有価証券報告書-第124期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/16 16:38
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(1) 【人材戦略に関する基本方針等】
① 当社グループに集う社員への想い
当社グループでは、Employee Philosophy Statement「Daiichi Lifeグループで働く人を考える」を制定し、「一生涯のパートナー」として働く私たちが大切にしてきた想いをグループ各社と共有しております。すべての社員が生き生きと個性を発揮し活躍できる世界の実現、そして企業価値の更なる向上に向け、人財の育成や戦略的な配置、多様な人財が最大限に活躍できる組織風土の醸成に取り組んでおります。
Daiichi Lifeグループで働く人を考える
成長は、自分ひとりで成し遂げるものではありません。
私たちの100年を超える歴史と経験が教えてくれるように
成長とは、多くの仲間とのつながりの中で生まれるもの。
Daiichi Lifeグループは、あなたのパートナーとして
共に成長し、皆で高め合い、互いに成功を支援し
今も、そしてこれからもすべての人々の幸せを守り、高めます。
あなたがグループのどこにいても、そしてグループのどこへ行っても
私たちは共に歩み、皆ですべての社員が生き生きと個性を発揮し
活躍できる世界(World of Opportunities)の扉を開いていきます。

② グループ人財戦略
当社グループは、パーパスとして掲げる「共に歩み、未来をひらく 多様な幸せと希望に満ちた世界へ」の実現に向けて、生命保険の枠を超えた価値提供を行う「保険サービス業」へと進化することを目指しております。パーパスで志向する姿への道標として、2030年に目指す姿を「日本の保険業界の未来を先導する存在」、「グローバルトップティアに伍する保険グループ」と定めており、時価総額10兆円という目標に向けて、国内保険、海外保険、資産形成・承継アセマネ、新規(非保険)、IT・デジタルの5つの事業戦略とこれらを支えるGroup CXOによるマトリクス型の経営を推進しております。
以上の経営戦略のもと、2030年までに従来の国内保険中心のビジネスモデルから、海外生保事業が利益の過半を占め、新規事業及びアセットマネジメント事業が利益全体の10%を占める姿へと変革していく姿を描いております。このようなビジネスポートフォリオの大きな変革を伴う成長、そして保険サービス業への進化を志向するにあたって、その原動力となるのがグループ約60,000名の人財であり、経営戦略に資する人財基盤を構築することが人財戦略の最大の目的であると考えております。当社グループでは、「多様な人財が可能性を最大限に発揮し、挑戦と変革を実現する」をスローガンとする人財戦略を以下の6つの柱に基づき推進し、主体的にキャリアをひらく人財への支援を強化しております。

グループの社員が多様な国・地域で働いており、企業価値との関係もそれぞれが担う職務やポストによって異なる中では、個々の社員がそれぞれの持ち場でこれまで以上に生産性を向上させることが、持続的な企業価値向上の源泉であると考えております。生産性は、従業員一人ひとりの働きがいを示す指標であるエンゲージメントの向上と、変化への対応力を高める多様な人財ポートフォリオの構築という2つの要素によってもたらされるととらえております。当社グループの人財戦略のスローガンは、こうした目指す組織像を端的に表したものであります。目指す組織像に向けて変革を進めていく上で、特に以下の3点が課題であると考えております。
a. 主体的なキャリア形成文化の定着
従来の会社主導のキャリア形成から、その主体を社員一人ひとりへと移していく。グローバルトップティアの実現にどのように貢献するかを自ら考え、AI・デジタル化等の環境変化もとらえながら、自らの可能性を最も活かせるキャリアを切りひらいていく文化を浸透させる。
b. 公平な不平等の実現・浸透
主体的なキャリア形成の結果として高いパフォーマンスを発揮した人財に対して、マーケット競争力を考慮した報酬水準のもとで、従来以上にメリハリをもって報いることで、社員の貢献実感を高める。
c. 多様な人財ポートフォリオの形成
入社経路や性別にとらわれず、様々なバックグラウンドの社員が同じ組織の中で協働する環境を作るために、キャリア採用者や若手・女性社員の登用、障がい者雇用などを積極的に進めていく。
6つの柱に基づく施策を展開する過程で、上記3つの重点課題を乗り越え、企業文化の変革を伴うかたちで人財戦略を推進することを目指しており、以上の考えとプロセスを可視化するために人的資本インパクトパスを以下のとおり策定しております。

③ 人財戦略を支える6つの柱と具体的な取組
a. 人財獲得・人財育成
急速に変化する事業環境に対応するため、多様な人財の獲得を推進しております。新卒採用では、特定領域の専門性を高めるスペシャリティコースを拡充し、2025年4月入社から8コース体制としました。2026年卒の新入社員におけるスペシャリティコース採用者の比率は約4割を占めております。
また、事業領域の拡大と深化を支える人財確保のため、キャリア採用にも注力しております。新卒採用が人財育成を通じた中長期的な人財ポートフォリオの多様化に繋がる一方で、キャリア採用は即戦力の確保に加え、社内風土の変革を促す観点からも重視しております。直近2年は、キャリア採用者数が新卒採用者数を上回り、組織の多様性が着実に高まっております。
人財育成では、グローバルトップティアに伍する保険グループ実現に向けて、グローバルで通用する語学力、ビジネス実践力を備えた人財の育成に取り組んでおります。若手~中堅を対象とした国内外の研修や英会話コーチング等の自己啓発支援など、様々な施策を展開しております。グローバル人財の育成状況を測るため、外国人講師との実際のビジネスシーンを想定したミーティング、プレゼンテーション、交渉を通じたアセスメントである「Global Pool Assessment(GPA)」を活用しております。5段階中3.5以上の評価獲得者数をKPIに設定し、2025年度には累計281名と目標の250名を超過達成しました。
加えて、デジタル活用によるビジネスモデル変革・事業効率向上を推進する上で、DX人財の育成に取り組んでおります。2024年度から当社及び国内生保会社を対象に、6つのフェーズで構成されるDX人財育成プログラムを展開しております。これまでに8,000名超が受講し、約4,300名がPhase2に認定されました。Phase2は「デジタル活用層」として、所定の研修受講と国家資格であるITパスポート等の取得を要件とするもので、グループにおけるDXの裾野拡大を図る指標として重視しております。
第一生命保険株式会社における生涯設計デザイナーの育成においては、入社初期教育の充実を図っております。入社後6か月間でスキルやリテラシーを集中的に学ぶ「キャリアカレッジ」をはじめとした教育体制の整備を行っております。各種取組により、金融リテラシーの向上を通じたコンサルティング力強化につながっているほか、入社後の在籍率の改善にも寄与しております。
b. 主体的なキャリア形成支援
グループ社員に求める人財像である「主体的にキャリアをひらく人財」を体現するための機会として、社員一人ひとりのキャリア形成を支援する様々な制度を整備・提供しております。
国内向けの制度として、グループ内の多様な職務に対して公募を行うMyキャリア制度を運営しており、応募者数・合格者数はいずれも順調に増加しております。2024年度からはラインマネジャー職への公募を開始し、2階級下のポストから応募できる仕組みとすることで、キャリアの早い段階からのマネジメントへの挑戦を後押ししております。
また、国や会社の枠を越えて自ら手を挙げ、グローバルなキャリア機会に挑戦できるグローバル・ジョブポスティングを2022年より開始しております。異国での就業経験を通じて得た学びや気づきを所属元に還元し、グループ一体での成長に貢献することを期待しております。制度開始からこれまでに51ポストで公募があり、118名が応募しております。
さらに、管理職級社員を対象に、一部の国内グループ会社の社長職を公募する「経営人財公募制度『社長やります!』プロジェクト」を2025年度に実施いたしました。新たな視点を持つ人財の経営参画により、既存の常識にとらわれず各社の事業成長を促すことを狙いとしております。将来を担う経営人財の育成の観点から、応募者の年齢を45歳以下とし、21名が応募いたしました。
c. 人事制度・報酬制度
当社グループでは、職務内容に応じてマーケット競争力のある報酬水準を実現するための制度設計を進めております。人財獲得競争が激化する中、優秀で意欲ある人財の獲得・定着には、パフォーマンスに応じたメリハリある報酬を提供することが不可欠だと考えております。
こうした考え方のもと、当社では、グループ全体の事業の多角化と深化を支える人財を確保・リテンションするため、ジョブ型人事制度を2025年から導入いたしました。制度適用者は段階的に拡大しており、2026年4月時点で約420名がジョブ型に移行しております。また、第一生命保険株式会社においては、2027年4月に人事制度を改定する予定であります。年次・年齢に関わらず、職務内容・役割の大きさやパフォーマンスと処遇の連動を強化することで、採用競争力の強化や優秀な人財のリテンション、ハイパフォーマーへの処遇向上を狙いとしております。
2024年に導入した従業員株式報酬制度では、従業員持株会に加入している全従業員を対象に、毎年一定数の当社株式を給付しております。また、経営幹部層には、業績達成度に応じて追加的に株式給付を行うことで、企業価値向上への一層のインセンティブを働かせる仕組みとしております。全従業員対象の制度は対象会社を拡大しており、2026年4月時点の国内グループ11社における加入率は9割超と高水準で推移しております。
d. 適財適所の人財配置
海外事業のさらなる拡大や非保険領域への進出など事業領域を拡大している中、事業戦略遂行を支える人財ポートフォリオの構築を戦略的に進めております。日本国内では、第一生命保険株式会社の事業効率化や成長分野への重点的な人財配置などを目的に戦略的な人財シフトを推進しております。2026年4月時点で、累計約3,600名のシフトを実施いたしました。
e. 風土・Well-being
当社グループは意思決定層の多様性を重視し、日本国内における女性活躍推進を重要課題の一つと位置づけております。組織全体の多様性がイノベーション創出の源泉となり、企業風土変革にもつながると考えております。2030年までの女性役員及び女性組織長比率30%達成を目指して各種施策を展開しており、これらの比率は順調に上昇しております。
また、当社及び国内生保各社では、社員が主体的に組織に貢献し、自分らしく働ける職場づくりを目指して、2021年度よりエンゲージメント調査を実施しております。エンゲージメントは経営の重要指標と位置付けており、取締役の業績連動報酬におけるサステナビリティ指標にも組み込んでおります。また、今期策定した人的資本インパクトパスにおいても、生産性向上のキーファクターの1つに位置付けております。多様な働き方が広がる中、総合スコアは調査開始以来4年連続で上昇し、ベンチマークを超える水準で推移しております。
柔軟な働き方推進の観点では、育児・治療・介護などのライフイベントと仕事の両立支援に積極的に取り組んでおります。男性育休は累計1か月以上の取得率100%を目指し、法令を超える取組を実施しております。加えて、多様なライフスタイルに応じた支援を強化するために、2024年度よりベネフィット・ワンの福利厚生サービス「ベネフィット・ステーション」を国内全社員に導入しております。
さらに、健康経営を通じて社会全体のWell-beingに貢献することを目指し、働き方の変化に伴う健康リスクに対応するため、「生活習慣病予防」と「メンタルヘルス対策」を重点領域とし、取組の強化を図っております。
f. グループHRガバナンス
当社では、グループCEOを含む役員層で構成される人財コミッティのもと、次世代の経営リーダー育成と多様性向上に取り組んでおります。経営候補人財の安定的な輩出は、将来にわたる経営基盤の安定につながり、持続的な成長を支える重要な経営戦略の一つと位置づけております。また、変化の激しい経営環境に柔軟に適応し、新たな価値を継続的に生み出すためには、組織の多様性が必要不可欠だと考えております。これらを経営陣のコミットメントのもとで推進しており、部門別の取組状況や必要なアクションを共有しながら、取組の強化を図っております。
また、従業員だけでなく経営陣の多様性確保にも注力しており、社外からの人財登用を積極的に進めております。2026年4月時点で当社役員のうち約4割が外部出身者であり、業界や当社固有の慣習にとらわれない視点を取り入れながら、企業風土変革と新たな価値創造を図っております。
日本国内だけでなく、海外グループ各社とも連携し、HRガバナンスに取り組んでおります。その一例として、海外グループ会社CEOの報酬ガイドラインを策定し、グループ中期経営計画や各社の事業ステージ、市場水準を踏まえた公正かつ競争力のある報酬水準を設定しております。加えて、グループ経営の高度化を人財の面から推進するため、各社のHR部門との定期的なコミュニケーション機会を通じ、グループ全体でのシナジー創出を進めております。
④ 各種取組を図る指標・人財戦略KPI
上記の人財戦略に基づく各人事施策を推進する上で、その進捗を測定するKPIを以下のとおり設定しております。各施策の一次的な効果として顕在化するものをアウトプット、そしてこれらが集積した結果として結実するものをアウトカムとして整理しております。
項目指標2023年度2024年度2025年度目標
アウトプット人財育成GPA 3.5以上評価取得者(注)1187名205名281名2026年度末約320名
DX人財育成プログラム Phase2到達者数(注)2-2,359名4,124名2026年度末約5,400名
Udemy受講者数239名525名974名拡大
Udemy受講者一人あたり学習時間-8.1時間32.7時間拡大
生涯設計デザイナーチャネルに
おける営業収益価値
(2022年度比)(注)3
96.7%138.0%149.1%拡大
生涯設計デザイナーチャネルに
おける一件あたり保険料
(2022年度比)
143.3%200.6%226.6%拡大
生涯設計デザイナーにおける入社3年目在籍率(注)466.6%70.8%70.8%拡大
キャリア自律Myキャリア制度応募者数411名495名550名2026年度600名
グローバル・ジョブポスティング応募者数26名38名21名拡大
多様性女性役員比率(注)513.7%17.1%18.2%2030年30%
女性組織長比率(注)519.1%19.5%22.0%2030年30%
働きやすい
職場づくり
年間男性育休取得率(注)6108.5%113.1%107.9%100%
年間男性育休平均取得日数
(注)6
23.1日25.4日36.7日30日
プレゼンティーズム23.4%23.3%22.5%設定なし
アウトカムエンゲージ
メント
エンゲージメント総合スコア65.066.367.6設定なし

(注)1 GPA(Global Pool Assessment)とは、外国人講師との実際のビジネスシーンを想定したミーティング、プレゼンテーション、交渉を通じたアセスメントを指します。
2 DX人財プログラムのPhase2とは、社内のデジタルツールを駆使して業務効率化等を進める「デジタル活用層」の中でも、所定のeラーニング受講及びITパスポート等の資格取得を通じて、DXスキルの基礎となるデジタルツールの活用方法やDXリテラシーを身に着けた水準を指します。
3 営業収益価値とは、生涯設計デザイナーの獲得収益を表す当社独自の指標であります。
4 入社後25か月目1日時点で在籍している生涯設計デザイナーの割合であります。
5 実績は2026年4月時点、目標は2030年4月時点であります。女性役員比率は、当社、第一生命保険株式会社を対象としております。また、女性組織長比率は、当社、第一生命保険株式会社、第一フロンティア生命保険株式会社、ネオファースト生命保険株式会社を対象としております。なお、ネオファースト生命保険株式会社は、2026年4月1日付で第一ネオ生命保険株式会社に商号を変更しております。
6 年間男性育休取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合の算出基準に則して算出しております。なお、前事業年度に配偶者が出産した男性労働者が当事業年度に育児休業を取得した場合を含むため、100%を超えております。また、年間男性育休取得率、年間男性育休平均取得日数の対象会社は、当社、第一生命保険株式会社、第一フロンティア生命保険株式会社、ネオファースト生命保険株式会社であります。
⑤ 従業員の給与その他の給付の額及び内容の決定に関する方針
当社及び第一生命保険株式会社の従業員の給与その他の給付の額は、「5 従業員の状況等 (2) 従業員の状況 ②提出会社及び最大人員会社の状況」に記載しております。
当社グループがグローバルに事業を展開し、保険サービス業への進化を目指すにあたり、事業領域の拡大と深化を支える高度な専門性を持った人財の確保は極めて重要であるという考え方のもと、当社において職務内容に応じて報酬水準を決めるジョブ型人事制度を2025年4月より導入しております。外部人財の採用や社内人財のリテンションをこれまで以上に強化する必要があるとの課題意識から、外部報酬サーベイを活用し、マーケット競争力を意識した報酬水準を設定しております。これに加えて、高業績人財や極めて高度な専門性を有する人財に対しては、長期インセンティブとして追加で株式給付を行う報酬体系としております。
第一生命保険株式会社では、主に内勤職と生涯設計デザイナーを主とした営業職があり、異なる給与体系を採用しております。
内勤職の給与水準は、一部の上位職層においては職務評価に基づき処遇水準を設定しているほか、アクチュアリーやファンドマネジャー等高度な専門性を持つ人財に対してはスペシャリスト手当を支給しており、専門性を持った人財の確保・リテンションに取り組んでおります。また、2027年4月に実施予定の人事制度改定に伴い、マーケット水準を前提とした職務評価に基づく報酬体系をより多くの職層へと導入していく予定であります。
生涯設計デザイナーの給与は、営業成績に応じた歩合給がベースとなっております。ただし、2022年度より、生涯設計デザイナーの安定的な確保・長期間の定着を目的に、入社5年目までは固定給と営業成績に連動した成果給を組み合わせた安定的な給与制度としております。
当社と第一生命保険株式会社の平均給与に差が生じておりますが、これは主に第一生命保険株式会社において、相対的に賃金水準の低い定型業務に従事する職掌が一定の割合を占めている点、同社の従業員の多数を占める生涯設計デザイナーの中で、入社年次が浅く、相対的に賃金が低い層の割合が高い点などが要因であります。前者については、2025年度において、全社的な賃上げに加えてベースアップ対応を実施しているほか、後者の生涯設計デザイナーに対しては、営業活動支援費として年4万円分の補助を2026年度に実施しております。
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