有価証券報告書-第17期(平成27年1月1日-平成27年12月31日)

【提出】
2016/03/29 15:33
【資料】
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【項目】
110項目

事業等のリスク

以下には、当社グループの事業展開上のリスク要因と考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資判断上あるいは事業活動を理解する上で重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から記載しております。
当社グループでは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生時の対応に努力する方針でありますが、当社株式に対する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。また以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクの全てを網羅するものではありません。
なお、文中における将来に関する事項は、本報告書提出日(平成28年3月29日)現在において当社が判断したものであります。
(1)製品・サービスの瑕疵について
当社グループの地盤改良事業については、建築基準法及び住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)をはじめとする各種法令等に準拠した品質管理基準により万全を期しておりますが、当社子会社の予見できない瑕疵又は重大な過失による施工不良並びに調査ミス等による工事・調査目的物への多額の損害賠償請求等を受けた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの保証事業についても、JIS規格に定められた調査方法に、より正確を期すためにシステム化された厳密な条件を採用して作成された調査データにより審査し、保証の有無を判定しておりますが、保証に際して確認した地盤調査データについて、現在の調査技術においても予見できない原因や、当社子会社の重大な過失による調査データの過ちの見過ごし、審査ミス等により多額の損害賠償、保証請求等を受けた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)競合について
住宅用地盤改良事業は一定の安定した需要が見込めるため、公共工事の受注を主たる業務としていた建設会社が新規参入してくる可能性があります。また、既存の地盤改良業者がシェア拡大・維持のために低価格戦略を採ってくることも考えられます。
当社グループがこれらの競合他社との競争に遅れを取った場合、または受注する工事・調査の価格低下を余儀なくされた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)原材料の市況変動
当社グループでは、地盤改良事業において仕入れる材料として、主にセメントと建設用の鋼材を使用しております。当社グループは、業容の拡大に伴い仕入数量が増加しているため、供給業者との定期的な交渉を通じて仕入単価の低減に取り組んでおります。しかしながら、需給逼迫等により材料価格が高騰し、工事受注価格に材料費の上昇分を転嫁できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)人材の確保について
当社グループの地盤改良事業では、原則として、正社員による現場作業を中心に行っております。機械化を促進し作業の生産性向上に注力しておりますが、業容の拡大のためには作業人員を一定数確保することが不可欠であります。新卒採用の開始等により安定的な人員確保に努めておりますが、雇用情勢の逼迫等により、その確保が十分でない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)特定人物への依存について
当社グループの事業推進者は代表取締役社長である前俊守であります。同氏は東京、千葉を営業エリアとして平成9年に地盤改良事業を専業とする株式会社サムシングを設立し、データ管理に基づいた住宅用地盤ビジネスの普及に努めて参りました。その後、事業展開を戦略的に実施するため当社を設立し、事業ドメインの拡大を積極的に推進いたしました。同氏は、営業、組織運営等の面において、当社グループの中で重要な役割を果たしております。当社グループは営業体制、施工体制及び管理体制等、企業集団全般にわたる経営基盤の強化に取り組んでおりますが、何らかの理由により、同氏が当社グループの代表取締役社長を退任するような事態になった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)株式会社サムシングへの依存度が高いことについて
当社グループの業績は、現状株式会社サムシングへの依存度が売上高で92.3%程度と高い割合を占めております。
株式会社サムシングが不測の事態により業績が大幅に悪化した場合、当社の業務受託収入や配当収入が減少し、当社単体の業績に影響を及ぼす可能性がある他、当社グループの連結業績にも影響を及ぼす可能性があります。
(7)経営成績の季節変動性及び異常気象の影響について
株式会社サムシングの売上高は、27.4%程度を東北地区において占めるため、冬季(1月~3月)は降雪による閑散期に当たり、他の月に比べて大幅に売上が減少する傾向があります。その結果、売上高や利益の計上も下半期に偏る傾向にあります。
また、豪雪等の異常気象の年には、上半期と下半期の変動性が著しくなるほか、通期での当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)法的規制について
① 建設業法
住宅地盤改良工事を行う当社子会社は、建設業法に基づく「とび・土工工事業」に属しており、「とび・土工工事業」は建設業法による規制を受けております。5百万円以上の工事を受注するにあたっては、「とび・土工工事業」の許可が必要であり、当社子会社の株式会社サムシングでは、建設業法第3条第1項に基づく一般建設業の許可(許可番号:国土交通大臣許可(般-17)第21635号)を取得しておりますが、将来、何らかの理由により免許の取消し等があった場合、または更新時に更新できなかった場合には、5百万円以上の工事は受注できないこととなります。
② The Offshore Companies Act 1990及び、The Offshore Insurance Act 1990
保証事業のキャプティブを行うSomething Re. Co., Ltd. は、マレーシアの監督官庁であるLABUAN OFFSHORE FINANCIAL SERVICES AUTHORITY(LOFSA)からThe Offshore Companies Act 1990及びThe Offshore Insurance Act 1990による規制を受けております。監督官庁へ免許手数料の支払いや会計報告の提出を行わない場合に、登録(Company No.LL02871)及び免許(Licensed Offshore Insurer - License No.IS200144)の取消しを受けることになります。
これらの法的規制の変更があった場合には、新たに法的規制を遵守するために追加の支出及び人材確保が考えられるため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 新株予約権(ストック・オプション)の行使による株式価値希薄化について
当社は、会社法に基づき、新株予約権を発行する方法によるストック・オプション制度を採用しており、平成27年3月9日開催の取締役会において発行の承認を受け、当社及び当社子会社の取締役、従業員に対して新株予約権を有償にて発行しております。
当該ストック・オプション制度は、中長期的な当社の企業価値の増大を目指すに当たって、当社及び当社子会社の取締役、従業員の士気や業績向上に対する意欲を高めるために有効な制度であると当社は認識しておりますが、当該新株予約権が行使されると発行済株式総数が増加して1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
当該新株予約権の概要は「第一部 企業情報 第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (9)ストックオプション制度の内容」に記載のとおりであります。
(10) 保証事業について
当社グループの保証事業は、当社子会社株式会社GIR及びSomething Re.Co.,Ltd.と損害保険会社並びに再保険会社との関係において成立しております。既存の事業スキームに変更や修正が実施された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 未回収リスクについて
当社グループでは売上債権の総資産に占める割合は概して高い水準にあり、当連結会計年度末で39.9%となっております。取引先の資金繰り状況等により売掛債権の未回収が発生した場合には、貸倒引当金が増加すること等が原因で当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 有利子負債の依存度について
当社グループの設備取得資金及び運転資金は主に金融機関からの借入金によって調達しております。このため総資産に占める有利子負債の割合は当連結会計年度末で47.5%となっております。経済・金融情勢等によって市場金利が上昇した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼすこととなります。また何らかの理由により借入が実行できなくなった場合には、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 個人情報の保護について
当社グループは、事業を通じて入手したお客様の個人情報を含む様々な顧客情報をお預かりしております。個人情報保護には特に配慮し、対策を進めて事業活動を行なっておることに加え、平成26年2月に株式会社サムシング事業本部、設計部、調査部ではISO27001を取得しております。しかし、万が一これらの情報が外部に漏洩した場合、当社グループに対する信用失墜や損害賠償請求等によって、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(14)カントリーリスクについて
当社グループは、従来の保証事業に加え、新たな収益基盤の確立を目的として、平成25年度より東南アジアを中心とする海外市場に進出し事業展開を開始いたしました。これらの東南アジア諸国につきましては、所在国における国家統治の体制や宗教、文化、経済、法律、習慣の違いや為替変動リスクなど様々なカントリーリスクが存在しております。今後、予期せぬ法律や規制の変更、政治や経済の不安定化、テロや紛争等の社会的混乱等が生じた場合には、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
(15)海外事業の黒字化について
当社グループでは長期的な企業成長の確保という観点から、2011年よりベトナム共和国に駐在員事務所を設立しております。2013年から現地法人も設立し、海外事業の展開を進めておりますが、平成28年2月15日付にて公表しましたとおり、NIHON PANEL CO.,LTD.の清算を開始しております。2016年からは、WPC(プレキャストコンクリートパネル)建材の製造販売事業と地盤調査改良事業を中心に黒字化を目指しておりますが、現状では黒字化には至っておりません。今後、現在と同様の状態が続いた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。