有価証券報告書-第24期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/27 13:30
【資料】
PDFをみる
【項目】
124項目
4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を行うことが要求されております。実際の業績は、これらの見積りとは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しをしております。会計上の見積りの見直しによる影響は、見積りを見直した会計期間及びそれ以降の将来の会計期間において認識いたします。
経営者が行った連結財務諸表の金額に重要な影響を与える判断及び見積りは以下のとおりであります。
(1)非金融資産の減損(注記「3.重要な会計方針(9)非金融資産の減損」)
当社グループは、有形固定資産及び無形資産について、減損テストを実施しております。減損テストにおける回収可能額の算定においては、資産の耐用年数、将来キャッシュ・フロー、税引前割引率及び長期成長率等について一定の仮定を設定しております。これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経営条件の変動の結果により影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表等において認識する金額に重要な影響を及ぼす可能性があるため、当社グループでは、当該見積りは重要なものであると判断しております。
(2)のれんの減損(注記「3.重要な会計方針(8)のれん及び無形資産」)
のれんは非上場の子会社であるThis Place Limited社(以下、TP社)に関連するものであり、2022年3月31日現在、のれんを449,860千円計上しております。また、当連結会計年度において、減損損失を603,899千円計上しております。
当社グループは、毎期一定の時期又は減損の兆候が存在する場合には随時に減損テストを実施しております。
のれんを配分した資金生成単位の回収可能価額は使用価値と処分コスト控除後の公正価値のいずれか高い方を採用しております。使用価値は、将来キャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて算定しております。将来キャッシュ・フローの見積額は、経営者が承認したTP社の事業計画を基礎とし、事業計画後の期間のキャッシュ・フローについては永久成長率を0%としております。
英国に本社を置くTP社の主要な事業内容は、ソフトウェア事業に関するデザインサービス事業であり、事業計画における主要な仮定は、既存顧客からの継続受注と、新たな地域における新規顧客の獲得や受注見通しであり、割引計算に使用した割引率は、資金生成単位の加重平均資本コストを基礎に算定しております。
これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経営条件の変動の結果により影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を及ぼす可能性があるため、当社グループでは、当該見積りは重要なものであると判断しております。
(3)繰延税金資産の回収可能性(注記「3.重要な会計方針(13)法人所得税」及び注記「16.法人所得税」)
当社グループは、資産及び負債の連結財政状態計算書上の帳簿価額と税務上の基準額との間に生じる一時差異に対して、繰延税金資産及び繰延税金負債を計上しております。当該繰延税金資産及び繰延税金負債の算定には、期末日において施行され、又は実質的に施行されている法令に基づき、関連する繰延税金資産が実現する時、又は繰延税金負債が決済される時において適用されると予想される税率を使用しております。繰延税金資産は、将来の課税所得を稼得する可能性が高い範囲内で、全ての将来減算一時差異及び全ての未使用の繰越欠損金及び税額控除について認識しております。将来の課税所得の見積りは、経営者により承認された事業計画等に基づき算定しております。当該前提とした状況の変化や将来の税法の改正等により、繰延税金資産や繰延税金負債の金額に重要な影響を及ぼす可能性があるため、当社グループでは、当該見積りは重要なものであると判断しております。
(4)金融商品の公正価値の測定(注記「3. 重要な会計方針(4)金融商品」及び注記「31. 金融商品」)
当社グループが保有する公正価値で測定する金融資産及び金融負債が、活発な市場における公表価格によって測定できない場合には、当該資産又は負債について直接に又は間接に観察可能な前述の公表価格以外のインプットを使用して算定された公正価値、もしくは観察不能なインプットを含む評価技法によって算定された公正価値を用いて評価しております。特に、観察不能なインプットを含む評価技法によって算定される公正価値は、適切な基礎率、仮定及び採用する計算モデルの選択など、当社グループの経営者による判断や仮定を前提としております。これらの見積り及び仮定は、前提とした状況の変化等により、金融商品の公正価値の算定に重要な影響を及ぼす可能性があるため、当社グループでは、当該見積りは重要なものであると判断しております。
2022年3月31日現在、公正価値で測定する金融資産(レベル3)のうち、Gorilla Technology Inc. (以下、Gorilla社)に関する株式を6,084,389千円計上しております。
当該金融資産は連結子会社であるAsteria Vision Fund I, L.P.(以下、AVF-I)の投資先である非上場株式であり、割引キャッシュ・フロー法(以下、DCF法)を利用して公正価値を測定しております。
DCF法においては、Gorilla社の事業計画及び同社が保有する主要資産の定量的情報に加え、割引率、永久成長率等の外部より観察不能なインプットを総合的に考慮しております。
台湾に本社を置くGorilla社の主要な事業内容は、AI画像認識製品サービスの販売であり、複数の海外拠点において事業を展開しております。また、特別買収目的会社(SPAC)との合併による米国のナスダック市場への上場を申請済みであり、ナスダック市場への上場を前提としたGorilla社の事業計画における主要な仮定は以下のとおりであります。
・ ナスダック市場への上場に伴う資金調達や知名度向上によって実現することが見込まれる、新たな国における新
規顧客の獲得や受注見通し
・ Gorilla社の従来の主要な事業であるAI画像認識製品サービスの販売に加えて、新たに計画しているEdge AI
Paasの販売展開に関する新規顧客の獲得や受注見通し
公正価値測定の前提となる事業計画には上記の重要な仮定が織り込まれていることから、将来キャッシュ・フローの見積りは不確実性を伴い、経営者の判断が必要となります。
これらの見積り及び仮定は、前提とした状況の変化等により、金融商品の公正価値の算定に重要な影響を及ぼす可能性があるため、当社グループでは、当該見積りは重要なものであると判断しております。
(5)会計上の見積りの変更に関する注記
該当事項はありません。