有価証券報告書-第17期(平成27年1月1日-平成27年12月31日)

【提出】
2016/03/29 15:33
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【項目】
110項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国の景気動向は、緩やかな回復を続けています。海外経済は、新興国に減速の影響
がみられるものの、先進国を中心に緩やかに成長しており、そうしたもとで、輸出は一部に鈍さを残しつつも、持
ち直しています。設備投資は、企業収益が明確な改善を続けるなかで、緩やかな増加基調にあり、個人消費も底堅
く推移しました。
一方、戸建住宅市場におきましては、年明け以降、持ち家を中心に持ち直しており、持ち家戸数は平成27年5
月以降、分譲戸建戸数は平成27年8月以降、前年比増加基調に転じています。
以上のような事業環境の下、当社としましては、引き続き被災地域の復興関連事業への注力と、中期的なグルー
プ企業の成長を視野に入れ、戸建住宅市場だけに頼らない顧客層の更なる拡大と、戸建住宅市場における最新技術
を含めた高付加価値サービスの提供に取り組みました。
この結果、当連結会計年度は、主には国内における住宅着工戸数の上昇が要因で、売上高9,461,788千円(前年
同期比 2.0%増)となりました。しかしながら、材料費・労務費・外注費の増加により、売上総利益は2,370,614
千円(前年同期比 1.5%減)となりました。
販売費及び一般管理費につきましては、国内における中期的な経営基盤強化を目的とした人員の増加を行ったこ
と等により2,348,336千円(前年同期比 4.8%増)と増加しました。その結果、営業利益は22,277千円(前年同期
比 86.5%減)、経常損失につきましては14,849千円(前年同期は経常利益187,361千円)となりました。
そして、瑕疵補修損失245,048千円を計上し、平成28年2月12日付公表いたしました海外事業の減損処理並びに
引当金に係る特別損失を68,025千円計上した結果、当期純損失は327,399千円(前年同期は当期純利益48,424千円)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
① 地盤改良事業
地盤改良事業におきましては、当社グループの技術力と顧客対応力を活用した高付加価値サービスの提供を
促進しました。同時に大型工事向け地盤改良工事に対応した技術力向上と体制整備により、収益体質の改善を図ってまいりました。
具体的には、長期的に柱状改良工法に並ぶ主力商品となることを企図し、環境配慮型工法であるエコジオ工
法等の高付加価値サービスの提供を促進しました。そして、戸建住宅だけに依存せず、店舗などの大型工事案
件獲得に注力しました。
地盤調査・測量事業におきましては、大型工事案件に注力し、ボーリング調査の受注件数増加と、独自開発
のボーリング調査機(地盤王ホリ・ススム)により、液状化対策ニーズの取り込みに注力しました。
この結果、地盤改良事業の売上高は、8,991,490千円(前年同期比2.0%増)となりました。
② 保証事業
保証事業は他社との競争激化の中、地盤総合保証「THE LAND」の販売数量が減少し、売上高は微減となりま
したが、住宅完成エスクローシステムの売上高は、前年同期とほぼ同水準となりました。
この結果、保証事業の売上高は 164,392千円(前年同期比5.6%減)となりました。
③ 地盤システム事業
住宅着工戸数は増加したものの、売上高は微減となりました。
この結果、地盤システム事業の売上高は 128,696千円(前年同期比5.6%減)となりました。
④ 海外事業
海外事業は平成25年2月14日公表の中期経営計画『GLOCAL 2015』(2013/12 期~2015/12 期)の実現に
向けて中長期的なテーマである海外における事業領域拡大のため、WPC(プレキャストコンクリートパネ
ル)建材の製造販売事業・GRC(ガラス繊維強化コンクリート板)建材の製造販売事業・地盤調査改良事業を
進めてまいりました。
この結果、海外事業の売上高は 92,250千円(前年同期比164.5%増)となりました。
しかしながら、GRC事業につきましては費用対効果も小さく、投資回収及び採算性を確保することが困難な
状況が継続しました。
⑤ その他の事業
住宅着工戸数は増加したものの、住宅検査受託業務の売上高は微減となりました。またエクステリア事業売
上および調査研究受託業務売上は減少となりました。
この結果、その他事業の売上高は、84,958千円(前年同期比25.6%減)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は1,315,053千円となり、前連結会計年度末に比べ、33,034千
円増加いたしました。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動の結果、獲得した資金は、143,629千円(前連結会計年度は 296,542千円の獲得)
となりました。これは主に瑕疵補修損失の支払額 169,987千円、法人税等の支払額 113,246千円及び税金等調整
前当期純損失 331,644千円の計上等の減少要因があったものの、減価償却費 363,074千円、及び仕入債務の増加
額 181,280千円等の増加要因が減少要因を上回ったことによるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の投資活動の結果、使用した資金は、296,280千円(前連結会計年度は 266,033千円の使用)となりました。これは主に定期預金の預入による支出が 106,020千円、有形固定資産の取得による支出が 108,591千円あったこと等によるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の財務活動の結果、調達した資金は、183,088千円(前連結会計年度は 66,879千円の調達)と
なりました。これは主に金融機関からの新たな借入金の増加により借入金が 412,950千円増加したものの、ファ
イナンス・リース債務の返済による支出が 225,601千円あったこと等によるものであります。