有価証券報告書-第13期(令和3年1月1日-令和3年12月31日)

【提出】
2022/03/24 13:16
【資料】
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【項目】
112項目

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
(1)経営方針及び経営戦略等
当社グループは、「人と自然と響きあう」という企業理念のもと、よき企業市民として最高の品質をめざした商品やサービスをお届けし、世界の生活文化の発展に貢献していきます。
そのために、創業以来、脈々と受け継がれている「やってみなはれ」の精神に基づき、積極果敢に挑戦し、世界で最も信頼され、愛される、オンリーワンの食品酒類総合企業グループを目指し、安全・安心・高品質な商品やサービスをお届けするとともに、お客様ニーズを起点とした、ユニークでプレミアムな需要を創造し続けていきたいと考えています。
また、創業の精神である「利益三分主義」のもと、積極的な社会貢献にもつとめてまいります。
さらに、水資源の保全・温室効果ガス(GHG)排出削減・資源の循環利用促進等の地球環境保全、サプライチェーンにおける人権の尊重に加え、人々の心豊かで健康な生活への貢献等の取組みを更に加速させ、サステナビリティ経営を推進してまいります。
当社グループは、市場環境の変化を的確に捉え、事業基盤を強化するとともに総合力を発揮して新たな価値の創造に挑戦することにより、「水と生きるSUNTORY」として、生命の輝きに満ちた持続可能な社会の実現と更なる企業価値の向上を図ってまいります。グループ一丸となって、「Growing for Good」の実現を目指して、更なる革新と挑戦を続けてまいります。
(2)経営環境及び対処すべき課題等
当社グループの経営環境は、競合の激化等により厳しさを増すものと予測されます。当社グループはかかる経営環境を対処すべき課題と認識しています。このような課題に対処するため、当社グループは、今後も社会と自然との共生を目指しながら、市場環境の変化に迅速に対応し未知なる価値の創造へ挑戦するとともに、経営方針及び経営戦略等に基づき、グローバルに展開する“食品酒類総合企業グループ”として更なる成長と収益力の強化を図ります。
また、「人と自然と響きあう」という企業理念のもと、気候変動対策や地球環境保全に取り組むサステナビリティ経営及び人材の多様性を尊重してより大きな価値を創出するダイバーシティ経営について、積極的に推進してまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴う影響は、地域や販売チャネルにより状況は異なるものの、各国での感染拡大抑制策やワクチンの普及等により、事業は回復に向かうものと予測しています。
(セグメント別)
飲料・食品セグメント
飲料・食品セグメントでは、主要国の需要回復局面を着実に捉え、各エリアにおいて売上成長を加速させることに集中し、マーケティング活動を強化していくことに加え、コストマネジメントの徹底により原材料価格の高騰等のコスト増に適切に対応していくことで、売上と利益の成長を目指します。日本では、コアブランドの強化を継続するとともに、収益力向上に向けた構造改革をさらに推進します。アジア及びオセアニアでは、清涼飲料事業、健康食品事業ともに、更なる収益力強化に取り組んでいきます。欧州では、主要国において、主力ブランドの活性化を進めるとともに、業務用営業強化等、構造改革に引き続き取り組みます。米州では、炭酸カテゴリーの強化を進めるとともに、伸長する非炭酸カテゴリーの更なる拡大に取り組みます。
酒類セグメント
酒類セグメントでは、スピリッツ事業は、世界のプレミアムスピリッツのリーダーとして、プレミアムブランドの育成により、販売数量を上回る売上成長を目指します。日本では、ウイスキーは、2023年に控えるウイスキーづくり100周年を見据えてプレミアムウイスキーの価値強化を推進するとともに、「角瓶」「トリス」「ジムビーム」等の主要ブランドを中心に飲用時品質にこだわったハイボール訴求活動に取り組みます。RTDは、「-196℃」「こだわり酒場のレモンサワー」「ほろよい」等の主要ブランドの更なるブランド育成・強化を図るとともに、お客様のニーズを捉えた新価値提案の強化を行い、事業拡大を目指します。スピリッツ・リキュールは、「こだわり酒場のレモンサワーの素」「翠」「ROKU」等を通じて、お客様接点の拡大や新たな需要創造に取り組みます。また、お客様により一層おいしくお酒をお楽しみいただくため、商品開発から飲用時まで品質にこだわった活動に取り組みます。
ビール事業は、事業の中核となるブランドのバリューアップと新価値提案等により、新たな飲用需要を創造しビール類総市場の活性化を図ります。
「ザ・プレミアム・モルツ」ブランドは、お客様の意識変化を踏まえ、プレミアムブランドとしての価値を提案すべく活動していきます。「ザ・プレミアム・モルツ」「同〈香る〉エール」に加え、「同 マスターズドリーム〈無濾過〉」発売や、「同 マスターズドリーム 5L樽」の全国展開により、“プレモルの最高峰”として「同マスターズドリーム」の価値を訴求していきます。本格ビールのおいしさと糖質ゼロを両立した「パーフェクトサントリービール」は、ビール好きの方に心より楽しんでいただけるよう、中味・パッケージともに刷新し、更なる飛躍を目指します。「金麦」ブランドは、中味・パッケージを刷新した「金麦」、おいしさと機能を両立した「同〈糖質75%オフ〉」、力強い味わいの「同〈ザ・ラガー〉」を中心にお客様のニーズに応え、“日常的に家で飲むのに一番ふさわしい新ジャンル”を目指します。「オールフリー」ブランドは、今後も高まりが予想される健康意識を“普段からなるべく健康を気遣いたい”、“しっかり対処・予防したい”の2つの方向から捉え、「オールフリー」「からだを想うオールフリー」の2本柱でノンアルコールビールテイスト飲料の市場を拡大していきます。
ワイン事業は、日頃ワインを飲んでいただいているお客様に加えて、新たなお客様にも当社のワインを手に取っていただけるよう、取り組みを強化していきます。日本ワインは、自然・社会の両方に対してサステナブルなワインづくりをこれからも続けていくとともに、「サントリー登美の丘ワイナリー」を起点にしたブランド開発・育成や、オンラインも活用したお客様接点の拡大・深化に取り組みます。国産カジュアルワインでは、「酸化防止剤無添加」シリーズを中心に、当社の「ものづくり力」を活かして、お客様が求める高品質でおいしいワインをお届けしていきます。輸入ワインでは、「ドメーヌ バロン ド ロートシルト サガR ボルドー」「タヴェルネッロ オルガニコ」「サンタ バイ サンタ カロリーナ」等を通じてお客様に合わせた商品提案を行います。また、新たな需要創造として、「サントリーワインカフェ〈ワインソーダ〉」を発売し、ソーダで割ることでワインを気軽に楽しめることを伝えていきます。伸長を続けお客様のニーズが多様化するノンアルコール市場に向けても、缶入りのノンアルコールワインテイスト飲料「ノンアルでワインの休日」を発売します。
その他セグメント
その他セグメントでは、健康食品事業は、引き続き「セサミン」シリーズや「ロコモア」等に注力します。外食事業は、お客様のニーズを捉えた商品やサービスを提供するとともに、収益力の強化を図ります。
(気候変動への取り組み)
当社グループでは、持続的に事業を行い、価値を創造し続けていくために、気候変動によるリスクや事業への影響を特定し、適切に対応していく必要があると考えています。
2019年5月、金融安定理事会(FSB)により設置された「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明したことを機に、TCFDのフレームワークに基づく情報開示(ガバナンス・戦略・リスク管理・指標と目標)を進めております。
ガバナンス
当社グループでは、年4回開催される当社グローバルリスクマネジメント委員会において、気候変動を重要なリスク要因として捉え、議論し、対応状況をモニタリングしています。
気候変動における機会とサステナビリティ戦略については、グローバルサステナビリティ委員会において、当社グループが定めた「サステナビリティ・ビジョン」の「サステナビリティに関する7つのテーマ」について、中長期戦略の議論を行っており、GHG排出削減への取り組みもその一つとして議論しています。
グローバルリスクマネジメント委員会及びグローバルサステナビリティ委員会は常に連携をとっており、重要な意思決定事項については、取締役会で更なる議論を行い、審議・決議を行います。環境・社会課題に関わる戦略の進捗や事業のリスクと成長機会については、定期的に取締役会に報告を行い、当社グループの気候変動における機会とサステナビリティ戦略の方針・計画等について議論・監督を行っています。また、取締役会では、定期的に外部有識者を招いて勉強会を実施する等、気候変動及びサステナビリティ経営に対するアドバイスを受ける機会を設けています。
戦略
当社グループでは、気候変動に伴うリスクと機会が当社グループの事業戦略に大きな影響を及ぼすとの認識の下、シナリオ分析に取り組み、気候変動が事業に与えるリスクと機会の把握及び対応策の実施に努めています。
リスクへの対応としては、気候変動による物理的リスク及び移行リスクのうち、物理的リスクから取り組みを進めており、中でも食品セクターに影響が大きいと言われている水の供給リスク及び原材料安定調達について検討を開始しています。
水の供給リスクに関しては、自社工場のうち水ストレスが高い地域に立地する拠点から優先的に、取水・節水といった水マネジメントが適切に実施されているか、また、地域と共に水課題の特定・水資源の保全活動が実施されているかを調査し改善を行っております。
原材料の調達リスクに関しては、安全・安心でサステナブルな原材料調達を進めるため、TCFDのフレームワークを活用し、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によるRCP2.6(2℃未満シナリオ)、RCP8.5(4℃シナリオ)及び国際エネルギー機関(IEA)によるシナリオ等を参照しながら、「環境ビジョン2050」「サントリーグループサステナブル調達基本方針」等の当社グループ方針に基づいて、将来的な原材料調達のありたい姿を描き、現状とのギャップに基づいて対策を見出すことで、より広範囲の環境・社会的なサステナビリティ課題にも対応していくことを目指しています。
リスク管理
当社グループでは、「リスク」を「グループの戦略や目標の達成に影響を及ぼす潜在的な事象」と定義しています。当社グローバルリスクマネジメント委員会において、海外グループ会社を含めた当社グループ全体のリスクマネジメントを推進し、毎年グループ全社を対象にした重要リスクの抽出・評価を行い、当社グループにとって優先的に取り組むべきリスクを気候変動を要因とするリスクも含めて特定し、グループ全体でリスクの低減活動を推進しています。これらの活動につきましては、その内容を当社取締役会において定期的に報告しています。
■リスク抽出・評価のアプローチ
抽出されたリスクに対し、「リスクエクスポージャー(発生可能性×影響度)」及び「対策レベル(対策の準備の度合い)」の二軸でヒートマップを作成し、特にグループ全体の重要リスクについて重要度を評価し、重要度の高いものを優先的に取り組むリスクとして特定しています。
■特定したリスクの管理方法
特定した優先的に取り組むべきリスクについては、責任者及びモニタリング機関を任命の上、リスクへの対応策を実施します。対応状況はグローバルリスクマネジメント委員会において報告・議論し、対応結果を踏まえて次年度の重要リスクを選定することで、抽出・評価・対策・モニタリングのPDCAサイクルを回しています。
指標と目標
当社グループでは、事業への影響が大きいと想定される気候変動及び水について、2030年を目標年とする中期目標として「環境目標2030」を、2050年を目標年とする長期ビジョンとして「環境ビジョン2050」を定め、取り組みを進めています。
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※1 製品を製造するサントリーグループの工場
※2 2015年における事業領域を前提とした原単位での削減
※3 コーヒー、大麦、ブドウ
※4 サントリーグループの拠点
※5 2019年の排出量を基準とする
水に関する取り組みにおいては、自然環境の保全・再生活動等、様々な取り組みをグローバルに推進しています。水を育む森を育てる「天然水の森」の活動を2003年から開始し、全国15都府県21ヵ所、国内工場で汲み上げる地下水量の2倍以上の水の涵養する約1万2千haまで拡大しており、引き続き当該活動を継続していく予定です。また、2021年には水の保全やスチュワードシップ(管理する責任)をグローバルに推進する国際標準の権威ある機関「Alliance for Water Stewardship」と連携協定を締結し、水のサステナビリティ推進のリーダーシップを担う企業に就任しました。これを機に、更なる水への取り組みを推進してまいります。
気候変動対策としてのGHG削減の取組みでは、世界各地域での再生可能エネルギー電力の導入を進めており、2022年末までに日本、米州、欧州の飲料・食品及び酒類事業に関わる全ての自社生産研究拠点63箇所で、電力を100%再生可能エネルギーに切り替えることを目指しています。また、内部炭素価格制度を順次導入し、2030年までに脱炭素を促進するための投資を実施する予定です。これらの取り組みにより、2030年に想定されるGHG排出量を、約100万トン削減することを目指しています。
(プラスチックに関する取り組み)
当社グループでは、2012年、国内清涼飲料業界で初めてリサイクル素材100%のペットボトルを導入したことを皮切りに、従来よりもCO2排出量を低減する世界初の「FtoPダイレクトリサイクル技術」を開発する等、長年にわたって技術革新を進め、積極的に「ボトルtoボトル」水平リサイクルを実用化・推進してきました。
2019年に策定した「プラスチック基本方針」では、“2030年までにグローバルで使用するすべてのペットボトルに、リサイクル素材あるいは植物由来素材のみを使用することで、化石由来原料の新規使用をゼロにする”という「ペットボトルの100%サステナブル化」の目標を掲げています。
(ダイバーシティ経営)
当社グループは、新たな価値創造に挑戦する「人材育成」及び従業員一人ひとりが最大限に力を発揮する創造性あふれる「職場環境づくり」を、重要な対処すべき課題と認識し、労働安全の徹底はもとより、健康経営の推進、長期的視野での成長機会の提供につとめています。
国籍や年齢などにとらわれることなく、人材の多様性を尊重し、多様な価値観や発想を取り入れ、活かすことでより大きな価値を創出する「ダイバーシティ経営」を基本方針とし、2011年にダイバーシティ推進室を設置しました。そして、誰もがサントリー社員としての自覚と考動、誇りを持ち、自らの心を解き放ち自分らしくいきいきと働ける職場、仲間の個性や多様性を強みとして活かす組織の実現に向け、2021年11月より、新たに「DEI (Diversity, Equity & Inclusion) Vision Statement」を制定しました。
また、従業員・家族の健康がサントリーの挑戦・革新の源であるという考えのもと、2014年に「健康づくり宣言」、2016年に「健康経営宣言」を行いました。Global Chief Health Officer(健康管理最高責任者)が中心となり、「健康経営」への取り組みを通して従業員と家族の“人間の生命の輝き”の実現を目指しています。
今後も従業員の健康で幸せに満ちた生活の実現をサポートし、DEI(Diversity, Equity & Inclusion)を積極的に推進してまいります。

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