有価証券報告書-第33期(平成28年9月1日-平成29年8月31日)

【提出】
2017/11/28 14:15
【資料】
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【項目】
91項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度における我が国経済は、金融緩和や各種経済政策を背景に、大手企業を中心に収益改善の傾向が見られ、回復基調で推移しております。また、個人消費については、雇用・所得環境が改善傾向にあるなかで、総じてみれば底堅い動きを示しており、消費者マインドは持ち直しの動きが見られます。しかし、中国を始めとするアジア新興国等の景気の下振れや、米国新政権の政策運営の不確実性、英国のEU離脱問題、不安定な国際情勢の影響から、我が国の景気が下押しされるリスクがあり、依然として先行き不透明な状態が続いております。
当社グループの属するフリーペーパー・フリーマガジン市場は、媒体及びターゲットの多様化が進んでおりますが、紙媒体だけでなくインターネット広告との価格競争が恒常化するなど、依然として厳しい経営環境が続いております。
このような状況の下、当社では平成28年9月に埼玉県さいたま市に「ちいき新聞」岩槻版を創刊、更に平成28年11月に茨城県に初進出し、「ちいき新聞」取手・守屋版を創刊いたしました。これにより、当社グループの基盤事業である新聞等発行事業は平成29年8月末には1都4県74エリアで74版の発行、週間発行部数は約296万部となりました。
新聞等発行事業における地域新聞社の施策といたしましては、営業活動の増加施策として、広告主とのface to face営業に加え、Webマーケティングへの取り組みを開始し、接触件数増加により信頼関係を構築し、客数の増加に努めてまいりました。また、さらに読者に楽しみにしていただけるように、「ちいき新聞」(フリーペーパー紙面)と「チイコミ」(地域情報コミュニティーサイト、Web事業が運営) との連携をさらに強化させ、より付加価値の高い広告提供を実現し、顧客満足度を高めてまいりました。
ショッパー社の施策としましては、「地域新聞ショッパー」をより地域に密着した媒体へと進化発展させていくためにエリア細分化を進めております。また、採算性が悪化しているエリアについては休刊し経営資源を効率的に活用してまいりました。
折込チラシ配布事業におきましては、地域新聞社だけでなくショッパー社においても、それぞれの地域にカスタマイズされた独自の地図情報システム(GIS)を活用することにより、広告主の顧客ターゲットが明確となり、効率的かつ広告効果の最大化を図るサービスを実現することができました。
その他事業については、近年の深刻な人手不足による求人ニーズに応えるため、新しい求人媒体「Happiness」を平成29年3月より発行開始いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は「地域新聞ショッパー」を一部休刊いたしましたが、3,955,539千円(前年同期比3.9%増)と増加したものの、新版の創刊による経費の増加に加え紙面価値向上の強化及び営業強化に伴う固定費の増加により、経常損失は152,081千円(前年同期は経常損失163,442千円)、固定資産の減損損失14,185千円及び移転損失引当金繰入額1,477千円を特別損失に計上したため、親会社株主に帰属する当期純損失は161,476千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失246,050千円)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、担保預金の払戻による収入200,000千円、長期借入れによる収入200,000千円、未払費用の増加95,572千円、減価償却費44,905千円や前受金の増加39,881千円等がありましたが、税金等調整前当期純損失の167,744千円に加え、短期借入金の純減額300,000円、定期預金の預入による支出200,600千円、未払金の減少額34,970千円等があったため、前連結会計年度に比べ233,020千円減少し、当連結会計年度には616,176千円となりました。
また、当連結会計年度における各キャッシュ・フローは、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果使用した資金は、42,517千円(前年同期比92,935千円の増加)となりました。これは、主に税金等調整前当期純損失が167,744千円であったことに加え、未払金の減少34,970千円等の減少要因が、未払費用の増加95,572千円、減価償却費44,905千円、前受金の増加39,881千円等の増加要因を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、48,789千円(前年同期比221,537千円の減少)となりました。これは、主に担保預金の払戻による収入200,000千円等がありましたが、定期預金の預入による支出200,600千円、有形固定資産の取得による支出20,906千円、敷金及び保証金の差入による支出16,053千円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、141,713千円(前年同期比504,780千円の減少)となりました。これは、長期借入れによる収入200,000千円がありましたが、短期借入金の純減額300,000千円に加え、ファイナンス・リース債務の返済による支出21,286千円及び長期借入金の返済による支出16,670千円等があったことによるものであります。