有価証券報告書-第124期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/16 16:38
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有報資料


文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) グループ企業理念
1902年に日本で創業し、アジア・パシフィック、北米等グローバルに事業を展開する当社グループでは、グループ理念を共有・浸透することで、グループ各社がそれぞれの地域・国において、生命保険の提供を中心に人々の安心で豊かな暮らしと地域社会の発展に貢献するとともに、グループの提供価値を最大化し持続的な成長を実現することを目指してまいりました。
社会の変化が一層激しくなる中、グループが目指す新たな未来に向けた変革を実践するため、グループ企業理念を2024年3月期に刷新いたしました。具体的には、「グループの社会における存在意義」であるパーパス(Purpose)とパーパスを実現するためのバリューズ(Values)「大切にする価値観」を、策定いたしました。当社グループは、新たなパーパス及びバリューズの浸透を通じて、グループ社員の一体感を醸成することで従業員エンゲージメントを高めるとともに、積極的な挑戦と変革を通じて、企業の革新性を高めることで、社会課題の解決と企業価値向上に向けて常に挑戦し続けてまいります。
〈グループ企業理念〉

Purpose:グループの社会における存在意義
「共に歩み、未来をひらく 多様な幸せと希望に満ちた世界へ」
“Partnering with you to build a brighter and more secure future”
当社グループの目指す世界は、1人ひとりの異なる価値観や生き方が尊重され、多様な幸せと未来への希望に満ちた世界であります。このような世界を実現するために、私たちは、お客さまをはじめとするステークホルダーと共に歩み、未来を切りひらくための挑戦を続けてまいります。
Values:大切にする価値観
Purposeの実現のためにグループのすべての従業員が大切にする価値観として、Valuesを定めます。
「いちばん、人を考える」
“We care”
私たちは、お客さま、地域・社会、株主・投資家、お取引先、従業員など、企業活動を通じて関わるあらゆる「人」のことを誰よりも真剣に考えます。
「まっすぐに、最良を追求する」
“We do what's right”
私たちは、お客さまや社会にとっての「最良」を常に誠実に追い求めます。
「まっさきに、変革を実現する」
“We innovate”
私たちは、スピード感をもって自ら変革し続けます。
Brand Message:Purposeを端的に表したコミュニケーションメッセージ
「一生涯のパートナー」
“By your side, for life”
当社グループはPurposeを実現するため、事業活動を通じた社会的価値の創造に取り組みます。
(2) 経営環境及び対処すべき課題
① 経営環境
2026年3月期の世界経済は、米国の通商政策を巡る不確実性が懸念材料となったものの、全体としては底堅さを維持しました。米国経済は内需に支えられて堅調さを保った一方、中国経済は不動産部門の調整と内需の弱さが続き、成長の勢いを欠く状況となりました。日本経済については、賃上げを通じた所得環境の改善や設備投資の持ち直しが下支えとなったものの、物価上昇が個人消費の重石となりました。
日本の金融市場については、年度を通じて株価・為替ともに変動の大きい展開となりました。株式市場ではAI関連業種への期待感等を背景に上昇傾向が続きました。しかし、年度終盤の米国・イスラエルによるイラン攻撃を受けて中東情勢が急速に緊迫化し、原油供給への懸念から市場のリスク回避姿勢が急速に強まりました。為替市場では、日本で高市新政権が発足し、経済政策の転換がなされるとの観測が高まったことで円安が進みました。また、高市政権の政策姿勢を背景とした財政拡張懸念に加え、日本のインフレが定着しつつある中で日本銀行の利上げ観測が継続し、長期金利の上昇が進みました。
当社グループは、主要事業を統括する事業オーナー、主要機能を統括するGroup CXO(グループ・チーフオフィサー)を配置し、中期経営計画に掲げる国内保険、海外保険、資産形成・承継アセマネ、新規(非保険)、IT・デジタルの5つの事業戦略を軸に、これらを支える財務・資本戦略及び経営基盤の強化を一体となって推進してまいりました。
② 優先的に対処すべき課題
当社グループを取り巻く経営環境は、国内における「金利のある世界」への移行や物価上昇の定着、AIをはじめとするデジタルテクノロジーの急速な進化、国際情勢の不確実性の高まり等を背景として、引き続き変動性の高い状況にあります。変動性の高い環境はリスクが高いことを意味する一方で当社グループが変革を大きく進めるチャンスでもあると捉えております。
このような認識の下、当社グループは、2030年度までに「グローバルトップティアに伍する保険グループになること」、そして「日本の保険業界の未来を先導する存在になること」の実現に向けた取組みを進めております。また、グループパーパスの実現に向け、生命保険の枠を超えた価値提供を行う「保険サービス業」へと進化し、世界の人々の人生や生活により一層貢献する企業として成長していくことを社内外に浸透させるため、2026年4月にグループブランドを「Daiichi Life」へと刷新いたしました。更なるグループブランドの価値向上を図り、グローバルな競争力の源泉としていく所存であります。
当社グループにおいて企業価値の増加を持続的に実現していくためには、資本効率の向上と事業ポートフォリオの変革を着実に進めることが重要であると考えております。
2026年3月期は、現中期経営計画で掲げた主要な財務目標を前倒しで達成いたしました。2027年3月期は現中期経営計画の最終年度であり、次期中期経営計画を見据え、更なる成長加速につなげる重要な1年と位置付けております。このような環境のもと、国内における保障と資産形成・承継の一体的な価値提供を加速するため、「国内保障事業」、「資産形成・承継事業」という事業区分を見直し、「国内保険事業」と国内外の「アセットマネジメント事業」へと変更いたしました。
国内保険事業では、人口減少・高齢化の進行や家計が保有する金融資産の着実な増加基調等を踏まえ、保障と資産形成・承継の両面から価値を提供できるビジネスモデルへの進化を更に進めてまいります。また、商品・サービスの拡充に加え、コンサルティングの高度化やリアルとデジタルを融合した営業モデルの進化を通じて、お客さまへの提供価値の向上に取り組むとともに、AIをはじめとするテクノロジーの活用により販売・引受・事務の各部門における生産性向上を進め、環境変化やリスクへの対応力を高め、持続的な成長につながる事業基盤の強化を進めてまいります。
2026年3月期に全容調査を実施した、保険代理店への出向者による不適切な情報取得事案について、保険代理店の皆さまをはじめとする関係者の皆さまに多大なご迷惑とご心配をおかけいたしましたことを深くお詫び申し上げます。策定した再発防止策を着実に実行するとともに、コンダクトリスクへの取組みを一層強化することで、ステークホルダーの皆さまからの信頼回復に努めてまいります。
海外生保事業では、北米においては経済価値ベースの資本管理強化を進めるとともに、資本効率向上・利益規模拡大に向けて、キャピタルライトな新規領域への進出を検討してまいります。また、オセアニアでは生命保険の周辺領域であるリタイアメント事業へ展開する等、各地域の市場特性や外部環境に応じた戦略を着実に遂行し、当社グループの成長ドライバーとして取組みを加速させてまいります。
アセットマネジメント事業では、成長性と高い資本効率を兼ね備えた事業として事業規模の拡大を目指すとともに、魅力ある保険・年金商品の開発への貢献や運用利回りの向上を通じて、保険事業とのシナジーの実現にも取り組んでまいります。不動産領域では、市場の高い成長性を取り込むため、第一生命保険株式会社(以下、「第一生命」という。)で培った不動産運用のノウハウやリソースを活用したフィービジネスの拡大を進めていきます。
新規事業では、株式会社ベネフィット・ワンの福利厚生サービス・プラットフォーム「ベネフィット・ステーション」における提供価値向上を進めて、更なる会員拡大と収益性向上を目指すとともに、既存領域にとどまらない新たな価値提供を通じて、「保険サービス業」への進化を牽引し、将来に向けたグループの成長性向上への貢献度を高めてまいります。
財務・資本政策では、財務健全性を確保しつつ、高い資本効率や成長性が見込まれる事業への資本再配賦を進め、資本・キャッシュ創出の好循環を通じた企業価値向上を目指す「資本循環経営」を推進しております。中期経営計画で掲げた目標の達成と、その先の2030年度に向けた成長基盤の一層の強化を両立させるべく、資本効率の持続的な向上に取り組んでまいります。
グループ経営管理体制の面では、Group CXO(機能ごとの責任者)及び事業オーナー(事業ごとの責任者)によるマトリクス型の経営管理体制の実効性を更に高めてまいります。各Group CXO・事業オーナー・事業会社役員のミッションをジョブディスクリプション(職務記述書)を通じて明確化するとともに、Group CXO・事業オーナーと地域統括会社・事業会社の間のレポーティングに関するガイドラインを明示化しコミュニケーションの活性化を図ることで、グループ戦略に沿った迅速かつ柔軟な事業推進や機能発揮を加速させてまいります。また、国内生命保険会社3社においても財務・コンプライアンス・IT領域のCXOを新たに任命し、Group CXOとの連携をより一層高めることで、グループガバナンス体制の強化を図ってまいります。
AIをはじめ、驚異的な速度で進化を遂げているテクノロジーをグループ全体で活用していくことは、今後の当社グループにおける競争力確保と持続的な成長実現にとって最も重要な課題と認識しております。最新テクノロジーを躊躇なく導入していくこと、それを可能とする基盤・体制の強化を進めることによって、生産性・競争力の向上につなげてまいります。また、テクノロジーの進展に伴い脅威が増しているサイバー攻撃に対しては、未然防止及び危機管理の両面からこれまで以上に対策を強化してまいります。
サステナビリティ戦略については、当社グループとして事業活動を通じた社会価値と経済価値の共創を更に推し進めていくとともに、当社グループらしさを意識した価値創造の流れを整理・明確化し、ステークホルダーの方々との深度ある共有を図ってまいります。
(3) 2024-2026年度中期経営計画の進捗
中期経営計画で掲げたグループ重要経営指標は、中期経営計画2年目で、概ね達成する結果となりました。特に、当社グループの実質的な利益指標であるグループ修正利益は、国内の金融環境が好調に推移したことを背景に大幅な増益となりました。「主なグループ重要経営指標(KPI)の状況」については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 財政状態、経営成績」をご参照下さい。
2026年3月期における各事業の主な取組みは次のとおりであります。
① 国内保障事業
国内保障事業では、第一生命、ネオファースト生命保険株式会社(注)1、アイペット損害保険株式会社(注)1、第一スマート少額短期保険株式会社のグループ各社で、生涯設計デザイナーを中心とする多様なチャネルを通じて、お客さまにとって最適な商品・サービスをお届けいたしました。
また、万一のリスクに備える「保障」と将来のライフプランを見据えた「資産形成・承継」はともに密接不可分という考え方の下、「保障」と「資産形成・承継」の一体的価値提供に向けて、マーケットインの発想に基づき国内グループ各社の強みを活かした戦略的な商品・サービスの開発を進めてまいりました。
第一生命では、12種類の疾病・状態へ保障範囲を拡大した「保険料払込免除特約(ワイド型)」を新たに発売する等、商品ラインアップの拡充に加え、生涯設計デザイナーによる、保障と資産形成・承継の一体的なコンサルティングに取り組んでまいりました。
ネオファースト生命保険株式会社では、がん保険「ネオdeがんちりょう」を改定し、多様化するがん治療に備える網羅的な保障を提供する等、商品のレベルアップに取り組んでまいりました。
第一生命の生涯設計デザイナーによる、アイペット損害保険株式会社のペット保険販売や株式会社ベネフィット・ワンの福利厚生サービスの提案等、非保険サービスの提供を含めたグループシナジーを追求し、多様化するお客さまニーズにお応えいたしました。
(注)1 2026年4月1日付で、ネオファースト生命保険株式会社は第一ネオ生命保険株式会社に、アイペット損害保険株式会社は、第一アイペット損害保険株式会社に、それぞれ商号を変更しております。
② 海外生保事業
海外事業では、グループ全体の持続的な企業価値向上を牽引するために、海外各社の成長戦略の推進により利益規模を拡大するとともに、良質な投資機会や新たな事業領域の探索を通じた資本効率向上に取り組んでおります。
Protective Life Corporationでは、事業効率向上の取組みや運用資産ポートフォリオの入替えに加えて、2025年11月にアセットプロテクション事業を展開するPortfolio Holding, Inc.の買収を決定するなど、オーガニックとインオーガニックの両面から成長に向けて取り組んでまいりました。
TAL Daiichi Life Australia Pty Ltdでは、2025年8月にChallenger Limited株式の合計19.9%の取得を完了いたしました。これにより、保障性市場における強固な事業基盤に加え、今後同国での拡大が期待されるリタイアメント市場へ参入し、新たな収益機会の取込みを図っていきます。また、高度障害や所得補償に関する支払いの増加等を背景に業界全体で契約条件や商品設計の見直しが進む中、対象契約の改善に向けた取組みを進めてまいりました。
新たな取組みとして、2025年5月に英国のM&G plcと、生命保険分野及び資産運用分野における長期的な戦略的パートナーシップを締結いたしました。同社への出資を含む提携により、当社として初めて英国・欧州の保険市場へ進出いたしました。同社株式約15%の取得を進めるとともに、販売チャネルの拡大や商品開発、資産運用面での協業を通じて、事業機会の創出に取り組んでまいりました。
その他の進出国でも、各社の事業ステージに応じた成長戦略に基づく取組みを行ってまいりました。
③ 資産形成・承継事業
「人生100年時代」を迎える中、当社グループでは、お客さま一人ひとりのライフプランや多様化するニーズに応じた資産形成・承継ソリューションの提供を進めてまいりました。第一生命及び第一フロンティア生命保険株式会社を中心に、機動的な商品開発や運用機能の強化を通じて、お客さまの資産形成や資産取崩期における資産寿命の延伸に貢献するとともに、国内金利上昇を踏まえた円建商品の販売推進や、多様な市場ニーズを捉えた商品・サービスの提供に取り組むことで、お客さま一人ひとりのFinancial Well-beingの向上に貢献いたしました。
アセットマネジメント市場の成長取込みとグループ間シナジー最大化を図るため、2025年5月に英国の資産運用会社Capula Investment Management LLP及びCapula Management Limitedへの追加出資を決定する等、オルタナティブ分野における取組みを強化いたしました。また、2025年7月には丸紅株式会社との国内不動産事業の統合を完了し、同年10月にはウェルス・マネジメント株式会社との資本業務提携を締結する等、不動産バリューチェーンの強化やホテル関連領域への展開を通じ、アセットマネジメント事業の強化を進めてまいりました。
④ 新規事業
新規事業では、当社グループが生命保険業という枠を超えた「保険サービス業」へ変革するための取組みを推進しております。特に、株式会社ベネフィット・ワンのプラットフォームである「ベネフィット・ステーション」をエコシステムとして活用し、お客さま一人ひとりの Well-being の実現を目指しております。
「ベネフィット・ステーション」については、第一生命の営業チャネルを通じた提案活動等により法人との接点構築・強化を進めるとともに、プラットフォームの更なる充実に向けて、企業間取引のデジタル化サービスを提供する株式会社インフォマートとの資本業務提携を行ってまいりました。これにより、従来提供してきた人事・労務領域のサービスに加え、財務・経理領域のソリューションを拡充し、法人向けの価値提供基盤の強化を図ってまいりました。
成長期待の高い良質な投資機会を追求し、新たな非保険事業領域の探索を引き続き行ってまいります。
⑤ IT・デジタル戦略
IT・デジタル戦略では、テクノロジーを差別化の重要な要素と位置づけてデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しております。その一環として、2025年5月にはインドに「グローバル・ケイパビリティ・センター(GCC)」を設立し、データ・AIの活用、サイバーセキュリティの強化及び先進的なソフトウェア開発等を通じて、グローバルでのDX加速に向けた取組みを進めております。また、デジタル組織能力の強化と内製化に向けて、高度な専門人財の育成・活用を進めることで、グループ全体のIT・デジタル戦略を支える体制整備を進めてまいりました。
⑥ 財務・資本政策
a. 良質な「資本循環経営」の実践
当社グループは、財務健全性を維持しつつ、持続的な企業価値向上と安定的な株主還元を目指して、ERM(Enterprise Risk Management)(注)2の枠組みに基づく資本政策の運営を行っております。事業運営やリスク削減を通じて創出した資本を、より高い資本効率や成長性が見込まれる事業へ投下することで、グループの資本効率・キャッシュ創出力を高め、企業価値向上を目指す「資本循環経営」(注)3を推進しております。リスク削減やグループ会社からの送金率引上げ等により創出した余剰資本について株主還元に充て、資本効率の改善を図りつつ、成長に向けた戦略的投資にも規律を持って資本配賦を行っております。
なお、2026年3月期グループ修正利益をベースとしたグループ会社からの配当は、前期を上回る約5,500億円を確保する見通しであります。
(注)2 ERMとは、事業におけるリスクの種類や特性を踏まえ、利益・資本・リスクの状況に応じた経営計画・資本政策を策定し、事業活動を推進することを指しております。
3 「資本循環経営」とは、事業運営を通じて稼得した資本や、リスク削減によって解放された資本を財源として、財務健全性を確保しつつ、より高資本効率・高成長事業へと資本を再配賦することで資本・キャッシュ創出の好循環を生み出し、企業価値向上を目指す考え方であります。
b. リスクプロファイルの変革に向けた市場関連リスク削減の取組み
当社グループでは、資本コストの低減とリスクに対するリターンの向上を通じた資本効率の改善を目指しております。中長期的には、市場リスクに偏った現在のリスクプロファイルを保険リスク中心にシフトすることを企図しており、今中期経営計画では株式リスクの削減ペースを加速させるべく、第一生命が保有する国内株式残高を2025年3月期から2027年3月期の3年間で1.2兆円削減する計画としております。
2026年3月期は、好調な株式市場を背景に国内株式残高が増加し、株式リスクが高まりましたが、削減計画に基づき、株式売却を着実に実施いたしました。また、第一生命では、金利リスクの削減に向けて、超長期債券の継続的な買入れや入替えを実施いたしました。
⑦ サステナビリティ・経営基盤
a. サステナビリティ推進
当社グループでは、グループパーパスに掲げる「共に歩み、未来をひらく 多様な幸せと希望に満ちた世界へ」の実現に向け、コア・マテリアリティ(当社グループが重点的に取り組む重要課題)の解決を通じたサステナビリティ戦略を推進しております。2025年4月には、グループ一丸となってサステナビリティ取組みを一層推進する経営姿勢を示すものとして、「グループサステナビリティ宣言」を制定いたしました。また、サステナビリティ取組みが事業活動を通じて社会価値および企業価値の創出へのつながりを整理・明確化するため、取組内容と価値創造の流れを図式化した「インパクトパス」の作成を進め、2027年3月期の公表に向けた準備を行っております。こうした継続的な取組みが外部から評価され、世界的なESG(環境・社会・ガバナンス)に関する株式指数である「Dow Jones Best-in-Class Asia Pacific Index」の構成銘柄に4年連続で選定されるとともに、CDPによる気候変動分野の評価において最高ランクの「Aリスト」企業に選定されました。
b. CXO制/事業オーナー制
当社では、主要なコーポレート機能を統括する「CXO」を2022年度から導入・拡充するとともに、外部登用を含めた体制整備を通じて、各機能の実効性を高めてまいりました。さらに、主要事業を統括する「事業オーナー」を2025年3月期に新設し、両機能を有機的に組み合わせたマトリクス型の経営管理体制を持株会社において構築いたしました。2026年3月期からは、すべてのCXOに「Group」を付し、グローバル視点でのグループ経営を強化いたしました。マトリクス型の経営体制の下で、グループ最適の視点から戦略の立案と実行を進めてまいりました。
c. 人財戦略
当社を取り巻く事業環境が一層多様化・複雑化する中、事業戦略の実現確度を高め、グループの持続的な成長の原動力となるのが人財であります。当社グループでは、グループパーパスの下、「多様な人財が可能性を最大限に発揮し、挑戦と変革を実現する」を人財戦略のキーメッセージとして掲げ、人財獲得・人財育成、主体的なキャリア形成支援、人事制度・報酬制度、適財適所の人財配置、風土・Well-being、グループHRガバナンスの6つの柱に基づく取組みを進めております。社員に選ばれる職場環境の整備に向けて、ベースアップを含む4年連続の賃上げを実施した他、ジョブ型人事制度の導入等を行ってまいりました。また、役員及び従業員の双方において外部人財の登用も積極的に推進し、人財ポートフォリオの多様化にも引き続き注力してまいります。さらに、キャリアオーナーシップ支援に向けた学習機会の拡充や健康経営の推進等、人的資本の強化に向けて多面的に取り組んだことで、エンゲージメントスコアは2021年の調査開始以来堅調に推移しております。

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