半期報告書-第16期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2023/12/18 14:41
【資料】
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【項目】
98項目

対処すべき課題

当行グループにおける、具体的な経営方針、経営環境及び対処すべき課題等に重要な変更はありませんが、以下のとおりであります。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本半期報告書提出日現在において当行グループが判断したものであります。
<第5次中期経営計画の策定・推進>○第5次中期経営計画の基本方針
デジタル化や生産年齢人口の減少、グローバル化、サステナビリティへの意識の高まり等、抜本的な人口構造や社会構造の変革が加速し、社会課題とお客様の経営課題が一体不可分となることが見込まれる中、当行グループは、様々な金融機関や事業会社等と連携・協働し、リスクマネーやナレッジを活用しながらお客様起点で投融資機会を創出することで、我が国金融市場の活性化に貢献し、経済価値と社会価値の両立に取り組みます。
○目標とする経営指標
2021年5月に公表しました第5次中期経営計画については、その骨格を維持しつつ取組を強化すべく2023年5月に見直しを公表しております。5次中計最終年度の財務目標は下表のとおりとし、引き続き収益性と健全性の双方に配意したリスク・リターン・ポートフォリオの構築を目指します。
なお、以下の目標とする経営指標は、当行グループが見直し後の5次中計を公表いたしました2023年5月16日現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
<経営指標(連結)>
2025年度(5次中計最終年度)目標(注)1
業務粗利益(注)22,100億円程度
親会社株主に帰属する当期純利益850億円程度
経費率(注)334%程度
総資産21兆円程度
ROA(注)31%程度
ROE(注)33%程度
自己資本比率
(バーゼルⅢ最終化完全適用ベース)(注)4
14%程度

(注)1.2023年5月に見直しを公表。
2.クレジットコスト除き、経営管理上の実態業務粗利益。
3.経費率、ROAは業務粗利益比。ROEは当期純利益比。
4.普通株式等Tier1比率。
○第5次中期経営計画に基づく具体の主要な施策
①DBJ GRIT戦略
新型コロナウイルス感染拡大で加速した2050年の持続可能な社会への流れを踏まえ、民間金融機関等と連携し、カーボンニュートラルの実現に向けた取組(Green)やしなやかで強い安心安全な地域・社会や産業基盤の構築を支援する取組(Resilience & Recovery)、長期的視点から事業化可能と評価できるイノベーションに関する取組(Innovation)、カーボンニュートラル等の実現に向けて、現在の事業基盤を前提として着実な移行に向けた戦略的取組(Transition / Transformation)を、投融資一体のビジネスモデルを活かし、お客様起点で支援します。
②事業戦略
第5次中期経営計画を強化する取り組みとして、特にGXやサプライチェーン強靭化等、お客様のニーズに応えるためのリスクマネー供給機能の強化、日本経済の成長促進のためのスタートアップをはじめとした新事業創出への支援、産業・地域・世代を繋ぐ地域におけるトランジションへの支援、変化に適応し未来を創造するための人材育成に注力して参ります。
(産業をつなぐ:産業の潜在力を引き出す)
・既存業種を超えた横断テーマへの対応を強化
・CVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)と連携したリスクマネー供給や大企業とベンチャー等をつなぐ取組
・イノベーションの社会実装への挑戦
(世代をつなぐ:しなやかで強い社会を次世代につなぐ)
・持続可能な社会の実現に向けたインフラ整備の推進
・災害とその復旧に備える官民連携の推進
・サプライチェーン強靭化支援
・お客様のトランジションや非財務価値の見える化に向けたエンゲージメント(対話と行動)の強化
・DBJサステナビリティ評価認証型融資等、当行の特色を活かしたサステナブルファイナンスの推進
(地域をつなぐ:地域の新たな発展を支援)
・脱炭素に向け各地域の特徴を踏まえた公正な移行の支援
・地域の交流人口を増やす取組の推進
・ナレッジを活用した特色ある地域資源の発掘
・事業承継支援や再生案件への取組
・地域金融機関との連携・協働を通じたリスクマネー供給
③経営基盤戦略
事業戦略の着実な遂行のために、非財務資本を含めた経営基盤を強化して参ります。
(財務資本)
・リスク/リターン管理の高度化
・サステナビリティボンド等を含む資金調達手法の多様化
(非財務資本)
・人的・知的資本:戦略に整合した人材の確保や人材育成の強化、業務効率化、高付加価値化を含めた仕事の進め方改革
・関係資本:金融機関等をはじめとする他社との協働、ステークホルダーとのコミュニケーション強化
<危機対応業務等への取組>危機対応業務については、当行は指定金融機関として行って参りましたが、2015年5月20日に公布・施行された「株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律」(平成27年法律第23号。以下「平成27年改正法」という。)において、当分の間、当行による実施が義務付けられるとともに、その適確な実施のための政府出資(交付国債の償還によるものを含む。)に係る期限の延長等所要の措置が講じられています。係る危機対応業務については、当行が企業理念として掲げるパブリックマインド等にも合致しており、今後とも着実に取り組むべきものと考えております。
近年では、我が国の産業・社会インフラ・地域に未曾有の被害をもたらした「東日本大震災」に加え、2016年4月に発生した「平成28年熊本地震」につきましても、過去の震災対応等における経験や産業界・政府部門とのネットワークを活かし、危機対応業務等を適切に遂行して参りました。また、2020年3月19日には「新型コロナウイルス感染症に関する事案」が危機認定され、2023年3月末に業務を完了するまで、同事案による影響を受けた事業者への支援に取り組んで参りました。
危機対応業務につきましては、「第2 事業の状況」「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」「(1) 経営成績等の状況の概要」<危機対応業務について>をご参照ください。
<特定投資業務への取組>平成27年改正法では、当行において、民間による成長資金の供給の促進を図るため、2020年度末までの間、地域活性化や企業の競争力の強化に特に資する出資等(特定投資業務)を集中的に実施し、2025年度末までに当該業務を完了するよう努めることとされており、政府による必要な出資等所要の措置が講じられています。
なお、2020年5月22日に公布・施行された「株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律」(令和2年法律第29号。以下、「令和2年改正法」という。)に基づき、特定投資業務について、投資決定期限及び政府による出資期限は2020年度末から2025年度末まで延長されるとともに、業務完了期限は2025年度末から2030年度末まで延長されております。
特定投資業務は、我が国産業競争力の強化に向け、2013年3月に当行が自主的な取組として設立した「競争力強化ファンド」を発展的に承継したものであり、当行としましては、地域経済の自立的発展に資する地域の特性を活かした事業活動の活性化又は我が国の経済社会の活力の向上及び持続的発展に資する我が国の企業の競争力の強化に資するリスクマネー供給に適切に取り組んで参ります。
特定投資業務につきましては、「第2 事業の状況」「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」「(1) 経営成績等の状況の概要」<特定投資業務について>をご参照ください。