有価証券報告書-第24期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/27 15:11
【資料】
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【項目】
140項目
24.金融商品
(1) 資本管理
当社グループは、事業の競争力を維持・強化することによる持続的な成長を実現するために、恒常的に設備投資を必要としております。また事業規模の拡大と収益源の多様化を進めるために新サービスないし新規事業に取り組んでおります。これらの資金需要は手元資金で賄うことを基本とし、必要に応じて資金調達を実施いたします。そのため、当社グループでは現金及び現金同等物、有利子負債及び資本のバランスに注意しており、前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在、有利子負債を大きく上回る潤沢な手元資金を保有しております。
(単位:百万円)
前連結会計年度
(2021年3月31日)
当連結会計年度
(2022年3月31日)
現金及び現金同等物97,30178,296
有利子負債27,13928,269
資本合計228,659244,907

(注) 有利子負債は借入金とリース負債の合計であります。
なお、当社グループが適用を受ける重要な資本規制はありません。
(2) 財務上のリスク管理方針
経営活動を行う過程において、常に財務上のリスクが発生します。当社グループは、当該財務上のリスクを軽減するために、リスク管理を行っております。リスク発生要因の根本からの発生を防止し、回避できないリスクについてはその低減を図るようにしております。
当社グループの方針として投機目的のデリバティブ取引及び株式等の取引は行っておりません。会社により一時的な資金不足に対応するため、銀行借入を行うことがあります。
① 為替リスク管理
当社グループの主な為替リスクは、当社における海外取引先との決済を目的とした米国ドル建の外貨預金に関するものであります。 従って、当社グループの為替リスクは主に当社に帰属します。当社の機能通貨である日本円が米国ドルに対して1%高くなった場合の、当社が保有する外貨預金の為替換算が当社グループの税引前当期利益に与える影響は以下のとおりであります。なお、米国ドル以外の通貨は変動しないものと仮定しております。
(単位:百万円)
前連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
当連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
税引前当期利益△13△27

(注) 上記の△は、1%円高となった場合に、当社グループの税引前当期利益に与えるマイナスの影響額を意味しており、1%の円安は同額でプラスの影響となります。
なお、当社グループの在外営業活動体の財務諸表換算に伴い、その他の包括利益が変動しますが、その影響は上記分析には含んでおりません。
② 金利リスク管理
当社グループは、資金需要は手元資金で賄うことを基本としつつ、一部の会社で短期の運転資金の調達のために、必要に応じて有利子負債による資金調達を実施しております。通常、有利子負債の残高は僅少であり、かつ短期間で返済していることから、金利の変動が当社グループの純損益に与える影響は僅少です。
③ 信用リスク管理
当社グループは、取引先の与信枠を定期的に見直し、信用エクスポージャーを当該枠内で適切に管理しております。
当社は営業債権について、与信管理の方針に従い、各事業部門における営業管理担当部署が主要な取引先の状況を定期的にモニタリングし、取引先ごとの期日管理及び残高管理を行うとともに、回収遅延債権については、個別に把握及び対応を行う体制となっております。連結子会社についても、当社の与信管理の方針に準じて、同様の管理を行っております。
また、当社グループが資金運用のため保有している債券等及び政策的な目的のために保有している株式等は、発行体の信用リスクに晒されております。資金運用管理方針に従い、一定の格付基準を満たす債券等での運用を行い、リスクの集中を最小限にとどめております。政策的な目的のために保有している株式等は、定期的にその保有目的及び発行体の財政状況を把握しております。
連結財務諸表に表示されている金融資産の減損後の帳簿価額は、獲得した担保の評価額を考慮に入れない、当社グループの金融資産の信用リスクに対するエクスポージャーの最大値であります。
④ 流動性リスク管理
当社グループは、必要となる流動性については、基本的に、営業活動によるキャッシュ・フローにより確保しており、一部の会社に関してのみ短期的な資金需要に対応するため、借入金による資金調達を行っております。
また、当社グループは、国内の大手金融機関との間で未実行の複数のコミットメントライン(短期借入枠)契約を締結しており、コミットメントベースではない借入枠と併せ、流動性リスクの軽減を図っております。
金融負債の残存契約満期金額は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
1年以内1年超
5年以内
5年超合計
前連結会計年度(2021年3月31日)
買掛金及びその他の短期債務20,044--20,044
リース負債2,6531,4283,0577,139
その他の金融負債526-401927
当連結会計年度(2022年3月31日)
買掛金及びその他の短期債務19,263--19,263
リース負債1,6032,8634,5278,993
その他の金融負債641-357998

⑤ 価格変動リスク管理
当社グループは、業務上の関係を有する企業の上場株式を保有しており、資本性金融商品の価格変動リスクに晒されております。資本性金融商品については、定期的に時価や発行体の財政状況を把握しております。
(3) 公正価値
① 公正価値の測定方法
金融資産及び金融負債の公正価値は、以下のとおり決定しております。金融商品の公正価値の見積りにおいて、市場価格が入手できる場合は、市場価格を用いております。市場価格が入手できない金融商品の公正価値に関しては、将来キャッシュ・フローを割り引く方法、又はその他の適切な評価方法により見積もっております。
(a)現金及び現金同等物
現金及び現金同等物に含まれる短期投資については、満期までの期間が短期であるため帳簿価額と公正価値はほぼ同額であります。
(b)売掛金及びその他の短期債権、買掛金及びその他の短期債務
当社グループの債権債務は、主として短期間で決済又は納付される金融商品であるため帳簿価額と公正価値がほぼ同額であります。
(c)その他の金融資産
市場性のある有価証券の公正価値は市場価格を用いて見積もっております。その他の投資は、非上場会社の発行する普通株式及び投資事業組合等への出資を含んでおります。非上場普通株式等は割引将来キャッシュ・フロー、収益、利益性及び純資産に基づく評価モデル及びその他の評価方法により、公正価値を算定しております。
(d)その他の金融負債
当社グループの債務は、主として短期間で決済されるため帳簿価額と公正価値はほぼ同額であります。
借入金は変動金利によるものは短期間で市場金利を反映しており、また、当社の信用状態に借入後大きな変動はないと考えられることから、帳簿価額を公正価値とみなしております。固定金利による借入金は、元利金の合計金額を当該借入金の残存期間及び信用リスクを加味した利率で割り引く方法により、公正価値を見積もっております。
非支配持分へ付与されたプット・オプションについては、「22.資本及びその他の資本項目」で記載しております。
② 公正価値ヒエラルキー
下記は、公正価値のレベル1からレベル3までの公正価値ヒエラルキーに基づく分類を示しております。
レベル1―活発な市場における同一資産・負債の市場価格
レベル2―直接又は間接的に観察可能な、公表価格以外の価格で構成されたインプット
レベル3―観察不能な価格を含むインプット
当社グループは、各ヒエラルキー間の振替を振替の原因となった事象又は状況変化が発生した日に認識しております。
公正価値の測定に使用される公正価値の階層のレベルは、公正価値の測定の重要なインプットのうち、最も低いレベルにより決定しております。
③ 償却原価で測定する金融商品
償却原価で測定する金融商品の帳簿価額と公正価値ヒエラルキーは、以下のとおりであります。
前連結会計年度(2021年3月31日)
(単位:百万円)
帳簿価額公正価値
レベル1レベル2レベル3合計
償却原価で測定する金融資産
債券等612523--523
償却原価で測定する金融負債
借入金20,000-19,985-19,985

(注)借入金を除く短期間で決済される償却原価で測定する金融資産及び金融負債は、公正価値は帳簿価額に近似しているため、注記を省略しております。
当連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円)
帳簿価額公正価値
レベル1レベル2レベル3合計
償却原価で測定する金融資産
債券等562508--508
償却原価で測定する金融負債
借入金20,146-20,139-20,139

(注)借入金を除く短期間で決済される償却原価で測定する金融資産及び金融負債は、公正価値は帳簿価額に近似しているため、注記を省略しております。
④ 公正価値で測定する金融商品
公正価値で測定する金融商品の公正価値ヒエラルキーは、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度(2021年3月31日)
レベル1レベル2レベル3合計
純損益を通じて
公正価値で測定する金融資産
出資金--2,1132,113
株式--3,4273,427
純損益を通じて
公正価値で測定する金融資産合計
--5,5405,540
その他の包括利益を通じて
公正価値で測定する金融資産
株式110,044-2,316112,360
その他の包括利益を通じて
公正価値で測定する金融資産合計
110,044-2,316112,360
合計110,044-7,856117,900

(単位:百万円)
当連結会計年度(2022年3月31日)
レベル1レベル2レベル3合計
純損益を通じて
公正価値で測定する金融資産
出資金--2,1532,153
株式--5,5465,546
純損益を通じて
公正価値で測定する金融資産合計
--7,6997,699
その他の包括利益を通じて
公正価値で測定する金融資産
株式111,223-387111,610
その他の包括利益を通じて
公正価値で測定する金融資産合計
111,223-387111,610
合計111,223-8,086119,309


レベル3に分類された金融商品に係る期首残高から期末残高への調整は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度
(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
純損益を通じて
公正価値で測定する金融資産
その他の包括利益を通じて
公正価値で測定する金融資産
期首残高3,0942,244
購入1,493-
利得及び損失
純損益967-
その他の包括利益-72
売却△14-
期末残高5,5402,316
期末に保有する金融商品に関し、純損益として認識された利得又は損失(△)(純額)967-

(注)前連結会計年度において、レベル1、2及び3の間の振替はありません。
(単位:百万円)
当連結会計年度
(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
純損益を通じて
公正価値で測定する金融資産
その他の包括利益を通じて
公正価値で測定する金融資産
期首残高5,5402,316
購入3,735-
利得及び損失
純損益△942-
その他の包括利益-△1,888
売却△19-
その他△615△41
期末残高7,699387
期末に保有する金融商品に関し、
純損益として認識された利得又は損失(△)(純額)
△942-

(注)1 当連結会計年度において、レベル1、2及び3の間の振替はありません。
2 「その他」は主として投資事業有限責任組合からの分配金であります。
上記の金融商品に関し、純損益に認識された利得及び損失は、連結損益計算書の「金融収益」及び「金融費用」に含まれております。
また、非支配持分へ付与されたプット・オプションは上表に含んでおりません。プット・オプションについては、「22.資本及びその他の資本項目」で記載しております。
非上場株式の公正価値の測定は、所定のルールに従って投資部門から独立した管理部門により行われております。公正価値を測定するにあたり、個々の資産の性質、特徴並びにリスクを最も適切に反映できる評価モデルを決定しております。
評価モデルの採用論拠及び評価過程について、リスクの管理部署である経営企画本部に報告され、公正価値の評価の方針及び手続に関する適正性が確保されております。
レベル3に分類された有価証券及びその他の金融商品について、インプットがそれぞれ合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合の公正価値の増減は重要ではありません。
なお、インプットに用いられた主要な仮定が変化することにより、公正価値の金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。