有価証券報告書-第36期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 12:38
【資料】
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【項目】
95項目

対処すべき課題

(1)会社の経営の基本方針
当社グループの経営理念は、介護保険制度の目的に沿って、社会的ニーズのあった介護サービスを中心として、特に心身に多少なり障害のある要支援者から要介護認定者に対して、リハビリテーションを中心としたサービスを積極的に行い、また在宅要介護者については、適切な訪問看護、訪問介護、訪問リハビリテーションを行い、より人間らしく生きるために積極的な生活支援を行うことにより、社会に貢献することであります。
また、経営方針につきましては、
1.利用者およびその家族の尊厳とニーズを尊重し、質の高いサービスを提供する。
2.地域一番を目指し信頼され必要とされるサービスを提供する。
3.積極的なリハビリテーションを中心としたサービスを提供し自立できる生活支援を行う。
こととしております。
こうした経営理念、経営方針のもと、当社グループは「いつも春の陽だまりでありたい」をコンセプトに、介護サービス事業を展開してまいりました。今や、高齢社会を迎え、地域に根差したノーマライゼーションのまちづくりが改めて見つめ直されるなか、当社グループでは介護サービスを通してより良い健康文化を提供しております。今後においても、常に利用者やその家族の立場に立ち、ニーズを幅広く収集しながら、きめ細かなサポートを提供し地域に信頼される企業を目指して積極的に取り組んでまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、継続的な売上成長と売上高経常利益率及び株主資本当期純利益率(ROE)の向上を重要な経営指標としており、収益性、投資効率等の観点から事業戦略の骨子を組み立てるとともに諸施策を実施しております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループといたしましては、介護保険法の趣旨に沿って、リハビリテーションに特化したサービスの提供に取り組み、さらなる事業規模の拡大を図る考えであります。主力事業であるデイサービス事業においては、介護保険制度の改定に伴い、利用単価の変動等が予想されますが、介護予防に対応したサービスや利用者のニーズにあったサービスを提供することで幅広い新規顧客の獲得を積極的に推進してまいります。
当社グループにおけるもう一方の主力事業として成長した施設サービス事業については、介護付き有料老人ホームを中心とした施設を積極的に展開し、将来の事業基盤を構築していく考えであります。既存施設の効率的な運営とサービスの充実を図り、施設稼働率を高く安定的に維持していくことで、新規の施設展開に伴う多額の開設経費の吸収を図ってまいりたいと考えております。
北海道地区、東北地区、関東地区、甲信・東海地区、関西地区、中国・四国地区、九州地区等に展開した有料老人ホームやデイサービスを核としてドミナントエリアの拡大を目指し、在宅サービスとの連携やシナジーを最大限に活用することで利用者の利便性を向上させ営業収益の増加を図ります。また、介護保険制度の改定等による影響を受けない介護保険外のサービス事業を積極的に開発することで、事業の多角化を推進して行く考えです。
(4)会社の対処すべき課題
①介護保険制度の改正について
平成27年4月に介護報酬が改定され、高齢者ができる限り住み慣れた地域で尊厳を持って自分らしい生活を送ることができるよう、「地域包括ケアシステム」の構築に向けた取り組みが提言されており、基本的な考え方として、中重度の要介護者や認知症高齢者への対応の更なる強化、介護人材確保対策の推進、サービス評価の適正化と効率的なサービス提供体制の構築の三点に集約されております。
今回の改定では、2.27%のマイナス改定とされておりますが、処遇改善分1.65%及びサービス充実分0.56%を除くと、実質的には4.48%のマイナス改定となっております。
さらに、平成29年度の介護報酬改定で、介護人材の処遇改善について、職場定着の推進、介護サービス事業者等による昇給や評価を含む賃金制度の整備・運用状況などを踏まえ、事業者による、キャリアアップの仕組みの構築を促すため、更なる加算の拡充が行われております。
当社グループといたしましては、介護保険制度のもと事業活動を行う中で、今後、予想される制度リスクともいうべき法改正に柔軟に対応しつつ、当社グループの強みであるリハビリテーションにおける豊富なノウハウを積極的に活用し、快適かつ上質なサービスで他社との差別化を目指す考えです。また、社会的にも多くの需要が見込まれるリハビリテーションに特化したサービスをさらに強化し、サービスの向上と業容の拡大を図ってまいりたいと考えております。
②人材の確保について
当社グループといたしましては、グループの事業拡大に伴い、サービスを提供する人材の確保は重要な課題の一つとして認識しております。有資格者や介護経験の豊富な職員を適正に配置するため、雇用条件の見直しや、働きやすい職場環境を構築することに努めております。また、各種教育研修プログラムの充実を図ることでサービスの質の向上や優秀な人材の育成に取り組んでおります。さらに、長期的に介護人材の確保・定着の推進を図るためには、介護職員が将来展望を持って介護の職場で働き続けることができるよう、能力・資格・経験等に応じた処遇が適切になされることが重要となります。「介護職員処遇改善加算」等を活用して、こうしたキャリアパスに関する仕組みを整備・拡充することで、社内の人事考課制度をさらに充実させる必要があると考えております。
③法令遵守への取り組みについて
当社グループといたしましては、介護保険制度のもと、介護サービス事業を営んでいくうえで関係法令を遵守することは勿論、社会的な責務の遂行や地域での信頼関係を構築することを第一に考えております。また、事業所での教育指導の徹底を図るとともに、内部監査体制の強化や社員教育、マニュアルの整備等を行うことで、法令を遵守した適切な事業運営に努めてまいる所存です。