有価証券報告書-第11期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/26 13:03
【資料】
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【項目】
171項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
(基本理念)
当社グループでは、グループ共通の価値観として、グループ基本理念「OUR PHILOSOPHY」を策定し、公表しています。「OUR PHILOSOPHY」は、グループの経営、企業活動、役員や社員などの構成員において、大切にする考え方やあり方を幅広く明確化しており、当社グループのすべての営みはこの「OUR PHILOSOPHY」を軸に行われます。当社グループは、社会に対して果たすべき役割として、「デジタル技術を駆使したムーバーとして、未来の景色に鮮やかな彩りをつける」存在を目指してまいります。
また、当社グループでは2017年5月に、この先10年を見据えた目指すべき企業像として新たなグループビジョンを定めました。このグループビジョンをTISインテックグループの全員で共有し、一人ひとりが日常業務の中で実践することで、TISインテックグループが目指す理想の実現及び更なる企業価値の向上を目指してまいります。
(グループビジョン)
①目指す企業像
「Create Exciting Future」をグループ共通の価値観として、先進技術・ノウハウを駆使しビジネスの革新と市場創造を実現します。顧客からは戦略パートナーとして頼りにされ、既成業界・市場の変革に常にチャレンジし、新たな市場を創造するイノベーターとなることを目指します。
②戦略ドメイン
目指す企業像を実現すべく、4つの戦略ドメインを定義しました。
ストラテジックパートナーシップビジネス業界トップクラスの顧客に対して、業界に関する先見性と他社が追随できないビジネス・知見を武器として、事業戦略を共に検討・推進し、ビジネスの根幹を担う。
ITオファリングサービス当社グループに蓄積したノウハウと、保有している先進技術を組み合わせることで、顧客より先回りしたITソリューションサービスを創出し、スピーディーに提供する。
ビジネスファンクションサービス当社グループに蓄積した業界・業務に関する知見を組み合わせ、先進技術を活用することにより、顧客バリューチェーンのビジネス機能群を、先回りしてサービスとして提供する。
フロンティア市場創造ビジネス当社グループが保有する技術・業務ノウハウ、顧客基盤を活かして、社会・業界の新たなニーズに応える新市場/ビジネスモデルを創造し、自らが事業主体となってビジネスを展開する。

また、当社グループは、事業を通じた社会課題の解決による持続的な社会発展への貢献という企業が本来有する社会的責任に対する認識をよりいっそう深め、中長期的な企業価値向上を実現するため、コーポレートサスティナビリティに関する取組みをよりいっそう強化してまいります。その一環として、2018年7月に国連が提唱する「国連グローバル・コンパクト」に署名するとともに、社会の動向やステークホルダーからの期待、当社グループらしさや成長への重要性を元に、4つの重点テーマとマテリアリティ(重要課題)を特定し、優先して取り組んでいくテーマも明確化しました。当社グループはマテリアリティへの取組みを通じて、SDGsの達成に向けて貢献してまいります。
加えて、高く新しい目標にチャレンジする活力ある企業カルチャーを醸成し、グループの企業と社員が共に法令等の遵守はもとより高いモラルに基づいた誠実かつ公正な企業活動を実践し、社会的責任を果たすことを宣言した「グループCSR基本方針」に基づき、CSRを重視した経営を推進してまいります。
(2)経営戦略等
当社グループは、中期経営計画(2018-2020)の初年度となる2019年3月期のグループ経営方針を以下のとおりと定め、同計画の目標達成並びにグループ企業価値の向上に向けて諸施策を推進してまいりました。
中期経営計画(2018-2020)
基本方針
2019年3月期 グループ経営方針
「持続的な利益成長」
「社員の自己実現重視」
「継続的なスピードある構造転換」
・サービス型への構造転換に向けたスタートダッシュ
・新サービス創出のための積極的な先行投資
・強みの活きる領域での付加価値・生産性の向上
・ASEANトップクラスのIT企業連合体を目指した成長戦略の推進
・働きがい向上と人材マネジメントの高度化

グループ経営方針に基づき、構造転換に向けた積極的な先行投資を行いながらも、顧客のIT投資ニーズへの的確な対応による事業拡大、生産性向上や不採算案件抑制等、収益性向上に向けた取組みを推進してまいりました。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
システムの複雑化・大規模化、サービス化の進展、グローバル化の流れ、更には急速に進む技術革新等、経営環境が大きく変動する中、当社グループはIT業界のリーディングカンパニーとして、豊かな未来社会実現の一翼を担う企業グループを目指しております。
当社グループでは、中期経営計画(2018-2020)の基本方針である「持続的な利益成長」「社員の自己実現重視」「継続的なスピードある構造転換」を達成するために、最終年度となる2021年3月期の重要経営指標を以下の通り定め、目標としています。その初年度である2019年3月期では、すべての指標において当連結会計年度の目標を大きく上回る成果となりました。
中期経営計画
重要な経営指標
2021年3月期2019年3月期
計画値計画値実績値
戦略ドメイン比率50%40%42%
営業利益430億円350億円380億円
営業利益率10.0%8.5%9.0%
自己資本当期純利益率(ROE)12.0%10.2%11.5%

(注)2021年3月期計画値は、中期経営計画(2018-2020)策定時の数値。
(4)経営環境
当社グループを取り巻く経営環境は、世界経済の先行きには不透明感はあるものの、顧客のデジタル経営への志向が強く、IT投資ニーズが引き続き拡大することが期待されます。AI、IoT、ブロックチェーン等に代表される技術革新を活用したビジネス分野は、日本においても投資は急拡大しており、引き続き投資拡大が続くと想定されます。特に、日本においてはキャッシュレス決済比率が先進国の中では低水準に留まっているものの、経済産業省が「キャッシュレス・ビジョン」において同比率を2025年に40%へ引き上げる宣言を定めたことを受けて、今後、クレジットカードやデビットカード、QRコード決済など多様なキャッシュレス決済手段の更なる普及や、キャッシュレス社会の実現に向けた諸施策の推進などを背景にキャッシュレス決済関連市場の拡大が期待されます。加えて、あらゆる産業において、企業変革と競争力の強化のために、新たなデジタル技術とデジタルデータを活用した「デジタル・トランスフォーメーション」の重要性が高まっており、その実現に向けた戦略的なIT投資の増加も期待されます。このような経営環境を背景とし、事業環境は引き続き堅調に推移することが期待されます。
一方で、デジタル化の急速な進展やグローバルなITプラットフォーマーの台頭などにより、事業環境が急激に変化し、これまでとまったく異なる発想が求められるようになっております。産業構造の変化や社会課題など、外部環境の変化を敏感に汲み取り、そこから当社にとっての重要課題を設定し、ビジネスの成長へと結びつけることがより必要となってきていると認識しております。
また、2017年11月には日本経済団体連合会が「SDGs(持続可能な開発目標)」の達成に向けて企業行動憲章の改定を行うなど、日本企業全体がビジネスイノベーションを発揮し、事業を通しての社会課題の解決や、ダイバーシティ、働き方改革等に取り組んでいくことが求められています。当社グループの属する情報サービス産業においても、先端IT技術を有している高付加価値IT人材の確保が一層難しくなることが想定されており、加えて、社会的な課題である長時間労働の是正、多様な働き方の推進など、働き方を変えていくための職場風土・環境の整備の必要性が高まっていることが、重要な環境変化と認識しております。そのような中、当社グループも社会課題の解決をリードする企業への変革を求められていると認識しております。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループの対処すべき課題は、グループビジョン「Create Exciting Future」が目指す理想の実現及び更なる企業価値の向上を目指すため、スピード感を持って構造転換を実現し、4つの戦略ドメインを拡充していくことであると認識しております。
当社グループは、構造転換の必要性を強く意識し、「持続的な利益成長」と「社員の自己実現重視」の二つの目標を掲げてまいります。その目標達成のために必要なのが「継続的なスピードある構造転換」であり、具体的には、「コア事業への集中」「先行投資型への転換」「グローバル事業の拡大」といった基本方針に基づき各種施策を進めてまいります。
「コア事業への集中」については、従来からの当社グループの強みである、システムインテグレーションやITサービスでの得意分野や重要・重点顧客ビジネスをさらに強固なものとするために各種施策を推進してまいります。既存事業の収益性を高めるため、グループ生産革新委員会の活動を通じた各種施策による不採算案件の極小化、保守開発の生産性を高めるエンハンスメント革新活動など、付加価値向上、生産性改革による強みの進化を目指す施策を推進してまいります。加えて、日本全体で将来的な人口減少、人材不足等の事業環境を前提条件に、人的リソースの増加を前提としないビジネスモデルへの構造転換を加速させることや、収益性の観点で事業ポートフォリオの見直しを引き続き進めてまいります。
「先行投資型への転換」については、当社グループの事業構造そのものを転換し、スピード・柔軟性を重視し、社会課題の視点から顧客に対して先回りしたビジネスへ転換していくことを目指してまいります。具体的には、当社グループの研究機関で行っているAI、IoT、ロボット等の先端技術の研究や、出資先のベンチャー企業のノウハウや事業との連携を深め、事業創造を促進してまいります。また、顧客同士をつなぐ、顧客と社会をつなぐということを切り口に、お互いの成長を加速させる事業創造を進めてまいります。
「グローバル事業の拡大」については、これまでも特に成長著しいASEANのマーケット獲得のために各国の有力IT企業との資本・業務提携を通じた展開を加速してまいりましたが、今後もASEANトップクラスのIT連合体を目指すため、当社グループの強みである決済、銀行及びERP領域をグローバルでの強みとすべく強化してまいります。また、欧米や中国等のIT先進国の企業との提携等を積極的に展開することで、当社グループの成長エンジンに組み込み、日本市場やASEAN市場に投入するソリューションを充実させてまいります。
また、これら施策の実現を強力に下支えするため、「人材の高度化」「経営管理の高度化」も引き続き進めてまいります。
「人材の高度化」については、社員の自己実現を重視し多様な人財が活躍できる仕組み・風土構築を通じて働きがい向上に努めてまいります。社員が仕事を通して自己実現を図り、より高い成果を生み出せるよう、職場風土・環境の整備に取り組む施策をまとめた「TIS人事本部マニフェスト」を策定し、60歳以降も処遇制度が変わらない「65歳定年制度」の導入など、各種施策を着実に実行してまいります。こうした取り組みの結果、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人として、経済産業省と日本健康会議が選定する「健康経営優良法人2019~ホワイト500~(大規模法人部門)」に当社グループの中核会社2社が認定されました。引き続き、働き方改革および健康経営を積極推進し、社員一人ひとりの成長と会社の持続的な発展を目指し、各種制度や職場環境の整備を進めてまいります。
「経営管理の高度化」については、グループ共通の価値観であるグループ基本理念「OUR PHILOSOPHY」およびグループビジョンの策定と浸透活動の推進、独立社外取締役の増員と多様性の確保、「指名委員会」「報酬委員会」の設置及び内部統制管理体系を整理・集約しグループ内部統制委員会に一本化するなど、事業持株会社体制への移行を機に体制を整えてまいりました。また、グループ経営管理の高度化を実現するため、グループ基幹システムの統合等による業務効率化を行う「本社系機能高度化プロジェクト“G20”」を推進してまいります。
これらの対処すべき課題認識を踏まえ、2018年度から始まる3か年の中期経営計画では、「Transformation to 2020 ~グループ一体となり構造転換を実現し、社会の課題解決をリードする企業へ~」のスローガンとともに、2021年3月期に目指す重要な経営指標として「戦略ドメイン比率50%」「営業利益430億円」「営業利益率10%」「ROE12%」を定めました。初年度となる2019年3月期では、すべての指標において当連結会計年度の目標を大きく上回る成果となりました。これからも、「グループビジョン2026」の達成に向けた土台構築のため、スピード感のある構造転換の実現と当社グループの企業価値向上に向け、各種施策に精力的に取り組んでまいります。

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