有価証券報告書-第21期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/27 9:35
【資料】
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【項目】
85項目

対処すべき課題

(以下、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。)
(1) 経営方針
当社グループは、「お客様への価値あるサービスの提供」という経営理念を掲げ、顧客企業に合わせた人事ソリューションを提供し、人事パートナーとしての信頼を得るべく事業活動を行っていくことを経営方針としております。具体的には、給与(賞与)計算のみならず、年末調整・住民税徴収額更新、勤怠・人事システム等のサービスを提供しております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、持続的な成長及び安定的な収益確保の実現を経営目標としており、売上高営業利益率の向上を目標指標として掲げております。そのために、顧客から人事パートナーとしての信頼を得るためにサービスの質の向上を図り、目標達成に努めております。
(3) 経営環境
今後のわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなかで、緩やかな回復に向かうことが期待されるものの、依然として、海外経済の不確実性の高まりや金融資本市場の変動の影響など、不透明な状況であります。それに伴い、企業は存続のために継続的な合理化努力を行いつつ、一方では、個人情報漏洩などの多岐に亘る企業リスクに対処しなければならないという非常に厳しい状況に晒されているといえます。
このような環境のもと、企業の講ずる合理化策、リスク回避策の一つがアウトソーシングであると思われます。アウトソーシングを活用することにより、管理間接部門のコスト削減が図れると同時に管理部門が本来行うべき業務への集中を図り合理化につなげること、また、情報漏洩リスクの一部を回避することができることから、今後もアウトソーシングのニーズはますます高まっていくものと考えております。
(4) 対処すべき課題等
① 業務のスピードアップ、成果物の量産
当社グループが行っているペイロール事業は、主に顧客企業の状況に合わせて給与計算を代行することにあります。個々の顧客企業に応じたシステムの構築を行い対応しておりますが、より効率を高め大量処理可能な業務フローを継続的に進化させていく必要があると考えております。
② 業務品質の向上及び情報管理体制の強化
当社グループが行っているペイロール事業では、業務成果物の正確性は、顧客企業が当社グループに業務を委託する際の前提条件と考えております。また、多くの企業は個人情報漏洩対策を重要な課題として認識していることから、当社グループでは顧客企業からの信頼確保のために、品質向上の仕組み・体制及び情報管理体制を引き続き強化してまいりたいと考えております。
③ 優秀な人材の確保及び育成
昨今の人材不足により、アウトソーシングを活用する企業が増えております。そのため業務を受け入れる側のアウトソーサーは、業務量の増加に対応できる優秀な人材を確保する必要があります。当社グループでは、国籍・年齢・性別を問わずに優秀な人材の確保・育成に努めるとともに、子会社への業務移管を更に進めることにより、業務量の増加に対応できる体制を整える必要があると考えております。
④ 災害等に関わるリスクの分散
今後、企業の災害等リスク回避の手段としてアウトソーシングのニーズが高まることが予想されます。当社グループでは企業のそのようなニーズに応えるため、事務センターを複数拠点設けるなど災害等に備えてリスクの分散を行っておりますが、今後も更なるリスク対策を強化していく必要があると考えております。
⑤ 営業体制の強化
今後、サービス需要の高まりに合わせて、競合他社の需要取り込みに向けた動きが一層激しさを増すとみられます。特に、数千人から1万人規模の大企業は多くの競合他社がメインターゲットに据えており、グループ会社を含めた業務集約化として導入提案を行う競合他社も増えていることから、受注獲得に向けて競争激化は避けられない状況にあります。そのような中、当社グループでは営業体制の強化や日本国外のマーケットの開拓に取り組んでいく必要があると考えております。