有価証券報告書-第26期(2025/01/01-2025/12/31)
③戦略
当社は、気候変動が当社の事業にもたらす影響について、TCFDが提言する枠組みに基づき、シナリオ分析を行いました。当社の事業は、建物を持たずに、土地のみに投資を行う当社独自の不動産投資手法「JINUSHIビジネス」により構成されており、本ビジネスを分析対象とし、2030年及び2050年時点での移行リスクと物理リスク・機会等を検討いたしました。
また、シナリオ分析では、パリ協定の達成及び脱炭素の実現を念頭に置いた「1.5℃シナリオ」、また気候変動対策が十分に進展せず自然災害が激甚化するケースである「4℃シナリオ」の双方を採用して、分析しています。
◇シナリオ分析の概要
◇リスクと機会
脱炭素社会への移行及び気候変動により、JINUSHIビジネスにもたらされる移行リスク、物理リスク並びに機会について、発生可能性と財務影響の観点から検討し、2030年及び2050年時点における各影響を下表のとおり特定、財務影響の定性分析を行いました。定量的な財務影響の試算は、今後検討いたします。本分析により、土地のみに投資するJINUSHIビジネスは、気候変動や自然災害に強く、1.5℃シナリオ、4℃シナリオいずれにおいても、一定の対応力を有していることが確認できております。
◇シナリオ分析を踏まえた対応策
自社排出分のカーボンニュートラル化や、テナントへの環境配慮型設備導入等の働きかけにより、2050年カーボンニュートラル社会実現への貢献を目指します。
JINUSHIビジネスの拡大
・土砂災害、浸水等の自然災害リスクの低い土地の仕入
・長期契約の締結による、テナントの建築・解体に伴うGHG排出の低減
・テナント業種の多様化、事業エリアの拡大による環境変化への対応力の強化
・既存の土地・建物案件におけるJINUSHIリースバック(テナントにおける建物長期利用の促進)
GHG排出量低減に向けた取組
・自社拠点における再生可能エネルギーの活用、排出権購入等による自社排出分のカーボンニュートラルの継続
・テナントとの定期借地権設定契約へのESG条項の追加による、環境負荷軽減に寄与する活動の継続
当社は、気候変動が当社の事業にもたらす影響について、TCFDが提言する枠組みに基づき、シナリオ分析を行いました。当社の事業は、建物を持たずに、土地のみに投資を行う当社独自の不動産投資手法「JINUSHIビジネス」により構成されており、本ビジネスを分析対象とし、2030年及び2050年時点での移行リスクと物理リスク・機会等を検討いたしました。
また、シナリオ分析では、パリ協定の達成及び脱炭素の実現を念頭に置いた「1.5℃シナリオ」、また気候変動対策が十分に進展せず自然災害が激甚化するケースである「4℃シナリオ」の双方を採用して、分析しています。
◇シナリオ分析の概要
| シナリオ | シナリオの概要 | 主な参照シナリオ | |
| 移行リスク | 物理リスク | ||
| 1.5℃ シナリオ | 脱炭素の実現に向けた規制・政策が強化され、気候変動への対策が進捗し、産業革命前の水準からの気温上昇が1.5℃程度となるシナリオ。企業の気候変動対応が強く求められ、未対応の場合は、企業価値や信頼の低下による顧客流出等、移行リスクが上昇。一方で、物理リスクは相対的に抑制。 | IEA NZE2050 | IPCC RCP2.6 |
| 4℃ シナリオ | 気候変動対策が十分になされず、産業革命前の水準からの気温上昇がおよそ4℃となるシナリオ。自然災害の激甚化、海面上昇や異常気象の増加が想定されるなど、物理的リスクが上昇。一方で、各種規制強化がなされないなど、移行リスクは相対的に低い。 | IEA STEPS | IPCC RCP8.5 |
◇リスクと機会
脱炭素社会への移行及び気候変動により、JINUSHIビジネスにもたらされる移行リスク、物理リスク並びに機会について、発生可能性と財務影響の観点から検討し、2030年及び2050年時点における各影響を下表のとおり特定、財務影響の定性分析を行いました。定量的な財務影響の試算は、今後検討いたします。本分析により、土地のみに投資するJINUSHIビジネスは、気候変動や自然災害に強く、1.5℃シナリオ、4℃シナリオいずれにおいても、一定の対応力を有していることが確認できております。
| 区分 | タイプ | 内容 | 財務影響度 | 財務影響 | |||
| 4℃ | 1.5℃ | ||||||
| 2030年 | 2050年 | 2030年 | 2050年 | ||||
| 移行リスク | 政策・法規制 | ・炭素税の導入、省エネ基準の強化等、GHG(温室効果ガス:Green House Gasの略)排出規制の強化 | 小 | 小 | 小 | 小 | ・規制への対応コストの増加 ・規制対応による、テナントの地代負担力の低下 |
| テクノロジー・市場 | ・テクノロジーの進化や、気候変動によるテナントの需要、市場及び出店戦略の変化 ・気候災害を受けにくいエリア・土地の希少化、土地価格への反映 | 小 | 中 | 小 | 小 | ・既存テナントの地代負担力の低下やテナント需要の減少 ・土地仕入コスト(土地価格、調査費用、環境対応費用等)の上昇 | |
| 物理リスク | 急性 | ・台風や集中豪雨などによる浸水等の浸水被害 ・異常気象によるテナントの工事期間の長期化や、テナントの管理費・人件費の増加 | 小 | 中 | 小 | 小 | ・浸水等の被害の頻発に伴う、テナントの対応負担増加、及び退店頻度の上昇 ・工期長期化による地代発生時期の遅延 |
| 慢性 | ・海面上昇による浸水リスクの上昇、災害激甚化リスクを抱えるエリアの拡大 ・気候変動による人口動態の変化 | 小 | 中 | 小 | 中 | ・保有土地の資産価値の低下 ・改修費用(嵩上げ等)の発生 ・事業エリアの縮小 | |
| 機会 | 資源効率 | ・テナントとの長期契約の推進による建設プロセスの減少 | 小 | 小 | 小 | 中 | ・長期契約を好むJINUSHIビジネスとの親和性の向上、コスト効率を考慮するテナントの出店ニーズの増加 ・建築コスト抑制を企図した定期借地権設定契約期間満了後の再契約ニーズの上昇 |
| 市場 | ・新たなビジネスを行うテナントの発生 ・気候変動を受けにくい代替エリア・土地の価値向上 ・気候変動や自然災害に強く、GHGをほぼ出さないJINUSHIビジネス並びに地主リートの評価向上 ・気候変動対策を重視する投資家の増加 | 小 | 小 | 小 | 中 | ・新たなテナント業種の獲得 ・代替エリアでの事業機会獲得 ・JINUSHIビジネスの評価向上によるテナント拡大や資金調達条件の良化、手段の多様化 ・地主リートの資金調達量の増加、投資家層の拡大 | |
◇シナリオ分析を踏まえた対応策
自社排出分のカーボンニュートラル化や、テナントへの環境配慮型設備導入等の働きかけにより、2050年カーボンニュートラル社会実現への貢献を目指します。
JINUSHIビジネスの拡大
・土砂災害、浸水等の自然災害リスクの低い土地の仕入
・長期契約の締結による、テナントの建築・解体に伴うGHG排出の低減
・テナント業種の多様化、事業エリアの拡大による環境変化への対応力の強化
・既存の土地・建物案件におけるJINUSHIリースバック(テナントにおける建物長期利用の促進)
GHG排出量低減に向けた取組
・自社拠点における再生可能エネルギーの活用、排出権購入等による自社排出分のカーボンニュートラルの継続
・テナントとの定期借地権設定契約へのESG条項の追加による、環境負荷軽減に寄与する活動の継続