有価証券報告書-第48期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 9:18
【資料】
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【項目】
112項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度における当社グループの売上高は、92億68百万円(前年同期比14.6%増)、営業損失は2億53百万円(前年同期は営業利益1億70百万円)、経常損失は2億62百万円(前年同期は経常利益1億61百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は3億69百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益97百万円)となりました。
当連結会計年度における売上高は、当社グループの中期ビジョンである「Be a PARTNER of EXPERIENCE MARKETING」(経験価値提供型マーケティング・パートナーになる)の実現に向け、Experienceマーケティングサービスの提供を通じて、クライアントから永続的に選ばれるマーケティング・パートナーへと進化すべく、新たな市場・サービス領域への挑戦に重点を置きながら各事業を推進した結果、前年同期と比較して増加となりました。
営業利益以下、各区分利益は、前年同期と比較して減少し、損失を計上いたしました。クライアントの多様化する課題の解決及び複雑化したプロジェクトに関わる専門スキルを有する人材投資や業容拡大に伴う事業基盤整備費用、また進化を続けるデジタル・テクノロジーを掛け合わせた次世代型マーケティング&コミュニケーションのためのAI・コグニティブ投資関連費用等が増加し、当連結会計年度においては当該先行コストを吸収することができなかったことによります。なお、当社の連結子会社である㈱アイアクトの現時点における収益性を踏まえ、連結上のみ識別されているCMS*構築関連技術、商標、顧客との継続取引関係等の同社の無形固定資産について、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失106百万円を特別損失に計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純損失を計上することとなりました。
*Contents Management System(コンテンツ・マネジメント・システム)の略称で、Webサイトを管理・更新できるシステムのことをいいます。
なお、当社の当事業年度における売上高は、86億1百万円(前事業年度比15.5%増)となりました。営業利益は14百万円(同93.6%減)、経常利益は7百万円(同96.6%減)となり、㈱アイアクトの株式取得価額について、業績見込み並びに来期の事業計画等を勘案した結果、当初の利益計画には及ばないことが明らかとなり、株式取得時の投資価値は毀損していると判断し、関係会社株式評価損2億51百万円を特別損失に計上したため、当期純損失は2億51百万円(前事業年度は当期純利益1億50百万円)となりました。
当連結会計年度における報告セグメントの業績は、次のとおりです。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。また、当連結会計年度に完全子会社化した㈱スプラシアは「デジタルエクスペリエンス&コミュニケーション事業」に含んでおります。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
(以下、「2 生産、受注及び販売の状況」及び「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」においても同じ。)
a.リアルエクスペリエンス&コミュニケーション事業
リアルエクスペリエンス&コミュニケーション事業におきましては、人と人とが直接出会う“場”・“空間”において、様々な体験価値を通じて提供される製品・サービスの宣伝・販売活動を「Experience マーケティング」と位置付け、“コミュニケーション”に関わるあらゆる「表現」「手段」「環境」を最適化し“デザイン”することで、サービスを展開しております。
今までにない体験価値をリアルとデジタルの融合によって創出し、クライアントのブランド価値や売上拡大に繋げる施策や手法を提案・提供してまいりました。イベント・展示会市場での価格競争は依然として厳しくなっているものの、全国展開での体験型イベントプロモーションの受注やイベント来場者向けのデジタルアプリケーションの提供など、クライアントの課題解決に応える新たなサービス拡充等により、当連結会計年度における売上高は86億1百万円(前年同期比15.5%増)となりました。一方、利益面につきましては、クライアントの多様化する課題や難易度の高い大規模案件等に応えるために必要な専門スキルを持つ人件費及び人材獲得費並びに複雑化するプロジェクトの進行管理費の増加、また業容の拡大に伴うオフィス環境整備費などの先行投資費用が増加した結果、セグメント損失は22百万円(前年同期はセグメント利益2億26百万円)となりました。
b.デジタルエクスペリエンス&コミュニケーション事業
デジタルエクスペリエンス&コミュニケーション事業におきましては、インターネットを活用したビジネスモデルの策定から戦略的なWebサイト構築やアプリケーション制作をはじめとし、ビジネス向けアプリ制作・配信・管理プラットフォームやAI・コグニティブ領域、ロボティクスなど、最先端のデジタル・テクノロジーを集積し“デザイン”することでサービスを提供しています。
クライアントの課題解決や新たなコミュニケーション創出のための新サービスの研究開発機能の強化、高い技術力を持つオフショアでのラボ型開発機能の強化など、時代のニーズを先取りした制作体制の構築を進めてまいりました。また、次世代型マーケティング&コミュニケーションのためのAI・コグニティブ・サービスの研究、新型コミュニケーション・ロボットの開発など、新サービス・新製品開発に向けた先行投資を継続した結果、当連結会計年度における売上高は8億11百万円(前年同期比20.9%増)、セグメント損失は98百万円(前年同期はセグメント損失7百万円)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ62百万円減少し、13億98百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は2億51百万円(前連結会計年度は88百万円の使用)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純損失4億26百万円及び売上債権の増加額3億42百万円等が、仕入債務の増加額2億34百万円及びのれん償却額1億32百万円等を上回ったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は6億90百万円(前連結会計年度は90百万円の使用)となりました。
これは主に、無形固定資産の取得による支出1億64百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出3億86百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は8億80百万円(前連結会計年度は4億44百万円の獲得)となりました。
これは主に、短期借入れによる収入8億円及び長期借入れによる収入15億76百万円等が、短期借入金の返済による支出3億円及び長期借入金の返済による支出11億4百万円等を上回ったこと等によるものです。