有価証券報告書-第18期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/22 11:54
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当社グループに関するリスクのうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載します。ただし、これらに記載したリスクは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。当社グループの事業、業績及び財務状況は、係るリスク要因のいずれによっても著しい悪影響を受ける可能性があります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
<当社グループにおけるリスク管理体制>当社グループでは、リスクを「事業計画の達成を阻害する可能性があるもの」と捉え、全世界で事業活動に関わるあらゆるリスクを的確に把握し、影響及び損害の最小化を図るとともに、これらを機会として活かすための体制を整備しています。全社的な視点でリスクマネジメントを統括・推進する最高リスク責任者(CRO:Chief Risk management Officer)を置き、配下に各事業分野、グループ会社責任者を配置し、リスク管理担当部門を事務局としてリスクマネジメントプロセスに基づいて各職場が主体的に直面し得るリスクを定期的に洗い出し、リスクの事前把握と、発現した際の迅速な対応含め施策を進めています。
また、2023年度よりTCFD提言に沿った気候変動リスクへの取り組みを推進するため、リスク管理体制を強化しており、気候変動問題に起因する移行リスク※1、物理的リスク※2は、一般的なリスクとは別に分類した上で、重要度評価を行い、他のリスクと統合した形で管理しています。
※1 低炭素社会に移行する際に発生するリスク
※2 気候変動による物理的変化によって発生するリスク
気候変動に関するリスク管理体制の詳細につきましては、上記「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 1.気候変動への対応 (2)リスク管理」を参照ください。
<当社グループにおけるリスクマネジメントプロセス>・当社グループの全部門を対象に毎年リスクサーベイランスを行い、各事業部、地域、グループ会社において事業の現場で直面するリスクを洗い出して「事業拠点リスク」と位置付けて、影響度・緊急性・発生頻度及び対応状況を踏まえてリスク評価するとともに対策を策定し実行、施策進捗をモニタリングし改善するサイクルを、それぞれの部門において実施
・最高経営責任者(CEO:Chief Executive Officer)が主宰し、最高リスク責任者(CRO)を議長、議長により指名された本社部門長及び各事業分野の担当役員を構成員として設置される全社リスク管理会議において、各事業部・地域により洗い出された「事業拠点リスク」と経営課題・事業課題を踏まえ、経営への影響度や緊急性、インシデント発生状況等を勘案して抽出したリスク課題を「最優先で取り組むべきグローバル重要リスク」と位置付けてリスク解決に向けた施策を策定し、経営層レベルによる全社的視点での取り組みとして当該リスク管掌担当役員を対応推進責任者に指名
・対応推進責任者は、連結会計年度の事業計画の達成へ向けて、グローバル重要リスクに対する施策を各事業部・地域に落とし込んで改善するサイクルを実施し、進捗をモニタリング
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(1)事業環境の変化等にともなうリスク
① 原材料等の調達の外部依存について
当社グループ製品の開発・製造活動において、外部より十分な品質の原材料、部品、機器、ソフトウェア、サービス等を競争力のあるコストでタイムリーに必要量を確保することが重要です。当社グループにおいては外部の部品開発業者、生産業者、部品供給業者、製品開発業者、ソフトウェア開発業者等からの購入、生産委託、又は共同開発等により、外部業者に対して一定程度依存をしています。
このため、外部事業者との関係悪化、経営問題、品質問題、自然災害や事故等による操業停止、感染症の拡大等に加え、昨今の地政学的リスクの高まりや経済安全保障政策の強化にともなう輸出規制・投資規制の拡大、通商摩擦の長期化等により、供給の遅延・停止や開発の遅延・中断が生じた場合、当社グループの製品開発・製造活動に支障を来たし、事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
近年では、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の不安定化に加え、特にイランを巡る地政学的緊張の高まりにともなうエネルギー供給不安や海上輸送ルートの安全性低下(ホルムズ海峡等の重要航路への影響懸念)により、原材料価格の上昇や物流の遅延・輸送コスト上昇リスクが一層高まっています。具体的には、輸送費高騰にともなう値上げ要請や、塗料やシンナー、梱包材、樹脂材の供給が一部不透明になりつつあり、パネル塗装の削除、シンナーの海外からの輸入や梱包の簡素化・再利用、再生材の活用検討等を進めていますが、当社グループの生産活動の停滞、収益の悪化、納期遅延等のリスクが顕在化する可能性があります。
さらに、生成AIの急速な普及・拡大にともない、データセンター投資及びAI関連機器需要が世界的に急増しており、高性能半導体(GPU、HBM等)、先端パッケージ、電子部品等の需給が逼迫しています。この影響により、当社グループが使用する半導体メモリーについても、需給逼迫による調達難易度の上昇、リードタイムの長期化、価格上昇及び価格変動の拡大、特定顧客への供給優先による調達制約といったリスクが顕在化しています。
加えて、セーフティ&セキュリティ分野等で使用する一部のレガシー半導体については、製造元の設備老朽化や生産縮小・撤退等により供給制約リスクが高まっており、特定供給元への依存度が相対的に高い状況にあります。
当該リスクに対し、主要サプライヤーとの連携強化を通じた需給動向の早期把握に加え、マルチソーシングの推進、戦略在庫(BCP在庫)の適正保有、汎用部品の優先採用、商社の活用による調達柔軟性の確保等の施策を講じ、調達リスクの低減と供給安定化に努めています。また、地政学リスクを踏まえた調達先の分散化も推進しています。
しかしながら、これらの対策が常に有効に機能する保証はなく、当社グループの想定を超える規模や期間において外部事業者側の供給制約や事業環境の変化が生じた場合には、製品供給の遅延やコスト増加等を通じて、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 物流リスクについて
当社グループ製品の生産・販売活動の多くは日本国外で行われており、物流活動もグローバルに展開されています。各国・各地域における地政学的緊張の高まり、通商政策の変動、自然災害の激甚化、港湾・空港機能の制約等の物流上の問題が、当社グループのグローバルサプライチェーン全体に波及し、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループはアジア地域での生産比率が高く、当該拠点からグローバルに供給を行っています。近年、イスラエル・パレスチナ情勢を背景とした紅海・スエズ運河航路の不安定化により、アジア―欧州間を中心に輸送ルートの変更(喜望峰経由等)を余儀なくされており、これにともなう物流リードタイムの長期化及び海上運賃の上昇が発生しています。
さらに中東地域におけるイスラエル・米国によるイランへの攻撃により、原油・LNG輸送の要衝であるホルムズ海峡における封鎖が発生しており、封鎖が長期化した場合、エネルギー供給の逼迫及び燃料価格の急騰を通じて、海上・航空輸送コストの大幅な上昇や輸送網の混乱を引き起こす可能性があり、これらの影響は一部において既に顕在化しています。加えて、当該海域を通過する貨物輸送への直接的な影響(遅延・迂回・保険料上昇等)も想定され、グローバル物流全体の停滞やリードタイムの更なる長期化につながるリスクがあります。
また各国における輸出入規制の強化、経済安全保障政策の進展及び米国を中心とした関税政策の見直し等により、国際物流における物量の変動や物流ネットワークの分断が生じる可能性があります。これにより輸送需給の逼迫や運賃の変動が発生し、当社グループの調達、製造及び販売活動に影響を及ぼす可能性があります。
加えて、脱炭素化に向けた各国の環境規制の強化(海運におけるGHG排出規制等)や燃料価格の変動は、中長期的に物流コストの上昇要因となる可能性があります。
一方、日本国内における当社グループ製品の生産・販売にともなう物流活動においては、2024年4月からの働き方改革関連法の適用(いわゆる「2024年問題」)に加え、ドライバー不足の深刻化、人件費・燃料費の高騰等を背景に、輸送能力の制約及び物流コストの上昇が継続することが見込まれます。
当該リスクに対し、製品総原価の見直しにより上昇する輸送コストの吸収を試みるとともに、輸送能力の状況に応じて出荷頻度の見直しを行い、供給量の安定化を図る等の施策により、販売への影響が及ぶ可能性の低減を目指します。
しかしながら、想定を超える問題が発生した場合には、当社グループの社会的責任の遂行や事業活動に影響を及ぼし、結果として当社グループの事業、業績、財務状況及び社会的信用に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ サプライチェーンリスクについて
当社グループ製品のサプライチェーンシステムにおいては多くの取引先がステークホルダーとして存在していますが、これらのそれぞれの取引先での社会的責任の遂行状況は、当社グループ製品のサプライチェーンシステム自体が社会的責任を果たしているかに直結します。取引先で生じた問題が当社グループのグローバルサプライチェーン全体に波及し、当社グループが社会的責任を果たせなくなる結果として、当社グループの事業、業績、財務状況及び社会的信用に悪影響を及ぼす可能性があります。
近年においては、各国・地域における人権・環境デューディリジェンスに関する法規制の強化(欧州を中心としたサプライチェーン規制、強制労働排除規制等)や、ESGに関する開示要請の高度化が進展しており、サプライチェーン全体にわたる透明性及びトレーサビリティの確保が一層重要となっています。また、紛争鉱物やレアメタル・レアアース等の責任ある調達に対する社会的要請の高まりや、地政学リスクに起因する調達先の変更にともなう新規サプライヤーのリスク顕在化等も、当社グループにとって重要な課題となっています。
さらに、サイバーセキュリティリスクの高まりにより、サプライチェーン上の取引先を起点とした情報漏えいやシステム障害が発生した場合、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対し、人権や環境に配慮した健全なサプライチェーンの構築を目的として、サプライヤー向けSAQ(Self Assessment Questionnaire)による実態調査を実施し、取引先に調達方針、 CSR 調達ガイドラインへの理解と実行を要請しています。その活動状況についてはサプライヤーミーティング、SAQ等を通じて定期的に検証・共有し、社会的責任を果たす取り組みを推進します。
しかしながら、サプライチェーンは多層かつ広範にわたるため、すべての取引先における状況を完全に把握・管理することは困難であり、当社グループの取り組みが十分に機能しない場合や、想定を超える問題が発生した場合には、当社グループの社会的責任の遂行や事業活動に影響を及ぼし、結果として当社グループの事業、業績、財務状況及び社会的信用に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 経済状況等の変化によるリスクについて
当社グループの製品・サービスに対する需要は、販売国又は地域の経済状況や景気動向の影響を受けやすく、世界的な景気後退、インフレの長期化、金利上昇、為替変動などのマクロ経済環境の変化が生じた場合には、需要の減少や顧客の購買行動の変化を通じて、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの製品のうち、個人顧客を主要な購買層とする製品については、各国・地域における個人消費の動向、可処分所得の増減、消費者心理の変化、ライフスタイルや嗜好の変化等の影響を受けやすい特性を有しています。近年は、物価上昇や金利上昇を背景とした消費抑制の動きや、消費者の購買判断の慎重化が見られており、これらの動向が継続又は拡大した場合には、当社グループ製品の販売数量や販売単価に影響を与えるおそれがあります。また、地域ごとに経済環境や消費動向の変化の度合いが異なることから、市場ごとの需要変動が想定以上に拡大又は長期化する可能性があります。
一方、各国の政府・官公庁等の公的機関や法人顧客を主要な購買層とする製品・サービスについても、顧客が所在する国・地域の経済状況、財政状況、政策動向及び政治情勢の変化等により、設備投資や公共投資の縮小、予算執行の遅延、調達計画の見直し、案件の中止や延期が生じる可能性があります。特に、経済減速局面や政治的な不確実性が高まる局面においては、予算執行の遅延や入札条件の厳格化等に加え、自国優先的な政策運営の影響等により受注環境が変動する可能性があり、これらが当社グループの受注機会や収益性に影響を及ぼす場合があります。
当該リスクは、発生の時期・内容・規模・地域等が不明確であり、事前に影響の測定が困難なものですが、当社グループは当社グループの予測からの変化を常にモニタリングし、日々のオペレーション対応からコンティンジェンシープランの実施まで、リスク規模に合わせた迅速でフレキシブルな対応をリスクマネジメントプランに則り対応し、リスクの回避又は影響の最小化を図っています。ただし、国際情勢の不安定化、地政学的リスクの高まり、国際紛争の長期化、感染症の再拡大等に起因して世界経済の先行き不透明感が増大した場合には、特定の国や地域にとどまらず、複数市場で同時に需要減少や事業環境の悪化が生じる可能性があります。
⑤ 為替相場及び金利の変動による影響について
当社グループの売上収益に占める海外向の割合は5割以上あり、拠点及び取引先は世界各国にわたっています。外貨建てで取引されている海外での製品・サービスのコスト及び価格は為替相場の変動により影響を受け、加えて連結財務諸表作成にあたり海外の現地通貨建ての資産・負債等が円換算されることから為替相場の変動による影響を受けるため、為替相場の変動が当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。一般的に、当社グループの為替感応は、ユーロに対する円高で業績は悪化し、米ドルに対する円高で業績は良化します。また、金利の変動は、支払利息、受取利息あるいは金融資産及び負債の価値に影響を与え、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対し、主要通貨での予定取引及び資産・負債の一部に対して為替予約等ヘッジ取引を実施することにより、急激な為替レートの変動リスクの軽減に努めています。また、金利変動に対しては、固定金利で資金調達の割合を高めることによりリスクの軽減を図っております。しかしながら、主要通貨において当社グループの想定を超える長期的な為替相場の不利な変動や急激な金利上昇が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 顧客の資金状況・財務状況について
当社グループは、代金後払いの条件で顧客へ製品等の販売を行っている取引があります。当社グループが多額の営業債権を有する顧客の財務状況が悪化し、期限どおりの支払いを得られない場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対し当社グループは、取引先毎の財務状況調査により財務体力に応じた与信限度の設定、L/C取引、取引信用保険の付保等の対応を行いリスクの回避に努めています。
⑦ 業界動向の変化
当社グループが事業を展開する業界は、デジタル化、ネットワーク化、ブロードバンド化の進展に加え、AI・ソフトウェア技術の高度化等を含む科学・技術の急速な進歩や、ビジネスモデルの変化・サービス化の進展により、製品・サービスの境界が曖昧になりつつあります。その結果、従来の同一業界内にとどまらず、隣接業界や異業種からの参入、業界横断的な競争の激化が進行しており、市場構造や競争環境が大きく変化する可能性があります。また、このような事業環境の変化にともない、異業種又は隣接業種からの新規参入が進展し、競争環境が一層厳しさを増す可能性があります。
このような環境下において、競合他社による組織再編、事業提携、M&A等が進展することにより、同一業界内又は隣接業界・異業種間における競争力の相対的な位置付けが変化する可能性があります。また、業界内におけるビジネススキームの転換、プラットフォーム化の進展、標準規格や技術トレンドの変化等が生じた場合には、当社グループがこれまで強みとしてきた技術、製品、サービス、事業モデルが、市場において十分な競争優位性を維持できなくなるおそれがあります。
さらに、競争環境の変化により、当社グループが規模のメリット、研究開発力、価格競争力、ブランド力、資金調達力、原材料・部材の調達条件、生産拠点の優位性、販路の確保、ならびに環境・社会・ガバナンスに対する評価等において、競合他社に対し相対的に劣後する可能性があります。こうした状況が発生した場合には、当社グループが想定する市場シェアの維持又は拡大が困難となり、収益性の低下や事業構造の見直しを迫られるおそれがあります。
これらの業界動向の変化は、発生の時期や影響の範囲、競争環境への影響度合いを事前に正確に予測することが困難であり、想定を上回る速度や規模で顕在化する可能性があります。このような場合には、当社グループが業界において有してきた現在の地位を将来にわたり維持・発展させることができるとの保証はなく、結果として、当社グループの事業、業績及び財務状況に重要な悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、こうした環境変化に対応するため、重点事業領域への経営資源のシフトや技術開発の強化、パートナー連携の推進等に取り組んでいます。
⑧ 市場における競争の激化
当社グループが製品・サービスを提供する各市場においては、国際的な大企業から、特定分野に強みを有する中堅企業、さらには新興企業や異業種からの参入企業に至るまで、多様な競合他社が存在し、競争環境は一層激化する傾向にあります。これらの競合他社の中には、当社グループと比較して、より大きな財務基盤、研究開発力、技術力、マーケティング力、又は価格競争力を有する企業も存在しています。
競合他社が、市場シェアの拡大や寡占化を目的として、大規模な投資、積極的な価格戦略、迅速な製品投入やサービス拡充を行った場合には、当社グループ製品・サービスの競争環境が大きく変化する可能性があります。その結果、当社グループが競争上の優位性を十分に維持できない場合には、販売数量の減少、販売価格の下落、収益性の悪化、又はブランド価値の低下が生じるおそれがあります。
また、競争の激化にともない、市場全体で価格下落圧力が恒常化又は急激に高まる可能性があり、当社グループが取り組むコスト削減や高付加価値製品の開発による付加価値創出が、必ずしも十分に製品価格へ転嫁できない場合があります。特に、需要が低迷する局面においては、価格競争が一層激しくなり、当社グループが想定する利益水準の確保が困難となる可能性があります。
さらに、技術革新や顧客ニーズの変化のスピードが加速する中で、競合他社が新たな技術やビジネスモデルを採用した製品・サービスを市場に投入した場合には、当社グループの既存製品や強みが相対的に競争力を失う可能性があります。このような競争環境の変化は、発生の時期や影響の範囲、競争への影響度合いを事前に正確に予測することが困難であり、当社グループの想定を超える形で顕在化するおそれがあります。
これらの市場における競争の激化により、当社グループが現在有している市場シェアや収益構造を将来にわたり維持できるとの保証はなく、その結果として、当社グループの事業、業績及び財務状況に重要な悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、これらのリスクに対応するため、差別化技術の強化や付加価値の高いソリューションの提供、収益性改善に向けた事業の再構築を推進しています。
⑨ 技術革新における競争について
技術革新が重要な競争要因になっている中で、当社グループとして絶えず研究開発活動への資金・資源を投入し続ける必要があります。当社グループの新たな製品開発に必要、又は市場から要求される技術は常に高度化しており、近年ではAI・ソフトウェア、データ活用等を含む技術領域の拡大・複雑化が進展しています。
また、持続可能な社会実現への期待や各国・地域における環境規制等も高まっており、脱炭素対応や環境負荷低減等に係る技術開発・製品対応には多額の投資を要する可能性がありますが、その投資が必ずしも市場評価や収益拡大に結び付く保証はありません。
当社グループが将来の市場ニーズや技術トレンド、社会的要請を正確に予測し、適切な研究開発テーマの選定及び商品化を行った場合においても、それらが当社グループの業績向上に確実に寄与するとの保証はありません。さらに、当社グループの予測を超える競合他社による急速かつ広範な技術革新、事業環境の変化、又は外部技術・プラットフォームへの依存度の高まりにより、当社グループの開発した製品やサービスがこれらに対する競争力を維持できない可能性があります。
加えて、研究開発活動等に十分な資金・資源の投入ができない場合や、高度な専門性を有する研究開発人材、特にAI・ソフトウェア等の分野における人材の確保・育成が計画どおり進まない場合、又はこれらの人材が外部へ流出した場合には、十分な商品化開発が進まず、その結果当社グループの製品やサービスの競争優位性が低下し、市場でのシェアの低下や売上収益を確保できないリスクがあります。
当該リスクに対し、当社グループは、変化する市場環境、社会的要請、技術トレンド、構成部品及び第三者ソリューションの市況等を踏まえた中長期の技術開発・製品化ロードマップを適時見直すとともに、全社横断的なモニタリング体制の強化、外部パートナーとの連携活用及び計画的な人材育成施策を推進することにより、リスクの低減に努めてまいります。
⑩ 国際的な事業活動におけるリスク
当社グループは、海外の複数の国及び地域において事業活動を展開しており、各国・地域に固有の労使関係、宗教・文化、商慣習の相違に加え、政治・経済情勢の不安定化、治安状況の悪化、行政運営や政策の変化等により、事業運営上の制約や予期しないコストの発生に直面する可能性があります。
また、海外においては、会計基準、税制、労働関連法令、競争法、環境規制、輸出入規制等の法令・規制が頻繁に改正又は新設される場合があり、これらへの対応が遅れた場合や解釈に相違が生じた場合には、追加的なコスト負担、課税、罰金・制裁金の支払、事業活動の制限等が生じる可能性があります。特に、税務当局との見解の相違により、想定外の税負担が発生する可能性もあります。
さらに、近年は、持続可能性(環境・人権・サプライチェーン管理等)に関する規制や評価要件が国・地域ごとに異なる形で高度化・厳格化しており、こうした要請への対応状況によっては、取引条件の悪化、調達・販売機会の減少、企業評価やブランド価値への影響が生じるおそれがあります。
当社グループは、海外における製品の輸出入に際し、各国の関税法令に基づき適切な通関申告を行っていますが、関税分類や申告内容に関して、輸出入国の通関当局との解釈の相違が生じた場合には、後日、修正申告、追加関税や追徴金の支払等を求められる可能性があります。このような事態が発生した場合には、コスト負担の増加のみならず、物流の停滞や取引先との関係に影響を及ぼす可能性があります。
これらの国際的な事業活動にともなうリスクは、発生の時期、影響を受ける国・地域、影響の規模や内容を事前に正確に把握することが難しく、地政学的リスクの高まりや国際情勢の急変等により、複数の国・地域で同時に顕在化する可能性があります。このような場合には、当社グループの海外事業の継続性や収益性に影響を及ぼし、結果として、当社グループの事業、業績及び財務状況に重要な悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、これらのリスクに対応するため、各国・地域における法令・規制動向や地政学情勢のモニタリングの強化、グローバルでのリスク管理体制の高度化、サプライチェーンの最適化及び分散化等に取り組んでいます。
(2)事業オペレーションにともなうリスク
① 情報セキュリティリスクについて
当社グループでは、お客様の個人情報や取引情報、ならびにサプライチェーンパートナーとの機密情報を取り扱っており、これらの情報が不正アクセスや悪意のある行為等により外部へ流出するリスクがあります。また当社グループの製品及びサービスには、外部デバイスやメディアがネットワークと連携するものが含まれており、製品の脆弱性に起因する誤動作や、サイバー攻撃による関連システムの機能不全により、サービス提供遅延等が発生するリスクがあります。
これらの事象が発生した場合、顧客や関係者への損害賠償、対応コストの増加、ブランド価値や社会的信頼の毀損等を招く可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に重大な影響を及ぼすおそれがあります。
そこで、当社グループでは、情報の安全性確保を最優先事項の一つと位置づけ、事業継続及び企業価値向上の観点から、「情報セキュリティリスクへの対応」を重要リスクとして認識し、「インシデント対応体制の整備」及び「セキュリティ教育の推進」に取り組んでいます。
インシデント対応体制については、情報セキュリティの三要素である「機密性・完全性・可用性」の確保を基本方針とし、全社情報セキュリティ委員会及びCISO(Chief Information Security Officer)のもと、JK-CIRT/CC(JVCKENWOOD Central Incident Response Team/Coordination Center)を中心とした体制を構築しています。
本体制では、当社組織の機能に則した5つのカテゴリ※から構成される各SIRTを全社横断的に配置し、各SIRTが社内各部門及び事業部門と連携することで、社内の通信インフラ、開発ツール、サーバー、クラウド、ポータル及び配信チャネルに至るまで、対応力の強化に取り組んでいます。加えて、社内規程の定期的な見直しやセキュリティポリシーの遵守徹底を通じて、継続的な情報セキュリティ管理体制の改善を図っています。
セキュリティ教育については、全社を対象とした一般教育に加え、エンジニア向けの専門教育や実地研修、外部講師を招いた経営層向け勉強会を実施しています。これらを通じて、情報セキュリティリテラシーの向上を基盤としつつ、セキュリティ技術力及び情報セキュリティマネジメント力の強化を進めています。
当連結会計年度においては、情報セキュリティインシデントの多くが人的要因に起因していたことから、発生要因の分析及び再発防止策の徹底を進めています。あわせて、AIやクラウドなどの新たな技術環境に即したセキュリティ対応を推進しています。なお、2024年2月に発生した事案については、引き続きCSIRT/FSIRTが連携し、生産拠点におけるセキュリティ管理体制の改善に取り組んでいます。
これらの継続的な取り組みにより、ステークホルダーからの信頼性向上を図るとともに、安全かつ持続可能な製品及びサービスの提供に努めていきます。
(※)5つのカテゴリ:C(コンピュータ)、P(プロダクト)、F(ファクトリー)、S(サービス)、Pr(プロキュアメント)
② ITシステムの安定的な稼働ができないリスクについて
製造及び販売等の事業運営を支える基幹ITシステムが安定的に稼働しない場合、当社グループの事業活動や業績、さらには財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、システム障害やデータ損失への対策として、データセンターやSaaS(Software as a Service)において高度なセキュリティ対策及び冗長化されたインフラを活用し、システムのダウンタイムの最小化に努めています。あわせて、定期的なデータバックアップを実施することにより、業務継続性の確保を図っています。また、サイバー攻撃に対しては、「ゼロトラスト」を基本概念としたネットワーク及びセキュリティ対策を強化し、ITシステムの安定的な稼働を推進しています。
さらに、これらの対策を確実に機能させるため、大規模災害、パンデミック、サイバー攻撃等の緊急事態を想定した事業継続計画(BCP)を策定し、訓練の実施を通じて定期的な見直しを行っています。
③ 品質及び情報セキュリティ上の問題の発生について
当社グループは、様々な製品を製造・販売しており、その製品の特性上、製品に欠陥が発生し、欠陥に起因する損害(間接損害を含む)が発生する可能性があります。また、近年、製品の高度化・ネットワーク化の進展にともない、製品や業務システム等に対するサイバー攻撃、不正アクセス、情報漏えい、システム障害等のサイバーセキュリティ上のリスクも高まっています。これらの事象が発生した場合、製品の安全性・信頼性の低下、サービス停止、顧客情報の漏えい等につながる可能性があります。
当該リスクに対し、当社グループは、企画・開発・生産の各工程において、品質を重視した各プロセスの基準遵守と有効なフェイズゲートを設け、品質に問題が生じぬよう徹底したチェックを行っています。また、サイバーセキュリティリスクについては、情報セキュリティポリシーの整備、システム及びネットワークの安全対策、製品におけるセキュリティ設計・評価の実施、従業員への教育・啓発等を通じ、リスク低減に努めています。
しかし、これらの取り組みを実施しても、品質問題やサイバーセキュリティに起因する事故・障害が発生する可能性を完全に排除することは困難であるため、当社グループは製造物賠償責任保険へ加入しています。併せて、重大製品事故(PL(Product Liability:製造物責任)法問題を含む)を含む品質問題及び製品・システムに関わるセキュリティインシデント防止に向けた全社的な取り組みとして、1)新機種の製品安全評価、2)重要安全部品管理の強化、3)製品安全マネジメント体制及びサイバーセキュリティ管理体制の維持・強化(PL情報及びセキュリティ関連情報のデータベース化、オペレーションの明確化と迅速化)、4)品質向上・安全性及びセキュリティ確保に向けた設計・評価ノウハウの全社共有の推進を行っています。また、これらの仕組みの構築に加え、品質月間等のイベント実施や、定期的な社内外の品質・セキュリティ関連情報の社内展開を通じて、従業員の意識向上を図っています。
しかしながら、このような取り組みを実施しても、当社グループの製品における欠陥や、サイバーセキュリティ上の脅威を完全に防止できるものではありません。また、製造物責任や情報漏えい等に関する責任の範囲が、当社グループの加入する保険の対象範囲を超える場合等、当社グループの想定を超える事態が発生した場合には、賠償責任の発生、品質対策費用やセキュリティ対応費用の増加、さらには当社グループのイメージ・評価の低下、ブランド価値の低下等を招き、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 人材の確保、喪失、高齢化
当社グループの全ての事業活動の成果の多くは人材に大きく依存しています。特に高度な専門知識や経験を持った有能かつ熟練した従業員が賃金水準、待遇の相対的低下、労働環境の悪化等の事情によって当社グループ外に流出した場合や、人員構成比率の高い50代の従業員が退職した後の人材補充が適正に行われない場合や省人化による生産性向上が十分でない場合には、当社グループの将来の事業活動に悪影響を与え、技術や業務ノウハウの伝承が円滑に行われず、企業競争力の低下を招く等、事業の持続可能性に悪影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対し、当社グループでは、2026年5月に策定した「VISION2030」で掲げている、経営戦略と人材戦略の連動やエンゲージメントの向上を柱とした人的資本経営の実践にむけて、経営戦略と連動した人材要件の策定、またそれを実現するための人材ポートフォリオ改革を進めると共に、人材の多様性(ダイバーシティ)を尊重し、異なる考え方を受け入れる(インクルージョン)、ダイバーシティ&インクルージョンの推進とそれを可能にする制度作りに積極的に取り組んでいます。事業戦略に沿った計画的な育成のもと、多様な発想や価値観を持った人々が互いを尊重し、刺激し合うことで、革新的なアイデアが生みだされ、それにより世界中のお客さまの多様なニーズに応えることができると考えます。また、当社グループは「VISION2030」の達成に向けて「事業戦略と連動したマルチスキル人材の育成」「採用の戦略的実施」等により多様な人材を確保するとともに、プログラム「JVCKENWOOD CAREER DESIGN」を立ち上げ、従業員のキャリアパスの見える化やキャリア相談機会の充実に注力することで従業員のキャリア開発を促進し、テレワークと出社を効率よく行うハイブリッドワークを中心とした働き方改革との相乗効果により従業員の定着と年齢構成の適正化、リバランスを進め、企業競争力の維持、事業継承に対するリスク低減に取り組んでいます。
⑤ M&A・他社との提携の成否
当社グループは、新製品・サービスの提供や、企業価値の向上、新たな事業展開を目的とし、他社とのパートナーシップが必要と判断した場合には、M&A、業務・資本提携や合弁会社設立等を行っています。実施に当たっては、リスク分析、当社グループとの相乗効果の可能性等十分に検討を行い進めていますが、市場や競合関係、技術イノベーションの変化等において著しい変化があった場合、当初想定した成果を出すことができず、投資額を回収できなくなる可能性があります。また、当社グループがこれらのパートナーを十分にコントロール又はモニタリングできない場合等、事業展開の過程で相手先が当社グループの利益に反する決定を行う可能性があり、加えて、これらのパートナーが事業戦略を変更した場合等には、当社グループは提携関係を維持することが困難になる可能性があります。さらに、M&Aや資本提携等の実施後の事業統合(PMI)の過程において、統合プロセスが当初想定どおりに進まないこと等により、当初想定したシナジー効果が十分に発現せず、期待した成果を得られない可能性があります。その場合には当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 持分法適用関連会社の業績・財務状況
当社グループは、持分法適用関連会社の株式を保有しています。係る関連会社は通常、自らの方針のもとで、経営を行っており、こうした関連会社が損失を計上する場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)財務・会計に関するリスク
① 有利子負債に付された財務制限条項を維持できない場合
当社グループの有利子負債に係るコミットメントライン契約及びターム・ローン契約には財務制限条項を含む期限前弁済条項が付されており、これらの条件が維持できない場合には、期限前弁済を行わなければならない可能性があり、その場合には当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対し、当社グループは、キャッシュ・マネージメント・システム等によるグループ資金の効率化を図り、有利子負債を圧縮するとともに、主要取引金融機関との関係強化に努めています。
(4)法的規制に関するリスク
① 法的規制
当社グループは、日本及び諸外国・地域において事業活動を行っており、商取引、独占禁止、知的財産権、製造物責任、環境保護、消費者保護、個人情報保護、税制、会計制度、金融取引、内部統制等に関する法令・規制のほか、政府の許認可、電気通信事業及び電気製品の安全性に関する規制、国の安全保障に関する規制、輸出入規制等、幅広い法的規制の適用を受けています。
これらの法令・規制は、国内外の政策動向、技術革新、市場環境の変化、国際情勢の変動等を背景として、強化・拡大又は新設される可能性があり、その内容や適用範囲によっては当社グループの事業活動に重要な影響を及ぼす場合があります。特に、環境規制、個人情報・データ保護規制、競争法・独占禁止法、安全保障・輸出管理関連規制等については、近年、国・地域ごとに規制の厳格化や運用の高度化が進んでおり、これらへの対応が事業運営上の制約となる可能性があります。
また、新たな法令・規制の制定や既存規制の改正により、当社グループが従来想定していなかった追加的な義務や対応が求められる場合や、技術的・経済的観点から当該規制への対応が困難となる場合には、事業活動の一部が制限される、又は事業の見直しを余儀なくされる可能性があります。その結果として、法規制の遵守に要するコストの増加、開発・製造・販売プロセスの変更、投資判断への影響等が生じるおそれがあります。
さらに、法令・規制の解釈や適用を巡って監督当局との見解の相違が生じた場合や、違反が指摘された場合には、是正措置、課徴金・罰金の支払、行政指導や制裁、社会的評価又はブランド価値への影響が生じる可能性があります。これらの法的規制に関するリスクは、発生の時期や内容、影響の範囲を事前に正確に予測することが困難であり、複数の国・地域にまたがって同時に顕在化する可能性があります。
このような法的規制に関するリスクが顕在化した場合には、当社グループの事業運営の柔軟性や収益性に影響を及ぼし、結果として、当社グループの事業、業績及び財務状況に重要な悪影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対し、当社グループは、事業活動に纏わる全ての関連法規に基づき、それらに則ったプロセスや結果となっているか厳重なチェック体制を維持するとともに、現場管理者向け研修等を定期的に実施して、その重要性を現場に浸透させ、対応を進めることに努めています。
② コンプライアンス
当社グループは、日本及び諸外国・地域において事業活動を行っており、各国の法令・諸規制、業界ルール、契約上の義務及び社内規則等、遵守すべき事項は多岐にわたっています。これらの内容は、国・地域ごとの制度差に加え、事業内容や業態の高度化・多様化、国際的な事業展開の拡大等にともない、年々複雑化する傾向にあります。
このような環境下においては、役員・従業員による法令・規制又は社内規則の認識不足、判断の誤り、不適切な行為、又は意図しない違反が発生する可能性を完全に排除することは困難であり、特に、海外拠点や委託先等を含むグループ全体においては、統一的な運用や十分な管理が行き届かない場合があります。また、業務のデジタル化や外部パートナーとの連携拡大等により、従来想定していなかった形でコンプライアンス上の問題が顕在化する可能性もあります。
コンプライアンス違反が発生した場合には、行政指導や処分、課徴金・罰金の支払、訴訟の提起といった直接的な影響にとどまらず、社会的信用の低下、ブランド価値の毀損、取引先や顧客との関係悪化、人材採用や従業員の士気への影響等、当社グループの事業活動に中長期的な悪影響を及ぼす可能性があります。特に、重大な違反が発生した場合や、複数の国・地域にまたがって問題が顕在化した場合には、その影響が想定以上に拡大するおそれがあります。
これらのコンプライアンスに関するリスクは、発生の時期や内容、影響の範囲及び規模を事前に正確に予測することが困難であり、当社グループの想定を超える形で顕在化した場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に重要な悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、これらのリスクに対応するため、「JVCケンウッドグループ コンプライアンス行動基準」及び関連規程を整備し、その継続的な見直しを行うとともに、内部通報制度や外部通報窓口の整備・運用、グループ全体を対象としたコンプライアンス研修等を通じて、コンプライアンス意識の浸透とリスク低減に取り組んでいます。
③ 知的財産権
現在、他社から使用許諾を受けている特許等の知的財産権について、将来使用できなくなったり、条件が不利に変更されたりすることで、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、意図せず第三者の知的財産権を侵害することにより、訴訟その他解決に係る費用の増加、製品差し止めによる事業損失、損害賠償責任、当社グループの評判、ブランド価値の低下を引き起こすリスクがあります。さらに、当社グループが保有する知的財産権が第三者により侵害された場合、当該侵害行為への対応に係る費用の発生、ライセンス機会の逸失、ブランド価値の毀損等により、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼすリスクがあります。
当該リスクに対し、当社グループは、本社知的財産部が中心となり、他社知的財産権を侵害しないための管理体制の構築・運用等に加え、当社グループが保有する知的財産権の適切な保護・活用のため、侵害の監視や権利行使等の対応を行い、全社的に知的財産リスクの回避に取り組んでいます。
④ 過重労働、安全配慮義務違反
過重労働や安全配慮義務違反により、人材喪失や損害賠償責任等の直接的な損害が発生しうることに加え、当社グループに対する社会的評価の低下やブランドイメージ悪化につながるリスクがあります。
当該リスクに対し、当社は日々の残業労働時間確認に加え、人事部門においても残業労働時間の全部門確認を行い、経営層との状況共有や対策実施を行っています。また、年休取得やストレスチェックの実施により従業員の健康維持に注力した取り組みを組織的に行っています。加えて、テレワークが増える昨今の状況を考慮し、PCログの取得や休日、深夜早朝時間帯における就労申請外勤務者のPCロック等のIT施策を加え就労状況の見える化に取り組んでいます。
⑤ 環境保護について
当社グループが事業活動を行う各国・地域においては、気候変動対応や資源循環等の推進を背景とした有害物質の使用制限・除去、廃棄物処理、製品リサイクル及び大気汚染、水質汚濁、土壌・地下水汚染等の環境関連法令及び規制が継続的に強化される傾向にあります。特に、RoHS(電気・電子機器における特定有害物質の使用規制)やREACH(化学物質の登録・評価・認可・制限・情報伝達に関するEU規則)等の有害物質規制については、対象物質の追加や規制内容の見直しが行われる可能性があり、当該リスクは短期(1年以内)から中期(数年以内)にかけて顕在化する可能性があると認識しています。
また、製造工程、保管・輸送過程等における不測の事故や管理上の不備により、環境基準を超過して制限物質が自然環境へ放出されるリスクについても、完全に排除することは困難であり、一定の確率で顕在化する可能性があります。
当該リスクが顕在化した場合、環境規制への対応強化にともなう設備投資、製品設計変更、代替材料採用等によるコスト増加、環境事故や法令違反に起因する修復・浄化費用、罰金、損害賠償等の発生、工場跡地等における土壌・地下水汚染への対応にともなう追加費用の発生や、当該資産の売却価格低下・資産価値減少、ブランド価値や社会的評価の低下による顧客離れ等の間接的影響が生じる可能性があります。これらにより、売上高の減少、営業利益の減少、特別損失の計上等を通じて、当社グループの業績及び財務状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対し、当社グループは、地球環境保全を念頭に適宜改正される製品及び事業所の環境関連法令への対応に努めており、必要な情報を常に収集し、当社の製品及びサービスへの対応を図っています。また、気候変動をはじめとした中長期的な視点での環境関連リスクと機会の特定を行い、当社の事業への影響とその対応について継続した検討、開示を行っています。
今後も、環境関連リスクの低減及び持続可能な事業運営の実現に向け、対応策の継続的な見直しと管理体制の強化に努めてまいります。
(5)災害等に関するリスク
① 自然災害、人的災害
当社グループは、日本国内及び東南アジア・中国地区をはじめとして海外にも生産拠点を保有し、各国の営業拠点等を通じて世界中のお客様に製品を供給しています。そのため、予測が難しい自然災害(地震、津波、洪水等)、感染症によるパンデミック等、又は火災や爆発、輸送機関の事故及び戦争、騒乱、騒擾等の人的災害が発生した場合には、当社グループの拠点の施設や設備又は従業員が損害を被り、事業活動が中断され、更には当社グループの拠点のみならず、部品調達先や取引先、ロジスティクスを含めて操業、就労が中断され、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
東南アジアでは毎年の雨季に洪水リスクが高まり、日本では南海トラフ地震の今後30年以内の発生確率についても危険度や発生の切迫性は低下していません。また、台湾海峡や中東情勢等の地政学リスクについては、2026年2月28日に米国・イスラエルによるイランとの軍事衝突が勃発し、中東全域で緊迫した状態が続いています。加えて、台湾海峡においてもリスクが顕在化する可能性を認識しています。これらのリスクの顕在化により、生産拠点の操業停止やサプライチェーンの寸断、原材料・エネルギー価格高騰によるコスト増加が生じ、重大災害時には売上の減少や特別損失の計上など、当社グループの業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対し、当社グループは、危機対応を想定した各種マニュアルを整備し、有事に備えて防災訓練・事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)訓練、安否確認訓練を実施し、日頃から役員・従業員の防災意識向上に取り組んでいます。このような当社グループ一体となった事業継続、保険付保を含む災害からの早期復旧と、生産・出荷・サービス提供の迅速な再開など、リスク最小化に向けた事業継続マネジメント(BCM:Business Continuity Management)を進めています。
また、国内外の工場においても該当国の規制を遵守し、稼働停止による当社グループに対する影響を最小限に抑える活動を推進しています。しかしながら、感染症や自然災害、人的災害の発生などに対しては、一企業グループとして最善と考えられる施策を展開した場合でも、そのリスクを完全に回避することは困難であり、当社の想定を上回る被害が生じた場合等においては、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

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