有価証券報告書-第57期(2024/04/01-2025/03/31)
(2)戦略
当社は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC: Intergovernmental Panel on Climate Change)報告書、国際エネルギー機関(IEA: International Energy Agency)のNZE2050(Net Zero Emissions by 2050 Scenario)、その他関連情報に基づき、気候変動のリスク及び機会による組織のビジネス戦略や財務計画への影響を識別しております。その際、気候変動の対策が採られる1.5℃シナリオと、その対策が行われない4℃シナリオを想定し、各シナリオについてリスクと機会の影響を把握するよう努めております。そのうえで、識別したリスクと機会に対する対策を講じる体制を整えることで気候変動に対する強靭性を高めて参ります。
①短期・中期・長期における気候関連リスク及び機会と組織に与える影響
気候変動に関するリスクと機会には様々なものがありますが、リスクには大別して移行リスクと物理的リスクがあります。移行リスクとは気候変動に順応するうえで生じるリスクであり、現行の規制に伴うリスク、新たな規制に伴うリスク、法規制に伴うリスク、技術リスク、市場リスク、評判リスクがあります。また、物理的リスクは、文字どおり物理的に生じるリスクをいい、急性リスクと慢性リスクに分けることができます。反対に、機会は気候変動によって生じる正の影響であり、市場、レジリエンス、資源の効率性、エネルギー源、製品・サービスに分類することができます。当社では、これらの分類ごとに、当社の調達と売上に対する短期(1年未満)、中期(1~3年)、長期(3~10年)における財務的影響の大きさを高、中、低の3段階で評価・分析しております。
2023年度の分析結果は以下のとおりです。
<1.5℃シナリオ>
気温が1.5℃上昇するシナリオでは、最新の文献を調査したところ、移行リスクにつきましては、①低炭素技術の進展が予想より遅いこと、②低炭素燃料の導入が予想より遅くなること、③カーボンプライシング導入が中期的に本格化すること、以上3点がシナリオ分析に新たに反映されました。その結果、「現行の規制」「新たな規制」において、②及び③の影響を受ける規制により、調達、売上ともに影響度が高くなっております。またGX-ETS制度等新たな規制の始動も迫っており、中期の影響度が高くなっております。「技術リスク」において、①の影響を受け、技術開発に対する投資金額の回収が厳しくなる等のリスクにより調達コストが上昇する可能性に鑑み、中長期的に影響が高くなり、また医療・福祉業界においても長期的に影響を受ける結果となっております。「評判リスク」において、気候変動への取り組みの遅延によって調達、売上ともに顧客や株主からの信用低下につながるものと考えられます。
一方、機会につきましては、「レジリエンス」において、当社の調達先である製造業では使用エネルギー量が多いため、電力の再エネ化や電力消費を抑える対策を実施することでレジリエンスの機会に影響を与えるものと考えられます。「資源の効率性」において、輸送手段、生産・物流、廃棄物処理等を含めた様々な資源効率の向上により、製造コストが削減され、調達の機会に影響を与えるものと考えられます。「エネルギー源」において、②の影響により、機会に対する影響度が下がるものと考えられます。「製品・サービス」において、サプライヤーのうち大きな割合を占める製造業においてCO2の低排出な製品が求められ、そのニーズに応える低炭素製品やサービスの開発が見込まれます。また販売先である医療・福祉業界においても、将来的にはCO2の低排出な製品やサービスの要望があり、そのニーズに応える低炭素製品を開発することによって当社にとっての長期的な財務向上の機会になるものと考えられます。
<4℃シナリオ>
気温が4℃上昇するシナリオでは、物理的リスクといたしまして、2023年度の調達先であるプラスチック・ゴム製品等に係る業界における自然環境からの影響度は低いものと考えております。また売り上げにつきましても、気候変動がある場合におきましても医療の需要がなくなることはなく、リスクとしては低いものと考えております。
②組織戦略のレジリエンス
当社では、このような組織に対するリスクと機会の分析結果を踏まえ、組織戦略において、その対策を講じることで組織のレジリエンス強化に努めています。具体的には、内部統制委員会においてリスクへの対策を議論・決定し、部門長を通じて各部門において対策を実施しております。1.5℃シナリオにおける気候変動のリスクに対し、購入する機器や製品のCO2排出量を算定し、気候変動の影響を受けやすい機器や製品の特定とその代替品の検討を行っています。また、顧客である医療機関についても、業種別に気候変動の影響を分析し、負の影響がより少ない機関への営業努力を行う予定です。また、気候変動による正の影響については、新たな輸送手段、新製品、新市場の把握に努め、当社の調達コストの低減につなげていきます。4℃シナリオにおけるリスクに対しては、自然災害の影響による調達コストの増大に備え、代替製品や機器の検討を行う予定です。このように、当社では、シナリオ分析の結果を組織のレジリエンス強化に役立てております。
当社は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC: Intergovernmental Panel on Climate Change)報告書、国際エネルギー機関(IEA: International Energy Agency)のNZE2050(Net Zero Emissions by 2050 Scenario)、その他関連情報に基づき、気候変動のリスク及び機会による組織のビジネス戦略や財務計画への影響を識別しております。その際、気候変動の対策が採られる1.5℃シナリオと、その対策が行われない4℃シナリオを想定し、各シナリオについてリスクと機会の影響を把握するよう努めております。そのうえで、識別したリスクと機会に対する対策を講じる体制を整えることで気候変動に対する強靭性を高めて参ります。
①短期・中期・長期における気候関連リスク及び機会と組織に与える影響
気候変動に関するリスクと機会には様々なものがありますが、リスクには大別して移行リスクと物理的リスクがあります。移行リスクとは気候変動に順応するうえで生じるリスクであり、現行の規制に伴うリスク、新たな規制に伴うリスク、法規制に伴うリスク、技術リスク、市場リスク、評判リスクがあります。また、物理的リスクは、文字どおり物理的に生じるリスクをいい、急性リスクと慢性リスクに分けることができます。反対に、機会は気候変動によって生じる正の影響であり、市場、レジリエンス、資源の効率性、エネルギー源、製品・サービスに分類することができます。当社では、これらの分類ごとに、当社の調達と売上に対する短期(1年未満)、中期(1~3年)、長期(3~10年)における財務的影響の大きさを高、中、低の3段階で評価・分析しております。
2023年度の分析結果は以下のとおりです。
<1.5℃シナリオ>
気温が1.5℃上昇するシナリオでは、最新の文献を調査したところ、移行リスクにつきましては、①低炭素技術の進展が予想より遅いこと、②低炭素燃料の導入が予想より遅くなること、③カーボンプライシング導入が中期的に本格化すること、以上3点がシナリオ分析に新たに反映されました。その結果、「現行の規制」「新たな規制」において、②及び③の影響を受ける規制により、調達、売上ともに影響度が高くなっております。またGX-ETS制度等新たな規制の始動も迫っており、中期の影響度が高くなっております。「技術リスク」において、①の影響を受け、技術開発に対する投資金額の回収が厳しくなる等のリスクにより調達コストが上昇する可能性に鑑み、中長期的に影響が高くなり、また医療・福祉業界においても長期的に影響を受ける結果となっております。「評判リスク」において、気候変動への取り組みの遅延によって調達、売上ともに顧客や株主からの信用低下につながるものと考えられます。一方、機会につきましては、「レジリエンス」において、当社の調達先である製造業では使用エネルギー量が多いため、電力の再エネ化や電力消費を抑える対策を実施することでレジリエンスの機会に影響を与えるものと考えられます。「資源の効率性」において、輸送手段、生産・物流、廃棄物処理等を含めた様々な資源効率の向上により、製造コストが削減され、調達の機会に影響を与えるものと考えられます。「エネルギー源」において、②の影響により、機会に対する影響度が下がるものと考えられます。「製品・サービス」において、サプライヤーのうち大きな割合を占める製造業においてCO2の低排出な製品が求められ、そのニーズに応える低炭素製品やサービスの開発が見込まれます。また販売先である医療・福祉業界においても、将来的にはCO2の低排出な製品やサービスの要望があり、そのニーズに応える低炭素製品を開発することによって当社にとっての長期的な財務向上の機会になるものと考えられます。
<4℃シナリオ>
気温が4℃上昇するシナリオでは、物理的リスクといたしまして、2023年度の調達先であるプラスチック・ゴム製品等に係る業界における自然環境からの影響度は低いものと考えております。また売り上げにつきましても、気候変動がある場合におきましても医療の需要がなくなることはなく、リスクとしては低いものと考えております。②組織戦略のレジリエンス
当社では、このような組織に対するリスクと機会の分析結果を踏まえ、組織戦略において、その対策を講じることで組織のレジリエンス強化に努めています。具体的には、内部統制委員会においてリスクへの対策を議論・決定し、部門長を通じて各部門において対策を実施しております。1.5℃シナリオにおける気候変動のリスクに対し、購入する機器や製品のCO2排出量を算定し、気候変動の影響を受けやすい機器や製品の特定とその代替品の検討を行っています。また、顧客である医療機関についても、業種別に気候変動の影響を分析し、負の影響がより少ない機関への営業努力を行う予定です。また、気候変動による正の影響については、新たな輸送手段、新製品、新市場の把握に努め、当社の調達コストの低減につなげていきます。4℃シナリオにおけるリスクに対しては、自然災害の影響による調達コストの増大に備え、代替製品や機器の検討を行う予定です。このように、当社では、シナリオ分析の結果を組織のレジリエンス強化に役立てております。