有価証券報告書-第35期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/24 14:47
【資料】
PDFをみる
【項目】
153項目
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年6月24日)現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営方針
当社グループは、「ニッポンのモノづくり品質を世界へ」をキーワードに、共に成長を目指すという『経営理念』のもと、HS・EMS・PSの3つの事業セグメントを国内外で事業展開しています。
この多様化した事業構造は、お客様に新たな価値を提供するための源泉となるものであり、当社グループの特長です。これをさらに進化させ、変化に対し柔軟かつ機動的に対応できる基盤を強化し、企業価値・株主価値のより一層の向上を図るため、2017年4月より持株会社体制へ移行しました。
当社(持株会社)の経営方針は以下のとおりです。
① グループ経営と事業執行の分離による意思決定スピードの向上・責任の明確化
② 事業会社間のシナジーの追求
③ 迅速なM&A・グループ再編の実行
④ 間接部門の重複業務集約や事務効率改善によるコストの最適化
⑤ グループ各社の事業特性に応じた機動的な会社運営
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが重視する経営指標は、売上高、営業利益及び自己資本比率であります。これらの経営指標は、企業の成長性、収益性、財務体質を分析するための基本的な指標であり、当社グループでは、これらの指標を継続的に改善させることにより、中長期的な株主価値の向上を図ってまいります。
(3) 経営戦略、事業上及び財務上の対処すべき課題
技術革新によるグローバリゼーションが進む中、市場はボーダーレス化し、地政学的リスクも絡み、世界経済は今後も目まぐるしく変化することが想定されます。
日本の製造業においては、技術力だけでなく、景況変動への機動的な対応力が求められる状況となっており、固定費の圧縮や事業の選択と集中に加え、ファブレス化への転換が進んでいます。雇用においても少子高齢化が進む中、外国人材の受け入れ・共生に関する政府施策を背景に、その推進が加速していくことが予想されます。
また、2020年に入り、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う世界経済への影響が顕在化しました。今後、世界各国・地域において、経済に留まらず、制度や仕組み、働き方等、様々な変化が想定され、企業の活動も柔軟かつ機動的な対応がより一層求められるものと認識しています。
このような状況のもと、当社グループは中期経営方針「変化を好機に、攻めの施策で成長基盤を構築」を掲げ、独自のビジネスモデルである「人材ビジネスとモノづくりの融合」を基に、持続的成長を実現すべく、重点項目及び対処すべき課題として次の4点を掲げ、基盤強化と戦略投資の両輪による施策実行を進めています。
① HS事業:人材リソースの多様化及びグループ内ノウハウを活用した請負・受託の拡大
② EMS事業:製造業のファブレス化に即応する拠点戦略及び開発機能の強化
③ PS事業:製品ポートフォリオ見直し、抜本的コスト構造改革による収益力強化及びグループリソース活用に
よるアセアンへの事業展開
④ 持株会社体制の高度化
① HS事業:人材リソースの多様化及びグループ内ノウハウを活用した請負・受託の拡大
少子高齢化が進む日本において、人材リソースの多様化は喫緊の課題です。外国人材の受け入れ・共生に関する政府施策を背景に、その推進が加速していくことが予想されます。これらを総合的、かつ、専門的に支援していくため、HS事業においては外国人材の定着支援に資する業務の拡大を図ります。特に「外国人技能実習制度」*において、技能実習生が必要とする日本語習得や文化の理解等の入国後教育研修受託に加え、実習生受け入れ先企業に対する総務支援サービスの提供等、2017年8月に教育研修受託及び業務支援専門会社を設立しその展開を行っていますが、今後より一層この取り組みを推進します。
HS事業は現在、中国、タイ、ベトナム、インドネシアなどアジア6ヵ国で人材ビジネスを展開するとともに、アジア各国の技能実習生送り出し機関と提携しています。これらのネットワークを活かし、受け入れ先企業へのニーズに合った提案・サービスの提供から技能実習生の母国帰国後の就業支援も行い、外国人技能実習制度に資する取り組みを加速させます。
また、2018年労働者派遣法改正により2020年4月1日から施行された「同一労働同一賃金」を受け、今後、国内における人材派遣の在り方が変化していくものと予想しています。これに対応するため、当社は、単に労働力を提供するのではなく、高度人材の育成・派遣・定着の仕組みを強化します。その足掛かりとして、2020年1月にグループ内の技術者派遣事業の統合を行いました。今後も人材リソースの多様化を図りながら、継続的に当該事業の強化を行います。
加えて、請負・受託の事業規模拡大も進めています。これまでHS事業では、ものづくりの知見を活かし、請負・受託の実績を重ねてきました。製造業のファブレス化が進む中、グループ内EMS事業の製造受託ノウハウも融合させ、請負・受託の事業規模拡大を図るとともに、需要変動に耐え得る柔軟かつ強固な基盤を構築し、収益力強化への取り組みを進めます。
*外国人技能実習制度:
開発途上国等に対する日本の国際貢献・国際協力の一環として創設された「外国人技能実習制度」です。
日本の技術や技能を習得し、帰国後、母国の経済発展に寄与することを目的として、その国の人材を日本に一定
期間(最長5年間)、外国人技能実習生として受け入れるものです。
② EMS事業:製造業のファブレス化に即応する拠点戦略及び開発機能の強化
EMS事業においては、これまで、中国、マレーシアに生産拠点を展開しグローバル生産体制を整えてきましたが、お客様の生産における市場・地域の分散化や、地産地消ニーズが高まる中、これらに即応できるグローバル生産体制の拡充が急務となっています。
このため、ベトナムにおいて、2018年5月に新会社を設立、2019年4月に工場を完成させ稼働を開始、2020年2月には第2工場建設に着手しました。また、アジアのみならず、北中米にも対象市場を拡げるべく、2019年3月にソニー株式会社から同社の一部北中米事業を譲受し、北米・メキシコへの進出を果たしました。既存事業に加え、メキシコ生産拠点においては、新規事業となる車載関連部品の量産に向けた基板実装ラインの設置等、戦略投資の実行も進めており、さらなる事業の発展をめざします。
また、市場ニーズへの対応力を高め、EMS企業としての差別化を図るべく、中国・東莞の生産拠点に商品設計開発機能を設置し、活動を開始しました。自動化に適合した設計を行うことで、独自の部品選定やリードタイムを短縮し、生産コスト及び生産性改善を実現、利益率向上を図ります。日本国内で不足するエンジニアの育成・確保に加え、ベトナム生産拠点への設計開発・量産・自動化技術の横展開も行い、生産立ち上げから量産までの期間短縮及び生産性向上を加速させます。
国内拠点においては、基板実装加工やユニット組立・生産などに加え、IoT関連のお客様におけるハードウェアの設計や製造、インフラを持たないお客様への設計製造サポートビジネスを開始しました。国内外で培った実績とノウハウを進化させ、EMS事業全体の競争力強化を進めます。
③ PS事業:製品ポートフォリオ見直し、抜本的コスト構造改革による収益力強化及びグループリソース活用に
よるアセアンへの事業展開
主軸の電源部品が立脚する複合機・複写機などドキュメント関連市場は、市場成熟化もあり、環境の変化が激しくなっています。安定した事業基盤の再構築が急務であり、製品ポートフォリオの見直しを加速させ、収益力の強化を図ります。部材価格高騰や景況感変動など、外部環境の変化に耐え得る強固な体質とすべく、間接コストの引き下げを進めるとともに、業務の見直しによる生産性改善も行い、抜本的なコスト構造改革を実行します。
また、グループリソース活用による機動的な生産体制構築、アセアン地域への事業展開も進めます。PS事業は日本を開発拠点とし、既存製品の生産は中国・広東省(佛山)にて一極集中生産を行っていますが、チャイナリスクや国際情勢の変化に対応すべく、2020年3月、タイに販売拠点を設置しました。グループ内EMS機能も活用し、多様化するお客様のニーズに機動的にお応えすることで、顧客基盤の拡大を進めます。
加えて、事業の成長施策として、環境規制強化を背景に、「安全・安心」をキーワードに強みの電源技術を活かし、さまざまな機器の電動化ニーズに対応すべく、「電池の制御・充電・蓄電」すべてに対応した商品の提供を行います。2018年1月には「松阪工場」(三重県松阪市)を開設、新たな事業の柱の構築として、リチウムイオン二次電池パックの開発・量産体制を整え、市場投入しました。PS事業全体の生産技術強化も図り、基盤強化及び事業規模の拡大を図ります。
④ 持株会社体制の高度化
当社(持株会社)においては、持株会社体制の高度化を図るべく、持株会社の機能見直し・再定義を行っています。具体的には、①グループ戦略機能 ②グループコントロール機能 ③企業責任遂行機能 ④専門サービス・オペレーション機能、の4つの観点で機能を定義し、必要に応じグループ内業務の重複解消や移管等を行い、グループ経営の最適化を図っています。
このように事業戦略と持株体制高度化戦略の実行を機動的に行うことで、企業価値・株主価値のより一層の向上をめざします。
(4) 経営環境
新型コロナウイルス感染症による影響は経営環境の変化をもたらす新たな要因と認識しています。
当社グループの国内事業においては、自動車関連分野は世界各地域における減産の影響が国内生産へ波及する一方で、半導体・電子部品関連は生産計画を維持しています。繁忙な業種では人手不足が続いており、技術者派遣も堅調に推移する見込みです。
海外事業は、当社グループすべての拠点が順次稼働を再開しており、部材や物流等、サプライチェーンの停滞は解消されていますが、国境を越えた人の移動制限による、お客様との新製品立ち上げや生産開始スケジュールの遅れ、物流コストの上昇などによる影響が見込まれます。
以上のことから、翌連結会計年度につきましては、第2四半期連結累計期間(4月-9月)は世界経済の停滞による需要の低迷、各国・地域における顧客の生産調整や稼働停止による影響があるものの、第3四半期以降においては、各国・地域における景気刺激策の効果もあらわれ、下期は当社グループ拠点の稼働水準も正常化するものと見ています。
しかしながら、現時点では市場に対するこの感染症の影響は翌連結会計年度も残るものと認識しており、厳しい事業環境が続く様相です。グループ全体で、間接コストの引き下げを進めるとともに、業務の見直しによる生産性改善も行い、売上減による利益影響を最小限に留めていくとともに、生産が繁忙な業界・お客様への人材ソリューションの提供を拡大させ、売上・利益の確保に努めます。
加えて、世界経済の停滞を背景に、製造業のファブレス化はますます加速していくと見ており、グループ内ノウハウも活用した請負・受託の拡大を図り、経営環境改善時に備えた施策を実行し、次につながる取り組みを展開します。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。