有価証券報告書-第30期(2025/05/01-2026/04/30)

【提出】
2026/07/22 9:45
【資料】
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【項目】
166項目

有報資料

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは「企業活動を効率化し便利にする」を経営理念に掲げ、長く続いてきた古い商習慣により非効率となっていた中小企業間の取引に関し、新しい価値を創出し進化させたサービスを提供することで企業価値を向上させていくことを経営方針としております。
(2) 経営環境・経営戦略等
近年、人手不足や働き方の変化などを背景に、企業の業務効率化やDXへの対応が一般化し、当社グループの事業領域であるBtoB分野の市場環境は成長軌道にあります。当社グループが事業を展開するEC及びフィナンシャルの市場規模はともに大きい一方で、それぞれのDXの浸透率は未だ低い状況にありますが、緩やかながらも着実に高まっており、企業のDXを推進する動きは今後ますます活発化することが予想されます。こうした事業環境は、当社グループの提供するサービスにとって追い風になるものと想定しております。
このような事業環境のもと、当社グループは、これまでEC事業「スーパーデリバリー」、フィナンシャル事業「Paid」、「URIHO」の各サービスの事業規模拡大に努めてまいりました。これにより、現在、約60万社の中小零細企業の顧客基盤を保有しております。中小零細企業という他社にはない企業層の顧客を多数保有していることに加え、顧客理解力、技術活用力、及び事業者データ・与信データ・取引データ等の他社にはないデータ資産という3つの強みを有しております。
当社グループは、これらの顧客基盤と強みを最大限に活かしてグループ全体を成長させていくため、長期ビジョンとして「ラクーンBtoBネットワーク」構想を掲げております。本構想は、各サービスの顧客をグループ共通顧客と捉え直し、グループサービス利用実績に応じた信用(与信額)の付与や、グループサービスを使いたくなる仕掛けを提供することでクロスセルを誘発し、小さな新しい会社でもお互い安心・便利に取引できる環境を多角的に提供するものであります。「事業規模の拡大(既存サービスの成長・新規サービスの増加)」と「グループ顧客化・クロスセル誘発」を掛け合わせることで、将来の指数関数的な成長を目指してまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、高い限界利益率を背景に成長投資を積極的に行うことで、すべての事業の売上成長を加速させ、中長期的に売上・利益のいずれも拡大させていくことを目指しております。2026年6月11日に公表した中期経営計画(2027年4月期~2029年4月期)において、最終年度である2029年4月期に、売上高10,300百万円、営業利益2,000百万円、営業利益率19.4%、調整後EBITDA2,450百万円、調整後EBITDA利益率23.8%を目標としております。また、積極的な株主還元をおこない、中期経営計画最終年度のROEは25.0%を目標としております。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 全社的な課題
ラクーンBtoBネットワークの構想について
当社グループは、これまで企業間取引分野で事業を展開することで企業価値を向上させてまいりました。現在、EC事業で「スーパーデリバリー」、フィナンシャル事業で「Paid」、「URIHO」の3つのサービスを運営しており、各サービスの合計顧客数は約60万社となっております。中小零細企業という他社にはない企業層の顧客を多数保有しており、この獲得した顧客基盤を最大限に活かすことによりグループ全体を成長させていくことが課題であると認識しております。
この課題に対応するため、当社グループは長期ビジョンとして「ラクーンBtoBネットワーク」構想を掲げております。各サービスの顧客をグループ共通顧客と捉え直すことでグループサービス間の連携を強化し、グループサービスの利用実績に応じた信用(与信額)の付与や、貯まった与信額を活用したくなる仕掛けの提供等によりクロスセルを誘発することで、グループ顧客の顧客単価・LTVの最大化を図ってまいります。これにより、既存サービスの成長及び新規サービスの創出によって獲得したグループ顧客との取引を拡大させ、将来の指数関数的な成長の実現を目指してまいります。
② BtoBネットワーク構想早期実現に向けた土台作りと実行
上記の全社的な課題に対応し、ラクーンBtoBネットワーク構想の早期実現を図るため、当社グループは、その土台作りと実行として以下の取り組みを実施してまいります。
a.経営管理機能の強化
成長戦略を機動的かつ着実に実行していくためには、経営管理機能の高度化が課題であると認識しております。この課題に対応するため、ROI・KPI管理を踏まえた投資意思決定の徹底、データ分析力の強化、及び全社戦略の推進に向けた社内の会議体の見直し等を進めることで、限られた経営資源を成長領域へ的確に配分してまいります。あわせて、専門人材の育成・採用等の人的資本への投資により、経営管理を支える基盤の強化に取り組んでまいります。
b.開発リソースの増強
当社グループはBtoBのDXを推進するサービス提供を行っております。各サービスの成長にはシステム面での一層の利便性、効率性の向上が不可欠でありますが、現状、根幹となるシステムを構築する開発体制が追い付かない側面があり、事業成長のボトルネックとなっております。今後も事業規模の拡大を継続していくためには、システム開発体制の増強が課題であると認識しております。この課題に対応するため、システム開発体制への投資を行い、より多くの開発を迅速に遂行していくためのリソース確保に取り組んでまいります。
c.既存サービスの成長加速のための顧客基盤の強化
ラクーンBtoBネットワーク構想の土台となる顧客基盤を拡大していくためには、既存3サービスの成長を加速させることが課題であると認識しております。各事業において、営業・マーケティングの強化により新規顧客を獲得するとともに、サービスの利便性向上により利用範囲を拡大し、顧客単価の向上を図ってまいります。各事業の課題及び対応方針は以下のとおりであります。
(ⅰ)EC事業:スーパーデリバリー
「スーパーデリバリー」の中長期的な事業規模拡大には、購入客数の増加と購入客単価の向上を両輪で進め、流通額(GMV)を拡大していくことが課題であると認識しております。この課題に対応するため、注力カテゴリーの特定とターゲティングの精緻化をベースとした戦略的な広告投資により新規入会・リピート購入の双方を増やす他、AIを活用した取引先の斡旋・関連商品のリコメンド等によるリレーション構築を進めてまいります。また、海外流通額については、国別の戦略の策定・実行や注力国へのローカライズ、新地域への進出により拡大を図ります。あわせて、出展企業の「スーパーデリバリー」外の取引のDX化を支援することで、卸売インフラの実現を目指してまいります。
(ⅱ)フィナンシャル事業:Paid
「Paid」の事業規模拡大には、加盟企業(請求主体)の増加に加え、既存加盟企業の請求における「Paid」の利用比率を引き上げることが課題であると認識しております。この課題に対応するため、Webマーケティングによる認知・流入の創出や営業体制の増強によるアウトバウンドの強化により、大手企業を最重点ターゲットとして加盟企業のターゲット層を拡大してまいります。あわせて、カスタマーサクセス体制の強化や各種IT・CRMツールとの連携等のサービス機能の拡充により、既存加盟企業の利用範囲の拡大(ARPU・LTVの向上)を図ってまいります。
(ⅲ)フィナンシャル事業:URIHO
「URIHO」では、サブスクリプション型の売掛保証サービスを成長領域と位置づけており、事業規模拡大には契約社数の増加が必要であると認識しております。契約社数は順調に増加しておりますが、企業の規模・ステージに応じた課題や顧客ニーズに対応することが、今後さらに契約社数を増加させていくために必要であると認識しております。この課題に対応するため、戦略的な広告投資及び営業体制の増強により集客を行う他、企業の規模・ステージに応じて「まず使ってもらう」ことを優先した入門的なサービスを起点に、本体サービスへのプランアップを促すことで、顧客基盤の拡大と利用範囲の拡大を図ってまいります。
d.与信管理のコントロール
フィナンシャル事業の「Paid」及び「URIHO」は、当社グループが取引先の代金未払いリスク等の一定のリスクをとるビジネスモデルであるため、保証履行関連費用をはじめとする売上原価が利益に与える影響が大きくならないようにしていくことが課題であると認識しております。この課題に対応し安定的な利益成長を実現していくため、保証残高・取扱高を積み上げて積極的に事業規模を拡大する一方で、当社グループが蓄積してきた事業者データ・与信データ・取引データ等を活用した高度な審査により与信管理をコントロールし、リスクに見合った料率を設定するとともに再保証の活用によりリスク分散に努めてまいります。
e.M&Aを通じたインオーガニックな成長
ラクーンBtoBネットワーク構想の実現には、既存サービスの成長に加え、グループ顧客の多様なニーズに応える新規サービスを創出し、グループサービスを増やしていくことが課題であると認識しております。この課題に対応するため、既存事業からのサービス拡張に加え、M&Aや出資、アライアンスを活用したインオーガニックな成長に取り組んでまいります。具体的には、「市場性」と「ラクーンBtoBネットワークとの親和性」を基準としたターゲット領域の明確化と能動的なソーシング活動を進めるとともに、案件発掘からデューデリジェンス、PMIまで対応する組織・体制の構築、及び資本コストや資本効率性を加味した投資・撤退基準の整備を行い、グループの提供価値と顧客基盤の拡大を図ってまいります。

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