有価証券報告書-第14期(2025/03/01-2026/02/28)
④ 組織の特徴と課題
当社は分社化により創業しており、創業初期は少人数組織ならではの暗黙知共有や迅速な意思決定を背景に、高い生産性を実現してまいりました。また、創業以来の離職率の低さが裏付ける通り、こうした組織文化は安定した組織運営にも寄与しておりました。
しかし、2026年2月末現在、社員に占める創業メンバーの比率は2割を下回っており、先述の2020-2022年頃に重なった中堅層の離職やその後の採用強化・増員により、経験年次の二極化が顕著です。これまでの文化的強みを継承しながら、年次に関わらず成長機会や挑戦機会を得られる環境を整備し、社員一人ひとりの能力発揮を事業成長につなげていくことが重要であると考えております。
⑤ 強化すべき取組と現状
以下の取組を通じて、社員一人ひとりの能力発揮と業務生産性の向上を図り、サービス品質の向上および収益性改善につなげてまいります。
イ.全社
a.人事制度の改定
人的資本、すなわち社員が持つ能力の向上や発揮が、当社の発展を支える重要な資産であり価値創造の源泉であると捉える中、社員への期待を言語し、キャリア形成を支援する仕組みの一つとして、2024年3月より、等級制度を刷新いたしました。また、業務負荷の慢性的な偏りの是正や、時間対成果への意識を強めることを目的として、2025年5月より労務管理制度の見直しを行いました。加えて、等級制度に基づいたキャリア開発支援を強化すべく報酬制度の見直しを進め、2026年5月より新制度の運用を開始しております。
b.カルチャー形成
事業拡張や組織拡大に伴い、部門間連携や意思決定スピードの維持が重要課題となっております。そのため、心理的安全性や部門横断コミュニケーションの強化を目的とした施策を推進しております。具体的には、2025年3月に自社カルチャーに向き合う専門組織として「ミライ創造室」を新設いたしました。この組織では、採用やオンボーディング領域に加え、事業を通じて実現したい社会的ミッションの確認や、組織アイデンティティを育む活動を通じて、社内ネットワークの増強を進めております。
c.AI活用
収益性の改善を重要テーマに掲げる中、AI活用は業務生産性の向上と社員の能力発揮を両立するための重要な取組であると認識しております。すでにシステム開発部門やリサーチ事業の運用工程において、基幹システムへのAI実装が進んでおり、レポートチェック業務をはじめとする一部業務において、生産性向上に資する成果が出始めております。
また、AIを継続的に業務へ活用している社員は、2026年2月末時点で全体の65%を超えております。今後は、定型業務や確認業務の効率化を進めることで、社員がより付加価値の高い業務に注力できる環境を整備してまいります。全社員がAI活用を前提に業務の在り方を見直していくべく、技術勉強会や実用事例の共有会を継続的に実施してまいります。
ロ.コンサルティング事業
当社の事業成長に欠かせないコンサルタントの確保については、特に育成に時間を要する背景もあり、人材の獲得と合わせて、定着支援・成長支援が必須条件となっております。
コンサルタントとしての在り方や保有すべきスキルの可視化および細かなフィードバック体制、ミドルマネージャーによる成長支援環境の整備により、成長スピードの加速に努めてまいりました。
これらの育成環境により新規採用したコンサルタントスタッフの定着率は高く、新人層とベテラン層の二極化が顕著であったコンサルタントの人員構成にも変化が生まれております。着実な成長を遂げた中堅層が増えつつある現状を、事業成長の好機であると考えております。
これまでの新人定着の成果に加え、活躍支援の重要度が高まっている事を認識し、コンサルタントのトレーニング機会やキャリア開発支援機会の増強を進めてまいります。
ハ.リサーチ事業
中途採用を中心に採用の受入が最も多いMSR運営チームにおいては、2022~2024年にかけて採用活動を強化。その後の教育体制の強化が奏功し、高い定着率を保持するとともに、入社2年目にはチームの中核となる成長スピードを実現しております。
MSRの運営管理を習得していく中で培われる「職業倫理」や「業務管理能力」は、新規事業の運営体制構築の基盤となっており、従業員にとっては、多様な活躍の機会やキャリアアップ支援として機能していると同時に、事業成長に応じた柔軟な配置転換の基盤が構築されつつあります。
また、創業以来、MSRやチームアンケートといったリサーチ商材は、コンサルティングの付帯価値として期待される要素が大きく、リサーチ事業とコンサルティング事業を一気通貫で実施できることが、当社グループの優位性の一つでした。コロナ禍以降、特に調査に対する要望が複雑で、短納期での納品が要求される海外関連調査や高いレポート品質が要求される国内調査が伸長してきた中で、高難度調査への対応力が向上し、調査会社としてのケイパビリティそのものが、覆面調査市場における当社グループの優位性となっております。この優位性をさらに磨いていくべく、海外関連調査の営業機能の成長と、MSR運営チームのマネジメント力及び生産性向上に努めていくことが重要だと考えております。
(3) 当該方針に関する指標の内容や当該指標による目標・実績
① 女性管理職比率
2026年2月期の女性管理職比率は24.0%でした。長く、10%未満であった女性管理職比率は2023年以降改善傾向にありますが、現状でも高い水準とは言えません。これは、総合職社員の男女比率が女性管理職比率にも直結している結果であると考えております。
先述したミドルマネージャーの抜擢や成長支援の効果もあり、2026年4月末時点における女性管理職比率は25.0%です。また、一般職として入社した社員が総合職へと職種変更し、管理職登用する事例も増えており、今後より改善していくものと考えております。
ただし今後も、性別に関わらず管理職登用をしていく考えであり、公平な登用を実現していきたいと考えております。
② 男女の賃金格差
※創業メンバーについては当社の前身となった(株)日本エル・シー・エー入社からの年次にてカウント
当社の男女の賃金格差は、アルバイトを含む全従業員の数値において、差異が大きい状況となっております。これは、全従業員の25.0%にあたるアルバイトの80.4%が女性従業員であること、また女性正社員における一般職正社員の割合が63.4%であることが主な要因です。また、アルバイトの賃金格差につきましては、時給平均における賃金格差は99.1%であり、労働日数や勤務時間による差が主な要因です。
正社員の賃金格差については、特に年次の高い従業員における男女比が顕著であることに加え、女性正社員における63.4%が一般職正社員であることが主な要因と考えており、女性管理職比率向上やキャリア開発支援を通じ、中長期的な改善を進めてまいります。

③ 男性の育休取得
直近3年度の男性の育休取得率は50.0%です。当社の正社員数は、直近3年では130~150名程度であり、配偶者の出産という機会そのものが多くはない状況のため、取得率によって状況把握をすることは難しい状況です。とはいえ、直近3年度において、男性社員の育児休業の取得事案は、全てにおいて長期(3か月以上)の取得をしており、制度に関しての社内認知度は確実に上がっております。引き続き、適切に制度説明を行い選択しやすい環境の整備に努めてまいります。
当社は分社化により創業しており、創業初期は少人数組織ならではの暗黙知共有や迅速な意思決定を背景に、高い生産性を実現してまいりました。また、創業以来の離職率の低さが裏付ける通り、こうした組織文化は安定した組織運営にも寄与しておりました。
しかし、2026年2月末現在、社員に占める創業メンバーの比率は2割を下回っており、先述の2020-2022年頃に重なった中堅層の離職やその後の採用強化・増員により、経験年次の二極化が顕著です。これまでの文化的強みを継承しながら、年次に関わらず成長機会や挑戦機会を得られる環境を整備し、社員一人ひとりの能力発揮を事業成長につなげていくことが重要であると考えております。
⑤ 強化すべき取組と現状
以下の取組を通じて、社員一人ひとりの能力発揮と業務生産性の向上を図り、サービス品質の向上および収益性改善につなげてまいります。
イ.全社
a.人事制度の改定
人的資本、すなわち社員が持つ能力の向上や発揮が、当社の発展を支える重要な資産であり価値創造の源泉であると捉える中、社員への期待を言語し、キャリア形成を支援する仕組みの一つとして、2024年3月より、等級制度を刷新いたしました。また、業務負荷の慢性的な偏りの是正や、時間対成果への意識を強めることを目的として、2025年5月より労務管理制度の見直しを行いました。加えて、等級制度に基づいたキャリア開発支援を強化すべく報酬制度の見直しを進め、2026年5月より新制度の運用を開始しております。
b.カルチャー形成
事業拡張や組織拡大に伴い、部門間連携や意思決定スピードの維持が重要課題となっております。そのため、心理的安全性や部門横断コミュニケーションの強化を目的とした施策を推進しております。具体的には、2025年3月に自社カルチャーに向き合う専門組織として「ミライ創造室」を新設いたしました。この組織では、採用やオンボーディング領域に加え、事業を通じて実現したい社会的ミッションの確認や、組織アイデンティティを育む活動を通じて、社内ネットワークの増強を進めております。
c.AI活用
収益性の改善を重要テーマに掲げる中、AI活用は業務生産性の向上と社員の能力発揮を両立するための重要な取組であると認識しております。すでにシステム開発部門やリサーチ事業の運用工程において、基幹システムへのAI実装が進んでおり、レポートチェック業務をはじめとする一部業務において、生産性向上に資する成果が出始めております。
また、AIを継続的に業務へ活用している社員は、2026年2月末時点で全体の65%を超えております。今後は、定型業務や確認業務の効率化を進めることで、社員がより付加価値の高い業務に注力できる環境を整備してまいります。全社員がAI活用を前提に業務の在り方を見直していくべく、技術勉強会や実用事例の共有会を継続的に実施してまいります。
ロ.コンサルティング事業
当社の事業成長に欠かせないコンサルタントの確保については、特に育成に時間を要する背景もあり、人材の獲得と合わせて、定着支援・成長支援が必須条件となっております。
コンサルタントとしての在り方や保有すべきスキルの可視化および細かなフィードバック体制、ミドルマネージャーによる成長支援環境の整備により、成長スピードの加速に努めてまいりました。
これらの育成環境により新規採用したコンサルタントスタッフの定着率は高く、新人層とベテラン層の二極化が顕著であったコンサルタントの人員構成にも変化が生まれております。着実な成長を遂げた中堅層が増えつつある現状を、事業成長の好機であると考えております。
これまでの新人定着の成果に加え、活躍支援の重要度が高まっている事を認識し、コンサルタントのトレーニング機会やキャリア開発支援機会の増強を進めてまいります。
ハ.リサーチ事業
中途採用を中心に採用の受入が最も多いMSR運営チームにおいては、2022~2024年にかけて採用活動を強化。その後の教育体制の強化が奏功し、高い定着率を保持するとともに、入社2年目にはチームの中核となる成長スピードを実現しております。
MSRの運営管理を習得していく中で培われる「職業倫理」や「業務管理能力」は、新規事業の運営体制構築の基盤となっており、従業員にとっては、多様な活躍の機会やキャリアアップ支援として機能していると同時に、事業成長に応じた柔軟な配置転換の基盤が構築されつつあります。
また、創業以来、MSRやチームアンケートといったリサーチ商材は、コンサルティングの付帯価値として期待される要素が大きく、リサーチ事業とコンサルティング事業を一気通貫で実施できることが、当社グループの優位性の一つでした。コロナ禍以降、特に調査に対する要望が複雑で、短納期での納品が要求される海外関連調査や高いレポート品質が要求される国内調査が伸長してきた中で、高難度調査への対応力が向上し、調査会社としてのケイパビリティそのものが、覆面調査市場における当社グループの優位性となっております。この優位性をさらに磨いていくべく、海外関連調査の営業機能の成長と、MSR運営チームのマネジメント力及び生産性向上に努めていくことが重要だと考えております。
(3) 当該方針に関する指標の内容や当該指標による目標・実績
① 女性管理職比率
| 2022年2月期 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 | 2026年2月期 | 2027年2月期 (2026年4月末) |
| 8.3% | 11.8% | 16.7% | 21.7% | 24.0% | 25.0% |
2026年2月期の女性管理職比率は24.0%でした。長く、10%未満であった女性管理職比率は2023年以降改善傾向にありますが、現状でも高い水準とは言えません。これは、総合職社員の男女比率が女性管理職比率にも直結している結果であると考えております。
先述したミドルマネージャーの抜擢や成長支援の効果もあり、2026年4月末時点における女性管理職比率は25.0%です。また、一般職として入社した社員が総合職へと職種変更し、管理職登用する事例も増えており、今後より改善していくものと考えております。
ただし今後も、性別に関わらず管理職登用をしていく考えであり、公平な登用を実現していきたいと考えております。
② 男女の賃金格差
| 全従業員 | 正社員 | 総合職 | 一般職 | アルバイト | |
| 賃金格差 (%) | 58.1% | 69.0% | 85.3% | 94.9% | 81.0% |
| 女性構成比 (%) | 60.3% | 53.6% | 33.7% | 78.8% | 80.4% |
| 男性:年次 | 9.4 | 10.6 | 11.2 | 6.7 | 2.9 |
| 女性:年次 | 7.3 | 9.5 | 9.8 | 8.9 | 3.7 |
※創業メンバーについては当社の前身となった(株)日本エル・シー・エー入社からの年次にてカウント
当社の男女の賃金格差は、アルバイトを含む全従業員の数値において、差異が大きい状況となっております。これは、全従業員の25.0%にあたるアルバイトの80.4%が女性従業員であること、また女性正社員における一般職正社員の割合が63.4%であることが主な要因です。また、アルバイトの賃金格差につきましては、時給平均における賃金格差は99.1%であり、労働日数や勤務時間による差が主な要因です。
正社員の賃金格差については、特に年次の高い従業員における男女比が顕著であることに加え、女性正社員における63.4%が一般職正社員であることが主な要因と考えており、女性管理職比率向上やキャリア開発支援を通じ、中長期的な改善を進めてまいります。

③ 男性の育休取得
| 2024年2月期 | 2025年2月期 | 2026年2月期 | 3年平均 | |
| 取得率 (%) | 25.0% | 50.0% | 100.0% | 50.0% |
直近3年度の男性の育休取得率は50.0%です。当社の正社員数は、直近3年では130~150名程度であり、配偶者の出産という機会そのものが多くはない状況のため、取得率によって状況把握をすることは難しい状況です。とはいえ、直近3年度において、男性社員の育児休業の取得事案は、全てにおいて長期(3か月以上)の取得をしており、制度に関しての社内認知度は確実に上がっております。引き続き、適切に制度説明を行い選択しやすい環境の整備に努めてまいります。