有価証券報告書-第25期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/03/27 13:27
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【項目】
134項目

事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、将来に関する事項については、別段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において入手し得る情報に基づいて当社が判断したものであります。
(1)医療業界・製薬業界への依存について
当社グループの売上高は、大部分が製薬企業、医師及び医療従事者からの収入となっております。今後、医療費・薬価引き下げ、ジェネリック医薬品の普及、医療制度の変更などにより医療・ヘルスケア市場の停滞、縮小や新たな市場動向に当社グループが対応できない場合には、それらの事象が当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、製薬業界においては、グローバルな企業間競争が展開され、業界再編の動きが加速しております。企業間競争は当社が提供する各種サービスの採用を加速する可能性がある一方、再編された既存顧客による取引見直しの可能性もあり、その場合には当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(2)競合参入について
当社グループの主力サービスである、「MRPlus®」は、インターネットを利用し製薬企業の営業・適正普及活動の支援を行います。本サービスを実現するためには、多くの医師の協力を得る必要があり、当社グループは既に15万3千人(当連結会計年度末時点)の医師会員を有していることから本サービスにおける当社グループの優位性は高いものと認識しております。しかしながら、今後新規の参入や、医師会員を保有する他の企業又は製薬企業自らにより類似のサービスが提供される等で競争が激化し、当社グループの優位性が保てなくなった場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは医師に向けて、インターネット及びDVDを媒体にした医療情報提供サービスを行い、医師会員の増加と収入を得ております。現時点において、医師に向けた医療情報提供市場を独占するような媒体を持つ企業は確認しておりませんが、今後、新たな企業の市場参入や市場競争の激化により、当社グループが市場の中で劣勢に位置した場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(3)企業買収と戦略的提携について
当社グループは、事業拡大の手段の一つとして企業買収や戦略的提携を行う可能性があります。企業買収や戦略的提携の実施に際しては十分な検討のもとに実行に移してまいりますが、実施した企業買収や戦略的提携が、当初期待した成果をあげられない場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(4)「MRPlus®」の収入構造、普及の可能性及び価格体系について
当社グループの主力サービスである「MRPlus®」の価格体系は、1ヶ月から1年程度の収入構造となっております。仮に予定していたとおりに本サービスが普及しない場合には、受注獲得に影響を与え、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(5)医師会員の獲得及び確保について
当社グループのサービス実現には多くの医師の協力を得る必要があり、当社グループは医師・医療従事者向け会員制サイト「ケアネット・ドットコム(CareNet.com)」等を通じて医師に満足度の高い医療情報を提供することで医師会員を確保しております。当連結会計年度末現在、当社グループの医師会員は15万3千人を有し、現在のサービス提供には支障はありません。しかしながら、今後何らかの原因により当社グループが医師会員を予定通り獲得・確保できない事態に陥った場合には、当社グループのサービスの実施・普及に支障をきたし、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(6)知的財産について
当社グループは、ブランドによる知名度向上を図ることや競合参入に障壁を築く手段のひとつとして、商品及びサービスに対し、商標権や特許権等の知的財産権を確保していくことを、事業推進上の重要事項として認識しております。しかしながら、商標権や特許権等は、特許庁に出願すれば必ず取得できるわけではなく、当社グループのブランドが確実に保護される保障はありません。また、これらが取得できたとしても、当社グループのビジネスに対し完全な参入障壁を築ける保障もありません。今後、類似ブランドの出現等によるブランド浸透力の弱まり、競合参入を防ぐ手段である知的財産権の確保の失敗、又はその確保が有効な手段となり得なかった場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
一方、当社グループはインターネットを利用したサービスの提供及び医療コンテンツの提供にあたり、他社の知的財産を侵害することがないよう弁護士など専門家の助言を得ながら十分注意を払っているものの、他社知的財産への侵害リスクを完全否定することはできません。したがって、万一当社グループが他社の知的財産を侵害するような事態が発生した場合には、損害賠償請求や当社グループサービスの提供の中止等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(7)人材の確保及び育成について
当社グループの事業は、医療・医薬及びこれらに関わる諸法令の知識を基に、医療・医薬に関わる情報コンテンツを制作するための企画力や制作力を有する人材が必要であり、今後の事業の成長においても不可欠であります。しかしながら、このような人材を獲得するのは容易ではないため、社内での人材育成や、社外への人材流出を防ぐことに力を注いでいく必要があります。当社グループは、人材の流出を防ぐために、従業員の士気を高めるためのストックオプション制度、譲渡制限付株式報酬制度の導入を図り、また、人材の育成のために、能力開発目標を人事制度のひとつに取り入れております。しかしながら、今後、人材流出の発生や人材の育成に充分な手立てができず、事業の遂行に遅れが生じたり、また遂行不能となった場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(8)技術、システム面のリスクについて
当社グループは、主に「MRPlus®」等のインターネットを利用したサービスを行っており、サービス水準の維持向上を図るために、継続的な設備投資と保守管理を行っております。しかしながら、ハードウェア又はソフトウェアの不備、アクセスの急激な増加、人為的ミス、インターネット回線のトラブル、コンピュータウィルス、不正アクセス、停電、自然災害、その他予測困難な様々な要因によって当社グループのシステムに被害又は途絶が生じた場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。また、当社グループは、適宜新しいシステム技術やセキュリティ関連技術等を取り入れながらシステムの構築、運営を行い、サービス水準を維持、向上させております。しかしながら、当社グループの想定しない新しい技術の普及等により技術環境が急激に変化した場合、当社グループの技術等が陳腐化し、当社グループの事業展開に影響を与える可能性と、変化に対応するための費用が生じ、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(9)ポイントシステムについて
当社グループは、一部サービスにおいて、寄付金やギフト券等に交換可能なポイントを会員に対して付与しております。このポイントが不正な操作等により、当社グループが正式に発行した以上に集められ、交換を求められた場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(10)個人情報の取り扱いについて
当社グループの事業は、医師の協力を得ることで成り立っており、事業遂行上、多くの医師等の個人情報を保有しております。そのため、当社グループは2005年3月に、JIS Q15001(個人情報保護に関するコンプライアンス・プログラムの要求事項)規格に準拠したプライバシーマークの付与認定を受けており、個人情報保護に関する社内規程の整備及び運用状況の監査を行うなど、個人情報管理の徹底を図っております。これらの対策により医師等の個人情報が漏洩する可能性は極めて低いと考えておりますが、万一医師等の個人情報の漏洩が発生した場合には、医師等からの信用を失うこととなり、医師会員の協力により支えられている当社グループのほぼ全てのサービスに支障が生じる等、その後の当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(11)外注先企業の選定管理及び確保について
当社グループが展開する「MRPlus®」等のサービスのなかで、コンテンツ制作やシステム開発など一部の業務においては、協力会社への外注を活用しております。外注の活用にあたっては、サービスの性質上、顧客の事業に関する機密情報を受け取る場合があるため、情報の取り扱いに関しては契約等により細心の注意を払っております。しかしながら、今後の外注先企業の管理体制の不備等により、機密情報の流出など重大なトラブルが発生した場合には、信用の低下等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、外注先が当社の希望通りに確保できないような事態に陥った場合には、顧客への納品の遅れが生じる等、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(12)法的規制について
a.インターネットについて
当社グループは、インターネットを利用した医療・医薬情報の提供サービスを展開しております。現在は、当該サービスに影響を及ぼすようなインターネットに係わる法規制はされておりませんが、今後、当社グループのインターネットを利用したサービスや、インターネット業界全体を対象とした法規制がされ事業運営の変更を余儀なくされた場合、又は事業運営を中止しなければならない事態が生じた場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
b.医薬品医療機器等法等について
当社グループは、医療従事者向けにインターネットや紙媒体などにより医療・医薬情報の提供を行っており、また製薬企業へは広告宣伝に係わる制作請負を行っております。このため、これら媒体等に記載される表示・表現には、医薬品医療機器等法、医療用医薬品プロモーションコード、医療用医薬品製品情報概要記載要領、医療用医薬品専門誌(紙)広告作成要領、及び医薬品等適正広告基準の規制を受けます。これら法規制は、ウェブサイト等に掲載される医療・医薬に係わる名称の使い方、効能・性能・安全性、及び他社製品の取り扱い等の表現や必要記載事項を制限しております。このような法規制に仮に当社グループが違反した場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(13)小規模組織であることについて
当社は、取締役7名、監査役3名(うち社外監査役2名)及び従業員105名と小規模の組織であり、内部管理体制はこの規模に応じたものとなっております。当社は、事業上重要なポストへの人材登用のほか、業務内容に応じ適切な人材を配置しており、現状の事業規模においては十分な組織体制が整備されていると考えております。しかしながら、今後、事業を拡大する過程において、当社が、適切かつ十分な人員の増強及び組織の整備を行うことができなかった場合、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(14)株式価値の希薄化について
当社は役員及び従業員に対し、当社の業績向上への意欲や士気を一層高めることを目的として、新株予約権付与によるストック・オプション制度を採用しております。なお、当連結会計年度末においては未行使残高はありません。
当社は今後、新株予約権等を発行する可能性があり、これらの発行及び行使により当社の1株当たりの株式価値に希薄化が生じる可能性があります。また、新株予約権の行使により取得した株式が市場で売却された場合は市場の需給バランスに変動を生じ、株価形成に影響を及ぼす可能性があります。
(15)投融資に係るリスクについて
当社グループは、将来的に事業との相乗効果や関係強化の成長可能性の拡大に寄与すると判断する場合には、M&A等の投融資を実施する場合があります。投融資を実施するにあたっては、投融資先の状況及びそれに伴うリスク等を事前に調査・検討した上で実施していく方針ですが、投融資の結果を確実に予測することは困難であり、投融資先の業績が悪化した場合や、損失が発生することにより、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(16)繰延税金資産について
当社は、税務上の繰越欠損金や将来減算一時差異に対して、将来の課税所得を合理的に見積り、その回収可能性を慎重に検討した上で繰延税金資産を計上しております。将来の業績変動により課税所得の見込み額が増減した場合や、税制改正により実効税率が変更された場合には、繰延税金資産の残高が増減し当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(17)自然災害、事故災害について
地震、台風、洪水等の自然災害や火災等の事故災害が発生した場合、当社グループの設備等の損壊や、電力、ガス、水の供給困難により、一部又は全部の業務が中断し、サービスの提供が遅延する可能性があります。また、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、結果として、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(18)風評に関するリスクについて
当社グループは、法令順守違反などの不適切な行為が発覚した場合は、速やかに適切な対応を図って参りますが、当社グループに対する悪質な風評が、マスコミ報道やインターネット上の書き込み等により発生・流布し、また商号等を騙った詐欺又は詐欺的行為が発生した場合は、それが正確な事実に基づくものであるか否かにかかわらず、当社グループの社会的信用が毀損し、経営成績等に影響を与える可能性があります。