有価証券報告書-第44期(令和1年8月1日-令和2年7月31日)

【提出】
2020/10/26 15:32
【資料】
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【項目】
145項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
《理念》
当社グループの経営理念の根幹は、「和の魂」にあります。「和の魂」とは、お互いが持つ個の力を連携し、それを組織の力にしていく「和の精神」であります。「安心」、「安全」、「信頼」という絆作りを追求し、魅力ある会社を創造し、会社の発展と社会に貢献してまいります。魅力ある会社とは、「商品・サービスを買いたい」、「取引したい」、「勤めたい」、「投資したい」会社であります。
1)ミッション
① 「より良いソリューション・顧客満足度の高い製品・サービス」を提供します。
② 世界に通用する「P(人・プロセス・プロダクト)」により社会に貢献します。
③ 「ダイヤモンド経営」を実践します。
2)ビジョン
① 高付加価値を創造する企業を目指します。
② 社員満足度の高い会社を目指します。
③ 社会に認められる製品サービスの開発・創出を目指します。
3)バリュー
品質・環境・技術のバランスを考え、本質を追求した事業を行います。
① 「品質」:品質第一主義に徹した高品質なシステム開発を行い、お客様の信頼に応える事業活動を推進します。
② 「環境」:環境への配慮とは何か、その本質を追求し、地球環境保全に配慮した事業活動を推進します。
③ 「技術」:時代のニーズに合う最適・最先端の技術を取り入れ、さらに、新たなるチャレンジに踏み出すため「半歩先」の技術を習得する努力を続け、お客様が安心できるサービスの提供を目指し、事業活動を推進します。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、売上総利益及び営業利益を経営指標の一つとしており、適正な利益の確保と継続的な拡大を経営目標としております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
新型コロナウイルス感染症の世界規模での感染拡大に伴う各産業における経済活動の滞りなどから、当面の経済見通しは厳しいものと想定しております。企業を取り巻く事業環境の急激な悪化により、短期的なIT投資の抑制も想定しておりますが、コロナ禍での新たな企業の戦略的IT需要や働き方改革への対応、自動化・効率化・省力化へのシステム投資は高まるものと考えております。
当社は、ソフトウェア開発関連事業者として常に高品質なシステムの提供に努めてまいりました。今後も同事業の更なる成長を目指して、技術力の強化を図るとともに、長年培った各種ノウハウによりDX(デジタルトランスフォーメーション)(注1)関連へも注力してまいります。更に、当社のソフトウェア開発技術をベースにクラウド、Webの高度利用を推進し、農業分野では、IoT(注2)、AIなどのIT技術の活用を高めi-農業の具現化に向けて様々な研究への取り組みを促進いたします。
1)ソフトウェア開発関連
① お取引先との連携強化を図り相互の企業価値の向上に努める。
② 品質を重視した開発体制を継続的に強化。
③ ApaRevo(アパレル・ファッション業界向けシステム)やRENTARRANGE(レンタル業向けシステム)などパッケージビジネスの推進。
2)サービスインテグレーション関連
① 「健康」と「学び」をKeyに、Platinum Fitness(健康増進施設向け会員管理システム)(注3)やPlatinum School(各種スクール向け生徒管理システム)(注4)をクラウドで当サービスを提供。お客様と安定的かつ長期的な取引関係を構築し、ストックビジネスの成長を推進。
② 提供製品・サービスを継続的に強化し適用範囲を拡大するとともに、サポートサービスを充実。
3)RFID(電子タグ)関連
① 実証実験で蓄積したRFID(注5)技術と長年にわたる商品管理システムのノウハウを融合した新たなRFIDシステムの構築推進。
② 各種ソリューションとの組み合わせにより、対応分野を拡大させるとともに、様々なセンシング技術との連携を図り、IoT分野への参入。
4)CMMI関連
① 外部リードアプレイザー(認定資格者)(注6)と連携し、よりよいコンサルティングサービスの実施。
② CMMI(注7)がソフト開発の品質管理に於いて有効な方法で有ることを、販促セミナーやホームページ等を通じてPRし、CMMIによるプロセス改善活動を継続的に支援。
5)農業に関する活動
① ITで結ぶ農業「i-農業」を目指して様々な農業支援システムの開発。
② 自営圃場にての生産活動・実証事業により関連技術の実用化。
(4)会社の対処すべき課題
1)自社の強みを再整備し、開発力の強化を図る
① QCD(注8)、技術力、提案力、柔軟性のある受注体制。
② 信頼されるコアパートナーとしての体質強化。
③ CMMIレベル5の維持及び今まで蓄積したノウハウにより、開発製品・サービスの品質と業務効率の改善。
④ 強力な部門間連携による活動。
2)新たな価値の創造
① クラウドシステムの基盤・機能を強化・充実させ、安定したサービスの提供によりクラウドビジネスの拡大。
② RFID(電子タグ)の利用分野を広げ、付加価値の高い製品・サービス作り。
③ i-農業を新しい観点から構築し他部署との連携強化しスマート農業・アグリテックの具現化。
3)サスティナブル(持続可能)な企業を目指して
① 情報漏洩、不正アクセスの増加などの社会情勢、またテレワークに対応すべく、継続的に開発環境、製品サービス環境、設備などのセキュリティ強化、情報セキュリティ教育。
② 勉強会、社外研修の新たな学習の在り方を図り、中長期的な視点での人材の育成。
③ 「Daiwa Computer 未来プロジェクト」(注9)の具現化により、人財価値の向上。
④ 企業目的を達成するため、高いITスキル、仕事を通じての自己実現、顧客に対する使命感など優秀な人材確保に向け、自社での採用の強化はもとより、国内外のパートナー企業との積極的な連携により優秀な人材の確保。
⑤ 当社の働き方改革として、テレワーキング、デュアル・ライフ・バランスの推進。
(5)その他、会社の経営上重要な事項
該当事項はありません。
(注1)DX(デジタルトランスフォーメーション) 既存のビジネスから脱却して、IoTやAIなどのIT技術を活用することによって、新たな価値を創出すること。
(注2)IoT(Internet of Things) コンピュータなどの情報・通信機器だけでなく、世の中に存在する様々な物体(モノ)に通信機能を持たせ、インターネットに接続したり相互に通信することにより、自動認識や自動制御、遠隔計測などを行うこと。
(注3)Platinum Fitness(プラチナ・フィットネス) 子会社㈱フィット・コムが、フィットネスクラブ、スイミングスクール、ダンススクール、ゴルフスクールなど健康増進施設向けに提供しているサービス「CLUB・NET」の中核となる会員管理システム。
(注4)Platinum School(プラチナ・スクール) 英会話教室・塾、各種スクールの生徒の管理や受講申し込みをインターネット上で管理するシステム。
(注5)RFID(Radio Frequency Identification) 微小な無線チップにより人やモノを識別・管理する仕組み。
(注6)リードアプレイザー CMMIを用いて組織のプロセスを評定することを、CMMIの管理元であるCMMI Instituteから認定されている有資格者。
(注7)CMMI 米国カーネギーメロン大学ソフトウェア工学研究所が開発したソフトウェア開発プロセスのモデルで、5段階で評価。
(注8)QCD Quality(品質)、Cost(費用)、Delivery(納期)の頭文字を繋いだもの。
(注9)Daiwa Computer 未来プロジェクト 「設立50周年(それ以降)に向け、当社の持続可能なビジョンを次世代メンバーにより検討し、素案を策定すること」「ビジョン策定プロセスを通じて、ビジネスとマネジメントを学び、組織とのエンゲージメント(一体感)を高めること」を目標観とした当社の取組み。