有価証券報告書-第16期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。
(1)経営方針
当社は、「貢献」を企業理念に据え、「創造・挑戦・信頼」を社是とし、最高の品質のサービスを提供させていただくことにより、お客様の業務発展に貢献し、従業員とその家族を幸せにし、会社の発展と社会・地域に貢献することを目的としております。
(2)経営戦略等
当社の属する情報セキュリティ業界におきましては、標的型攻撃などによる情報漏洩事故や、急速に普及するIoT(モノのインターネット)分野の普及により、業種や規模を問わない広範な企業で情報セキュリティ対策が見直され、有効な対策へのニーズが更に拡大しつつあります。
そのような中、当社のフラッグシップサービスである「NetStare®」を軸とした統合運用監視サービスは、一層重要な役割を担うことが期待されていると考えます。
そこで当社は、「NetStare®」をはじめとするサービスの継続期間の延伸、サービス提供範囲の拡大、サービス拡販等を通じ、各顧客から得られるライフタイムバリュー(LTV:顧客生涯価値)の総和を拡大する「ΣLTVの極大化」を戦略目標に掲げ、以下の4つのコア戦略を推進しております。
① 基幹商品のサービスレベル向上
エンドユーザーのネットワーク環境は、クラウドやモバイルの活用により、より一層複雑化しております。
そこで、セキュリティ対策や運用負荷の軽減を実現できるように、より具体的に踏み込んだ助言や将来計画、セキュリティ状態の影響度等を考慮したユーザー視点でのサービスを提供することにより、これまで以上に既存顧客へのサービスに関する質的向上を図ってまいります。これらの実現を通じ、サービスカバー率を拡大させていくことができると考えております。
② 既存顧客へ営業リソースを集中
自社保有の営業リソースを既存顧客対応に集中し、顧客満足度の向上を通じて追加契約を獲得、既存顧客単価の向上に取り組みます。
顧客の本社システム部だけにサービスを提供している場合であれば、支社や支店にも提供範囲を拡げる等の形で、サービス提供範囲の拡大を目指します。
更に、既存顧客のシステム更改案件にも迅速に対応し、売上拡大につなげてまいります。
③ 販売パートナー企業の拡充と連携強化
それぞれの販売パートナー企業との連携について更に深化を図り、販売パートナー企業及びそのエンドユーザーのニーズを的確に把握することで、当社サービスの一層の普及を目指します。
一部部署や担当者とのみ取引実績がある販売パートナー企業については、従来取引が無かった部署や担当者へも取引範囲を拡大し、収益の向上につなげます。
一方では、Webマーケティング等のプロモーションの充実を図り、新たな販売パートナー企業の獲得を進めてまいります。
④ 新ビジネスモデル強化による新たな顧客ベースの創出
多様化するニーズ、セキュリティ製品に対応するため、常に最新の技術を追い求め、自社開発ソフトウェアのバージョンアップ、サービスメニューの品質向上を図ります。そのためにも、研究開発活動には力を入れてまいります。
現在開発中の「NetStare® Suite」は、クラウド対応によりログデータや監視情報のビックデータ化を可能とした次期基幹システムで、今後はAIを活用したリスクの未然回避機能の開発等を進める方針です。
一方では、情報セキュリティにまつわる新分野の開拓も進めます。本年5月には、今後一層の不足が見込まれる情報セキュリティ人材の育成・派遣等を手掛ける新子会社「株式会社キャリアヴェイル」を設立し、人材ビジネス分野に進出いたしました。
同社で人材を募り、当社のエンジニア育成プログラム等を活用して教育したあと、同社を通じ当社顧客企業等に派遣することで、情報セキュリティ人材の不足に悩む顧客ニーズに応えます。エンジニア派遣と当社の統合運用監視サービス、ヘルプデスクサービス等を組み合わせてより利便性を高めた“ハイブリッドサービス”も提供していきます。
これらの新たな取り組みを通じて新たな顧客ベースを創出し、更なる成長を目指してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、売上総利益率を重要な経営指標と位置づけております。企業理念を実現するためには、市場ニーズに即したサービスを、適切なタイミングで市場に投入することが不可欠となります。そのための原資を確保するためには、一定の利益を継続的に計上し続けることが重要であると認識しております。市場の支持を得られるサービスを提供し、当社の企業規模拡大と、企業価値向上を目指してまいります。
(4)経営環境
今後の当社事業を取り巻く経済環境は、国内経済が政策的要因もあり緩やかな回復を続けるほか、情報セキュリティ業界も市場ニーズ拡大を受け堅調な成長を保つものとみられます。
情報セキュリティ業界においては、サイバー攻撃による被害やセキュリティ投資に対する効果について定量化を試みる動きが続く一方で、高度化する標的型攻撃等への企業側の対策機運も高まっており、企業業績の改善とも相俟って、情報設備に対する投資額の増加が期待されます。
このような環境のなか、当社は、既存事業の成長加速に向けた取組みを進め、製品開発に対する投資を継続的に行うとともに、中長期的な経営基盤の安定化を目指して人員の拡充と育成に尽力する所存です。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
情報セキュリティ業界においては、複雑化するネットワーク、巧妙化するサイバー攻撃を背景に、セキュリティ対策は多様化・高度化していく傾向にあります。技術革新の加速に伴い、常に新しい情報を収集し、自社サービスへ反映させ、環境の変化に迅速に対応していくことが求められます。
このような事業環境の中、当社が継続的に企業価値を向上させていくためには、今後も引き続き以下の課題への対応が必要だと認識しています。
① 営業スキルの高度化
営業部門の人材であっても、技術に関する知識レベルを運用技術者と同等又はそれに近いレベルにまで引き上げることが、当社の付加価値に繋がると考えています。販売パートナー企業とともに、エンドユーザーとの商談を行う際において、常に運用技術者が同行しているのと同様の専門的な説明が行えるよう、営業スキルに技術的知識を付加することに、ここ数年取り組んでまいりました。その効果がようやく出始めてまいりましたので、引き続き、お客様からの問い合せに対するレスポンススピードを上げ、ストック型サービスの契約件数増加に繋げ、さらには上位サービスへの移行による収益の拡大を図ってまいります。
② 研究開発の充実
お客様に対して、安定したサポートサービスを継続的に提供するためには、常に進化、多様化するセキュリティ関連の知識向上、技術向上に努める必要があります。その結果、常に安全で安心なサポートサービスを提供することが可能となるため、研究開発に一定の投資を行うことが必要不可欠となります。
・自社開発ソフトウェアのバージョンアップ
・新サービスの基礎となるソフトウェアの開発
・対応可能機器の範囲拡大のための検証作業
上記に特に注力し、いつの時代にもプロフェッショナルな集団であり続けることで、顧客満足度を向上させ、既存サポートサービスの更新率を高め、安定した収益の維持を図るとともに、サポート対応機器の範囲を広げることで、新規顧客獲得の機会を増加させてまいります。
③ 人材教育システムの強化
当社の最大の財産は人材であり、サービス提供の基盤となっております。そのため、前提となる知識や技術の習得は必須の要件であり、新卒採用から中途採用に至るまで、すべての社員が入社時に技術研修を受けています。しかし、それだけでは知識が陳腐化してしまうため、今後は技術研修制度を更に充実させてまいります。
また、当社はサービスを提供する企業として、お客様とのコミュニケーションが欠かせないため、説明力・表現力を中心とした直接的な対人コミュニケーションを鍛える研修制度も見直す予定にしております。
社員からも要望の高いこれらの研修制度を充実させることで、社員のロイヤリティを高め、社員定着率向上を図ってまいります。