有価証券報告書-第26期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/29 15:32
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連結財務諸表注記事項(US GAAP)


1.事業内容及び重要な会計方針の要約
事業内容
当社は、日本においてインターネット接続サービス及びその他のインターネット関連役務を提供する会社として、平成4年12月に設立され、平成30年3月31日現在、日本電信電話㈱及びその子会社であるエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ㈱(以下、「NTTコミュニケーションズ」といいます。)によりあわせて議決権比率の26.9%を所有されております。当社及び当社の連結子会社(当社グループ)は、主として日本において事業を営む顧客に対して、インターネット接続サービス、WANサービス及びアウトソーシングサービスの提供を行なっております。さらに当社グループは、システム構築とシステム運用保守からなるシステムインテグレーション役務を提供しております。また、当社の子会社の1社が、銀行ATMの運営サービスを提供しております。
特定の重要なリスク及び不確実性
当社グループは、インターネットバックボーン網の大半の調達先として数社の通信キャリアに、また顧客へのアクセス回線の調達をNTT東日本及びNTT西日本、電力会社及びその関係会社に、MVNOのモバイル通信回線の調達をNTTドコモに依存しております。現在、NTTコミュニケーションズ及びNTTドコモが当社グループの利用するネットワーク・インフラの主要な供給元となっております。当社グループは、複数の通信会社、供給業者及び代替的機関を利用することでサービスが中断するリスクを緩和していると考えておりますが、通信サービスの混乱が生じた場合、当社グループの経営成績に不利な影響を与える可能性があります。
当社グループにとって潜在的に信用リスクが集中する金融商品は、主に、売掛金よりなっております。売掛金に関係するリスクは、多数の顧客が顧客基盤を構成していること及び与信管理により緩和されていると当社グループは考えております。また、当社グループは、新しい顧客との取引開始時にその顧客の財政状態を評価し、その後も継続して各顧客に支払いの遅れが生じていないかを注視しております。
重要な会計方針の要約
開示の基礎
当社は、日本において一般に公正妥当と認められている会計原則に従い帳簿を作成し、財務諸表を作成しております。米国において一般に公正妥当と認められている会計原則に適合するために、当連結財務諸表において調整及び組替が行われております。これらの調整は法定帳簿には記録されておりません。
連結
当連結財務諸表は、当社及びそのすべての子会社すなわち、㈱IIJエンジニアリング、IIJ America Inc.、ネットチャート㈱、㈱ハイホー、㈱トラストネットワークス、㈱IIJイノベーションインスティテュート、㈱IIJグローバルソリューションズ、IIJ Europe Limited、㈱竜巧社ネットウエア及びその他海外子会社8社の各勘定を連結したものであります。各連結子会社の決算日は、IIJ America Inc.、IIJ Europe Limited及びその他海外子会社を除き、全て3月31日であります。IIJ America Inc.、IIJ Europe Limited及びその他海外子会社の決算日は12月31日であり、これらの海外子会社に3月31日までの財務報告を求めることは実行可能なものではないため、当連結財務諸表作成を目的として各子会社の決算日を使用しております。当連結財務諸表において調整あるいは開示が求められる連結決算日までの期間に発生した重要な事象はありませんでした。連結会社相互間の取引高及び残高は、連結上、消去しております。
当社が重要な影響力を有するが支配力は有しない会社への投資については、持分法を適用しております。一時的でない価値の下落により持分法適用会社に対する投資の価値が帳簿価額を下回った場合には、当該投資を公正価値まで減額し、減損を認識しております。
当社グループは、投資の帳簿価額とこれに対応する被投資会社の純資産額に対する持分との差異である持分法適用会社に関するのれんを償却しておりませんが、持分法を適用した投資について、ASC323「投資-持分法及びジョイント・ベンチャー」に従い、継続して減損テストを行っております。
連結子会社又は持分法適用関連会社が第三者に対し当社の簿価を上回るあるいは下回る価格で新株式を発行した場合には、ASC810「連結」を適用し、親会社が支配持分を維持しているかぎり親会社が保有する子会社持分の変動を資本取引として会計処理しております。
見積りの使用
米国において一般に公正妥当と認められている会計原則に準拠した財務諸表の作成には、連結決算日現在の資産負債の報告金額及び偶発資産負債の開示、ならびに報告期間における収益費用の報告金額に影響を与えるような見積り及び仮定を経営者が行うことが求められております。重要な見積り及び使用された仮定は主に、投資の評価、繰延税金資産の評価性引当金、貸倒引当金、退職給付に係る年金費用及び年金債務の決定、固定資産及び耐用年数を決定できる無形固定資産の見積り耐用年数、長期性資産、のれん及び耐用年数を決定できないその他の無形固定資産の減損であります。なお、実績はこれらの見積りと異なる場合があります。
収益の認識
ネットワークサービス売上高は、月次で均等額を請求し、収益に計上しております。ネットワークサービスに関連して受け取った初期設定サービス料は繰り延べ、各々のサービスの見積平均提供期間にわたって収益に計上しております。
システムインテグレーション及び関連サービス契約には、以下の構成要素を1つ以上含んでいます。
・システム構築サービス ― 顧客の要求に応じて以下のすべて、又はいくつかの要素を含みます。要素として、コンサルティング、プロジェクト計画、システム設計、ネットワークシステム開発などがあげられます。これらサービスには、ソフトウェアの設定及びインストール、ハードウェアの設置を含みます。
・ソフトウェア ― 当社グループは、オラクルやウインドウズといった市販のソフトウェアの再販売を行なっています。それらは、システム構築の過程で当社グループによりインストールがされます。
・ハードウェア ― 当社グループは、サーバー、スイッチ、ルータといった市販のハードウェアを販売しています。当社グループは、それらをシステム構築の過程で設置しています。これらハードウェアは、第三者である製造業者や販売業者によって販売されるような一般的なハードウェアです。
・監視、運用サービス ― 当社グループは、顧客のネットワークとインターネット接続の状況を監視し、問題の発見、報告を行います。当社グループは、持続的なデータバックアップサービスも行います。
・ハードウェアとソフトウェアの保守サービス ― 当社グループは、ハードウェアの故障部品の修理、取り換えを行います。当社グループは、ソフトウェアの欠陥を調査し、顧客に対し適切な解決方法を提案します。
システム構築サービスは、通常3カ月の期間をかけて納入が行われます。すべてのハードウェアとソフトウェアは、この期間中に納入され、インストールされます。顧客は、定められた固定額の代金の支払いを要求されますが、システム構築が完了し、顧客によって検収がなされるまでは、支払いは行われません。
監視、運用、ハードウェア及びソフトウェア保守は、通常、顧客がシステムを検収した時から開始します。これらサービスは、通常1年から5年の契約となります。当社グループの契約には、これらサービスの年間料金が明記されています。
システム構築サービス、ハードウェア、ハードウェア製品の機能にとって不可欠なソフトウェア、未提供の非ソフトウェアサービス(例えば、監視、運用サービス)を含んだ複数要素を伴う契約につき、当社グループはすべての構成要素に対して相対的な販売価格に基づき収益を配分しています。当社グループは、構成要素に収益を配分するために用いられる販売価格を決定するために、(ⅰ)公正価値の販売者固有の客観的証拠(VSOE)、(ⅱ)第三者の証拠(TPE)、(ⅲ)最善の見積り販売価格(ESP)からなるヒエラルキーを使用しています。収益の配分は、VSOEが確立されている未提供の非ソフトウェアサービスを除き、ESPに基づきなされています。
構成要素に対するESPを決定する当社グループのプロセスは、各々の構成要素に関連した状況や特徴により異なるさまざまな要因を考慮しています。当社グループはESPを確立するにあたり、顧客の需要、競合の存在と影響、市場において実現される一般的な利益率、取引量、構成要素を提供するための内部コスト、同様の顧客に対する同種の売上に関し実現すると見込まれる目標利益や利益実績を含んだ利益目標、過去の値決めの慣行を考慮しています。
売上の各単位を会計処理するために使用される方法及び各会計単位が認識される期間は、以下のとおりです。
・システム構築サービスに配分された収益は、工事契約に関する会計基準によって会計処理されます。システム構築サービスは、通常3カ月以内で完成しますが、その売上は、ASC605-35-25-92に従い、工事完成基準に基づき認識されています。これは、顧客が完成したシステムに満足し、検収がなされるまで、当社グループは、顧客に対し代金の請求ができず、構築したネットワークシステムの所有権が顧客に移転しないためです。
・ハードウェアとハードウェア製品の機能にとって不可欠なソフトウェアに関連する収益は、顧客の検収が完了するまで認識されません。これは、正式な検収がなされるまで顧客にハードウェアとソフトウェアの所有権が移転しないためです。
・未提供の非ソフトウェアサービス(監視、運用、ハードウェア保守サービス)に関連する収益は、契約期間にわたり、定額で認識されます。
当社グループは、ハードウェア製品の機能にとって不可欠でないソフトウェア及びソフトウェア関連サービスを含んだシステムインテグレーションサービスに関しても複数要素を伴う契約を締結しており、それらをASC985-605「ソフトウェア-収益認識」に基づき会計処理しています。当社グループは、ソフトウェア関連サービスの公正価値のVSOEを確立していますが、それらは、一貫して狭い範囲内に価格設定された個別のサービス更新契約に基づくものです。当社グループは、VSOEに基づいてこれらサービスに収益を配分し、契約期間にわたり定額で収益認識しています。当社グループは、残余価格をソフトウェアに配分しております。
機器売上高は、機器が顧客に引き渡され検収された時点で収益として認識されております。
システム構築サービス売上高及び機器売上高を報告する際には、当社グループが当事者としての、あるいは代理人としての役割を担うかに基づき、売上高及び売上原価を総額で表示すべきか稼得した利益の純額で表示すべきかについて評価を行なっております。
ATM運営事業売上高は、主として利用者がATMにて現金の引出しを行う際の手数料収入であります。ATM手数料は、利用者がATMサービスを利用する度に徴収され、収益に計上されます。
売上高は、顧客から徴収された後に当局へと納付される消費税を控除して認識しております。
現金及び現金同等物
現金及び現金同等物には、当初の満期日が3ヶ月以内の定期預金を含めております。
貸倒引当金
貸倒引当金は、主として当社グループの過去の貸倒実績及び債権残高に係る潜在的損失の評価に基づき、適切と考える金額を計上しております。
その他投資
当社グループは、市場性のある持分証券及び負債証券を売却可能有価証券に分類しており、これらは公正価値により会計処理し、未実現損益は損益計算を通さずに、その他の包括利益(損失)累計額に含めて計上しております。売却原価は平均原価法により算定しております。
当社グループは、売却可能な投資の公正価値について定期的にレビューを実施し、個々の投資の公正価値が原価以下まで下落していないか、またその下落は一時的なものか否かを判定しております。価額の下落を一時的でないと判定した場合には、当該投資の帳簿価額を公正価値まで評価減しております。一時的でない価額の下落の判定は、公正価値の下落の程度、公正価値が原価を下回っている期間の長さ、減損の認識を早めるかもしれない事象、被投資会社の財政状態及び今後の見通しならびに時価が回復するまで当該有価証券を保有する当社の意思と能力を勘案して行なっております。負債証券について、公正価値の下落が一時的でないと判断し、かつ売却する意思がなく、償却原価まで価値を回復する前にこの負債証券の売却が必要となる可能性が50%以下である場合には、認識した減損のうち、信用損失に係るものは損益として認識し、その他の要因に係るものはその他の包括利益(損失)に含めております。また、公正価値の下落が一時的でないと判断し、かつ売却する意思がある、または償却原価まで価値を回復する前にこの負債証券の売却が必要となる可能性が50%超である場合には、認識した減損については、全て損益として認識しております。持分証券について、公正価値の下落が一時的でないと判断し認識した実現損失については、当該下落が一時的でないと判定された年度の損益に計上しております。
市場性のない持分証券は、公正価値が容易に算定できないため、原価で計上しております。当社グループが市場性のない持分証券が減価しているか否かを評価する場合、先ず、期中に当該有価証券の公正価値に重要な影響を与えうる事象や環境の変化(減損の兆候)が生じていないか評価します。当社グループは、以下のような減損の兆候を使用しております。
・投資先にとって重要な利益実績や業績見込みの悪化
・投資先にとって重要な不利益となる規制、経済或いは技術環境の変化
・投資先にとって重要な不利益となる投資先企業が事業を営む市場の地理的或いは産業的な状況の変化
・当社グループの投資簿価を下回る発行価格での最近の新株発行
当社グループは、減損の兆候が生じた場合には、市場性のない持分証券の公正価値を見積ります。公正価値は、投資先の将来業績、純資産価値、資産や負債における重要な未実現損失などの当社グループが利用可能な種々の観察不能なインプットを勘案して決定されます。当社グループは、投資の公正価値が簿価を下回り、当該公正価値の下落が一時的ではないと判定した場合に、市場性のない持分証券の減損を認識します。
たな卸資産
たな卸資産は主として、再販用に購入したネットワーク機器及びシステム構築に係る仕掛品からなっております。再販用に購入したネットワーク機器は、平均法により決定された原価又は正味実現可能価額のいずれか低い方をもって計上されております。システム構築に係る仕掛品は、製造間接費を含めた実際製造原価又は正味実現可能価額のいずれか低い方をもって計上されております。たな卸資産は定期的にレビューされ、滞留又は陳腐化していると認められた品目は、見積正味実現可能価額まで評価減しております。
リース
キャピタル・リースは、最低支払リース料の現在価値で契約当初に資産化されております。その他のリースは、オペレーティング・リースとして会計処理されております。キャピタル・リースの支払リース料は、リース債務の残高に対する利率が一定になるように支払利息とリース債務の返済とに配分されます。オペレーティング・リースの支払リース料は、リース期間にわたり均等に費用計上しております。
セールスタイプ・リース
当社グループは、顧客とセールスタイプ・リース契約を締結しております。当社グループは、セールスタイプ・リース契約に基づく売上について、リース資産が顧客に引き渡され検収された時点で収益として認識しております。収益は将来受取額の現在価値で認識され、セールスタイプ・リースの受取利息は利息法を用いその他の収益として認識されております。
有形固定資産
有形固定資産は原価で計上しております。有形固定資産の減価償却は、ソフトウェア及びキャピタル・リース資産を含め、主として定額法により、資産の見積耐用年数又はリース期間のいずれか短い方に基づいて計算しております。
減価償却に用いる主な資産種類別の耐用年数は、下記の通りであります。
耐用年数の範囲
データ通信用、事務所用及びその他の設備2~20年
建物20年
建物附属設備4~20年
ソフトウェア5~7年
キャピタル・リース資産4~6年

長期性資産の減損損失
長期性資産は主として、キャピタル・リース資産を含む有形固定資産及び償却対象無形固定資産からなっております。当社グループは、事象又は状況の変化により資産又は資産グループの帳簿価額を回収できない可能性が示唆された場合に、長期性資産の減損を検討しております。保有して使用する長期性資産又は資産グループは、当該資産又は資産グループの簿価とそれらから生じる将来の割引前キャッシュ・フローを比較することにより減損が検討されます。当該キャッシュ・フローが資産又は資産グループの簿価を下回ると判断される場合には減損が生じることとなり、当該会計年度において、当該資産又は資産グループの簿価と見積られた公正価値との差額として損失が認識されます。
のれん及びその他の無形固定資産
のれん及び耐用年数が決定できないと認められる無形固定資産は償却されず、減損テストの対象となります。減損テストは、年1回あるいは、もし事象や状況の変化がこれら資産が減損をしているかもしれないという兆候を示すならば、それ以上の頻度で実施されることが要求されます。当社グループは、3月31日に年次の減損テストを実施しております。報告単位の簿価が公正価値を超過する場合、第2ステップとして減損額を測定するための減損テストを行います。耐用年数が決定できる無形固定資産は、顧客関係からなっており、その見積耐用年数にわたり経済的便益がもたらされるパターンに基づく非定額となる償却方法により10年から19年で償却しております。
資産除去債務
当社グループは、資産除去債務を発生した期間において公正価値にて負債に計上する一方、当該負債の認識時点において関連する費用の額を資産化し長期性資産の簿価の増加として計上しております。時間の経過に伴い当該負債を毎期現在価値まで増額するとともに、資産化された金額を見積耐用年数に渡って減価償却しております。
退職年金及び退職一時金制度
当社グループは、確定給付年金及び退職一時金制度を有しております。これらに係る費用は、年金数理法により計算された額を計上しております。また、当社グループは、確定拠出年金制度を有しております。確定拠出年金に係る費用は、発生時に費用計上しております。
法人税等
法人税等は、税引前当期利益に基づいて計上しております。また、法人税等には財務報告目的と税務目的で認識された資産負債間の一時差異及び税務上の繰越欠損金に対する税効果の影響を含めております。これらの繰延税金資産の残高は、一時差異が解消する期間及び繰越欠損金の利用が見込まれる期間において適用が見込まれる法定実効税率によって測定されます。繰延税金資産の評価性引当金は、繰延税金資産のうち実現しない可能性が50%を超えると考えられる金額に対して設定されております。
当社グループは、税法上の技術的な解釈に基づき、不確実な税務ポジションが税務当局による調査において50%超の可能性をもって認められる場合に、その財務諸表への影響を認識しております。税務ポジションに関連するベネフィットは、税務当局との解決により、50%超の可能性で実現が期待される最大金額で測定されます。未認識税務ベネフィットに関連する利息及び課徴金については、連結損益計算書の法人税等に含めております。
外貨換算
当社グループの海外子会社及び持分法適用関連会社の資産及び負債は、当該会社の決算日の為替レートにより日本円に換算されております。全ての損益項目は期中平均レートにより換算され、換算により生じる調整額は、その他の包括利益(損失)累計額に含めて計上しております。
外貨建資産及び負債は、連結決算日レートを用いて計算した金額により計上しております。その結果生じる為替差損益は損益に計上しております。
株式を基礎とした報酬
当社は、株式報酬型ストックオプションに関する報酬費用を、公正価値に基づいて測定し、計上しております。ストックオプションの公正価値は、権利付与日にブラック-ショールズオプション価格モデルにより測定され、権利確定に必要な勤務期間にわたり認識されます。当該報酬費用は、主として一般管理費に計上されております。
研究開発費
研究開発費は発生時に費用計上しております。
広告宣伝費
広告宣伝費は発生時に費用認識し、販売費に計上しております。
基本的及び希薄化後1株当たり当社株主に帰属する当期純利益
基本的1株当たり当社株主に帰属する当期純利益は、当社株主に帰属する当期純利益を期中の加重平均流通普通株式数で除して算出しております。希薄化後1株当たり当社株主に帰属する当期純利益は、ストックオプション行使に伴い発行可能な株式の希薄化の影響を勘案して算出しております。
その他の包括利益(損失)
その他の包括利益(損失)は、在外子会社の財務諸表の換算により生じる為替換算調整勘定、売却可能有価証券に係る未実現損益及び確定給付型年金の調整額からなっております。
セグメント情報
ASC280「セグメント開示」は、事業セグメントに関する情報の開示基準を定めております。事業セグメントは、収益を稼得し、費用が発生する事業活動が行われる企業構成要素で、経営上の最高意思決定者によって資源配分の意思決定や、業績評価のため、その経営成績が定期的にレビューされており、そのための分離した財務情報が得られる企業構成要素と定義されております。
当社グループは、インターネット接続サービス、WANサービス、アウトソーシングサービス、システムインテグレーション及びネットワークに関連する機器の販売等を複合して提供することによって、顧客のニーズに応じた包括的なソリューションの提供を行っており、また、ATM運営事業を行っております。当社グループの事業活動の最高意思決定者である当社グループの代表取締役社長COOは、「ネットワークサービス及びシステムインテグレーション(SI)事業セグメント」及び「ATM運営事業セグメント」の2つのセグメントに基づき定期的に収益と費用のレビューを行っており、資源の配分と事業評価に関する意思決定も当該セグメントに基づき行っております。
新たな会計ガイダンス
平成27年7月にFASBは、会計基準の改訂(以下、「ASU」といいます。)2015-11「たな卸資産(Topic 330):たな卸資産の測定の簡素化」を発行しました。当ASUは先入先出法及び平均法を使用して測定されるたな卸資産に適用されます。この更新されたガイダンスのもとでは、企業は、原価と正味実現可能価額、すなわち通常の販売過程における見積販売価格から合理的に予想される完成、処分、輸送のコストを差し引いた額のいずれか低い金額でたな卸資産を測定することになります。後入先出法を使って測定されるたな卸資産の事後測定は変更ありません。当社グループは平成29年4月1日に開始する会計年度の第1四半期より当ASUを適用しました。当ASUの適用は、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与えませんでした。
平成27年11月に、FASBは、ASU2015-17「繰延税金の貸借対照表における分類」を発行しました。当ASUは、連結貸借対照表において繰延
税金資産及び負債を非流動区分に分類することを要求しております。当社は、平成29年4月1日に開始する会計年度の第1四半期より当
ASUを適用しました。当社グループは、当ASUを当第1四半期より将来に向かって適用し、過年度の期間については遡及修正しておりませ
ん。平成29年3月31日現在の連結貸借対照表における流動区分の繰延税金資産及び負債は、それぞれ1,298,469千円及び108,994千円であります。
当連結会計年度末現在において未適用の発行済み会計ガイダンス
平成26年5月にFASBは、ASU2014-09「顧客との契約から生じる収益(Topic 606)」を発行しました。当ASUの目的は、収益認識に関する原則を明確化し、米国において一般に公正妥当と認められている会計原則及び国際財務報告基準に共通の収益基準を開発するものです。また、当ASUは、顧客との契約から生じる収益及びキャッシュ・フローの性質、金額、時期及び不確実性を財務諸表利用者が理解できるようにするため、企業に対して開示を改善することを求めています。平成27年8月にFASBは、ASU2015-14「顧客との契約から生じる収益の適用日延期」を発行し、ASU2014-09の適用延期を決定しました。これにより、公開会社について当ASUは、平成29年12月16日以降開始する会計年度及びその年度内の四半期会計期間より適用となり、当初の適用開始日である平成28年12月16日以降開始する会計年度及びその年度内の四半期会計期間からの早期適用も認められています。
平成28年3月、FASBは、収益認識において、企業が当事者か代理人かを評価することに関してのASU2014-09を修正する、ASU2016-08「顧客との契約から生じる収益(Topic 606):当事者か代理人かの考察(総額で報告するか純額で報告するか)」を発行しました。この修正は、収益認識移行グループ(TRG)によって、当事者か代理人かの評価を明確にし、より首尾一貫した適用につなげるために議論されてきた実務課題を取り扱っています。この新しい基準は、ASU2014-09と同様の適用日、移行に関する要求がされています。
このガイダンスでは2通りの適用方法が認められています。当社グループは、修正遡及適用アプローチにより適用することを予定しています。このアプローチによると、当社グループは、平成30年4月1日時点で存在するすべての契約に適用します。また、期首利益剰余金について、変更による累積的影響額で認識し、旧会計基準と比較した結果を追加の開示項目として提供します。
当社グループは、ハードウェア、ソフトウェア、サービスの幅広い収益認識の大部分に変更がないことを予想しています。しかし、この基準により様々なサービスや機器の間の収益の配分や、特定の返金不能のアップフロントフィーの認識タイミングが変更されることが予想されます。
当社グループは、販売手数料を発生時に費用処理していますが、新しい基準において、一定の範囲内の販売手数料を資産化する要求が当社グループの損益に重要な変化をもたらすことはありません。しかし、このような契約獲得の増分コストの繰り延べと契約期間または期待される顧客への提供期間にわたり認識することの要求によって、当社グループの貸借対照表において繰延費用が認識されることになります。
当社グループは、この基準の適用に伴う影響額の評価を現在最終化中であり、この基準の適用は当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与えないと考えております。
平成28年1月、FASBは、米国会計基準における金融商品の区分と測定に関するガイダンスを改訂する、ASU2016-01 「金融商品-全般:金融商品と金融負債の認識と測定(Subtopic 825-10)」を発行しました。現行のガイダンスに対する変更は、主に、持分証券、公正価値オプション適用の金融負債に関する会計処理、そして金融商品に関する表示と開示に影響します。加えて、本ASUは、売却可能負債証券の含み損から生じる繰延税金資産を認識する際の評価性引当金に関するガイダンスを明確化します。新たな基準は、平成29年12月16日以降に開始する事業年度および同事業年度における四半期から適用され、適用にあたっては、企業は、本ガイダンスが有効になる最初の報告期間の期初において貸借対照表に対し、累積的影響額を調整する方法で修正をしなければいけません。早期適用は、その他包括利益において、商品特有の信用リスクから生じる、公正価値オプション適用の金融負債に関する公正価値変動を記録する条項を除き、認められていません。当社グループは、この基準の適用が、保有する持分証券の評価から生じる、その他収入(費用)の変動幅を増大させるであろうと考えております。
平成28年2月、FASBは、資産をリースする企業に対し、リースによって創出される権利と義務を貸借対照表に資産と負債として認識することを要求する、ASU2016-02「リース(Topic 842)」を発行しました。新しいガイダンスは、借手がリース期間が12ヶ月を超えるリースに対し資産と負債を認識することを要求し、また、財務諸表における表示と測定は、ファイナンスリースかオペレーティングリースかの分類によることになります。加えて、新しいガイダンスは、投資家や他の財務諸表の利用者が、リースから生じるキャッシュフローの金額、時期、不確実性をより良く理解するのを助けるような開示を要求しています。貸手の会計は現行の米国基準と大きく変わりませんが、ASU2014-09に準拠するような改善を含んでいます。ASU2016-02は、修正遡及アプローチを使って、平成30年12月16日以降に開始する事業年度および同事業年度における四半期から適用され、早期適用も認められています。当社は、このガイダンスの適用の影響を現在評価中です。
平成28年8月、FASBは、特定の現金収受及び支払を、キャッシュフロー計算書において、どのように表示、分類するかについて新しいガイダンスである、ASU2016-15「キャッシュフロー:特定の現金収受及び支払に関する分類」を発行しました。この改訂は、8つの特定のキャッシュフロー項目についてガイダンスを提供するものです。この基準は、平成29年12月16日以降に開始する事業年度および同事業年度における四半期から適用されます。当社は、このガイダンスの適用の影響を現在評価中です。
2.企業結合および事業売却
前連結会計年度において、企業結合及び事業売却は生じませんでした。
当連結会計年度に生じた企業結合及び事業売却は、以下のとおりであります。
当社は、平成29年12月31日にネットワークサービス及びSI事業セグメントに含まれる個人向けインターネット接続サービス事業を行う(株)ハイホーの全株式を第三者に売却し、当連結会計年度において44,877千円の売却益を計上し、またこれに伴いのれん87,137千円及び商標権15,000千円が減少いたしました。なお、この売却益は、連結損益計算書上、一般管理費に計上されております。
3.たな卸資産
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在のたな卸資産の内訳は、下記のとおりであります。
項目前連結会計年度末
(平成29年3月31日現在)
当連結会計年度末
(平成30年3月31日現在)
金額(千円)金額(千円)
再販売用のネットワーク機器1,093,0011,053,574
仕掛品1,705,053660,973
たな卸資産合計2,798,0541,714,547

4.その他投資
当社グループが保有する市場性のある持分及び負債証券は全て、ASC320「投資―負債及び持分証券」に従って売却可能有価証券として区分されております。前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在、売却可能有価証券として区分されている有価証券に関する情報は、下記のとおりであります。
前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在)当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在)
取得原価
(千円)
未実現利益
(千円)
未実現損失
(千円)
公正価値
(千円)
取得原価
(千円)
未実現利益
(千円)
未実現損失
(千円)
公正価値
(千円)
売却可能有価
証券-持分証券
1,789,4713,880,4143755,669,5101,651,1817,525,5566999,176,038
売却可能有価
証券-負債証券
100,30010,530110,830100,30011,870112,170
売却可能有価
証券合計
1,889,7713,890,9443755,780,3401,751,4817,537,4266999,288,208

当社グループが保有する売却可能有価証券に含まれている負債証券の満期は10年超であります。
下記の表は、投資分類別及び未実現損失の継続期間別に、前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在で一時的な減損と考えられる投資の公正価値及び未実現損失を示しております。
前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在)
売却可能有価
証券-持分証券
12ヶ月未満12ヶ月以上合計
公正価値
(千円)
未実現損失
(千円)
公正価値
(千円)
未実現損失
(千円)
公正価値
(千円)
未実現損失
(千円)
81653,3983704,214375
当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在)
売却可能有価
証券-持分証券
12ヶ月未満12ヶ月以上合計
公正価値
(千円)
未実現損失
(千円)
公正価値
(千円)
未実現損失
(千円)
公正価値
(千円)
未実現損失
(千円)
17,51969917,519699

当社グループは、すべての投資に対して一時的な減損か否かを判定するために定期的にレビューを行っております。当該分析はアナリストのレポート、信用格付け及び株価変動率のレビューを含んでおります。
当連結会計年度末における当社グループの市場性のある持分証券の未実現損失は、日本企業3社の普通株式に関するものであります。各々の公正価値は、取得原価に対して2.8%から8.6%の範囲で下落しております。未実現損失の発生期間は2ヶ月未満であります。当社グループは、未実現損失の水準と発生期間について、各社の足元の見通し及びアナリストの分析資料等を勘案し、評価いたしました。当社グループは、当該公正価値が将来回復するのに十分な合理的期間に亘って株式を継続所有する能力と意図があり、当該投資が当連結会計年度末現在で一時的な減損であると判断しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度における売却可能有価証券の売却による収入は、それぞれ4,840千円及び1,206,516千円でした。前連結会計年度及び当連結会計年度における売却可能有価証券の売却益は、それぞれ2,708千円及び1,068,303千円であり、当社グループの連結損益計算書の「その他の収益(△費用)」に計上されております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在の原価法等による投資額は合計で、それぞれ2,144,574千円及び2,086,234千円でした。
当社グループの連結損益計算書の「その他の収益(△費用)」に計上されている、市場性のある持分証券及びファンドを含む市場性のない持分証券に対する投資の減損損失は、一時的なものでないと考えられた価額の下落を反映して計上されたものであります。市場性のある持分証券に対する評価減による損失は、前連結会計年度において30,554千円であり、市場性のない持分証券に対する投資の評価減による損失は、当連結会計年度において109,840千円でした。
5.貸倒引当金及び貸付金に対する評価性引当金
前連結会計年度及び当連結会計年度における貸倒引当金及び貸付金に対する評価性引当金の内訳は、下記のとおりであります。
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日)
期首残高
(千円)
取崩
(千円)
貸倒引当金繰入額
(千円)
その他
(千円)
期末残高
(千円)
151,515△34,97868,300△84184,753
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)
期首残高
(千円)
取崩
(千円)
貸倒引当金繰入額
(千円)
その他
(千円)
期末残高
(千円)
184,753△94,52194,83931185,102

6.持分法適用関連会社に対する投資
当社は、様々な事業会社を用いてインターネット関連事業を設立、運営しております。持分法適用関連会社が運営している事業には、高速のインターネット・エクスチェンジサービス等の提供(インターネットマルチフィード㈱)、ゲーム基盤の運営(㈱インターネットレボリューション)、ポイント管理システムの運用(㈱トリニティ)、スマートフォン向けアプリケーションソフト等のサーバ側情報処理機能のクラウドによるサービス提供(㈱アピアリーズ)、インドネシアにおけるクラウドコンピューティングサービス提供(PT. BIZNET GIO NUSANTARA)、医療・ヘルスケア事業分野のシステム開発・コンサルティングサービス提供(㈱ケーアイエス)、タイにおけるクラウドコンピューティングサービス提供(Leap Solutions Co., Ltd.)、配信プラットフォームの提供(JOCDN㈱)及びデジタル通貨の取引・決済を行う金融サービス提供(㈱ディーカレット)が含まれております。
当社グループの持分法適用関連会社との間の前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在の勘定残高ならびに前連結会計年度及び当連結会計年度の取引高の総額の要約は、下記のとおりであります。
前連結会計年度当連結会計年度
(平成29年3月31日現在)(平成30年3月31日現在)
売掛金(千円)150,755183,023
買掛金及び未払金(千円)50,73398,306
(自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日)(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)
営業収益(千円)683,332863,818
営業費用(千円)527,4311,107,344

前連結会計年度末及び当連結会計年度末における持分法適用関連会社からの受取配当金は、それぞれ51,083千円及び51,191千円でした。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在の当社グループの持分法適用関連会社に対する投資及び各所有割合の内訳は、下記のとおりであります。
前連結会計年度末
(平成29年3月31日現在)
当連結会計年度末
(平成30年3月31日現在)
所有割合(%)金額(千円)所有割合(%)金額(千円)
インターネットマルチフィード㈱34.001,642,17134.001,806,472
㈱インターネットレボリューション30.00751,78430.00767,197
㈱トリニティ33.75183,40333.75227,470
㈱アピアリーズ49.0016,409
PT.BIZNET GIO NUSANTARA40.00182,51440.00249,840
㈱ケーアイエス39.3055,62739.3059,467
Leap Solutions Asia Co., Ltd.40.00227,43040.00201,448
JOCDN㈱50.0090,83720.00132,270
㈱ディーカレット35.001,802,149
合計3,150,1755,246,313

当社グループは、平成29年12月に㈱アピアリーズの株式を1,615千円にて売却し、平成30年2月に㈱ディーカレットの株式を1,830,000千円にて取得いたしました。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在の持分法適用会社に関するのれんの残高は、7,197千円であり、これらは当社グループの連結貸借対照表の「持分法適用関連会社に対する投資」に含まれております。
7.有形固定資産
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在の有形固定資産の内訳は、下記のとおりであります。
項目前連結会計年度末
(平成29年3月31日現在)
当連結会計年度末
(平成30年3月31日現在)
金額(千円)金額(千円)
データ通信設備15,013,56518,544,180
事務所及びその他設備2,875,5482,522,740
土地537,8892,038,726
建物1,663,3262,151,069
建物附属設備4,061,9094,182,013
ソフトウェア33,335,56036,624,979
キャピタル・リース資産、主にデータ通信設備32,854,63035,821,498
合計90,342,427101,885,205
控除:減価償却累計額△50,566,983△55,470,955
有形固定資産―純額39,775,44446,414,250

前連結会計年度及び当連結会計年度における有形固定資産に係る減価償却費は、それぞれ10,513,162千円及び11,999,414千円でした。
当社グループは、有形固定資産の売却及び除却による損失(純額)を、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ139,162千円及び99,953千円を認識しており、これらは当社グループの連結損益計算書の「一般管理費」に計上されております。
ソフトウェアに係る減価償却累計額は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末においてそれぞれ20,882,937千円及び22,072,049千円でした。ソフトウェアに係る減価償却費は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ2,894,740千円及び3,348,188千円でした。ソフトウェアの加重平均償却期間は約6.0年でした。翌連結会計年度以降5年間のソフトウェアの見積償却費は、下記のとおりであります。
金額(千円)
平成31年度3,689,048
平成32年度3,323,134
平成33年度2,744,928
平成34年度2,246,229
平成35年度1,275,916

8.のれん及びその他無形固定資産
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在の無形固定資産の内訳は、下記のとおりであります。
項目前連結会計年度末
(平成29年3月31日現在)
当連結会計年度末
(平成30年3月31日現在)
金額(千円)金額(千円)
償却対象無形固定資産:
顧客関係6,424,4716,175,193
合計6,424,4716,175,193
減算:償却累計額
顧客関係△3,388,053△3,504,234
合計△3,388,053△3,504,234
償却対象無形固定資産-純額3,036,4182,670,959
非償却無形固定資産:
電話加入権35,59933,709
商標権15,000
のれん6,169,6096,082,472
合計6,220,2086,116,181
無形固定資産合計9,256,6268,787,140

前連結会計年度及び当連結会計年度の償却対象無形固定資産の償却費は、それぞれ380,495千円及び365,459千円でした。翌連結会計年度以降5年間の償却対象無形固定資産の見積償却費は、下記のとおりであります。
年度別の償却費
金額(千円)
平成30年度355,410
平成31年度346,223
平成32年度336,787
平成33年度327,101
平成34年度318,665

当社グループは、前連結会計年度において、㈱ハイホーの商標権に係る減損損失として、81,000千円を当社グループの連結損益計算書の「一般管理費」に計上しました。㈱ハイホーは、近年の売上高が減少しており、当社グループは、当該商標権の減損の可能性を認識しました。商標権の簿価はその公正価値を超過することとなり、商標権の簿価が商標権の想定公正価値を超過する額と同額の減損損失を認識しました。当該商標権の公正価値は、ロイヤリティ免除法により算定しました。当該損失は、ネットワークサービス及びSI事業セグメントに含まれております。
当連結会計年度における顧客関係、商標権及びのれんの減少金額は㈱ハイホー売却に関するものです。この売却に関する詳細は注記「2.企業結合及び事業売却」に記載しています。
前連結会計年度及び当連結会計年度における事業セグメント別ののれんの残高の増減は、下記のとおりであります。
ネットワーク
及びSI事業
ATM運営事業合計
金額(千円)金額(千円)金額(千円)
平成28年3月31日現在の残高
のれん6,054,340235,5516,289,891
減損の累計額△120,282△120,282
5,934,058235,5516,169,609
期中における取得
期中における減損
平成29年3月31日現在の残高
のれん6,054,340235,5516,289,891
減損の累計額△120,282△120,282
5,934,058235,5516,169,609
期中における取得
期中における減損
期中における売却△87,137△87,137
平成30年3月31日現在の残高
のれん5,967,203235,5516,202,754
減損の累計額△120,282△120,282
5,846,921235,5516,082,472

前連結会計年度及び当連結会計年度において、のれんに係る減損損失はありませんでした。
9.リース
当社グループは、通常の事業の過程において、国内及び国際バックボーン回線、事務所建物、ネットワークオペレーションセンターならびにデータ通信及びその他の設備に関する様々なリース契約を締結しております。ASC840「リース」の規定に定められているキャピタル・リースの要件に一つ又はそれ以上当てはまるリース契約はキャピタル・リースとして分類されており、その他はオペレーティング・リースとして分類されております。
当社グループが顧客にネットワーク機器をリースする場合など、当社グループの売上の一部は、契約期間が複数年のリース契約により顧客へ提供されております。当社は、このようなリース取引について、ASC840に基づき、セールスタイプ・リースとして分類しております。
オペレーティング・リース
当社グループは、顧客が当社のネットワークに接続するために利用するアクセス回線を含む通信回線の利用のために、通信キャリア等とのオペレーティング・リース契約を有しております。国内及び国際バックボーン回線のリースは、一般に、最短リース期間が1年の解約不能リースであります。当社グループはまた、事務所建物を賃借し、これに係る払戻可能なリース預託金を敷金保証金として資産計上しており、また、解約不能オペレーティング・リースにて事務用機器及びネットワークオペレーションセンターを賃借しております。これらは平成35年までに順次満期日を迎えます。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在の払戻可能な敷金保証金の内訳は、下記のとおりであります。
前連結会計年度末
(平成29年3月31日現在)
当連結会計年度末
(平成30年3月31日現在)
金額(千円)金額(千円)
本社2,462,2662,745,034
販売事務所及び子会社事務所518,759597,798
その他79,34079,611
払戻可能な敷金保証金合計3,060,3653,422,443

前連結会計年度及び当連結会計年度におけるバックボーン回線に関するリース費用は、それぞれ3,421,807千円及び3,318,831千円であります。前連結会計年度及び当連結会計年度におけるアクセス回線のリース費用は、主としてインターネット接続サービス及びWANサービス売上に係るものであり、それぞれ24,759,611千円及び27,604,950千円であります。また、前連結会計年度及び当連結会計年度におけるその他のリース費用は、それぞれ7,082,157千円及び7,613,522千円であります。
なお、当社グループは本社設備の一部を転貸しております。前連結会計年度及び当連結会計年度におけるその転貸による収入は、それぞれ52,928千円及び54,385千円であり、上記のその他のリース費用からは控除されております。
キャピタル・リース
当社グループは、キャピタル・リース契約により調達したデータ通信及びその他の設備を利用してインターネット接続サービス及びその他のインターネット関連サービスを行っております。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、当社グループは、外部機器ベンダーより購入したATM機器及びデータ通信機器をそれぞれ3,635,690千円及び3,197,334千円でリース会社に売却し、同時にリースバックするキャピタル・リース契約を締結しました。前連結会計年度及び当連結会計年度において締結された当該キャピタル・リース契約に関するリース料総支払額は、それぞれ平成34年3月末までに3,554,784千円及び平成35年3月末までに3,118,075千円でした。
キャピタル・リース契約の行使により調達した資産の公正価値及び減価償却累計額は、前連結会計年度末現在ではそれぞれ32,854,630千円及び19,735,367千円であり、当連結会計年度末現在ではそれぞれ35,821,498千円及び21,251,673千円であります。
賃借人の将来最小支払リース料
当連結会計年度末現在、前述の回線調達に関わる解約不能リース契約を含む解約不能オペレーティング・リース及びキャピタル・リースに基づき将来支払われるリース料は、下記のとおりであります。
回線に関わる
オペレーティング・
リース
その他の
オペレーティング・
リース
キャピタル・リース
金額(千円)金額(千円)金額(千円)
平成30年度585,8183,466,8495,884,743
平成31年度240,2421,328,0204,887,319
平成32年度22,510361,1003,743,032
平成33年度195,8122,035,721
平成34年度169,144504,935
平成35年度以降120,642
将来最小支払リース料合計848,5705,641,56717,055,750
控除:利息相当額△479,149
キャピタル・リースの将来最小支払
リース料純額の現在価値
16,576,601
控除:短期リース債務△5,655,875
長期リース債務10,920,726

セールスタイプ・リース
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在のセールスタイプ・リースへの純投資額の内訳は、下記のとおりであります。
前連結会計年度末
(平成29年3月31日現在)
当連結会計年度末
(平成30年3月31日現在)
金額(千円)金額(千円)
平成30年度818,208
平成31年度552,597
平成32年度503,456
平成33年度468,715
平成34年度45,767
将来最小受取リース料総額 (注)2,939,2522,388,743
リース資産の見積残存価額(無保証)
控除:未獲得利益額△66,934△46,152
セールスタイプ・リースへの純投資額2,872,3182,342,591
控除:セールスタイプ・リースへの純投資額(短期)△824,636△797,298
セールスタイプ・リースへの純投資額(長期)2,047,6821,545,293

(注)前連結会計年度及び当連結会計年度末現在の将来最小受取リース料総額からは、利益込みの見積将来費用がそれぞれ645,166千円及び1,515,645千円控除されております。
10.資産除去債務
資産除去債務は、主としてリース期間満了時に当社グループがリース契約に基づき原状回復義務を負う賃借事務所及びデータセンターに係るものであります。
前連結会計年度及び当連結会計年度における資産除去債務の変動額の内訳は、下記のとおりであります。
前連結会計年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
金額(千円)金額(千円)
期首残高595,183639,494
新規発生額31,98049,609
期中決済額△7,608
増加費用12,33112,714
期末残高639,494694,209

11.借入金
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在の短期借入金は、銀行当座借越で構成されております。短期借入金は固定金利で、前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在、当該短期借入金に係る加重平均利率は、それぞれ0.400%及び0.411%でした。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在の長期借入金の内訳は、下記のとおりであります。
前連結会計年度末
(平成29年3月31日現在)
当連結会計年度末
(平成30年3月31日現在)
金額(千円)金額(千円)
長期分割払借入金
最終返済期限は平成36年。金利は固定金利で支払われ、前連結会計年度及び当連結会計年度末現在における加重平均利率は、それぞれ0.438%及び0.488%。
8,500,00015,500,000
合計8,500,00015,500,000
控除:1年以内返済予定長期借入金
長期借入金ー1年以内返済予定分控除後8,500,00015,500,000

翌連結会計年度以降の長期借入金の返済予定は、下記のとおりであります。
金額(千円)
平成31年度1,500,000
平成32年度1,830,000
平成33年度5,170,000
平成34年度1,500,000
平成35年度2,000,000
平成36年度3,500,000
合計15,500,000

大部分の短期借入は、銀行取引約定に基づいて行われております。わが国における慣例に従った銀行取引約定によれば、債権保全を必要とする相当の事由が生じた場合、銀行は借手に対して借入金の担保(または追加担保)の差入れあるいは保証人を要求することができます。また、銀行はそれらの担保を、その差入理由の如何を問わず、借手の全ての債務に対して差入れられた担保として扱うことができます。また、借入契約の内には、借手が債務を履行しなかった場合、差し入れられている借手の資産を取立又は処分できる権限を銀行に認めているものもあります。
当社は、当連結会計年度末現在、借入金残高に対して銀行へ担保提供を行っておりません。
当社グループは、邦銀数行との間に当座借越契約を締結しており、その未使用残高は、当連結会計年度末現在において、10,450,000千円でありました。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在のその他固定負債に含まれる長期未払金は、それぞれ1,468,183千円及び896,810千円であり、これらはソフトウェアライセンスの購入に係るものでライセンスの使用状況に応じて支払われます。当長期未払金残高は、年率0.5%の固定金利で、平成31年12月31日までに全額完済されます。
12.法人税等
法人税等は、わが国における法人税、住民税及び事業税からなっており、これらの税金の法定税率を基礎として計算した実効税率は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、31.7%であります。
前連結会計年度及び当連結会計年度の法人税等及び持分法による投資損益調整前当期純利益及び法人税等は、下記のとおりであります。
前連結会計年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
金額(千円)金額(千円)
法人税等及び持分法による投資損益調整前
当期純利益:
国内5,503,7507,732,535
海外△76,590107,588
合計5,427,1607,840,123
当期税金:
国内2,307,5232,986,077
海外11,70022,695
合計2,319,2233,008,772
法人税等調整額:
国内△95,638△301,900
海外1,295△11,033
合計△94,343△312,933

当社及び一部の国内子会社は、平成21年3月31日に終了した連結会計年度より、連結納税制度を採用しております。
平成28年3月31日に、日本の法人税法を改めて改正する法律が成立しました。この結果、法人税等の実効税率は、平成28年4月1日以降に開始する連結会計年度において31.7%へと、平成29年4月1日以降に開始する連結会計年度において31.1%へと、平成30年4月1日以降に開始する連結会計年度において30.9%へと、それぞれ引き下げられることになりました。平成28年6月15日に、日本の地方税法を改正する法律が成立しました。この結果、法人税等の実効税率は、平成29年4月1日以降に開始する連結会計年度において31.7%へ引き上げられ、平成30年4月1日以降に開始する連結会計年度において31.5%へと引き下げられることになりました。これらの繰延税金資産及び負債残高に係る法人税等の実効税率の変更により、法人税等は前連結会計年度において、7,954千円増加いたしました。
また、平成29年12月22日に、米国において税制改革法が成立したことにより、平成30年1月1日以降に開始する連結会計年度において当社の米国連結子会社に適用される連邦法人税率は35%から21%に引き下げられました。この繰延税金資産および負債残高に係る法人税等の税率変更により、法人税等は当連結会計年度において、26,485千円減少いたしました。
一時差異及び繰越欠損金による、前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在の繰延税金残高への主な影響は、下記のとおりであります。
前連結会計年度末
(平成29年3月31日現在)
当連結会計年度末
(平成30年3月31日現在)
繰延税金資産繰延税金負債繰延税金資産繰延税金負債
金額(千円)金額(千円)金額(千円)金額(千円)
売却可能有価証券に係る未実現利益1,222,2832,370,327
キャピタル・リース158,928181,494
未払費用877,107902,787
未払退職年金費用1,107,8851,168,895
貸倒引当金68,53069,004
減価償却費299,956458,099
その他投資に係る純損失172,942162,991
繰越欠損金636,012459,402
未達取引(注)98,30860,451
電話加入権の減損損失68,40568,632
未払事業税139,050189,460
資産除去債務201,441218,675
繰延収益363,765302,654
顧客関係957,202841,351
のれんの損金算入805,738760,281
商標権4,725
持分法適用関連会社に対する投資324,528420,121
ファンドに対する投資89,73295,336
資産除去債務費用148,261149,833
その他336,42993,374400,543147,477
小計4,520,1823,654,4194,677,9724,749,841
評価性引当金△559,567△433,110
合計3,960,6153,654,4194,244,8624,749,841

(注)決算日が異なることより、異なる会計期間に認識された当社と当社の海外連結子会社との取引に係るものであります。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在における繰延税金資産の評価性引当金は、主として繰越欠損金に関連して実現が不確実と考えられる金額に対して設定されており、前連結会計年度及び当連結会計年度における繰延税金資産の評価性引当金の変動(純額)は、それぞれ68,126千円及び126,457千円の減少でした。
永久的に再投資すると考えている海外子会社の未分配利益は、当連結会計年度末現在839,047千円でした。未配分利益に係る未認識の繰延税金負債を算定するのは、実務的に困難であります。
当連結会計年度末現在、連結納税の適用を受けない当社の子会社の一部は、米国において706,943千円及びその他の国々において1,180,169千円の税務上の繰越欠損金を有しております。これらの繰越欠損金は将来の課税所得と相殺することができます。米国における繰越欠損金は平成33年12月31日終了年度から平成49年12月31日終了年度の間に失効します。その他の国々における税務上の繰越欠損金は失効期限のない251,000千円を除き、平成30年度12月31日終了年度から平成34年12月31日終了年度に失効します。
前連結会計年度及び当連結会計年度における、法人所得税計上額と実効税率を用いて算出された法人所得税額との調整は、下記のとおりであります。
前連結会計年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
金額(千円)金額(千円)
わが国の法定実効税率を用いて算出された税額1,720,4102,485,319
以下に係る税額の増減:
税務上損金に算入されない費用88,63398,905
住民税均等割46,82238,161
評価性引当金の変動△68,126△21,173
持分法適用関連会社に対する投資に係る税効果34,54940,218
法人事業税のうち、所得以外の課税標準によるもの268,545257,203
税率変更7,954△26,485
税額控除5,000△164,525
その他(純額)121,093△11,784
法人所得税計上額2,224,8802,695,839

前連結会計年度及び当連結会計年度において、未認識税務ベネフィットの計上はありませんでした。当社グループは、未認識税務ベネフィットが今後12ヶ月以内に大幅に変化しないものと合理的に見積もっております。
当社グループは、日本において平成29年3月31日に終了した連結会計年度以降、米国において平成18年12月31日に終了した会計年度以降について、税務当局に調査されうる状況にあります。
前連結会計年度における税額控除は前々連結会計年度の税額控除125,234千円の修正を含みます。
13.退職給付制度
当社及び一部の子会社は、退職一時金制度、従業員非拠出型の確定給付型年金制度及び確定拠出型年金制度を有しており、これらの制度は役員を除くほぼ全ての従業員を対象にしています。従業員非拠出型の確定給付型年金制度は、確定給付企業年金法に基づき運営されています。
期間純年金費用及び未払年金費用に係る以下の情報には、退職一時金制度も含まれております。当該退職一時金及び確定給付型年金制度の下、当社及び㈱IIJグローバルソリューションズの全従業員は、20年以上勤務後の退職に当たり、退職時の給与水準、勤続年数及びその他一定の要素に基づいた額の60歳から10年間にわたる年金(又は退職一時金)の受給資格を有します。これらの条件を満たさない当社及び㈱IIJグローバルソリューションズの従業員は、退職一時金の受給資格を有します。
前連結会計年度及び当連結会計年度における期間純年金費用の内訳は、下記のとおりであります。
項目前連結会計年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
金額(千円)金額(千円)
勤務費用737,290769,172
利息費用43,98859,946
年金資産の期待運用収益△92,623△105,419
移行時債務の償却
数理計算上の差異の償却24,5845,489
期間純年金費用713,239729,188

前連結会計年度及び当連結会計年度のその他の包括利益として認識された年金資産及び年金債務の変動額の内訳は、下記のとおりであります。
項目前連結会計年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
金額(千円)金額(千円)
数理計算上の差異の当期発生額△276,702△44,710
期間純年金費用に含まれる移行時債務の償却費用
数理計算上の差異の償却△24,584△5,489
その他の包括利益における認識額△301,286△50,199
期間純年金費用及びその他の包括利益における認識額合計411,953678,989


前連結会計年度及び当連結会計年度の退職給付債務と年金資産の変動の内訳、ならびに、前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在の連結貸借対照表におけるそれらの正味認識額は、下記のとおりであります。
項目前連結会計年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
金額(千円)金額(千円)
退職給付債務の変動:
期首退職給付債務6,388,1106,777,223
勤務費用737,290769,172
利息費用43,98859,946
数理計算上の利得△263,016△14,234
退職給付支払額△129,149△146,715
期末退職給付債務6,777,2237,445,392
年金資産の変動:
期首年金資産公正価値3,193,8993,635,159
年金資産の実際収益106,310135,893
会社拠出額404,795432,459
退職給付支払額△69,845△74,744
期末年金資産公正価値3,635,1594,128,767
事業年度末時点の年金制度の財政状況△3,142,064△3,316,625

前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在における連結貸借対照表上の退職給付債務の正味認識額の内訳は、下記のとおりであります。
項目前連結会計年度末
(平成29年3月31日現在)
当連結会計年度末
(平成30年3月31日現在)
金額(千円)金額(千円)
未払退職年金費用△3,142,064△3,316,625
正味認識額△3,142,064△3,316,625

前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在における当社グループの確定給付型年金制度による累積給付債務額は、それぞれ4,411,815千円及び4,979,785千円でした。
予測給付債務が年金資産を上回る予測給付債務及び年金資産の公正価値の総額は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在、それぞれ、6,777,223千円及び3,635,159千円、7,445,392千円及び4,128,767千円でした。
非積立型の累積給付債務の総額は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在において、それぞれ116,408千円及び131,049千円でした。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在の退職給付債務のその他包括利益累計額における認識額の内訳は、下記のとおりであります。
項目前連結会計年度末
(平成29年3月31日現在)
当連結会計年度末
(平成30年3月31日現在)
金額(千円)金額(千円)
数理計算上の差異658,139607,939
合計658,139607,939

平成31年3月31日に終了する連結会計年度において、その他の包括利益累計額から純年金費用に組み替えられる確定給付型年金に関する数理計算上の差異の見積額は2,460千円でした。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在の数理計算上の加重平均想定率は、下記のとおりであります。
退職給付債務期間純年金費用
前連結会計年度末
(平成29年3月31日現在)
当連結会計年度末
(平成30年3月31日現在)
前連結会計年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
割引率(%)0.90.80.70.9
年金資産の長期期待収益率(%)2.92.9
昇給率(%)3.13.03.13.1

当社グループは、毎年3月31日に、退職給付を支払うと見積もられる時期を反映した高格付の固定利付債券の利回りに基づいて、割引率の仮定を行っております。
長期期待収益率を決定するベースは、年金基金運用会社からの、実績収益と期待収益の仮定の組み合わせによっております。
予想将来勤務を反映した退職給付支払額は、下記のとおりであります。
返済年度金額(千円)
平成31年度126,065
平成32年度144,733
平成33年度194,204
平成34年度270,389
平成35年度274,262
平成36年度から平成40年度1,839,614
合計2,849,267

当社は、平成31年3月31日に終了する連結会計年度において、432,460千円を確定給付型年金制度に拠出することを予想しております。
当社グループの確定拠出型年金制度は、平成21年4月1日に制定され、ほぼ全ての従業員を対象としております。当社は毎月従業員の基本給の1.6%を拠出しております。従業員による拠出は認められておりません。前連結会計年度及び当連結会計年度の拠出額は、それぞれ146,975千円及び154,681千円でした。
非拠出型制度に関する当社グループの積立方針は、現行の税法において税務上損金算入できる範囲内で拠出することであります。生命保険会社合同投資ポートフォリオを含む年金資産は、日本国債、その他の債券及び市場性のある株式から構成されております。生命保険会社合同投資ポートフォリオは、生命保険会社により運用、管理され、最低保証利回りが設定されております。
当社グループの年金資産に対する投資戦略は、年金資格者に退職年金を支払うことができるよう資産を運用することであります。これは、年金支給に必要な流動性を考慮しつつ、長期運用収益率を極大化するため、多様な市場リスクへのエクスポージャーを認識・管理する保険会社によって決定された運用ポートフォリオに基づいて様々な資産に分散投資することにより実現されるものであります。
当社グループの年金制度において、デリバティブ取引はヘッジ目的に限定されております。信用取引及び不動産投資は、原則として禁止しております。
当社グループは生命保険会社と投資ガイドラインを定めることで投資の信用リスクを軽減しております。これらのガイドラインは、コンプライアンスを目的として、当社グループにより定期的にモニタリングされております。
生命保険会社により運用される年金資産の投資配分は、年金資産の資産種別の長期運用収益率を考慮して決定されます。収益変動の影響を緩和し、リスクを最小限に抑えるために、生命保険会社合同投資ポートフォリオを除く年金資産は、負債証券(63.0%)、持分証券(35.0%)及びその他の金融商品(2.0%)に分散投資する予定であります。平成31年3月31日に終了する連結会計年度においては、拠出額の50%ずつを生命保険会社合同投資ポートフォリオとそれ以外の投資に配分する予定であります。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における年金資産の階層別の公正価値は、下記のとおりであります。
・レベル1:活発な市場における、同一の資産又は負債の市場価格。
・レベル2:活発な市場における類似の資産又は負債の市場価格。あるいは、活発でない市場における同一あるいは類似の資産又は負債の市場価格、市場価格以外の観察可能なインプットあるいは相関関係又はその他の方法により観察可能な市場データから主として得られた又は裏付けされたインプット。
・レベル3:1つあるいは複数の重要なインプットやバリュードライバーが観察不能で、市場参加者が価格決定で使用する仮定に関して、報告企業自身の仮定を反映させる評価技法から得られるインプット。
<前連結会計年度末(平成29年3月31日現在)における年金資産の公正価値測定の基礎>
レベル1レベル2レベル3合計
金額(千円)金額(千円)金額(千円)金額(千円)
持分証券:
日本株式528,083528,083
米国株式159,618159,618
その他の株式 - 先進国91,08791,087
株式合計778,788778,788
負債証券:
日本国債及び地方債632,216632,216
日本社債 - 投資適格290,360290,360
米国債127,659127,659
その他の国債 - 先進国173,598173,598
不動産担保証券26,74926,749
負債証券合計1,250,5821,250,582
その他(注)1,464,8741,464,874
現金140,915140,915
資産の公正価値合計919,7032,715,4563,635,159

(注)その他は生命保険会社合同投資ポートフォリオであります。
<当連結会計年度末(平成30年3月31日現在)における年金資産の公正価値測定の基礎>
レベル1レベル2レベル3合計
金額(千円)金額(千円)金額(千円)金額(千円)
持分証券:
日本株式606,612606,612
米国株式185,164185,164
その他の株式 - 先進国102,448102,448
株式合計894,224894,224
負債証券:
日本国債及び地方債786,055786,055
日本社債 - 投資適格287,216287,216
米国債150,444150,444
その他の国債 - 先進国208,011208,011
不動産担保証券34,19234,192
負債証券合計1,465,9181,465,918
その他(注)1,678,2361,678,236
現金90,38990,389
資産の公正価値合計984,6133,144,1544,128,767

(注)その他は生命保険会社合同投資ポートフォリオであります。
レベル1に分類された年金資産は主として持分証券です。持分証券は十分な出来高と取引頻度がある活発な市場における市場価格(無調整)により評価しております。
レベル2に分類された年金資産は主として国債、社債、生命保険会社合同投資ポートフォリオであり、信頼できる管理者から入手した市場価格で評価しております。債券は、持分証券の取引市場ほどは活発ではない市場において取引されますが、その公正価値はディーラーが当該債券の購入にあたり提示する価格に基づいております。
当社及び子会社の1社は、複数事業主が設定した拠出型年金制度(以下、「当該複数事業主制度」といいます。)である全国情報サービス産業厚生年金基金に加入しており、ほぼ全従業員がその対象となっております。
わが国の厚生年金保険法で定められているように、当該複数事業主制度は、国の年金の代行部分及び拠出型確定給付型年金制度の複数事業主の部分により構成されております。代行部分に係る給付額は、厚生年金保険法の標準報酬及び加入期間に基づいて決定されます。複数事業主の部分に係る給付額は、従業員の勤続年数に基づいて決定されます。しかし、事業主(当社を含む)によって拠出された資産が、別勘定に分けられたり、同事業主の従業員のみの給付に制限されるわけではありません。当該複数事業主制度に係る純年金費用は、拠出金の支払期日に認識されます。
複数事業主制度に基づいて、前連結会計年度及び当連結会計年度に支払期日が到来して支払われた拠出額は、代行部分も含めて、それぞれ117,300千円及び124,442千円であります。当社グループの拠出額は、前連結会計年度及び当連結会計年度における当該制度への総拠出額の5%未満です。
この制度は、積立状態の改善を求められておらず、平成29年3月31日に終了した連結会計年度末現在において80%以上の積立がなされています。年金資産の総額は、当連結会計年度末現在において、238,628,525千円となっております。当該制度に関して、当連結会計年度に係るその他の追加的な情報を得るのは困難であります。
退任する取締役及び監査役に対する退職給付額については、株主の承認が必要とされます。
当社は、退任する常勤取締役に対する退職慰労金制度を平成23年6月に廃止しました。当該制度の廃止までの期間を対象とする取締役退職慰労引当金は、255,330千円であり、各取締役の退任日まで留保されます。当社の子会社も常勤取締役に対する退職慰労金制度を制定しております。当社グループは、前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在において、すべての常勤取締役が退職した場合に必要とされる取締役退職慰労引当金をそれぞれ382,881千円及び399,989千円計上しております。
当社は、退任する常勤監査役に対する退職慰労金制度を平成28年6月に廃止しました。当該制度の廃止までの期間を対象とする監査役退職慰労引当金は、8,020千円であり、各監査役の退任日まで留保されます。当社グループは、前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在において、すべての常勤監査役が退職した場合に必要とされる監査役退職慰労引当金をそれぞれ8,020千円計上しております。
14.資本
当社は会社法に従っております。財務的な事項に関して、会社法により生じる重要な影響は、下記のとおりであります。
(a) 配当
会社法では、企業は、株主総会の決議に基づく年度末の配当に加え、期中に何時でも配当を行うことが可能です。特定の要件(①取締役会設置会社であること、②会計監査人を設置していること、③監査役会を設置していること、④定款において取締役の任期を通常の2年ではなく1年と定めていること)を満たしている企業は、定款において定めていれば、取締役会の決議により配当を実施(現物配当を除く)することができます。しかし、前記④の要件を満たしていないことから、当社は期中における任意の配当を行っておりません。
会社法では、株主に対する現金以外の資産での配当を、一定の制限と条件に基づき認めております。中間配当も、定款において定められていれば、取締役会決議に基づき年1回行うことが可能であります。
会社法では、分配可能額あるいは自己株式の取得について、一定の制限を課しております。この制限は、株主への分配可能額として定義されますが、配当後の純資産額として最低300万円が維持される必要があります。
平成18年6月28日に開催された第14回定時株主総会において、当社の個別財務諸表における繰越損失の解消に充填するため、会社法に基づき当社の資本準備金21,980,395千円全額の減少及び当社の資本金2,539,222千円の無償減資を行うことについて、当社の株主により決議されました。なお、効力発生日は、平成18年8月4日でした。
(b) 資本金、準備金及び剰余金の変動
会社法では、配当原資となる資本勘定によりますが、配当総額の10%に相当する金額について、利益準備金(利益剰余金の構成要素)あるいは資本準備金(資本剰余金の構成要素)として、利益準備金及び資本準備金の合計額が資本金の25%に達するまで積み立てることを要求しております。
会社法では、資本準備金と利益準備金の合計額は、制限等を受けず、取り崩すことが認められております。
会社法では、株主の承認により、特定の条件のもとで、資本金、利益準備金、資本準備金、その他の資本剰余金及び利益剰余金について、各科目間の金額を変動させることを認めております。
(c) 自己株式及び自己新株予約権
会社法では、取締役会決議により企業が自己株式を取得することや自己株式を処分することができますが、取得可能な自己株式の額は、所与の計算式により算出される株主への分配可能額を超えてはいけないこととされております。
また、会社法では、企業が自己新株予約権及び自己株式の両方の取得を認めております。
会社法において配当可能な利益剰余金の額は、日本において一般に公正妥当と認められている会計原則により作成された当社の会計帳簿に記録された利益剰余金の額に基づくものとなります。当社の会計帳簿に含まれていないが米国会計基準で財務報告を行うことを目的とした当社の連結財務諸表に含まれている修正は、会社法に基づき配当を行う際の剰余金額の確定に影響を与えておりません。平成30年3月31日現在の配当可能な利益剰余金の額は、27,090,361千円でした。
利益剰余金に含まれる持分法適用会社の未分配利益の当社持分の額は、平成30年3月31日現在で1,075,129千円でした。
平成28年3月31日を基準日とする1株当たり期末配当金11円(期末配当金総額は505,480千円)の支払いについて、平成28年6月24日に開催された定時株主総会にて株主の承認を受けました。
平成28年9月30日を基準日とする1株当たり中間配当金13.50円(中間配当金総額は620,361千円)の支払いについて、平成28年11月4日付けの当社取締役会の決議により決定いたしました。
平成29年3月31日を基準日とする1株当たり期末配当金13.50円(期末配当金総額は608,317千円)の支払いについて、平成29年6月28日に開催された定時株主総会にて株主の承認を受けました。
平成29年9月30日を基準日とする1株当たり中間配当金13.50円(中間配当金総額は608,349千円)の支払いについて、平成29年11月7日付けの当社取締役会の決議により決定いたしました。
ストックオプション制度
平成23年5月26日に開催された当社取締役会にて、当社の執行役員に対して、株式報酬型ストックオプションを導入することが決議されました。平成23年6月28日に開催された当社定時株主総会にて、当社の取締役に対して、株式報酬型ストックオプションを導入することが決議されました。当該株式報酬型ストックオプションは、権利付与者が1株当たり行使価格1円で新株予約権を行使することにより当社普通株式を取得する権利が与えられるものであり、当社の取締役及び執行役員に対して、退職金の代替として、中長期的な業績と企業価値向上への貢献意欲や士気を従来以上に高めることを目的に割当されました。
当該新株予約権は、付与日より1年間の勤務を経て権利確定となり、同日から29年以内に行使可能であります。その期間内において、新株予約権者が当社の取締役及び執行役員のいずれの地位をも喪失した日の翌日から起算して10日以内に限り、新株予約権を行使することができます。
平成28年7月11日に、当社は、前年に発行されたものと同種の新株予約権162個を取締役及び執行役員に付与しました。付与日における当該新株予約権1個当たりの公正価値は360,000円でした。
平成29年7月14日に、当社は、前年に発行されたものと同種の新株予約権169個を取締役及び執行役員に付与しました。付与日における当該新株予約権1個当たりの公正価値は337,200円でした。
前連結会計年度及び当連結会計年度の報酬費用を認識するために使用された当該公正価値は、それぞれ次の前提に基づき、ブラック・ショールズ・オプション評価モデルにより算定されました。
前連結会計年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前提:
無リスクの利子率△0.147%0.327%
予想残存期間15年15年
予想株価変動性52.202%50.582%
予想配当率1.045%1.316%

下記の表は、前連結会計年度及び当連結会計年度の当該新株予約権制度に係る取引の要約であります。
オプションの
個数
オプションの
目的となる
株式の総数
1株当たりの
行使価格
残存期間本源的価値
合計
(個)(株)(円)(年)(千円)
オプション未行使残高、平成28年3月31日現在557111,4001
付与16232,4001
行使
失効
オプション未行使残高、平成29年3月31日現在719143,8001
付与16933,8001
行使△12△2,4001
失効
オプション未行使残高、平成30年3月31日現在876175,2001
行使可能なオプション、平成30年3月31日現在707141,400125.80304,898
平成30年7月15日以降に行使可能となるオプション16933,800129.3172,882

当該新株予約権に係る報酬費用は、権利確定に必要な勤務期間に渡って均等に認識されております。当社グループは、前連結会計年度及び当連結会計年度の当該新株予約権に係る報酬費用として、それぞれ57,678千円及び57,321千円を認識しております。未認識の報酬費用は14,247千円であり、この費用は今後3ヶ月間にわたり認識される見込みであります。
15.その他の包括利益(損失)
その他の包括利益(△損失)の各構成要素へ配賦された税効果及び再分類修正は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ次のとおりであります。
項目税効果考慮前税効果税効果考慮後
金額(千円)金額(千円)金額(千円)
前連結会計年度
(自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日)
外貨換算調整額△188,0366,926△181,110
未実現有価証券保有損益:
当年度発生額1,840,782△579,8461,260,936
控除:当期純利益への組替額27,846△8,82719,019
その他140140
未実現保有純損益1,868,628△588,5331,280,095
確定給付型年金制度:
当年度発生額276,702△87,161189,541
控除:当期純利益への組替額24,584△10,07914,505
確定給付型年金制度-純額301,286△97,240204,046
その他の包括利益(△損失)1,981,878△678,8471,303,031
当連結会計年度
(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)
外貨換算調整額2,081△2,985△904
未実現有価証券保有損益:
当年度発生額4,714,731△1,485,1403,229,591
控除:当期純利益への組替額△1,068,303380,922△687,381
未実現保有純損益3,646,428△1,104,2182,542,210
確定給付型年金制度:
当年度発生額44,710△14,08330,627
控除:当期純利益への組替額5,489△2,2503,239
確定給付型年金制度-純額50,199△16,33333,866
その他の包括利益(△損失)3,698,708△1,123,5362,575,172


前連結会計年度及び当連結会計年度におけるその他の包括利益(△損失)累計額の変動の内訳は、それぞれ下記のとおりであります。
項目未実現有価
証券保有損益
確定給付型
年金制度
外貨換算
調整額
合計
金額(千円)金額(千円)金額(千円)金額(千円)
平成28年3月31日現在1,268,994△623,621551,2961,196,669
組替前のその他の包括利益(△損失)1,261,076189,541△181,1101,269,507
その他の包括利益累計額からの組替額19,01914,50533,524
その他の包括利益(△損失)1,280,095204,046△181,1101,303,031
平成29年3月31日現在2,549,089△419,575370,1862,499,700

項目未実現有価
証券保有損益
確定給付型
年金制度
外貨換算
調整額
合計
金額(千円)金額(千円)金額(千円)金額(千円)
平成29年3月31日現在2,549,089△419,575370,1862,499,700
組替前のその他の包括利益(△損失)3,229,59130,627△9043,259,314
その他の包括利益累計額からの組替額△687,3813,239△684,142
その他の包括利益(△損失)2,542,21033,866△9042,575,172
平成30年3月31日現在5,091,299△385,709369,2825,074,872

前連結会計年度及び当連結会計年度におけるその他の包括利益(△損失)累計額から連結損益計算書への組替額及び表示箇所は、それぞれ下記のとおりであります。
前連結会計年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
連結損益計算書
の表示箇所
金額(千円)金額(千円)
その他の包括利益(△損失)累計額の構成要素その他の包括利益(△損失)
累計額からの組替額
その他の包括利益(△損失)
累計額からの組替額
未実現有価証券保有損益
2,7081,068,303その他投資の売却にかかる損益-純額
△30,554その他投資に係る減損損失
8,827△380,922法人税等
△19,019687,381当期純利益
確定給付型年金制度
△24,584△5,489期間純年金費用(注13)
10,0792,250法人税等
△14,505△3,239当期純利益
組替額合計△33,524726,568


16.基本的及び希薄化後1株当たり当期純利益
前連結会計年度及び当連結会計年度における、基本的及び希薄化後1株当たり当社株主に帰属する当期純利益の調整計算は、下記のとおりであります。
項目前連結会計年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
分子:
当社株主に帰属する当期純利益(千円)3,166,5105,108,949
分母:
普通株式の期中平均株式数―基本的(株)45,652,98145,062,878
ストックオプションによる希薄化効果(株)119,489152,808
普通株式の期中平均株式数―希薄化後(株)45,772,47045,215,686
基本的普通株式1株当たり当社株主に帰属する当期純利益(円)69.36113.37
希薄化後普通株式1株当たり当社株主に帰属する当期純利益(円)69.18112.99

17.約定債務及び偶発債務
当社グループは通常の商取引の中で起こる訴訟・苦情等を受ける立場にあります。当社グループは、継続ベースで評価を行い、貸借対照表における見積り計上額を考慮しております。当社グループは、見積り計上額を超えて発生しうる損失は存在せず、そのような訴訟・苦情等から不利な結果が生じたとしても財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼさないと考えております。
平成22年9月1日に、㈱IIJグローバルソリューションズは、同社の最大のセールスパートナーである日本アイ・ビー・エム㈱とソリューション提供契約を締結しました。当該契約は、㈱IIJグローバルソリューションズと日本アイ・ビー・エム㈱の購買関係の基礎を確立するものであり、㈱IIJグローバルソリューションズが、従前はAT&Tジャパンにより履行されていたものと同様のサービス、機能、責務等を履行することに対する損害賠償を含んでおります。当該契約は、毎年自動更新されます。㈱IIJグローバルソリューションズは平成30年3月31日現在、損害賠償の義務は負っておりません。
当社は、資産運用の一環として、平成18年5月、平成19年1月、平成20年1月及び平成27年1月に、主として未上場株式等を投資対象とするファンドに対し、それぞれ5,000千米ドル(4ファンド合計で20,000千米ドル)の資金拠出を行う投資一任契約を投資顧問会社と締結しました。当社は、これらのファンドの資金拠出要請(キャピタル・コール)に応じ、平成39年1月31日までに資金を順次拠出する予定であり、当連結会計年度末現在にて、これら4ファンドへ16,357千米ドルの拠出を行っております。これらファンドに対する投資額は、当社グループの連結貸借対照表の「その他投資」に計上されております。
当社は、資産運用の一環として、平成25年4月に、企業再生ファンドに対し、100,000千円の資金拠出を行う投資一任契約を投資顧問会社と締結しました。当社は、当該ファンドの資金拠出要請(キャピタル・コール)に応じ、平成30年4月23日までに資金を順次拠出する予定であり、当連結会計年度末現在にて、当該ファンドへ92,816千円の拠出を行っております。当該ファンドに対する投資額は、当社グループの貸借対照表の「その他投資」に計上されております。
18.金融商品
公正価値
通常の事業の過程において、当社グループは金融資産への投資を行っております。これらの金融資産の公正価値を見積るに当たり、当社グループは市場価格が入手可能である場合には当該市場価格を利用しております。市場価格が入手可能でない場合には、当社グループは主に割引キャッシュ・フロー法を用いて公正価値を見積っております。営業債権及び営業債務など1年以内に回収・決済が行われる予定である一定の金融資産・負債については、期日までの期間が短期であることから、当社グループはその帳簿価額は公正価値に近似すると考えております。多数の小規模な非関係会社及び非上場会社に対する投資の公正価値の見積りは実務上困難で、その見積りを行うには多大なコストを要します。積立保険料は、解約返戻金の額で計上されております。長期借入金及び長期未払金については、元利金の合計額を新規に同様の取引を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定をしております。
金融商品の帳簿価額及び公正価値の要約は、次のとおりであります。
項目前連結会計年度末
(平成29年3月31日現在)
当連結会計年度末
(平成30年3月31日現在)
帳簿価額公正価値帳簿価額公正価値
金額(千円)金額(千円)金額(千円)金額(千円)
その他投資:
公正価値が見積り可能なもの5,780,3405,780,3409,288,2089,288,208
見積りが実務上困難なもの2,144,5742,086,234
期間1年超の積立保険料(その他資産)211,526211,526272,610272,610
長期借入金8,500,0008,485,31115,500,00015,437,103
長期未払金(その他固定負債)1,468,1831,466,952896,810895,770

現金及び現金同等物はレベル1の金融商品に分類され、短期借入金、長期借入金及び長期未払金はレベル2の金融商品に分類されます。
その他投資のうち、公正価値が見積り可能なものに分類されているのは、注記「4.その他投資」で開示されている売却可能有価証券-持分及び負債証券であります。
その他投資のうち、公正価値の見積りが実務上困難なものに分類されているものには、前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在において、それぞれ、1,123,620千円の非上場株式と1,020,954千円のファンド投資、1,013,806千円の非上場株式と1,072,428千円のファンド投資が含まれております。
19.公正価値による測定
ASC820「公正価値測定及び開示」は、公正価値は、主たる、もしくは最も有利となる市場の中で、測定日における市場参加者間の秩序ある取引において、資産の売却によって受け取る価格又は負債を移転するために支払う価格であると規定しております。ASC820は、公正価値を測定するにあたり使用するインプットの優先順位を決定する、次の3つのレベルの階層を規定しております。
・レベル1:活発な市場における、同一の資産又は負債の市場価格
・レベル2:活発な市場における類似の資産又は負債の市場価格。あるいは、活発でない市場における同一あるいは類似の資産又は負債の市場価格、市場価格以外の観察可能なインプットあるいは相関関係又はその他の方法により観察可能な市場データから主として得られた又は裏付けされたインプット
・レベル3:1つあるいは複数の重要なインプットやバリュードライバーが観察不能で、市場参加者が価格決定で使用する仮定に関して、報告企業自身の仮定を反映させる評価技法から得られるインプット
前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれレベル1とレベル2の間の移動はありませんでした。
公正価値により測定した資産-継続ベース
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在において、ASC820の公正価値の階層の規定に従って、継続して公正価値が測定される資産及び負債は、以下のとおりであります。
前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在)
レベル1レベル2レベル3合計
金額(千円)金額(千円)金額(千円)金額(千円)
資産:
売却可能有価証券-持分証券5,669,5105,669,510
売却可能有価証券-負債証券110,830110,830
合計5,669,510110,8305,780,340

当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在)
レベル1レベル2レベル3合計
金額(千円)金額(千円)金額(千円)金額(千円)
資産:
売却可能有価証券-持分証券9,176,0389,176,038
売却可能有価証券-負債証券112,170112,170
合計9,176,038112,1709,288,208

売却可能有価証券は、市場性のある持分証券及び負債証券から構成されております。市場性のある持分証券は、日本及び香港市場に上場しており、十分な出来高と取引頻度がある活発な市場における市場価格(無調整)により評価しております。市場性のある負債証券は、金融機関から提示された市場価格により評価しております。
公正価値により測定した資産-非継続ベース
前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在)
レベル1レベル2レベル3減損
金額(千円)金額(千円)金額(千円)金額(千円)
資産:
商標権15,00081,000
合計15,00081,000

当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在)
レベル1レベル2レベル3減損
金額(千円)金額(千円)金額(千円)金額(千円)
資産:
市場性のない持分証券17,616109,840
合計17,616109,840

㈱ハイホーに係る帳簿価額107,000千円の商標権について、前連結会計年度において81,000千円の評価損失を認識して公正価値15,000千円まで評価減を行っておりますが、当該損失は、前連結会計年度の連結損益計算書に含まれております。減損を認識した商標権の評価には、予測将来利益などの観察不能なインプットを用いていることから、レベル3に分類しております。
当連結会計年度において、連結貸借対照表上、その他投資に含まれている帳簿価額127,456千円の市場性のない持分証券について、一時的なものではないと考えられた価額の下落を反映し、109,840千円の減損損失を認識して、公正価値17,616千円まで評価減を行っておりますが、当該損失は当連結会計年度の連結損益計算書に含まれております。当社グループは、市場性のないレベル3の有価証券に係る減損の評価に観察不能なインプットを用いております。公正価値は、投資先の予測将来利益、純資産額、投資先が保有する資産や負債に関し重要と考えられる未実現損失を含む、さまざまな観察不能なインプットを考慮して決定されております。
レベル3の評価は、各投資の評価に使用される技法に基づき、当社グループの評価チーム(経理部門及び財務部門のマネージャー)により決定されます。当社グループは、必要に応じて、特定の資産の評価を実施するために第三者評価機関を利用します。評価技法及び評価の妥当性(第三者によるものを含む)に関する詳細なレビューは、CFOにより行われます。

当社グループのレベル3の非継続測定に係る重要な観察不能インプットの情報は、以下のとおりであります。
前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在)
公正価値評価技法観察不能なインプット範囲
商標権15,000千円ロイヤリティ免除法ディスカウント率6.8%
ロイヤリティ率0.1%

20.事業セグメント
下記に報告されている事業セグメントは、セグメント別の財務情報を利用できるようにするためのものです。セグメント別の利益あるいは損失、セグメント別の資産を決定するために使用された会計方針は、米国において一般に公正妥当と認められている会計原則に従った連結財務諸表の作成に使用された会計方針と一致しております。当社グループの最高意思決定者は、この財務情報を、経営資源配分の意思決定や業績評価のために使用しております。
ネットワークサービス及びSI事業セグメントは、ネットワークサービス売上高、システムインテグレーション売上高及び機器売上高からなっております。
ATM運営事業セグメントは、ATM運営事業売上高からなっております。
<事業セグメント別の営業収益>
前連結会計年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
金額(千円)金額(千円)
ネットワークサービス及びSI事業:
外部顧客に対するもの153,738,978172,019,965
セグメント間取引387,178350,155
合計154,126,156172,370,120
ATM運営事業:
外部顧客に対するもの4,050,0814,030,684
セグメント間取引
合計4,050,0814,030,684
セグメント間取引消去△387,178△350,155
連結合計157,789,059176,050,649

<事業セグメント別の利益>
前連結会計年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
金額(千円)金額(千円)
営業利益:
ネットワークサービス及びSI事業3,853,9605,430,148
ATM運営事業1,437,6011,510,176
セグメント間取引消去△157,254△178,122
連結合計5,134,3076,762,202


<事業セグメント別の資産残高>
前連結会計年度末
(平成29年3月31日現在)
当連結会計年度末
(平成30年3月31日現在)
金額(千円)金額(千円)
事業セグメント別の資産残高:
ネットワークサービス及びSI事業132,756,717150,229,527
ATM運営事業4,638,4325,219,292
セグメント間消去△2,000,000
連結合計137,395,149153,448,819

<事業セグメント別のその他の重要事項>
前連結会計年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
金額(千円)金額(千円)
事業セグメント別の減価償却費:
ネットワークサービス及びSI事業10,400,25511,900,494
ATM運営事業493,402464,379
連結合計10,893,65712,364,873

のれん及びその他無形固定資産の減損損失に係る情報については、注記「8.のれん及びその他無形固定資産」をご参照下さい。
セグメント間の取引は、市場に基づく取引価格によっております。また、営業利益は、営業収益から営業費用を差し引いた額であります。
当社グループのほぼ全ての収益は、日本において事業を営む顧客からのものであります。地域別情報については、海外事業に帰属する営業収益に重要性がないため、開示しておりません。
21.広告宣伝費
前連結会計年度及び当連結会計年度に生じた広告宣伝費は、主に雑誌、刊行物及び新聞の広告掲載費用からなり、その金額はそれぞれ953,632千円及び1,459,747千円でした。
22.関連当事者取引
当連結会計年度末現在、NTT及びその子会社は、あわせて当社の発行済株式総数の26.0%及び議決権の26.9%を所有しております。
当社グループは、NTT及びその子会社と、当社事業所で利用している有線通信サービスの購入、キャピタルリース取引など様々な形の取引を行っております。当社グループのインターネット接続サービス及びアウトソーシングサービスの提供に関し、当社グループは、国際バックボーン回線、国内バックボーン回線、アクセス回線、データセンター内のラックスペース及びモバイル通信回線等を、NTT及びその子会社より仕入れております。また逆に、当社グループは、NTT及びその子会社に対して、各種ネットワークサービス、システムインテグレーションサービス及びデータセンター監視サービス等を提供しております。
当社グループとNTT及びその子会社との前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在の勘定残高ならびに前連結会計年度及び当連結会計年度における主要な取引高は、それぞれ下記のとおりであります。
前連結会計年度当連結会計年度
(平成29年3月31日現在)(平成30年3月31日現在)
売掛金(千円)275,671287,812
その他流動資産(千円)889,0612,253,882
買掛金及び未払金(千円)3,970,7944,103,560
リース債務(千円)2,771,5323,088,795
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
営業収益(千円)3,440,2633,902,856
営業費用(千円)31,991,75036,729,517
支払利息(千円)48,23464,795

持分法適用関連会社との勘定残高及び取引高については、注記「6.持分法適用関連会社に対する投資」をご参照下さい。
23.後発事象
平成30年3月31日を基準日とする1株当たり期末配当金13.5円(配当金総額は608,349千円)の支払いについて、平成30年6月28日に開催された定時株主総会にて株主の承認を受けました。