有価証券報告書-第14期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/27 16:03
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【項目】
119項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、アベノミクス効果による円安・株高傾向が続いたことで、企業収益及び雇用・所得環境の改善がみられ、消費税率引き上げを控えた駆け込み需要により個人消費も増加するなど、緩やかな回復傾向で推移いたしました。
当社グループ(当社及び連結子会社)の関連するモバイル業界におきましては、フィーチャーフォン(以下、FPという。)からスマートフォン(以下、SPという。)への端末変化に加え、タブレット端末の普及など、端末の高性能化及び多様化により、ユーザーは、より快適で便利なサービスを求める状況になっております。SP及びタブレット端末の出荷台数は、2012年度で3,448万台、2016年度には、2012年度比1.3倍の4,533万台となる見込みです。(出展:2013年6月11日発表:「2013年度スマートデバイス需要動向調査」株式会社 ICT総研調べ)また、モバイルコマース市場(物販系)におきましても、2011年度で5,839億円、2012年度で6,878億円と対前年比116.7%の伸びを示しており、今後も市場の拡大が見込まれております。(2013年8月9日発表:「2012年モバイルコンテンツ関連市場規模」一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム調べ)
このような環境下において、当社グループの中核事業であるモバイルコンテンツ事業のコミュニケーションコンテンツ領域においては、SPへの対応を重点課題として進めてきた結果、SPでの売上高がFPの売上高を凌駕するなど、収益拡大に向けての取組が加速しております。また、モバイルコンテンツ事業のファミリーコンテンツサービス領域においては、タブレット端末の普及や各種施策による認知度の向上等により、事業の収益化が見通せる状況となってまいりました。さらに、Eコマース事業においては、新たな事業展開に向けて事業内容やコスト構造の抜本的な見直し等に取り組んでまいりました。なお、当期においては、収益基盤の構築に予想以上に時間を要したことに加えて、平成25年6月に発覚した当社元子会社による不明瞭な取引の調査に際して発生した費用79,044千円、決済サービス事業からの撤退に伴い実施した債権放棄による費用60,471千円を特別損失に計上したこと等により、悪化した財務体質を強化し継続企業としての安定した資金確保を行うため、平成26年3月に第三者割当による株式の発行を実施し、140,000千円の資金調達を実施いたしました。さらに、Eコマース事業においては、販売動向を精査し適正な資産ボリュームと資産評価を実施するため、商品廃棄損・評価損として22,438千円を売上原価に計上し、モバイルコンテンツ事業においても、来期において閉鎖予定のサイトや収益性の低下しているソフトウェア資産の帳簿価額の減額分39,402千円を特別損失に計上するなど、適正な資産評価を実施し来期以降の事業収益の黒字化に向けて収益基盤の整備を行いました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は1,410,561千円(前年同期比9.1%減)、営業損失は375,380千円(前年同期は502,844千円の営業損失)、経常損失は384,423千円(前年同期は486,194千円の経常損失)、当期純損失は616,862千円(前年同期は631,813千円の当期純損失)となりました。
セグメント別の業績の概況は、以下のとおりであります。
①モバイルコンテンツ事業
当該事業には、コミュニケーションコンテンツ領域とファミリーコンテンツサービス領域があります。
(コミュニケーションコンテンツ領域)
この領域を担う株式会社アイフリーク モバイルは、国内外にモバイルコンテンツ等のサービス提供を行っております。
本領域においては、SP市場が拡大している中で、その対応を加速させてまいりました。当社のコンテンツが、各キャリアの定額コンテンツ配信サービスに選定され、これまでの自社コンテンツの提供実績及びコンテンツ自体の質の高さが評価されております。また、SPの写真をかわいくデコレーションできる写真加工アプリの有料版『photodeco+』の課金化が進み、順次、SPへの取組の成果が表れております。さらに、新規のサービスとして、カロリー管理アプリ『カロリナ』をリリースする等の施策も実施しております。(『カロリナ』の配信開始は平成26年4月3日であります。)
(ファミリーコンテンツサービス領域)
この領域を担う株式会社キッズスターは、ファミリー向け知育アプリや電子えほんを中心としたサービス提供を行っております。
本領域においては、子供が大好きな「なりきり」や「ごっこ」遊びを通じて、インタラクティブに“社会のしくみ”を学べる職業疑似体験アプリ『なりきり!!ごっこランド』の提供や、電子えほんの月額定額読み放題モデル『森のえほん館』の提供を中心に事業展開しております。タブレット端末の普及や各種施策によりアプリのダウンロード数が順調に伸びており、順次課金化への取組を進めた結果、事業の収益化が見通せる状況にまで成長してきております。
これらの結果、当連結会計年度におけるモバイルコンテンツ事業の売上高は、893,036千円(前年同期比9.9%減)、セグメント利益は69,692千円(前年同期比41.1%減)となりました。
②Eコマース事業
当該事業を担う株式会社アイフリーク プロダクツ セールスは、美容・健康商材を中心とした商材の提供を行っております。
Eコマース事業においては、商品ラインナップの見直し等を進め、積極的な販売促進に取り組んでまいりましたが、先般の薬事法の規制強化等の外的要因による業績悪化から脱却できない状況となっております。当期においては、抜本的なコスト構造の見直しを含めた事業改革を進めてまいりました。
これらの結果、当連結会計年度におけるEコマース事業の売上高は、502,974千円(前年同期比9.7%減)、セグメント損失は126,118千円(前年同期は228,351千円のセグメント損失)となりました。
③決済サービス事業
当該事業を担うI-FREEK ASIA PACIFIC PTE. LTD. はグローバル決済サービスの提供を行っておりましたが、平成25年10月15日にその保有株式の全てを第三者に譲渡し、同事業から撤退しました。そのため、当連結会計年度の期中に連結除外をしており、第2四半期連結累計期間までの業績を連結業績に含めて開示しております。
これらの結果、当連結会計年度における決済サービス事業の売上高は14,550千円(前期は2,780千円の売上高)、セグメント損失は46,640千円(前期は82,152千円のセグメント損失)となりました。
(注)各社の社名、製品名、サービス名は各社の商標又は登録商標です。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて291,893千円減少し、435,288千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動におけるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、280,293千円(前年同期比37.4%減)となりました。これは主として、減価償却費の計上額84,628千円、たな卸資産の減少額59,434千円、未払金の増加額124,990千円等により資金が増加した一方、売上債権の増加額5,877千円、未収入金の増加額21,201千円、前渡金の増加額68,047千円、仕入債務の減少額17,928千円等により資金が減少したことによるものであります。
(投資活動におけるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は、5,455千円(前年同期比85.6%減)となりました。これは主として、投資有価証券の売却による収入13,838千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入51,836千円等があった一方で、有形固定資産の取得による支出5,458千円、無形固定資産の取得による支出26,717千円、投資有価証券の取得による支出9,649千円等により資金が減少したことによるものであります。
(財務活動におけるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用された資金は、21,387千円(前年同期は394,289千円の獲得)となりました。これは主として、新株の発行による収入126,498千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入1,389千円等により資金が増加した一方、短期借入金の純減少額33,000千円、長期借入金の返済による支出110,267千円等により資金が減少したことによるものであります。