有価証券報告書-第29期(2023/01/01-2023/12/31)

【提出】
2024/03/27 15:17
【資料】
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【項目】
153項目
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
本項の記載内容については、時期等の記載がある場合を除き、本書提出日現在の状況に基づいています。
①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、取締役会による戦略指導や経営の監視、監査役会による取締役の監査を中枢に置いたコーポレート・ガバナンスの体制を敷き、次の点を重視した企業経営の実現を目指します。
・経営陣の責任の明確化
・業績やリスクの把握と迅速な対応
・正確で適切な情報を適時に開示することの実施
・経営環境・社会環境の変化への適切かつ迅速な対応
・反社会的勢力との一切の関係断絶
・社内論理に囚われない、顧客、従業員、株主、社会等のステークホルダーに対する責任を重視した企業経営の実現
②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は、監査役会制度を採用し、監査役による取締役会等重要な会議への出席・意見の発言等を通じ、取締役の職務遂行を監査する体制をとっております。また、執行役員制度を導入し、会社法上の取締役とは別に執行役員を選任しております。なお、経営上の重要事項の意思決定は取締役会が行い、取締役の職務執行を監督しております。
以上のような体制を採用する理由は、監査役会による職務執行の監督及び監査の実施により、取締役の適正な職務執行が確保できるとともに、取締役とは別に執行役員を選任することにより、取締役会において決定した業務執行を、迅速かつ効率的に実行することが可能と判断しているためであります。
各機関の内容は、次のとおりであります。
(ア)取締役会
当社では取締役会を取締役6名で構成しており、うち3名は社外取締役であります。
取締役会は定時取締役会を月1回、その他必要に応じて臨時取締役会を開催しております。取締役会には取締役の他、監査役も出席し取締役会における業務執行の決定に対して監査を行っております。当連結会計年度は18回の取締役会を開催し、中長期的な経営方針・事業戦略、企業買収・再編、人事・組織変更、決算書類の承認、株主還元等の重要事項、その他法令・定款並びに取締役会規程で定められた重要事項等について審議、承認を行っております。
役職名氏名取締役会
開催回数出席回数
代表取締役会長大野 元泰1818
代表取締役社長藤井 勝博1818
取締役藤井 寛治1818
社外取締役桂 淳 (注)1818
社外取締役神野 範子1818
社外取締役樋口 陽介1818

(注)社外取締役桂淳は、2024年2月14日付で辞任しております。
提出日現在の取締役会の構成員は「(2)役員の状況 ①役員一覧」をご覧下さい。なお、取締役会の議長は、代表取締役社長の藤井勝博であります。
(イ)監査役会
当社は監査役会制度を採用しており、監査役会は監査役3名で構成され、うち2名は社外監査役であります。また、取締役会への出席による業務執行の監査強化に努めているほか、各部門への巡回並びに責任者との面談等を実施し、業務監査体制の強化に努めています。これに加え、会計監査の実効性を保つため、定期的に会計監査人と意見や情報を交換しております。また、監査役会は、内部監査室及び会計監査人の三者で定期的にミーティングを行い、内部統制の状況について意見交換し内部統制の強化に努めるとともに、密に連携をすることで監査機能の向上を図っております。さらに、法令の定める監査役の員数を欠くことになる場合に備え、2024年3月26日開催の第29期定時株主総会において、会社法第329条第3項に定める補欠監査役(西谷剛史)1名を選任しております。
提出日現在の監査役会の構成員は「(2)役員の状況 ①役員一覧」をご覧下さい。なお、監査役会の議長は、常勤監査役の諸橋吉郎であります。
(ウ)指名報酬委員会
当社は、取締役会の諮問機関として、社内取締役2名と社外取締役3名で構成される指名報酬委員会を設置しており、取締役・執行役員の選定、社内取締役及び社外取締役の報酬額を定時株主総会で承認された範囲内で審議するとともに、ストック・オプション制度、譲渡制限付株式報酬制度及び業績連動型株式報酬制度に関する妥当性、並びに、後継者育成等についても審議をしております。当連結会計年度の開催は7回の指名報酬委員会を開催し、取締役・執行役員の選任、取締役の報酬に関する審議をしております。
役職名氏名指名報酬委員会
開催回数出席回数
社外取締役桂 淳 (注)77
社外取締役神野 範子77
社外取締役樋口 陽介77

(注)社外取締役桂淳は、2024年2月14日付で辞任しております。
提出日現在の指名報酬委員会の構成員は、藤井勝博、大野元泰、神野範子、樋口陽介、伊藤嘉規であります。
(エ)リスクマネジメント・コンプライアンス委員会
当社は、当社グループの法令遵守統括責任者としてリスクマネジメント・コンプライアンス統括責任者を置き、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会を組成し、当社グループ全体に関わる具体的なリスクマネジメント・コンプライアンス推進とモニタリングを行っております。
(オ)投資委員会
当社は、投資案件を検討する機関として、社内取締役及び関連する部・室の責任者で構成される投資委員会を設置しており、投資案件の内容について社内で検討し、規程に基づき取締役会で決議が必要なものについては取締役会で審議し決議しております。
当社の業務執行の体制、経営監視及び内部統制の仕組は下記模式図に示すとおりであります。
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③企業統治に関するその他の事項
(ア)内部統制システムの整備の状況
当社は、内部統制システムの基本方針及び会社法施行規則に定める体制整備に必要な大綱を定めるため、当社取締役会において会社法第362条第5項に基づく決議を行っております。
また、当社は、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制の構築及びその他の対応については、リスクマネジメント・コンプライアンス統括責任者がオーナーとなりリスクマネジメント・コンプライアンス委員会を組成し、当社全体として推進しております。
当社における内部統制システムの体制は以下の通りであります。
取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他会社の業務の適正を確保するための体制
①取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(a)企業倫理の確立並びに法令・定款・社内規程の遵守を目的として制定したケアネットグループ・コンプライアンス行動規範を取締役及び使用人に周知徹底する。
(b)「コンプライアンス規程」に基づき、当社グループの法令遵守統括責任者としてリスクマネジメント・コンプライアンス統括責任者を置き、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会を組成し、当社グループ全体に関わる具体的なリスクマネジメント・コンプライアンス推進とモニタリングを行う。
(c)監査役による取締役の職務執行の監査、社長直轄の内部監査人による社内各部署の監査、及び「内部通報規程」に基づく内部通報制度によりコンプライアンス状況を適時把握する。
(d)法令違反及び社内規程に関する重大な違反が発見された場合、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会にて対応を検討するとともに、取締役会に報告することにより遅滞なく是正の措置をとる。
②取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
取締役による報告・決裁・討議・決議の内容は法令及び社内規程に従って適切に保存し、必要に応じて取締役、監査役又は会計監査人が閲覧可能な状態にて管理する。
③損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(a)「リスク管理規程」に基づきリスクマネジメント・コンプライアンス委員会を組織し、考えられるリスク要因を抽出し、その対策を講じ、定期的なモニタリングを実施し、改善を促すとともに、取締役会に報告し、指導を受け、適切に管理する。
(b)不測の事態が発生した場合は、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会にて迅速に対応案をまとめるとともに、取締役会に報告し、遅滞なく対応策を決定することによって損害を最小限に止める。
④取締役の職務執行の効率性の確保に関する体制
(a)組織の構成を定める「組織規程」と各組織の職務範囲及び権限の分掌を定める「職務分掌規程」及び「職務権限規程」により、担当部門、職務権限、意思決定ルールを明確化し、適正で効率的な運営を行う。
(b)取締役会を月1回定時に開催するほか、必要に応じて臨時に開催し、法定事項その他経営に関する重要事項について審議、決定し、また、各部門からの報告に基づき、業務執行状況の監督を行う。
(c)取締役、執行役員、監査役及び内部監査担当者並びに社長が指名する者を構成員とした「経営執行会議」を原則月1回開催し、取締役会に報告すべき業務執行上の重要課題を抽出し、解決に向けた協議を行う。
⑤ケアネットグループにおける業務の適正を確保するための体制
(a)当社は、ケアネットグループの経営理念に基づき、グループの事業を統轄する親会社として、グループ会社の経営管理に関する基本方針を定めるとともに、「関係会社管理規程」に基づき、グループ会社に対する適切な経営管理を行い、必要に応じて指導・支援・モニタリングを行うことで経営管理体制を整備する。
(b)当社は、グループのコンプライアンスに関する基本方針を定め、適切なコンプライアンス運用状況を確保するために、「コンプライアンス規程」、コンプライアンス行動規範及び関連規程・規則に基づき、当社及びグループ会社における業務活動が法令等遵守の意識のもと行われる体制を整備する。
(c)当社は、グループの財務報告に係る内部統制に関する基本方針を定め、財務報告の適正性と信頼性を確保するために必要な体制を整備する。
(d)当社は、グループの情報開示に関する基本方針を定め、企業活動に関する情報を適時・適切に開示するための体制を整備する。
(e)当社は、グループの内部監査に関する基本方針を定め、業務が法令及び諸規程に準拠して適正かつ効率的に行われているかを監査し、業務の整備・改善及び対外信用の保持、あわせて会社財産の保全及び経営効率の向上に資する活動を行う体制を整備する。
(f)当社は、グループの情報セキュリティに関する基本方針を定め、情報セキュリティを実現するために必要な体制を整備する。
(g)当社は、グループの人事に関する基本方針を定め、社員の働きがい、やりがいの向上、透明公正な人事及び成果実力主義の徹底により、生産性及び企業価値の向上の実現を図る。
⑥監査役の職務を補助すべき使用人及び当該使用人の取締役からの独立性に関する事項
監査役が必要とした場合、監査役の職務遂行を補助する使用人を配置する。当該使用人の人事異動、人事考課については、予め監査役の同意を得る。
⑦取締役及び使用人が監査役に報告するための体制その他の監査役への報告に関する体制
(a)取締役及び使用人が、監査役の求めに応じて、随時その職務の執行状況その他に関する報告を行うよう周知徹底する。
(b)重要な決裁書類を、監査役の閲覧に供する。
⑧監査役に報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
当社は、監査役に報告をした者又は内部通報システムに情報を提供した者に対し、報告をしたことを理由として不利な取扱いをしない。
⑨監査役の職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
監査役はその職務の執行について生ずる費用について、会社から前払い、又は、償還を受けることができる。
⑩監査役の監査が実効的に行われることを確保する体制
(a)監査役は取締役会、経営執行会議など、監査役が必要と認める重要な会議に出席する。
(b)監査役は、監査役会において、監査実施状況等について情報の交換・協議を行う。また、外部監査人並びに内部監査担当者と定期的に意見交換を行い、連携を図ることによって効果的な監査業務を行う。
(イ)責任限定契約の内容の概要
当社と各社外取締役及び各監査役は、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、会社法第425条第1項が定める額としております。また、当該責任限定が認められるのは、当該監査役及び社外役員がその職務を行うにつき、善意でありかつ重大な過失がないときに限られております。
(ウ)役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は保険会社との間で、当社の全ての取締役、監査役を被保険者とする、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を締結しており、保険料は全額当社が負担しております。当該保険契約の内容の概要は、被保険者である対象役員が、その職務の執行に関し責任を負うこと又は責任の追及に係る請求を受け取ることによって生じることのある損害を当該保険契約により保険会社が補填するものであり、1年ごとに契約更新するものであります。
なお、被保険者の犯行行為に起因する事由、法令に違反することを被保険者が認識しながら行った行為に起因する事象事由等一定の免責事由があります。
(エ)取締役の定数
当社の取締役は3名以上とする旨定款に定めております。
(オ)取締役の選任及び解任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数の決議をもって選任する旨及び累積投票によらない旨を定款で定めております。
また、取締役の解任決議について、株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上の決議をもって解任する旨を定款で定めております。
(カ)株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって決議を行う旨を定款で定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。
(キ)株主総会決議事項を取締役会で決議できることとしている事項及びその理由
・自己株式の取得
当社は、機動的な資本政策を遂行できるよう、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議をもって自己の株式を取得することができる旨を定款で定めております。
・取締役及び監査役の責任免除
当社は、取締役及び監査役が期待される役割を十分に発揮できることを目的として、会社法第426条第1項の規定により、取締役会の決議をもって、会社法第423条第1項の取締役(取締役であった者を含む。)及び監査役(監査役であった者を含む。)の責任を法令の限度において免除することができる旨を定款で定めております。
・中間配当
当社は、株主への機動的な利益還元を目的として、取締役会の決議により、毎年6月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨を定款で定めております。
④会社の支配に関する基本方針について
当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきだと考えております。
ただし、株式の大規模買付提案のなかには、たとえばステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性があるなど、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるものや、当社の価値を十分に反映しているとは言えないもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をされるために必要な情報が十分に提供されないものもありえます。
そのような提案に対して、当社取締役会は、株主の皆様から負託された者の責務として、株主の皆様のために、必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉などを行う必要があると考えております。