等に変更が生じた場合には、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
また、1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]、2[事業等のリスク]に記載のとおり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大は当社グループの、主として調剤薬局事業の業績に影響を与えております。患者による医療機関受診回避、医療機関による外来診療の抑制・処方日数の長期化などにより、処方箋枚数が減少し主として収益面に影響を与えることとなります。同感染症の収束動向により当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資金需要のうち主なものは、各事業セグメントにおける仕入資金、営業費用等の運転資金、また調剤薬局事業における新規出店資金、医薬品製造販売事業における製造設備導入・更新等の設備資金等であります。調剤薬局事業においては、業容拡大の有効な手段の一つとしてM&Aにも積極的に取り組んでおり、良質なM&A案件が結実した場合には買収資金が必要となります。加えて調剤薬局事業では、既存店舗の合理化・効率化を目的とした機械化を順次進めていく計画であり、調剤機器等の購入資金が必要となります。これらの資金需要につきましては、税金等調整前当期純利益などの増加などにより、営業活動によるキャッシュ・フローが着実に積み上がっている状況にあります。営業活動によるキャッシュ・フローの積み上げは、業容拡大に向けた資金需要を賄うとともに、長期借入金の返済による有利子負債の削減、財務体質の改善・強化を実現するための原資確保を可能としております。
当社グループは、事業運営上必要な流動性を安定的に確保するための源泉として、自己資金及び金融機関からの借入によることを基本方針とし、借り換え需要も含めて円滑に調達ができている状況にあります。現状では金利動向を踏まえ主として5年程度の固定金利での調達となっております。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、資産合計の17.4%を占める32,254百万円となっております。当該残高に加え、未使用の借入枠の状況等を勘案し現状の事業活動維持の観点から十分な財源が確保された状態にあるものと捉えております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
① 減損会計における将来キャッシュ・フロー
当社グループでは、概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位として、事業用資産については、店舗・工場単位で資産のグルーピングを行っております。遊休資産については、個別資産ごとに資産のグルーピングを行っております。このうち、収益が悪化している資産グループについて、帳簿価額を回収可能価額まで減額しておりますが、回収可能価額は、使用価値又は正味売却価額により測定しております。使用価値は、将来キャッシュ・フローを8.8%で割り引いて算定しており、将来キャッシュ・フローに基づく使用価値がマイナスのものについては零としております。
将来キャッシュ・フローの見積りについては、薬価改定や診療報酬改定などの外部要因に関する情報と、実績や予算などの内部情報を基に見積っております。調剤薬局事業における将来キャッシュ・フローの総額のうち、売上高については、その構成要素の処方箋枚数を重要な仮定として考えております。また、使用価値を割り引く割引率に関しては、貨幣の時間価値と将来キャッシュ・フローが見積値から乖離するリスクの両方を反映したものであり、借入資本コストと自己資本コストを加重平均した資本コストによっております。見積り及び仮定について、政策や環境の変化により、見直しが必要となった場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、減損損失が発生する可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、経理の状況の追加情報に記載したとおり、将来キャッシュ・フローの算定等の見積りに影響を及ぼしますが、当期の連結財務諸表に与える影響は軽微であると評価しております。しかし、当社の見積りの前提や仮定に見直しが必要となった場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、減損損失が発生する可能性があります。
② 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しておりますが、それは将来の課税所得の見積りに依存するため、将来の不確実な経済条件の変動等により見積りの前提や仮定に見直しが必要となった場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。