有価証券報告書-第25期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)
(1)会社の経営の基本方針
当社は、次の3点を経営の基本理念としています。
① 金融サービス業におけるベストカンパニーを目指すこと。
② 中立な姿勢と公正な思考に徹すること。
③ 個の価値を尊び、和の精神を重んじること。
当社は社会的資産の最適な配分実現のため、あらゆる状況下の金融や投資に係る市場の調査・分析・予測結果を情報(コンテンツ)やアドバイスとして提供し、来るべき成熟社会の一翼を担いたいと考えております。そのため、専門性はもとより利益相反を徹底的に排除する中立公正な思考に徹する企業姿勢、そして優れた「個」の力が発揮される社内環境を維持してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、高付加価値による収益性の高い企業グループを目指しており、経営指標としては、売上高営業利益率及び売上高当期純利益率を重要な指標として考えております。中長期目標として、売上高営業利益率15%、売上高当期純利益率10%を目指しております。また、持続的成長の競争力を高めるため、資本効率を意識した経営を推進してまいります。
また、M&A等の投資につきましては、グループ戦略上の意義と回収の態様、そして回収期間を明確にしてガバナンスを効かせることによりバランスを図っております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
① 情報サービス事業
当社におきましては、引き続きプラットフォームサービスの収益の向上、多角化を図り、無料スマートフォンアプリ「FISCO(FISCOアプリ)」及びPCブラウザ版「FISCO(FISCOウェブ)」に注力してまいります。また、投資教育においてはシーエー・モバイル社との事業提携に加え、個人投資家向けコンテンツ販売サイト「クラブフィスコ」にて、フィスコソーシャルレポーターをはじめとした著名な個人投資家の方の投資手法をまとめたコンテンツの拡販を推進いたします。また、仮想通貨およびGDPR分野の情報配信にも注力し、収益の向上に努めてまいります。
フィスコIRでは、「企業調査レポート」業務を中核とした、「YAHOO!JAPAN ファイナンス」や「Bloomberg」へのIR情報の提供など潜在投資家に対するプッシュ型IR支援サービスの需要が見込まれ、堅調に事業拡大する見通しです。加えて、パーセプションスタディ(投資家向け意識調査)に基づく投資家の声を企業にフィードバック、またそれに基づくコンサルティングサービスを新商品として開発する事で引き続き上場企業の顧客拡大を目指してまいります。また、統合レポート、アニュアル・レポート業務におきましては、現場に携わる人材および組織力の強化やブランドの強化を図ることに加え、GDPR対策の一環として、個人情報対応をいかに企業価値向上に結びつけていくべきか、助言等のサービスを行うことでシェア拡大に努めてまいります。
② インターネット旅行事業
イー旅ネットグループでは、新たなトラベルコンシェルジュの採用にあたり、国内のみならず海外在住者の採用にも力を入れ、eラーニング等の在宅でも行える研修の拡充を図るとともに、「こだわりの旅」の提案により、ホスピタリティ精神あふれる質の高いオーダーメイド旅行サービスの提供に引き続き努めてまいります。また、円安を背景に増加する訪日外国人をターゲットとしたインバウンド業務につきましては、有力な提携先と積極的に協業を行うことで収益機会の獲得に積極的に取り組むとともに、アジア圏だけでなくヨーロッパマーケットをも視野に入れ、市場の開拓を進めてまいります。特に目立った傾向としては、今期夏季の猛暑の影響で旅行需要が低下した反動と、来期ゴールデンウイークが大型連休となり需要が一気に伸びたことから、ヨーロッパ及びオセアニアを中心に海外旅行売上が20%増の傾向となっております。
一方、グロリアツアーズでは2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて障がい者スポーツのさらなるマーケット開拓に注力し、ウェブトラベルのコンシェルジュ事業とともに、一般の旅行会社では対応が難しい特徴のあるマーケット基盤を構築してまいります。
③ IoT関連事業
IoTデバイスを取り扱うネクスでは、引き続き自動車テレマティクス製品であるGX410NCを利用したソフトウェア開発を積極的に行ってまいります。また、今後普及が見込まれるLPWA※や次世代通信規格5GなどモバイルコンピューティングとAIや画像解析など高付加価値な機能を実装した新たなエッジデバイス製品の開発に取り組み、国内メーカーとして市場のニーズに対応した安心してお使いいただける製品群のさらなる拡充を図ってまいります。
また、直近の動向では、2018年8月、2019年度米国防権限法(NDAA2019)の成立により、華為技術(Huawei)や中興通訊 (ZTE)、監視カメラ大手の杭州海康威視数字技術(HIKVISION)、浙江大華技術(Dahua Technology)、海能達通信 (Hytera)の計5社への締め付けが大幅に強化され、米政府機関との取引からの排除が呼びかけられております。ネクスでは、現在販売中の全ての製品において、今回成立した2019年度米国防権限法(NDAA2019)に関わる上記5社への製造委託や上記5社からの部品の採用は行っておらず、安心してお使いいただける旨ご案内させていただいており、Huawei、ZTE製品が使用されているものから需要が振り替わる商談が増加しております。
ケア・ダイナミクスでは、引き続き介護事業者向けASPシステムの販売拡大に加え、400以上のサービス導入先のネットワークを活かし、CYBERDYNE株式会社のロボットスーツHAL®、見守りシステム等の介護ロボットの導入支援、空調コストの削減サービス、簡易太陽光パネルを利用した非常用電源供給サービスなど、介護事業者をサポートする様々なサービスラインナップを拡充させ、高齢者と介護施設の様々なニーズに対応してまいります。
農業ICT事業は、2016年に圃場の規模を総面積1,640坪まで拡大してから4期目の定植を迎えます。岩手県の大学と産学連携により今後3年間を目処に新たな農業ICTの研究を行ってまいります。農作物の生産、加工、販売を行う「6次産業化事業」では、岩手県の地場の産直やスーパーだけでなく、全国展開するスーパーマーケット向けの出荷も開始し、さらなる販路の拡大を目指してまいります。「フランチャイズ事業」では、農家向けの収穫や経営数値を把握できる「記録・管理アプリ」の追加開発と、野菜の生長に必要な要素と、健康管理に必要な要素を、複合的に組み合わせて環境管理を自動的に行う「環境管理予測システム」の開発を進め、販売に繋げてまいります。
※「LPWA」とは、
Low Power Wide Areaの略で、低消費電力で広い領域(キロメートル単位)を対象にできる無線通信技術をいいます。
④ 広告代理業
広告代理業につきまして国内企業はテレビを除く3媒体(新聞・雑誌・ラジオ)の広告量下落が2018年も続いており、従来のマス媒体からネット媒体へのメディアシフトは加速しております。その中で私どもは媒体の種類に関わらず求められるクリエイティブ力を強化するため制作案件を重視してまいりました。その結果ウェブサイトリニューアルや運営、バナー広告、ネット動画制作等、新たに獲得しております。しかし小規模なスポット需要が多く、継続性をもつ案件の確保が今後の課題となっております。一方ネット広告における技術トレンド等や媒体特性のノウハウ蓄積も進んでおり、提案力の強化や制作プロセス改善による収益性の向上につなぐ所存です。
また昨年より取り組みを開始したパラスポーツ情報誌への広告需要開発は編集タイアップや企業広告・商品広告の獲得だけではなく、雑誌の情報リソースを活用した、広告主が独自に配布・活用できるパラスポーツ情報の小冊子制作、パラスポーツイベントなど手法開発を進め営業を開始したところです。広告主の関心も高まってきており、東京パラリンピックを起点に拡がるパラスポーツ市場に対して継続的にコミュニケーション面での企画開発及び営業を強化してまいります。
⑤ ブランドリテールプラットフォーム事業
チチカカでは、引き続き不採算店舗の閉店や人員体制の見直しを行います。また、顧客基盤の拡大のため、SNSや自社アプリによる顧客接点の拡大等を引き続き推し進めます。さらに、社員教育の観点ではマニュアル・教育体系の拡充に取り組み、収益の安定化に取り組んでまいります。
2018年11月に株式会社バーサタイル(以下、「バーサタイル」といいます。)の会社分割(新設分割)により新設された株式会社ネクスプレミアムグループ(以下、「ネクスプレミアムグループ」といいます。)は、ファッション業界向けのIoT関連サービスの開発と普及に向けた取り組みを行うと共に、服飾品の販売、輸入販売を行っている「CoSTUME NATIONAL」のトレードマーク(商標権)のライセンス事業、それを足がかりとしたアジアでの事業展開も視野に入れ、本事業を新たな収益基盤の一つとなるように拡大、安定化を図ってまいります。
また、ネクスプレミアムグループと同様にバーサタイルの会社分割(新設分割)により新設された株式会社ネクスファームホールディングスは、子会社であるワインの小売事業の本格稼働を目指すとともに新たな収益基盤の一つとなるように拡大、安定化を図ってまいります。
⑥ 仮想通貨・ブロックチェーン事業
当社の持分法適用関連会社であるFCCEでは、2018年11月に「Zaif」事業を譲り受けたことにより、1つの仮想通貨交換業の登録で、2つの交換所を運営するという特殊な状況にありますが、2019年中には2つの交換所を統合する予定です。
また、「Zaif」は、将来のトークンエコノミー時代を見据え、他の交換所にない暗号資産(CounterPartyトークン、Zaifトークン、COMSAなど)の取り扱いやユニークなサービス(AirFX、信用取引、コイン積立など)を提供してきたことで、国内交換所の大手一角となる口座数を有し、ビットコイン取扱高では上位を誇っております。
かつての運営会社であるテックビューロ株式会社が業務改善命令を受けたことなどに伴い、いくつかのサービスを停止している状況ですが、今後は、口座開設時における顧客確認手続き(KYC)徹底のためのカスタマーサポートの強化、AML/CFT対応の強化など業務の改善に注力し、2019年2月現在で利用いただけていないサービスの再開に向けて努めてまいります。
この他、引き続き、暗号資産(仮想通貨)プラットフォームの構築、暗号資産(仮想通貨)交換所システムの機能拡充を図り、業務委託先の株式会社カイカ及び同社の子会社が開発した高度なセキュリティ機能を実装した暗号資産(仮想通貨)交換所システムの構築に注力してまいります。
暗号資産(仮想通貨)の運用につきましては、引き続きAI技術を利用した暗号資産(仮想通貨)のトレーディングシステムの開発を継続し、高度化を進めると同時に、同システムを利用し、暗号資産(仮想通貨)市場の動向をふまえ資金効率を意識した運用を行ってまいります。
(4)会社の対処すべき課題
当社グループは、経営方針に基づく経営戦略の実践において、投資家の皆様のご期待にお応えし、友好かつ継続的な関係を維持していただくためには、健全な財務体質強化と持続的な成長拡大が必要であると認識しております。そのため、下記の対処すべき課題を掲げ、その対応に取り組んでまいります。
① コンテンツ制作体制の増強・整備と品質管理体制の強化
当社グループは、既存事業の中核である情報サービス事業におけるコンテンツの品質を高めるため、オペレーションの最適化を進めております。
暗号資産(仮想通貨)関連コンテンツを含むすべてのコンテンツ作業を戦略的に分析し、コンテンツの属性に応じて作業を標準化する一方、個性を生かす作業時間を増加させ、迅速性・正確性の確保と同時に高付加価値を追求するリソース配分を進め、コンテンツ制作から情報配信までを一元管理できる体制を構築しております。
今後も更なるオペレーションの最適化及びコンテンツ制作の多極化に取り組み、より専門化、より多様化する商品を開発するため、持続的なアナリスト教育とスタッフ個々のレベルアップに取り組むと同時に、客員アナリスト等の外部アナリストによるコンテンツ制作等もより積極的に取り組んでまいります。
② 販売・マーケティング体制の強化
個人投資家、機関投資家、金融法人及び事業法人等の様々なニーズに即応するサービスの開発提供及び高付加価値化のために、主に金融機関向けの営業を担当する営業開発部と事業法人向けのサービス提供を目的とした株式会社フィスコIRを中核に営業活動を展開しております。ますます激動する株式市場、為替市場及び暗号資産(仮想通貨)市場を中心としたマーケット・プレイヤーの多様化するニーズに応えるサービスを提供できるよう顧客サービスの強化に取り組んでまいります。
③ ウェブサイト及びスマートフォンアプリ運営の拡充
無料スマートフォンアプリ『株・企業報』、『仮想通貨ナビ』、『就活・企業報』及びウェブ版『FISCO』並びに有料課金サイト「クラブフィスコ」においては、定性情報とともに定量情報を横断的に提供しておりますが、特に個別銘柄及び個別資産に関してのデータベースの構築、インターフェイス改良及びデータ処理速度の向上、システムトラブルの対応等に経営資源を継続的・計画的に投下してまいります。
④ システムの強化、バックアップシステムの拡充
コンテンツ供給の多様化、個人顧客をはじめとする供給先の増加、社内情報ネットワークの複雑化、今日的にますます重要となったコンプライアンス上の要請などにより、安全な社内インフラをはじめとするシステムの強化と災害等に対応したバックアップ体制の強化を図っております。今後もこのような内外の体制を厳格に維持する必要があるため重点的に資本投下を継続してまいります。
⑤ コンテンツ配信における最新テクノロジーの適正な評価
当社グループのコンテンツ販売にシステム開発や維持は欠かせないものですが、テクノロジーの進化が思わぬ陳腐化や競争力低下を引き起こす可能性があります。当社グループでは、いたずらに新技術を追い求めるのではなく、俯瞰的にこれをとらえ、適時適切に最新テクノロジーを評価した上で設備投資計画を策定、実行すべきと考えております。
⑥ 内部管理体制の強化
当社が業績を回復させるためには、業務運営の効率化や、上場会社及び金融商品取引業者としての法令遵守、リスク管理、IR充実のための内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。
このため、今後も業務運営上のリスクを把握してリスク管理を適切に行える体制整備に努め、財務報告に係る内部統制システムの整備をはじめとして、定期的な内部監査の実施によりコンプライアンス体制を強化するとともに、監査役監査の実施によるコーポレート・ガバナンス機能の充実等により、企業としての自浄作用が有効に機能するよう図っていく方針であります。
⑦ 仮想通貨・ブロックチェーン事業の拡充、安定化
引き続き、暗号資産(仮想通貨)プラットフォームの構築、暗号資産(仮想通貨)交換所システムの機能拡充を図り、業務委託先の株式会社カイカ及び同社の子会社が開発した高度なセキュリティ機能を実装した暗号資産(仮想通貨)交換所システムの構築に注力してまいります。
暗号資産(仮想通貨)の運用につきましては、引き続きAI技術を利用した暗号資産(仮想通貨)のトレーディングシステムの開発を継続し、高度化を進めると同時に、同システムを利用し、暗号資産(仮想通貨)市場の動向をふまえ資金効率を意識した運用を行ってまいります。
⑧ 連結子会社とのシナジー効果の追求
当社グループは、それぞれの事業の特性や強みを活かし、グループ全体の最適化を進めることが重要な課題であると認識しております。今後さらに、顧客に付加価値の高いサービスの提供を可能とするため、グループ全体でのシナジー効果を追求し企業価値の増進に努めてまいります。
⑨ グループ会社間のサービスの提供
国内のみならず在外グループ間でのサービスの提供が拡大するにつれ、その代価の決定に、より客観的な根拠が必要となっております。このため、きめ細かなコスト計算を図るとともに第三者価格などの情報を入手し、合理的な算定根拠を明示して、厳格な承認手続のもとにグループ間の取引を進めてまいります。
⑩ チャイニーズウォールの拡充
海外子会社の設立や重要な連結子会社の増加に伴い、当社のみならず連結子会社にも内部監査体制を充実させ、フロントランニング行為や利益相反を起こす可能性のあるリスクに備えて組織的な内部監査体制のもとにチャイニーズウォールを拡充する必要があります。
⑪ 関係会社の適時適切な計数管理
海外子会社を含め、連結財務諸表作成のための各子会社の適時適切な会計記録の作成と予算管理が課題となっており、月次報告を基礎とする定期的な計数管理の精度を高めるために当社及び各子会社の連携を強化してまいります。
⑫ 全社的な課題
内部統制の運用及びその評価については取締役による検証のほか、一定の計画に従った定期的な内部監査や外部専門家によるチェックを実施しており、継続的に有効な管理体制を維持しております。直近の課題として国際会計基準導入を視野に、全社統制、決算・財務報告プロセスにおける統制及びIT全般統制を整備してまいります。
当社は、次の3点を経営の基本理念としています。
① 金融サービス業におけるベストカンパニーを目指すこと。
② 中立な姿勢と公正な思考に徹すること。
③ 個の価値を尊び、和の精神を重んじること。
当社は社会的資産の最適な配分実現のため、あらゆる状況下の金融や投資に係る市場の調査・分析・予測結果を情報(コンテンツ)やアドバイスとして提供し、来るべき成熟社会の一翼を担いたいと考えております。そのため、専門性はもとより利益相反を徹底的に排除する中立公正な思考に徹する企業姿勢、そして優れた「個」の力が発揮される社内環境を維持してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、高付加価値による収益性の高い企業グループを目指しており、経営指標としては、売上高営業利益率及び売上高当期純利益率を重要な指標として考えております。中長期目標として、売上高営業利益率15%、売上高当期純利益率10%を目指しております。また、持続的成長の競争力を高めるため、資本効率を意識した経営を推進してまいります。
また、M&A等の投資につきましては、グループ戦略上の意義と回収の態様、そして回収期間を明確にしてガバナンスを効かせることによりバランスを図っております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
① 情報サービス事業
当社におきましては、引き続きプラットフォームサービスの収益の向上、多角化を図り、無料スマートフォンアプリ「FISCO(FISCOアプリ)」及びPCブラウザ版「FISCO(FISCOウェブ)」に注力してまいります。また、投資教育においてはシーエー・モバイル社との事業提携に加え、個人投資家向けコンテンツ販売サイト「クラブフィスコ」にて、フィスコソーシャルレポーターをはじめとした著名な個人投資家の方の投資手法をまとめたコンテンツの拡販を推進いたします。また、仮想通貨およびGDPR分野の情報配信にも注力し、収益の向上に努めてまいります。
フィスコIRでは、「企業調査レポート」業務を中核とした、「YAHOO!JAPAN ファイナンス」や「Bloomberg」へのIR情報の提供など潜在投資家に対するプッシュ型IR支援サービスの需要が見込まれ、堅調に事業拡大する見通しです。加えて、パーセプションスタディ(投資家向け意識調査)に基づく投資家の声を企業にフィードバック、またそれに基づくコンサルティングサービスを新商品として開発する事で引き続き上場企業の顧客拡大を目指してまいります。また、統合レポート、アニュアル・レポート業務におきましては、現場に携わる人材および組織力の強化やブランドの強化を図ることに加え、GDPR対策の一環として、個人情報対応をいかに企業価値向上に結びつけていくべきか、助言等のサービスを行うことでシェア拡大に努めてまいります。
② インターネット旅行事業
イー旅ネットグループでは、新たなトラベルコンシェルジュの採用にあたり、国内のみならず海外在住者の採用にも力を入れ、eラーニング等の在宅でも行える研修の拡充を図るとともに、「こだわりの旅」の提案により、ホスピタリティ精神あふれる質の高いオーダーメイド旅行サービスの提供に引き続き努めてまいります。また、円安を背景に増加する訪日外国人をターゲットとしたインバウンド業務につきましては、有力な提携先と積極的に協業を行うことで収益機会の獲得に積極的に取り組むとともに、アジア圏だけでなくヨーロッパマーケットをも視野に入れ、市場の開拓を進めてまいります。特に目立った傾向としては、今期夏季の猛暑の影響で旅行需要が低下した反動と、来期ゴールデンウイークが大型連休となり需要が一気に伸びたことから、ヨーロッパ及びオセアニアを中心に海外旅行売上が20%増の傾向となっております。
一方、グロリアツアーズでは2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて障がい者スポーツのさらなるマーケット開拓に注力し、ウェブトラベルのコンシェルジュ事業とともに、一般の旅行会社では対応が難しい特徴のあるマーケット基盤を構築してまいります。
③ IoT関連事業
IoTデバイスを取り扱うネクスでは、引き続き自動車テレマティクス製品であるGX410NCを利用したソフトウェア開発を積極的に行ってまいります。また、今後普及が見込まれるLPWA※や次世代通信規格5GなどモバイルコンピューティングとAIや画像解析など高付加価値な機能を実装した新たなエッジデバイス製品の開発に取り組み、国内メーカーとして市場のニーズに対応した安心してお使いいただける製品群のさらなる拡充を図ってまいります。
また、直近の動向では、2018年8月、2019年度米国防権限法(NDAA2019)の成立により、華為技術(Huawei)や中興通訊 (ZTE)、監視カメラ大手の杭州海康威視数字技術(HIKVISION)、浙江大華技術(Dahua Technology)、海能達通信 (Hytera)の計5社への締め付けが大幅に強化され、米政府機関との取引からの排除が呼びかけられております。ネクスでは、現在販売中の全ての製品において、今回成立した2019年度米国防権限法(NDAA2019)に関わる上記5社への製造委託や上記5社からの部品の採用は行っておらず、安心してお使いいただける旨ご案内させていただいており、Huawei、ZTE製品が使用されているものから需要が振り替わる商談が増加しております。
ケア・ダイナミクスでは、引き続き介護事業者向けASPシステムの販売拡大に加え、400以上のサービス導入先のネットワークを活かし、CYBERDYNE株式会社のロボットスーツHAL®、見守りシステム等の介護ロボットの導入支援、空調コストの削減サービス、簡易太陽光パネルを利用した非常用電源供給サービスなど、介護事業者をサポートする様々なサービスラインナップを拡充させ、高齢者と介護施設の様々なニーズに対応してまいります。
農業ICT事業は、2016年に圃場の規模を総面積1,640坪まで拡大してから4期目の定植を迎えます。岩手県の大学と産学連携により今後3年間を目処に新たな農業ICTの研究を行ってまいります。農作物の生産、加工、販売を行う「6次産業化事業」では、岩手県の地場の産直やスーパーだけでなく、全国展開するスーパーマーケット向けの出荷も開始し、さらなる販路の拡大を目指してまいります。「フランチャイズ事業」では、農家向けの収穫や経営数値を把握できる「記録・管理アプリ」の追加開発と、野菜の生長に必要な要素と、健康管理に必要な要素を、複合的に組み合わせて環境管理を自動的に行う「環境管理予測システム」の開発を進め、販売に繋げてまいります。
※「LPWA」とは、
Low Power Wide Areaの略で、低消費電力で広い領域(キロメートル単位)を対象にできる無線通信技術をいいます。
④ 広告代理業
広告代理業につきまして国内企業はテレビを除く3媒体(新聞・雑誌・ラジオ)の広告量下落が2018年も続いており、従来のマス媒体からネット媒体へのメディアシフトは加速しております。その中で私どもは媒体の種類に関わらず求められるクリエイティブ力を強化するため制作案件を重視してまいりました。その結果ウェブサイトリニューアルや運営、バナー広告、ネット動画制作等、新たに獲得しております。しかし小規模なスポット需要が多く、継続性をもつ案件の確保が今後の課題となっております。一方ネット広告における技術トレンド等や媒体特性のノウハウ蓄積も進んでおり、提案力の強化や制作プロセス改善による収益性の向上につなぐ所存です。
また昨年より取り組みを開始したパラスポーツ情報誌への広告需要開発は編集タイアップや企業広告・商品広告の獲得だけではなく、雑誌の情報リソースを活用した、広告主が独自に配布・活用できるパラスポーツ情報の小冊子制作、パラスポーツイベントなど手法開発を進め営業を開始したところです。広告主の関心も高まってきており、東京パラリンピックを起点に拡がるパラスポーツ市場に対して継続的にコミュニケーション面での企画開発及び営業を強化してまいります。
⑤ ブランドリテールプラットフォーム事業
チチカカでは、引き続き不採算店舗の閉店や人員体制の見直しを行います。また、顧客基盤の拡大のため、SNSや自社アプリによる顧客接点の拡大等を引き続き推し進めます。さらに、社員教育の観点ではマニュアル・教育体系の拡充に取り組み、収益の安定化に取り組んでまいります。
2018年11月に株式会社バーサタイル(以下、「バーサタイル」といいます。)の会社分割(新設分割)により新設された株式会社ネクスプレミアムグループ(以下、「ネクスプレミアムグループ」といいます。)は、ファッション業界向けのIoT関連サービスの開発と普及に向けた取り組みを行うと共に、服飾品の販売、輸入販売を行っている「CoSTUME NATIONAL」のトレードマーク(商標権)のライセンス事業、それを足がかりとしたアジアでの事業展開も視野に入れ、本事業を新たな収益基盤の一つとなるように拡大、安定化を図ってまいります。
また、ネクスプレミアムグループと同様にバーサタイルの会社分割(新設分割)により新設された株式会社ネクスファームホールディングスは、子会社であるワインの小売事業の本格稼働を目指すとともに新たな収益基盤の一つとなるように拡大、安定化を図ってまいります。
⑥ 仮想通貨・ブロックチェーン事業
当社の持分法適用関連会社であるFCCEでは、2018年11月に「Zaif」事業を譲り受けたことにより、1つの仮想通貨交換業の登録で、2つの交換所を運営するという特殊な状況にありますが、2019年中には2つの交換所を統合する予定です。
また、「Zaif」は、将来のトークンエコノミー時代を見据え、他の交換所にない暗号資産(CounterPartyトークン、Zaifトークン、COMSAなど)の取り扱いやユニークなサービス(AirFX、信用取引、コイン積立など)を提供してきたことで、国内交換所の大手一角となる口座数を有し、ビットコイン取扱高では上位を誇っております。
かつての運営会社であるテックビューロ株式会社が業務改善命令を受けたことなどに伴い、いくつかのサービスを停止している状況ですが、今後は、口座開設時における顧客確認手続き(KYC)徹底のためのカスタマーサポートの強化、AML/CFT対応の強化など業務の改善に注力し、2019年2月現在で利用いただけていないサービスの再開に向けて努めてまいります。
この他、引き続き、暗号資産(仮想通貨)プラットフォームの構築、暗号資産(仮想通貨)交換所システムの機能拡充を図り、業務委託先の株式会社カイカ及び同社の子会社が開発した高度なセキュリティ機能を実装した暗号資産(仮想通貨)交換所システムの構築に注力してまいります。
暗号資産(仮想通貨)の運用につきましては、引き続きAI技術を利用した暗号資産(仮想通貨)のトレーディングシステムの開発を継続し、高度化を進めると同時に、同システムを利用し、暗号資産(仮想通貨)市場の動向をふまえ資金効率を意識した運用を行ってまいります。
(4)会社の対処すべき課題
当社グループは、経営方針に基づく経営戦略の実践において、投資家の皆様のご期待にお応えし、友好かつ継続的な関係を維持していただくためには、健全な財務体質強化と持続的な成長拡大が必要であると認識しております。そのため、下記の対処すべき課題を掲げ、その対応に取り組んでまいります。
① コンテンツ制作体制の増強・整備と品質管理体制の強化
当社グループは、既存事業の中核である情報サービス事業におけるコンテンツの品質を高めるため、オペレーションの最適化を進めております。
暗号資産(仮想通貨)関連コンテンツを含むすべてのコンテンツ作業を戦略的に分析し、コンテンツの属性に応じて作業を標準化する一方、個性を生かす作業時間を増加させ、迅速性・正確性の確保と同時に高付加価値を追求するリソース配分を進め、コンテンツ制作から情報配信までを一元管理できる体制を構築しております。
今後も更なるオペレーションの最適化及びコンテンツ制作の多極化に取り組み、より専門化、より多様化する商品を開発するため、持続的なアナリスト教育とスタッフ個々のレベルアップに取り組むと同時に、客員アナリスト等の外部アナリストによるコンテンツ制作等もより積極的に取り組んでまいります。
② 販売・マーケティング体制の強化
個人投資家、機関投資家、金融法人及び事業法人等の様々なニーズに即応するサービスの開発提供及び高付加価値化のために、主に金融機関向けの営業を担当する営業開発部と事業法人向けのサービス提供を目的とした株式会社フィスコIRを中核に営業活動を展開しております。ますます激動する株式市場、為替市場及び暗号資産(仮想通貨)市場を中心としたマーケット・プレイヤーの多様化するニーズに応えるサービスを提供できるよう顧客サービスの強化に取り組んでまいります。
③ ウェブサイト及びスマートフォンアプリ運営の拡充
無料スマートフォンアプリ『株・企業報』、『仮想通貨ナビ』、『就活・企業報』及びウェブ版『FISCO』並びに有料課金サイト「クラブフィスコ」においては、定性情報とともに定量情報を横断的に提供しておりますが、特に個別銘柄及び個別資産に関してのデータベースの構築、インターフェイス改良及びデータ処理速度の向上、システムトラブルの対応等に経営資源を継続的・計画的に投下してまいります。
④ システムの強化、バックアップシステムの拡充
コンテンツ供給の多様化、個人顧客をはじめとする供給先の増加、社内情報ネットワークの複雑化、今日的にますます重要となったコンプライアンス上の要請などにより、安全な社内インフラをはじめとするシステムの強化と災害等に対応したバックアップ体制の強化を図っております。今後もこのような内外の体制を厳格に維持する必要があるため重点的に資本投下を継続してまいります。
⑤ コンテンツ配信における最新テクノロジーの適正な評価
当社グループのコンテンツ販売にシステム開発や維持は欠かせないものですが、テクノロジーの進化が思わぬ陳腐化や競争力低下を引き起こす可能性があります。当社グループでは、いたずらに新技術を追い求めるのではなく、俯瞰的にこれをとらえ、適時適切に最新テクノロジーを評価した上で設備投資計画を策定、実行すべきと考えております。
⑥ 内部管理体制の強化
当社が業績を回復させるためには、業務運営の効率化や、上場会社及び金融商品取引業者としての法令遵守、リスク管理、IR充実のための内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。
このため、今後も業務運営上のリスクを把握してリスク管理を適切に行える体制整備に努め、財務報告に係る内部統制システムの整備をはじめとして、定期的な内部監査の実施によりコンプライアンス体制を強化するとともに、監査役監査の実施によるコーポレート・ガバナンス機能の充実等により、企業としての自浄作用が有効に機能するよう図っていく方針であります。
⑦ 仮想通貨・ブロックチェーン事業の拡充、安定化
引き続き、暗号資産(仮想通貨)プラットフォームの構築、暗号資産(仮想通貨)交換所システムの機能拡充を図り、業務委託先の株式会社カイカ及び同社の子会社が開発した高度なセキュリティ機能を実装した暗号資産(仮想通貨)交換所システムの構築に注力してまいります。
暗号資産(仮想通貨)の運用につきましては、引き続きAI技術を利用した暗号資産(仮想通貨)のトレーディングシステムの開発を継続し、高度化を進めると同時に、同システムを利用し、暗号資産(仮想通貨)市場の動向をふまえ資金効率を意識した運用を行ってまいります。
⑧ 連結子会社とのシナジー効果の追求
当社グループは、それぞれの事業の特性や強みを活かし、グループ全体の最適化を進めることが重要な課題であると認識しております。今後さらに、顧客に付加価値の高いサービスの提供を可能とするため、グループ全体でのシナジー効果を追求し企業価値の増進に努めてまいります。
⑨ グループ会社間のサービスの提供
国内のみならず在外グループ間でのサービスの提供が拡大するにつれ、その代価の決定に、より客観的な根拠が必要となっております。このため、きめ細かなコスト計算を図るとともに第三者価格などの情報を入手し、合理的な算定根拠を明示して、厳格な承認手続のもとにグループ間の取引を進めてまいります。
⑩ チャイニーズウォールの拡充
海外子会社の設立や重要な連結子会社の増加に伴い、当社のみならず連結子会社にも内部監査体制を充実させ、フロントランニング行為や利益相反を起こす可能性のあるリスクに備えて組織的な内部監査体制のもとにチャイニーズウォールを拡充する必要があります。
⑪ 関係会社の適時適切な計数管理
海外子会社を含め、連結財務諸表作成のための各子会社の適時適切な会計記録の作成と予算管理が課題となっており、月次報告を基礎とする定期的な計数管理の精度を高めるために当社及び各子会社の連携を強化してまいります。
⑫ 全社的な課題
内部統制の運用及びその評価については取締役による検証のほか、一定の計画に従った定期的な内部監査や外部専門家によるチェックを実施しており、継続的に有効な管理体制を維持しております。直近の課題として国際会計基準導入を視野に、全社統制、決算・財務報告プロセスにおける統制及びIT全般統制を整備してまいります。