有価証券報告書-第13期(2024/03/01-2025/02/28)
④ 組織の特徴と課題
当社は分社化により創業しており、創業メンバーを中心としたハイコンテクスト文化による高生産性を背景として事業成長を実現してまいりました。また、創業以来の離職率の低さが裏付ける通り、この文化は安定した組織運営にも寄与しておりました。
しかし、2025年2月末現在、社員に占める創業メンバーの比率は2割を下回っており、先述の2020-2022年頃に重なった中堅層の離職やその後の採用強化・増員により、経験年次の二極化が顕著です。これは、世代間ギャップを生み出す温床になりかねないと認識しており、ハイコンテクスト文化からの脱却を重要課題として認識しております。
当連結会計年度においては、「MSR事業の再構築」ならびに「単一事業リスクの解消に向けたサービスラインナップの拡充」を重要な事業方針として掲げ、売上収益は6.7%増となったものの、当初想定よりも収益計画に遅れが生じており、ともすれば、社員が捉える社会的ミッションや組織アイデンティティにも重大な悪影響を及ぼしかねない状況であると認識しております。
⑤ 強化すべき取組と現状
イ.全社
a.人事制度の改定
人的資本、すなわち社員が持つ能力の向上や発揮が、当社の発展を支える重要な資産であり価値創造の源泉であると捉える中、社員への期待を言語し、キャリア形成を支援する仕組みの一つとして、2024年3月より、等級制度を刷新致しました。
業務負荷の偏りの慢性化の是正や、時間対成果への意識を強めることを目的として、労務管理制度の見直しを進めており、2025年5月より新制度による運用をスタートしています。また、昨今の物価上昇や採用獲得競争の激化を踏まえた取組として、報酬制度の改定にも着手をしております。
b.カルチャー形成
サービス拡充を目指す当社において、新しい価値提供に向けて既存事業に囚われない挑戦機会が重要となる一方、事業を通じて実現したい社会的ミッションを確認し、組織アイデンティティを育む活動も重要であると認識しています。
この、遠心力と求心力を兼ね備えたカルチャーを実現すべく、以下の取組を進めています。
・カルチャーに向き合う専門組織として、「ミライ創造室」を新設(2025年3月)
・オフサイトグループ(部門横断の非公式組織による継続的な対話機会)による社内ネットワーク増強支援
これらの取組は、心理的安全性の高い組織開発へとつながり、当社の定着率向上や成長促進・活躍促進につながるものと考えております。
ロ.コンサルティング事業
当社の事業成長に欠かせないコンサルタントの確保については、特に育成に時間を要する背景もあり、人材の獲得と合わせて、定着支援・成長支援が必須条件となっております。
コンサルタントとしての在り方や保有すべきスキルの可視化および細かなフィードバック体制、ミドルマネージャーによる成長支援環境の整備により、成長スピードの加速に努めてまいりました。
これらの育成環境により、コロナ後(2021年3月以降)に新規採用したコンサルタントスタッフは、定着率100%であり、新人層とベテラン層の二極化が顕著であったコンサルタントの人員構成にも変化が生まれております。着実な成長を遂げた中堅層が増えつつある現状を、事業成長の好機であると考えています。
これまでの新人定着の成果に加え、活躍支援の重要度が高まっている事を認識し、コンサルタントのトレーニング機会やキャリア開発支援機会の増強を進めてまいります。
ハ.リサーチ事業
中途採用を中心に採用の受入が最も多いMSR運営チームにおいては、2022年3月以降、採用活動を強化しておりました。教育体制の強化が功を奏し、高い定着率を保持しているとともに、入社2年目にはチームの中核となる役割を担える成長スピードを実現しております。
MSRの運営管理を習得していく中で培われる「職業倫理」や「業務管理能力」は、新規事業の運営体制構築の基盤となっており、従業員にとっては、多様な活躍の機会やキャリアアップ支援として機能していると同時に、事業成長に応じた柔軟な配置転換の基盤が構築されつつあります。
実際に、ベテランスタッフの新たな事業領域への配置転換による事業推進や、AI活用分野への業務領域拡大などの事例が生まれております。MSR運営チームでは、工程の一部をAI化する取組みが加速しており、AI導入率を部門KPIに掲げるまでに至っております。
また、創業以来、MSRやチームアンケートといったリサーチ商材は、コンサルティングの付帯価値として期待される要素が大きく、リサーチ事業とコンサルティング事業を一気通貫で実施できることが、当社グループの優位性の一つでした。コロナ禍以降、特に調査に対する要望が複雑で、高いレポート品質が要求される海外関連調査が伸長してきた中で、高難度調査への対応力が向上し、調査会社としてのケイパビリティそのものが、覆面調査市場における当社グループの優位性となっております。この優位性をさらに磨いていくべく、海外関連調査の営業機能の成長と、MSR運営チームのマネジメント向上に努めていく事が重要だと考えております。
(3) 当該方針に関する指標の内容や当該指標による目標・実績
① 女性管理職比率
2025年2月期の女性管理職比率は21.7%でした。長く、10%未満であった女性管理職比率は2023年以降改善傾向にありますが、現状でも高い水準とは言えません。これは、総合職社員の男女比率が女性管理職比率にも直結している結果であると考えております。
先述したミドルマネージャーの抜擢や成長支援の効果もあり、2025年4月末時点における女性管理職比率は24.0%です。また、一般職として入社した社員が総合職へと職種変更する事例も増えており、今後より改善していくものと考えております。
ただし今後も、性別に関わらず管理職登用をしていく考えであり、公平な登用を実現していきたいと考えています。
② 男女の賃金格差
※創業メンバーについては当社の前身となった(株)日本エル・シー・エー入社からの年次にてカウント
当社の男女の賃金格差は、アルバイトを含む全従業員の数値にて、大変低い数字となっております。これは、全従業員の35%を超えるアルバイトの80%が女性従業員であることが大きな要因です。また、アルバイトの賃金格差につきましては、時給平均における賃金格差は100.1%であり、所定労働日数・時間による賃金格差です。
正社員の賃金格差については、特に年次の高い従業員における男女比が顕著であることが主な要因と考えており、先述の女性管理職比率と同様に、今後解消をしていけるものと考えています。

③ 男性の育休取得
直近3年度の男性の育休取得率は28.6%です。当社の正社員数は、直近3年では130~150名程度であり、配偶者の出産という機会そのものが多くはない状況のため、取得率によって状況把握をすることは難しい状況です。とはいえ、2024年2月期、2025年2月期とそれぞれの期において、長期(半年)の育児休業を取得する事例が発生しており、制度に関しての社内認知度は確実に上がっております。引き続き、適切に制度説明を行い選択しやすい環境の整備に努めて参ります。
当社は分社化により創業しており、創業メンバーを中心としたハイコンテクスト文化による高生産性を背景として事業成長を実現してまいりました。また、創業以来の離職率の低さが裏付ける通り、この文化は安定した組織運営にも寄与しておりました。
しかし、2025年2月末現在、社員に占める創業メンバーの比率は2割を下回っており、先述の2020-2022年頃に重なった中堅層の離職やその後の採用強化・増員により、経験年次の二極化が顕著です。これは、世代間ギャップを生み出す温床になりかねないと認識しており、ハイコンテクスト文化からの脱却を重要課題として認識しております。
当連結会計年度においては、「MSR事業の再構築」ならびに「単一事業リスクの解消に向けたサービスラインナップの拡充」を重要な事業方針として掲げ、売上収益は6.7%増となったものの、当初想定よりも収益計画に遅れが生じており、ともすれば、社員が捉える社会的ミッションや組織アイデンティティにも重大な悪影響を及ぼしかねない状況であると認識しております。
⑤ 強化すべき取組と現状
イ.全社
a.人事制度の改定
人的資本、すなわち社員が持つ能力の向上や発揮が、当社の発展を支える重要な資産であり価値創造の源泉であると捉える中、社員への期待を言語し、キャリア形成を支援する仕組みの一つとして、2024年3月より、等級制度を刷新致しました。
業務負荷の偏りの慢性化の是正や、時間対成果への意識を強めることを目的として、労務管理制度の見直しを進めており、2025年5月より新制度による運用をスタートしています。また、昨今の物価上昇や採用獲得競争の激化を踏まえた取組として、報酬制度の改定にも着手をしております。
b.カルチャー形成
サービス拡充を目指す当社において、新しい価値提供に向けて既存事業に囚われない挑戦機会が重要となる一方、事業を通じて実現したい社会的ミッションを確認し、組織アイデンティティを育む活動も重要であると認識しています。
この、遠心力と求心力を兼ね備えたカルチャーを実現すべく、以下の取組を進めています。
・カルチャーに向き合う専門組織として、「ミライ創造室」を新設(2025年3月)
・オフサイトグループ(部門横断の非公式組織による継続的な対話機会)による社内ネットワーク増強支援
これらの取組は、心理的安全性の高い組織開発へとつながり、当社の定着率向上や成長促進・活躍促進につながるものと考えております。
ロ.コンサルティング事業
当社の事業成長に欠かせないコンサルタントの確保については、特に育成に時間を要する背景もあり、人材の獲得と合わせて、定着支援・成長支援が必須条件となっております。
コンサルタントとしての在り方や保有すべきスキルの可視化および細かなフィードバック体制、ミドルマネージャーによる成長支援環境の整備により、成長スピードの加速に努めてまいりました。
これらの育成環境により、コロナ後(2021年3月以降)に新規採用したコンサルタントスタッフは、定着率100%であり、新人層とベテラン層の二極化が顕著であったコンサルタントの人員構成にも変化が生まれております。着実な成長を遂げた中堅層が増えつつある現状を、事業成長の好機であると考えています。
これまでの新人定着の成果に加え、活躍支援の重要度が高まっている事を認識し、コンサルタントのトレーニング機会やキャリア開発支援機会の増強を進めてまいります。
ハ.リサーチ事業
中途採用を中心に採用の受入が最も多いMSR運営チームにおいては、2022年3月以降、採用活動を強化しておりました。教育体制の強化が功を奏し、高い定着率を保持しているとともに、入社2年目にはチームの中核となる役割を担える成長スピードを実現しております。
MSRの運営管理を習得していく中で培われる「職業倫理」や「業務管理能力」は、新規事業の運営体制構築の基盤となっており、従業員にとっては、多様な活躍の機会やキャリアアップ支援として機能していると同時に、事業成長に応じた柔軟な配置転換の基盤が構築されつつあります。
実際に、ベテランスタッフの新たな事業領域への配置転換による事業推進や、AI活用分野への業務領域拡大などの事例が生まれております。MSR運営チームでは、工程の一部をAI化する取組みが加速しており、AI導入率を部門KPIに掲げるまでに至っております。
また、創業以来、MSRやチームアンケートといったリサーチ商材は、コンサルティングの付帯価値として期待される要素が大きく、リサーチ事業とコンサルティング事業を一気通貫で実施できることが、当社グループの優位性の一つでした。コロナ禍以降、特に調査に対する要望が複雑で、高いレポート品質が要求される海外関連調査が伸長してきた中で、高難度調査への対応力が向上し、調査会社としてのケイパビリティそのものが、覆面調査市場における当社グループの優位性となっております。この優位性をさらに磨いていくべく、海外関連調査の営業機能の成長と、MSR運営チームのマネジメント向上に努めていく事が重要だと考えております。
(3) 当該方針に関する指標の内容や当該指標による目標・実績
① 女性管理職比率
| 2021年2月期 | 2022年2月期 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 | 2026年2月期 (2025年4月末) |
| 8.3% | 8.3% | 11.8% | 16.7% | 21.7% | 24.0% |
2025年2月期の女性管理職比率は21.7%でした。長く、10%未満であった女性管理職比率は2023年以降改善傾向にありますが、現状でも高い水準とは言えません。これは、総合職社員の男女比率が女性管理職比率にも直結している結果であると考えております。
先述したミドルマネージャーの抜擢や成長支援の効果もあり、2025年4月末時点における女性管理職比率は24.0%です。また、一般職として入社した社員が総合職へと職種変更する事例も増えており、今後より改善していくものと考えております。
ただし今後も、性別に関わらず管理職登用をしていく考えであり、公平な登用を実現していきたいと考えています。
② 男女の賃金格差
| 全従業員 | 正社員 | 総合職 | 一般職 | アルバイト | |
| 賃金格差 (%) | 45.7% | 70.9% | 83.7% | 104.3% | 67.0% |
| 女性構成比 (%) | 61.6% | 52.0% | 30.1% | 77.6% | 82.8% |
| 男性:年次 | 8.4 | 9.6 | 10.9 | 6.1 | 2.5 |
| 女性:年次 | 5.7 | 9.9 | 9.6 | 8.7 | 2.4 |
※創業メンバーについては当社の前身となった(株)日本エル・シー・エー入社からの年次にてカウント
当社の男女の賃金格差は、アルバイトを含む全従業員の数値にて、大変低い数字となっております。これは、全従業員の35%を超えるアルバイトの80%が女性従業員であることが大きな要因です。また、アルバイトの賃金格差につきましては、時給平均における賃金格差は100.1%であり、所定労働日数・時間による賃金格差です。
正社員の賃金格差については、特に年次の高い従業員における男女比が顕著であることが主な要因と考えており、先述の女性管理職比率と同様に、今後解消をしていけるものと考えています。

③ 男性の育休取得
| 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 | 3年平均 | |
| 取得率 (%) | 0.0% | 25.0% | 50.0% | 28.6% |
直近3年度の男性の育休取得率は28.6%です。当社の正社員数は、直近3年では130~150名程度であり、配偶者の出産という機会そのものが多くはない状況のため、取得率によって状況把握をすることは難しい状況です。とはいえ、2024年2月期、2025年2月期とそれぞれの期において、長期(半年)の育児休業を取得する事例が発生しており、制度に関しての社内認知度は確実に上がっております。引き続き、適切に制度説明を行い選択しやすい環境の整備に努めて参ります。