有価証券報告書-第12期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/28 10:07
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139項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2021年3月31日)現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針・経営戦略等
当社グループは、2009年4月1日、㈱バイタルネットと㈱ケーエスケーの株式移転により共同持株会社「㈱バイタルケーエスケー・ホールディングス」を設立し、バイタルケーエスケー・グループとして新たなスタートを切りました。
バイタルケーエスケー・グループは、「私たちは、健康で豊かな社会の実現に貢献します」を企業理念として掲げ、長期ビジョンである「業界内プレゼンスの向上と先進的な医薬品流通の追求」を実現すべく「経営のスピードアップと市場開拓の強化」「IT技術の駆使と長年培った医薬品流通技術の融合・進化」「シナジーの発揮による収益力の向上」に取り組んでおります。
少子高齢化に伴い、医療・介護を中心に社会保障費抑制と制度の効率的な運営を目指した政策は、今後も継続実施されるものと考えられ、当社グループのコアビジネスである医療用医薬品卸売事業は、底堅い需要はあるものの全体としては市場マイナスも予想されるほど厳しい状況を迎えております。
そのような状況の中、当社グループでは2020年3月期から2022年3月期までの3年間にわたる第4次中期経営計画に取り組んでおります。
第3次中期経営計画で2025年に目指す姿として掲げた長期ビジョンを第4次中期経営計画でも引き続き目指しております。
長期ビジョン(2025年に目指す姿)
「医療・介護を支える商品やサービスを戦略的に提供することにより、
地域・コミュニティのヘルスケアになくてはならない存在となる」
2025年問題(※1)を控え、今後もより一層エリアに密着・深耕し、地域のヘルスケアの様々な課題に対して長期ビジョンに基づいたサポートやソリューションを提供してまいります。ヘルスケア領域においては、社会保障費の抑制により成長鈍化からマイナス成長となる領域がある一方、スペシャリティ薬(※2)に加え、先端技術を活用した再生医療や新たな診断技術などイノベーションと大きな成長をもたらす領域があります。また、AIなどのICTの進歩とその活用は、今後の人手不足時代を踏まえれば、医療・介護分野の生産性向上には必須の取り組みです。
以上の経営環境をふまえ、医療用医薬品卸売事業で培った医療機関へのネットワークに加え、自治体・介護業者など地域のヘルスケアの提供者とのネットワークで地域のヘルスケアに深耕しているという当社グループの強みを基盤に、様々な商品・サービスを通して、サポート及びソリューションを提供するとともに成長分野を着実に取り込んで「選ばれる企業集団になる」ことを第4次中期経営計画では目指しております。
中期ビジョン
「選ばれる企業集団になる」
1.低成長下においても利益を創出し続ける医療用医薬品卸売事業体制の確立
2.エマージングビジネス(※3)の成長・拡大による収益増
3.グループ経営体制の強化
最終年度の2022年3月期には、売上高542,200百万円、営業利益1,600百万円、経常利益4,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益4,000百万円を目標としております。
第4次中期経営計画では「選ばれる企業集団になる」の中期ビジョン実現のため、4つの基本方針「効果的・効率的グループ経営によるグループ総合力の発揮」「提供機能の拡充・整備と成長領域へのフォーカス」「地域のヘルスケアのコーディネートとサポートやソリューションの提供」「強み・リソースを活用した新たな収益策や事業の展開」に取り組んでおります。
※1 2025年問題:2025年に団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になること
※2 スペシャリティ薬:希少疾病用医薬品やバイオ医薬品等
※3 エマージングビジネス:医療用医薬品卸売事業以外の事業
[主な実践課題]
○グループ経営戦略
・資本コストを意識した資本活用と事業展開
・基幹システムのオープン化
・女性活躍推進及び人材育成
・コーポレートコミュニケーション体制の整備
・CSR、コンプライアンスの徹底
○医療用医薬品卸売ビジネス戦略
・スペシャリティ薬への対応
・ワクチンシェアの向上
・ヘルスケアコーディネート機能の深化と地域のヘルスケアの課題解決をサポート
○エマージングビジネス戦略
・新商品・サービスを含めた注力分野の選定と推進体制の整備
・福祉用具等のレンタル事業の強化
・ロボケアセンターの設立
・サードパーティロジスティックス(3PL)事業等、新たな収益の獲得
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
前述のような第4次中期経営計画に取り組んでおりますが、当連結会計年度の業績は、新型コロナウイルス感染拡大の影響による医薬品需要の減少、累次の薬価改定の影響による売上高の減少、さらに、市場競争の激化による売上総利益の減少等により、東日本大震災が発生した2011年3月期以来の厳しいものとなりました。
第4次中期経営計画の最終年度となる2022年3月期においては、主力事業である医療用医薬品卸売事業の立て直しを最優先課題といたします。
当社では、VKマーケテイングという社内システムを構築し、得意先ごとの売上高、売上総利益に加え、取引に関わる詳細なコストも算出し得意先別営業利益を「見える化」してまいりましたが、「取引コストの低減と取引コストをふまえた価格交渉」「利益に応じた提供サービスの内容・レベルの見直し」を徹底し、得意先別営業利益の改善に取り組みます。その取組み推進のため、スポーツ界でも採用されているオープン・シェア革命を取り入れ、取組み状況、改善成果等を可視化・共有し、MS一人ひとりが得意先別営業利益改善のため、自発的・主体的また切磋琢磨して取組むよう推進いたします。
こういったオープン・シェアの仕組みを導入することで、何よりも利益を重視した組織風土に変えてまいります。
また、徹底したコストの見直しにも着手しております。その一環として、物流拠点の統合を2022年3月期に実行いたします。当社は、非常事態下にあっても確実に医薬品を届けるために最低限必要な物流拠点数を把握した上で、もっとも効率的かつ効果的な物流拠点網を各営業エリアに整備していく考えです。昨今の道路インフラの整備状況などを踏まえて物流拠点の最適化を随時進めてまいります。
更に、100店舗に近い規模になった当社グループの薬局事業において、医薬品卸が経営している薬局グループだからこそ可能なサプライチェーンの構築を推進してまいります。具体的には、医薬品払い出しデータを活用した適正な在庫管理に加え、処方情報に基づく予測自動発注機能、そして発注や検品業務を効率化できるパッケージ納品の活用など、様々な機能を組み合わせて流通に係るコスト全般の削減を図ってまいります。また、そこで構築できたサプライチェーンモデルを今後グループ外の得意先にも広げていき、地域ヘルスケアの効率的な運営に貢献してまいります。
さらに、当連結会計年度から推進しているニューノーマル時代に相応しいDX(※4)を活用したプロモーション活動に加え、創薬モダリティ(※5)の変化に対応するべくスペシャリティ医薬品の流通業務を2021年5月から受託するなど、新しいビジネスの拡大にも積極的にチャレンジしております。
※4 DX:デジタルトランスフォーメーション。企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。(経済産業省:DX推進ガイドラインより)
※5 創薬モダリティ:モダリティとは、低分子化合物、ペプチド薬、抗体医薬、核酸医薬、細胞医薬、再生医療などの治療手段のこと。近年では細胞医薬や再生医療の開発が進んでいる。

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