有価証券報告書-第7期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/29 15:49
【資料】
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【項目】
125項目

対処すべき課題

当行グループにおける、具体的な対処すべき課題といたしましては、以下のとおりであります。
<平成27年改正法を踏まえた対応>平成27年改正法が平成27年5月20日に公布・施行されました。平成27年改正法につきましては、「第1 企業の概況」「3.事業の内容」「○根拠法改正等について」をご参照ください。
政府において成長資金の供給や危機に対応する資金の供給が緊急かつ重要な課題として位置づけられる中、平成27年改正法の内容は、当行の第3次中期経営計画の方向性に合致しているものと考えております。
当行としましては、引き続き、我が国の持続的成長にさらに貢献すべく、第3次中期経営計画に掲げた取り組みを着実に進めて参ります。
<第3次中期経営計画の推進>○第3次中期経営計画の位置づけと考え方
当行は、投融資一体型の金融サービスを提供するオンリーワンの金融機関として、多様なステークホルダーの皆様からの期待・信頼に応えることを目指しており、「課題先進国」日本の持続的な成長に貢献するために、①「良質なリスクマネーの供給」と②「独自のナレッジの創造・提供」を通じて、多様な金融プレーヤーと共に円滑な市場を形成するとともに、新たな事業フロンティアの開拓や少子・高齢化に対応したまちづくり等、日本の課題を長期的な視点でとらえ、その解決に向け着実に取り組んで参ります。
その実施プロセスとして、長期的視点に立った良質なリスクマネーの供給とナレッジの提供により当行に期待される役割を果たし、日本の持続的な成長と株式会社としての中長期的な成長を実現するため、上記取り組みの第一歩として、第2次中期経営計画における取り組み等を踏まえ、平成26年度から平成28年度を対象とする第3次中期経営計画を策定しております。当計画において定めた目標を実現すべく、「主要な取り組み」を粘り強く進めて参ります。
○第3次中期経営計画の基本方針
当行は、平成26年度から始まる第3次中期経営計画の3年間において、長期的な少子・高齢化等の我が国が抱える構造問題を踏まえ、①産業の競争力強化や新たな事業フロンティアの開拓を通じた成長への貢献、②インフラ老朽化への対応やエネルギー供給態勢の再構築支援等インフラ・エネルギー分野への戦略的対応、③地域の方々とともに取り組む地域に応じた活性化及び④震災復興への貢献をはじめ、自然災害や国際的な経済混乱の伝播等危機に対するセーフティネットとしての役割の発揮に努めることで、「課題先進国」日本の持続的成長力の強化に貢献致します。
○主要な取り組み及び取り組みを通じて発揮する機能
主要な取り組みとして、以下の4つを挙げております。
(1)成長への貢献
・ 我が国産業の国際競争力強化に向けて、新たな事業創造や事業再編・M&A、グローバル化への対応を支
援致します。また、環境、ヘルスケア、女性活躍の場創造等の成長分野支援に取り組みます。
(2)インフラ・エネルギー
・ 安全な交通ネットワーク等の整備・街づくり等に加えて、老朽化した公共インフラの更新に取り組みま
す。また、エネルギー供給態勢の再構築支援等に対応して参ります。
(3)地域に応じた活性化
・ 地域のお客様、投資家及び一般の金融機関とともに、地域の特性に応じた活性化に取り組みます。
(4)セーフティネットの強化
・ 危機発生時には、危機対応業務や自主的な取り組みを迅速かつ円滑に実施致します。
また、上記の主要な取り組みを通じて、以下の3つの機能を発揮します。
(1)リスクシェアファイナンス
・ 一般の金融機関や企業等とともに、協調投融資等を通じて適切なリスクシェアを推進致します。
(2)市場活性化ファイナンス
・ 地域金融機関や年金基金等の機関投資家の皆様とともに、シンジケートローン・アセットマネジメント等
を通じ、その資金運用の機会を分かちあい、新たな資金循環を創造致します。
(3)ナレッジバンク
・ 中立的なネットワークを活かして、新しいビジネスの「場」の創造等による触媒機能を発揮致します。
<危機対応業務等への取り組み(震災対応等)>危機対応業務については、当行は指定金融機関として行ってまいりましたが、平成27年改正法において、当分の間、当行による実施を義務付け、その適確な実施のための政府出資(交付国債の償還によるものを含む。)に係る期限の延長等所要の措置を講ずることとされています。かかる危機対応業務については、当行が企業理念として掲げるパブリックマインド等にも合致しており、今後とも着実に取り組むべきものと考えております。特に、我が国の産業・社会インフラ・地域に未曾有の被害をもたらした「東日本大震災」に関しましては、過去の震災対応等における経験や産業界・政府部門とのネットワークを活かし、今後も復興に向けた危機対応業務等を適切に遂行して参ります。
危機対応業務につきましては、「第2 事業の状況」「1.業績等の概要」<危機対応業務について>をご参照ください。
<特定投資業務への取り組み>特定投資業務については、平成27年改正法において、民間による成長資金の供給の促進を図るため、平成32年度末までの間、地域活性化や企業の競争力の強化に特に資する出資等(特定投資業務)を集中的に実施し、平成37年度末までに当該業務を完了するよう努めることとし、政府は、このために必要な出資等所要の措置を講ずることとされています。
かかる特定投資業務は、我が国産業競争力の強化に向け、平成25年3月に当行が自主的な取り組みとして設立した「競争力強化ファンド」を強化させるものと考えております。当行としましては、休眠技術の活用や新たな連携の促進といった企業活動を引き続き支援するとともに、特に地域活性化や企業の競争力強化に資するリスクマネー供給に適切に取り組んで参ります。
また、特定投資業務の積極的な活用に注力するとともに、重層化・複雑化する投資業務についての責任体制の明確化等の観点から、投資全般の統括部署として平成27年6月に「投資本部」を設置しております。
なお、特定投資業務を行うに当たっては、一般の金融機関が行う金融及び民間の投資を補完し、又は奨励することを旨とするものとされており、その適正な実施につき評価・監視のための体勢整備として、新たに金融資本市場や産業界などの社外有識者で構成される「特定投資業務モニタリング・ボード」を取締役会の諮問機関として設置しております。
特定投資業務につきましては、「第2 事業の状況」「1.業績等の概要」<我が国産業の競争力に向けた当行の取り組みについて>を、「特定投資業務モニタリング・ボード」につきましては、「第4 提出会社の状況」「6.コーポレート・ガバナンスの状況等」<特定投資業務モニタリング・ボード>をご参照ください。
<成長協創ファシリティへの取り組み>加えて、成長資金市場創造等に係る当行への期待により一層応えるため、自主的な取り組みとして、将来的な成長資金市場の創造に繋がる取り組みを後押しする「成長協創ファシリティ」を創設し、広く事業者・金融機関・投資家との共同リスクテイクを推進して参ります。